卯ノ花さんの光源氏計画   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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なんか想定したよりも1500文字くらい多くなった。


一護、修行す

黒崎一護は初めてキツい修行というのを体験した。ルキアとの修行は大した事なかったと痛感していた。

 

 

「ほらほらぁ、もっと集中しないと死んじゃうよ〜」

 

 

「いや、いって‼︎こんな、目隠しして攻撃防げとか、無茶が、アダッ‼︎」

 

 

一護は双護が想定していた以上の強さを見せたが、それと同じ位想定外の不器用さであった。

 

多少不器用であっても多少のコツと方法を教えれば霊力の球を作る事は出来る。ましてや始解をするものであれば程度の差こそあれど中位の鬼道を放つ事くらいは出来る。

 

しかし、一護はまったく出来なかった。霊力の球はそもそも作れないか、作れても暴発して弾ける。試しに瞬歩を教えた際、唯一の成功例が岩山に激突した。

 

双護もそれなりの数の隊士を育ててきたがここまで不器用なのは誰もいなかった。

 

そこで方向性を変え、戦闘の中で霊力の操作を体に馴染ませていく事にした。今行っているのは、目隠ししながら迫り来る竹刀を防ぐ事で霊圧知覚の感覚を身につけさせるという修行だ。

 

 

「いやね、僕もこんな馬鹿げた修行はしたくないんだけど黒崎君、不器用だから…………ついイラっとして」

 

 

「今馬鹿げたって言ったな⁉︎じゃあこれはストレス発散かよ‼︎」

 

 

少しずつではあるが双護の攻撃に対応できるようになってきた一護。軽口をたたく双護だが内心では驚いていた。本能的なものに近いが少しずつ霊圧知覚をモノにし始めており、齧った程度の体捌きも洗練され始めている。

 

 

(僕にも黒崎君くらいの才能があれば……………高望みしすぎかな)

 

 

「そこだぁ‼︎」

 

 

「おっと、今のは中々良かったよ」

 

 

「掠った感じも全く無いのにそう言われてもな………………」

 

 

「黒崎君の斬月はかなり大きいからね。今のがむしゃらに振った攻撃くらいなら簡単に避けられるよ。それよりも、今君は目が見えない状態で僕の位置を当てた。これは死神の基本的な技術の一つで霊圧知覚っていうんだ。姿が見えなくても方向と位置の把握が出来たりする」

 

 

「じゃあ、これでルキアを助けに‼︎」

 

 

「君が斬月を呼んだ時の一撃を好きなタイミングで好きなように放てるようにならなきゃ犬死するだけだよ。あの技があってようやく隊長格と戦える可能性が出てくる」

 

 

「まじかよ…………死神って化け物ばっかなんだな」

 

 

「僕が可愛く見える化け物だって結構な数いるからね。僕も頑張らないとね」

 

 

嘘だろと呟く一護。2割程度の実力しかないという双護にさえ遊ばれるているというのにそんな双護が可愛いくみえる化け物がまだいるというのだ。

 

辟易とする一護だが、両頬を叩き気合いを入れる。ルキアを助けるために必要な事は強くなる事。泣き言を言ったところで戦うべき相手が弱くなるという訳でもないし、自分が強くなるというわけではない。

 

今必要なのは前を見て強くなる為に一歩、一歩を確実に踏み出すことなのだ。

 

 

「よし、続きを頼む双護さん」

 

 

「うんじゃあ目隠し外して只管僕と戦おっか」

 

 

「まじで?」

 

 

「今日と明日は一日中僕と戦って、明後日から別の人達と戦ってもらうから」

 

 

「まぁ、なんでも良いけどよ。ちゃんと強くしてくれよ」

 

 

「何処まで強くなれるかは君次第だけど…………最低限のところまでは意地でも強くしてあげるよ」

 

 

双護がそう言うと一護が真っ直ぐ斬りかかる。今の一護には技術や霊力操作など足りないものは多いが、1番足りていないのは経験だ。

 

技術などは一護程の才能と根性があれば誤魔化しは効くが、経験だけはどうしようも無い。

 

動きによるフェイント、言葉による精神的な揺さぶりやブラフ。そう言った事は経験しなければ対処する事も出来ない。

 

双護はリズムやある程度の太刀筋を変えながら一定にならないよう訓練しているが、双護だけでは限界がある。

 

 

「何時迄も余裕でいさせねぇぞ、双護さん‼︎」

 

 

そして何より、一護の異常ともいうべき一護の成長速度の前に2割の制限があってはそうした余裕を持って訓練をつけるという事が難しくなってくる。限定霊印をした状態では手を抜けなくなり始めているのだ。

 

始解をする前から巨大であったが、始解をした斬月は人1人分くらいの大きさはあったり

 

護廷隊士は始解をしない状態の斬魄刀の大きさは通常の日本刀程度の長さしか無い為、スピードで劣る事になる。

 

しかし、リーチと一撃の重さであれば一護に軍配が上がる。下位の席官以下であれば一護の一撃を受け止めるだけで吹き飛ばされるであろう。

 

 

「うん、まだ一撃が軽いな。今の僕でも簡単に受け止められるよ?まだ斬ることに迷いがあるのかな?そんなんじゃ合格はだしてあげられないな」

 

 

この発言は嘘だ。先を急ぐのであれば今の段階で尸魂界に突撃させてもそう簡単には死なないという確信がある。現に2割の双護が手を抜けなくなっているのだ。

 

三席といい勝負が出来るようになってきている。下手をすれば勝つことすら出来る可能性がある。

 

 

「う、る、せぇ‼︎」

 

 

