卯ノ花さんの光源氏計画   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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ぶっちゃけると天候操作する能力って強いか?と思ってたけど雷雨の時とか台風の事思うとやっぱ天候操作ってチートだわ。


双護、キレた⁉︎

「貴様の事だから私の斬魄刀の能力はある程度気づいているのだろう?」

 

 

「面白い能力だとは思うよ。使い手のせいで能力を活かしきれてないのが可哀想だよ」

 

 

「言うじゃないか………………これならどうだ? 穿て『厳霊丸』」

 

 

 始解した艶羅鏡典には刀身が無い。時灘が厳霊丸の解号を唱えると無だった刀身がレイピア状に変化した。

 

 そして時灘が艶羅鏡典を突き出すと刃先から雷が飛び出す。しかし双護は防御する事なくその雷を避けながら距離を詰めていく。

 

 

「万象一切灰塵となせ『流刃若火』」

 

 

 レイピアとなっていた艶羅鏡典は燃え盛る炎へと変わる。時灘が横凪に振るうと炎は双護を焼き尽くさんと双護に向かっていくが双護は飛び上がりその攻撃を回避する。

 

 

「何が狙いか知らないけど、厳霊丸も流刃若火も話にならないね」

 

 

 幼い頃から師事していた雀部の厳霊丸や元柳斎の流刃若火は誰よりも見てきた双護。使い手には遠く及ばない威力しか出ていない時灘の攻撃では双護に掠らせる事すら叶わない。

 

 

 

「これなら、どうかな? お早う『土鯰』」

 

 

 艶羅鏡典は再び形を変え、円状の武器チャクラムのような形になった。そして時灘がそのまま地面を殴ると双護に目掛け巨大な土で形成された槍が隆起する。

 

 

「〈神奈月〉」

 

 

 双護の周囲に展開していた影が刃に収束される。そして双護はそのまま横凪に振るい土鯰が形成して土槍を破壊する。

 

 

「流石は卯ノ花だよ。この程度じゃ擦り傷すらつかないか」

 

 

「始解そのものを模倣する斬魄刀…………模倣する種類に上限が無いなら少し怖いけど使い手によってここまで変わるならそこまでかな」

 

 

「確かに我が斬魄刀、艶羅鏡典は使い手の霊圧によって模倣する斬魄刀の威力に差異が生まれる。だが、私の霊圧なら大抵の雑魚の斬魄刀よりはマシな威力になる」

 

 

 

「僕が言いたいのは霊圧の話じゃないんだけどね」

 

 

 時灘は四大貴族の血筋らしく霊圧は一般的な死神のそれを遥かに凌駕しており、隊長クラスの霊圧を持っている。

 

 艶羅鏡典は使い手の霊圧によって模倣する斬魄刀の威力が大きく変わる為霊圧で劣る元柳斎や雀部の斬魄刀を模倣したところで劣化にしかならない。

 

 

「何が言いたい」

 

 

 双護の冷静な反応は時灘の思っていた反応とは違っていた。大抵の死神であれば複数の斬魄刀を扱う事に少なからず動揺が生まれるし、総隊長の斬魄刀を使われれば驚愕する筈だ。

 

 威力も元柳斎や雀部に及ばないとはいえ、充分すぎる火力が出ていた。それなのに事前に知っていたかのように楽々と避けた。

 

 知り合いの斬魄刀を使われ驚きや怒りで動きが鈍った所を叩くつもりであったのに楽々と避け、上から目線で時灘に指摘をする余裕もある。

 

 時灘としては面白くない。

 

 

「お粗末なのは威力じゃなくて技量だよ。斬魄刀は何の訓練も積んでないボンボン崩れに扱える代物じゃないんだよ」

 

 

「私は君みたいに年がら年中棒切れを振り回してるような猿じゃないし、棒切れに時間を使ってられる程暇じゃないんだよ」

 

 

「その猿にちょっと言い返されただけで青筋浮かべてるようじゃお忙しい貴族様も底が知れるね」

 

 

「もう少し遊ぶつもりだったが………………お前を殺す。瑞祥屠て生まれ出で、暗翳尊び老いさらばえよ『餓樂廻廊』」

 

 

「やってみなよ〈天魔影狼〉」

 

 

