卯ノ花さんの光源氏計画   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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恋次、決意する/砕蜂、拳を握る

 一護達、旅禍の侵入というのは瀞霊廷に激震を走らせたが、それ以上の震撼を走らせることとなった。

 

 五番隊隊長藍染惣右介の殺害。現場検証をした双護、検死をした烈の報告では正面からこれといった抵抗も無く殺されたとのこと。一応現場には戦闘の形跡らしきものがあったが、隊長が正面からの殺害を受けたという事で四十六室は犯人を旅禍と断定。

 

 旅禍の存在を危険視した四十六室はルキアの裁判を省略し、死刑を宣告した。理不尽かつ横暴な決定に複数の隊長達が反対を表明、しかし綱彌代家と朽木家という四大貴族のうちの二つが賛成を表明した事で反対を唱えていた隊長達は渋々引き下がる事となった。

 

 

「………………というのが君が寝てた間に起きた事。理解してね」

 

 

「色々聞きたい事はあるけどよ、死刑はいつだよ」

 

 

 双護の行きつけの居酒屋の奥にて目を覚ました一護を待っていたのは神妙な顔をした双護だった。

 

 そして突然の報告と飛び込んでくる情報量からパニックになりそうになるがその中で最も重要な項目であるルキアの処刑について聞いた一護。

 

 

「一週間後。という事でこっちの予定も変更する事になった。黒崎君にはこれから卍解を習得してもらう。詳しい話は向こうで指導役の人がしてくれるから」

 

 

「いや、さっきから重要な情報がサラッと流れ過ぎなんだよ‼︎というか井上達はぶ………………」

 

 

 騒ぎ出す一護に白伏をかけ静かにさせる。そして双護は指を鳴らし隠密機動の隊士を呼ぶ。

 

 

「この子を砕蜂副隊長の所まで運んでくれ。後の事は砕蜂副隊長に任せてある」

 

 

 膝をついた状態で現れた隊士は小さく頷くと一護を担ぎその場を後にした。

 

 

「さ、これで邪魔者はいなくなったし要件は何かな? 阿散井君」

 

 

「双護隊長、お話…………というより、お願いがあります」

 

 

 隊士が離れていったのを確認すると双護はいつのまにか背後に立っていた恋次に声をかける。

 

 双護が恋次の方を向くと、深々と頭を下げた恋次の姿があった。

 

 

「俺を鍛えてください‼︎」

 

 

「確かに今は塾もやれてないからね。けど僕もちょっと忙しくてね。訓練なら白哉君にでも頼み「ルキアを救う為です‼︎」ふぅん………………」

 

 

 若手隊士向けに開催されている卯ノ花塾は双護が独自で行なっているものであり、若手隊士で入塾する者は多い。

 

 恋次も卯ノ花塾の受講生であり、優秀な生徒の1人である。

 

 

「ルキアちゃんを救うって事は護廷隊に叛逆するって事だけどいいの?」

 

 

「良い事じゃ無いってのは理解出来ます………………ただ、一護の奴と戦ってからこのままじゃいけないって思ったんです。やっぱり俺はアイツを、ルキアを助けてぇ‼︎その後の事はその時考えます」

 

 

 力強く訴える恋次。その意志の強さを秘めた瞳は血は繋がっていないが一護と似たものがあった。

 

 双護はルキアと恋次の関係を知っていた。流魂街きいた時からの付き合いで、霊術院の同期である事も。

 

 また、ルキアが朽木と名乗る事になるきっかけも知っている為恋次の気持ちも分からない訳では無かった。

 

 

 

「君は今ここで僕に斬り捨てられる可能性は考えて無かった?」

 

 

 恋次からすれば一護を匿っていたとはいえ、双護がルキア救出の為に手を貸すかどうかは別の話である。ルキアを助けるという瀞霊廷に叛くという事でそれを守護する護廷隊の隊長たる双護にも敵対の意思を示す事となる。 

 

 隊長としてこの場で反逆者として殺される可能性もあるというのに迷いなく指導を頼む恋次。

 

 

「双護隊長が教えてくれた事です。男の仕事8割は決断する事、そこから先はおまけみたいなものだって。俺はルキアを助けると決めたんです。ここでアンタに斬られることになっても一矢報いてみせます」

 

 

「白哉君は僕みたいに甘くないよ」

 

 

 恋次は熱血で直情的なところがあるが馬鹿では無い。一護のように護廷隊関する情報がない訳でも無い。ルキアを助ける上で最も大きな障害となるのが隊長の存在である。

 

 各自任務がある為複数の隊長を相手取るという事は基本的に起こらないが、それでも大きな障害である事に変わりない。

 

 そんな隊長の中で恋次が最も知る隊長は双護を除けば上官である白哉となる。斬魄刀、戦い方などを最も知る白哉を狙うのは自然な流れと言える。

 

 

「問題有りません。俺はあの人を倒してルキアを救う」

 

 

「そっか、じゃあいつもの''教室''行こうか」

 

 

 そういうと双護は恋次を連れて居酒屋を出た。双護のいう教室とは、卯ノ花塾で双護が使っている道場の事だ。ぱっと見はただの屋敷であるが、地下室があり、そこは浦原商店の地下と似たような空間となっている。

 

 一部の生徒からは青空教室とも呼ばれており、土地の管理者である双護と生徒以外は立ち入れず監視の目も緩い。

 

 隊士を訓練するだけであれば怪しいことは何も無いため使用が出来る。

 

 入り口の戸を閉め、教室のある屋敷へ向かう二人。

 

 

(思わない所で手札が増えちゃったな………………でも黒崎君達の侵入で向こうもこれは予想済みかな?)