一護が横凪の一振りで双護を後退させる。そして自身の霊圧を高める。修行を始めて2日目、目隠し訓練と並行して行っていた霊力の操作訓練によってある程度霊圧の上げ下げを自分で行えるようになった。

 

始解をした時の一撃以来放っていなかったが、一護はぶっつけ本番で双護に放とうとしていた。

 

 

高まった霊圧が斬月に収束され、凝縮される。

 

 

「怪我しないでくれよ……………月牙天衝‼︎」

 

 

双護は思わず目を見開いた。ちゃんと技を発動させられた事にも多少は驚いたが、一護口にした技名は一心の得意技と同じだからだ。

 

技の性質として似ているとは思っていたが何のヒントも無しにその名前に辿り着いた一護に才能とは別の何かがあると感じた双護。

 

 

「拗ねてないで助けて欲しいな、ヨミちゃん」

 

 

『………………………………』

 

 

普段であれば双護が始解してほしい時に応じてくれる月詠神楽であるが、一護が始解してからは能力の行使をヨミが渋るようになった。

 

一護が放った月牙天衝が影の壁とぶつかる。始解時は弾かれてしまったが、来ると分かっていれば受け止める事は出来る。

 

 

『やっぱり………………あいつ嫌い』

 

 

「確かに、この威力は嫌になるね」

 

 

月牙天衝を受け止めながら双護にそういう事では無いと言いたげに視線を向けるヨミ。

 

ヨミの無言の抗議に首を傾げたくなる双護だが、ヨミ自身が話そうとしない為聞くことが出来ないでいた。

 

月牙天衝を受け切ると地面は抉れていた。2割とはいえ、月詠神楽で受けることが精一杯な一撃と異常な成長速度。

 

 

(卍解出来れば………………………いや高望みし過ぎかな。でも、戦うには十分か。後は経験を積むだけだね)

 

 

「何ニヤついてんだよ」

 

 

「若いって良いなって思ってさ」

 

 

「いや、双護さんも見た目結構若いだろ」

 

 

「現世の人間で言えば君のお父さんよりも年上くらいなんだけど僕」

 

 

「まじかよ……………………うちの親父が老け過ぎなのか、いや双護さんが若く見え過ぎって可能性も……………」

 

 

「若く見えるってのは嬉しいけど手は抜かないから。というかそれでご機嫌取ろうとしてるならもっと厳し目でいくからね」

 

 

「いや、理不尽‼︎」

 

 

こうして一護の濃密な修行は進んでいくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浦原商店の電話を借り、双護はとある人物に電話をしていた。

 

 

「ほんで?その黒崎一護っちゅーガキを鍛えたったらええんやな?」

 

 

元五番隊隊長、平子真子だ。

 

 

「うん、ひよりちゃんの遊び相手くらいにはなれるから」

 

 

「なら尚更おのれが鍛えたらんかい」

 

 

「そうしたいのは山々なんだけど、ヨミちゃんが黒崎君の事……………というより斬魄刀の方が苦手みたいで」

 

 

「俺らと同類かもしれんっちゅーことか」

 

 

ヨミが斬月を苦手にしていると聞いた平子は興味深そうに唸る。

ヨミは魂魄消失事件で失踪した隊長格の斬魄刀を苦手としている。それは彼らがその身に虚を宿しているからだ。

 

 

「他にも理由はありそうだけど………………その可能性は高いと思うよ」

 

 

平子達を苦手にしているのは一護と同様だが、一護ほど毛嫌いしているわけでは無い。

訳も無く誰かを毛嫌いするような斬魄刀では無いと知っているからか平子達以上に一護を毛嫌いしているのは理由があると双護は考えていた。

 

 

「そういう事なら引き受けたるわ。あのアホ共がビビり散らかす位には強くしたる。虚の屈服までは保証せんで」

 

 

「うん、それで十分。むしろ虚の屈服には手をつけなくて良い。今の黒崎君なら仮面付けなくて大丈夫だと思うから変な刺激いれたりしないでね」

 

 

平子達は虚に身を侵食され命の危機を迎えていたが、浦原の協力も有り身に宿した虚を屈服させその力を自由に行使出来るようになった。

 

まだ虚の気配すら見せていない一護が平子達と同じであるとするなら何かの拍子に目覚めてしまうということが起きかねない。

 

平子達と同じように虚を屈服出来れば心強いが、それをするには時間が足りなさすぎる。

 

余計な問題も引き起こしかねない為念を押した双護だった。

 

 

「ひよりのアホにはよく言っとくわ……………例の件頼んだで」

 

 

平子達は基本的にマイペースで個性が強いが、分別ある大人である。しかし、猿柿ひよりは感情が表に出やすく人見知りをする傾向がある。

 

一護がひよりの逆鱗にふれるような事があればひよりは一護を殺す為に虚の仮面を被るだろう。

 

一護の中に眠っているであろう虚の力を余計なトラブルで呼び覚ます事は避けたいのだ。

 

 

「準備進めてるところだし大丈夫だよ、それじゃ黒崎君の事よろしくね。おやすみ」

 

 

そう言うと双護は受話器を置いた。

 




まぁある程度強くなってから尸魂界いこうね?って感じです。

まぁ黒崎くぅんの成長速度はチートが過ぎる。そして双護君はお前が言うなオブザイヤー受賞。

双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。

  • 涅ネム (マユリ印ヒロイン)
  • 虎徹勇音  (長身系真面目臆病風妹)
  • 砕蜂    (一途な真面目ちゃん)
  • 雛森桃  (正統派美少女)
  • 四楓院夜一  (褐色お姉さん)
  • その為 (活動報告にお願いします)
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