 

 

「双護隊長? どうしたんすか、急に黙り込んで」

 

 

「時間が無いからね。めちゃくちゃハードモードで行くよ。大丈夫、手足が繋がってるなら何とかなる」

 

 

 尻尾らしい尻尾を出していない敵を警戒する双護。急な変化を察知したのか、恋次が心配そうに声をかける。

 

 双護は咄嗟に恋次の修行メニューを考えていたような言い訳をする。

 

「望む所っす‼︎」

 

 

 すると、納得したのか恋次は力強い瞳でしっかりと答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所は変わり、浦原や夜一達が使用していた秘密基地にて。

 双護に指定された洞窟にたどり着き、どうしたら良いのか分からなかった為とりあえず一護を放り投げた。未熟であるとはいえ、刳屋敷剣八と戦って五体満足で生き残れる一護なら多少雑に扱っても問題無いだろうとの判断だった。

 

 

「なるほど、確かに志波海燕に似ているな」

 

 

 仮死状態となっている一護の寝顔を見てそう呟く砕蜂。かつて十三番隊に所属していた天才。数少ない霊術院を飛び級して卒業し、噂では近々浮竹に成り代わって隊長になるとも言われていた。

 

 しかし、虚の襲撃に遭い殉職した。京楽、双護、浮竹の連名での要請により隊葬は行われなかったという事までは記憶していた砕蜂。

 

 海燕と面識が無いわけでは無いが、見た事ある面影に何か感じる砕蜂であった。

 

 

「元気そうじゃの、砕蜂」

 

 

「四楓院………………夜一‼︎」

 

 

 霊圧があるのは感じていた砕蜂。双護の命令で目立つような戦闘はいかなる場合も避けるようにと言われていた為抑える事が出来ているが、その命令が無ければ今すぐ夜一に殴りかかっていた。

 

 

「久しぶりの再会というのにつれないの」

 

 

「抜かせ。双護殿命令が無ければ貴様などこの場で縊り殺している所だぞ、せいぜい感謝しろ」

 

 

「双護の奴が白伏をかけたのならあと半日は目を覚まさんじゃろ。どうじゃ、少しゆっくりしてかんか?」

 

 

 砕蜂は自身に青筋が立つのを感じた。馴れ馴れしく双護の名前を出し、自分は良く双護を知っているというような発言に聞こえた砕蜂。

 

 

「お前のような奴があの人名を口に出すな‼︎せいぜい双護殿の足だけは引っ張るなよ。もし、足を引っ張るようならそこの旅禍共々貴様を殺す」

 

 

「この奥なんじゃがな、かなり広いスペースがあっての。昔は双護も喜助もここで訓練を積んだもんじゃ。どうじゃ? 少し''ゆっくり''してかんか?」

 

 

 砕蜂の怒りなど知った事では無いとばかりに普段通りに話す夜一。そんな夜一に対して更に怒りが増す砕蜂だが、夜一の言うゆっくりの意味だけは素直に理解出来た。

 

 

「茶とかは出してやれんが、多少のもてなしならしてやるぞ?」

 

 

「構わん、代わりに私が貴様のニヤケ面に一発お見舞いしてくれる」

 

 

 そう言うと砕蜂と夜一は洞窟の奥へと姿を消していった。




恋次君の台詞で言っていた「男の仕事の8割は決断、そこから先はおまけみたいなものだ」は仮面ライダーWの主人公、左翔太郎の師匠的存在にしてWのおやっさん枠、鳴海壮吉さんのお言葉です。みんなも仮面ライダーシリーズ見ようね!!

という訳で次回は砕蜂VS夜一さんだぞ!!書きたかったバトルその2!!

最近砕蜂のイラストめっちゃ練習してるせいか俺の中の砕蜂のヒロイン力が高い。

そしてやっぱり双護といる時の甘々砕蜂よりツンツンしてる方がイメージしやすい可愛い。いや両方可愛いけど。

双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。

  • 涅ネム (マユリ印ヒロイン)
  • 虎徹勇音  (長身系真面目臆病風妹)
  • 砕蜂    (一途な真面目ちゃん)
  • 雛森桃  (正統派美少女)
  • 四楓院夜一  (褐色お姉さん)
  • その為 (活動報告にお願いします)
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