 時灘が次に繰り出したのは刳屋敷の斬魄刀、餓樂廻廊。特殊な事情により瀞霊廷内での卍解を禁じられている唯一の斬魄刀。

 

 その威力は始解といえど他の斬魄刀の卍解と同等である。刳屋敷本人の解放であれば双護も戦い方を考えなければならないほどの威力である。

 

 それに対して双護は展開していた影を媒介に黒く巨大な狼を呼び出す。

 

 

「ヨミちゃん、頼んだよ」

 

 

『大丈夫、ホンモノじゃないならヨミは負けない』

 

 

 月詠神楽という斬魄刀は能力の応用はかなり利くのだが、斬魄刀としての火力はさほど高くない。それこそ、刳屋敷が操る餓樂廻廊や元柳斎の流刃若火には力負けしてしまう。

 

 巨大な狼となったヨミは十数体に分裂し、そのサイズは人程の大きさとなる。分裂し終えると餓樂廻廊目掛けて突撃をする。

 

 時灘は背後に蠢く餓樂廻廊の全てを双護とヨミに向けて放つ。

 

 

「瞬閧」

 

 

 双護が呟くと斬魄刀から爆炎が吹き荒れる。瞬閧とは隠密機動総司令に代々受け継がれてきた鬼道と白打を合わせた高等技術なのだが、双護はそれを独学で覚えた。

 

 夜一や砕蜂も瞬閧を扱えるが双護のソレは少し特殊であり鬼道の斬術を合わせたものとなっている。

 

 

「隠密機動の秘技か。四楓院に取り入ってまで覚えた価値はありそうだな」

 

 

「これは独学で覚えたんだけどね」

 

 

 餓樂廻廊を掻い潜りながら一体ずつ斬り落とす双護。双護の瞬閧にはもう一つ特殊な面がある。

 

 瞬閧は高い練度での鬼道が求められる為、その属性は使い手の得意なものになる。双護は炎と風の属性を同時に使用する。

 

 

「なるほど、2つの属性を混ぜて高威力にしてる訳か。通りで私の餓樂廻廊が斬られる訳だ」

 

 

「刳屋敷さんのだけどね。これで、お終い」

 

 

「いや、まだだよ」

 

 

 時灘の懐に飛び込みそのまま袈裟斬りしようとするが双護の攻撃は時灘が変化させた斬魄刀によって受け止められていた。

 

 

「しまっ「双魚の理」」

 

 

 尸魂界に二振りしか存在していない二刀一対の斬魄刀、双魚の理。使用者は十三番隊隊長の浮竹十四郎。

 

 その形状の特殊さと能力を双護は浮竹を除く誰よりも把握していた。その能力は鬼道系の霊圧が込められた攻撃を吸収し跳ね返すというもの。

 

 また、双魚の理を繋ぐ五枚の札と綱により跳ね返すタイミングを調整し相手のタイミングをずらす事が出来るという厄介な能力。

 

 直接的な攻撃には意味を成さないが、今の双護の攻撃は高密度の鬼道を纏った状態であり、それがそのまま自分に跳ね返るのだ。

 

 

「やられたよ………………」

 

 

「ふむ、影のガードで致命傷になるのは避けたか」

 

 

 餓樂廻廊が消えたことでフリーとなったヨミが咄嗟に防御に入るが若干遅れてしまった事で直撃では無いにしろダメージを受けてしまった双護。

 

 隊長羽織の一部は焼け焦げ、一部やけどが出来ていた。双護は時灘から距離を取り、やけどしてしまった箇所に回道をかける。

 

 

「おや、来客のようだね」

 

 

「双護殿‼︎助太刀に参りました‼︎」

 

 

 双護の霊圧に異変を感じた砕蜂が現れ、双護の前に立つようにして時灘と対峙する。

 

 

「これはこれは…………二番隊副隊長殿じゃないか。ご主人のピンチに駆け付けたという事か。お勤めご苦労だな、忠犬」

 

 

「双護殿から聞いていたが、四大貴族の分家とやらがどんな奴が気になっていたが聞いてた以上に小物だな。こんな小物に付き纏われて双護殿、心中お察しします」

 

 

 蛆虫の巣を二番隊が管理している以上、過去の大きな事件についてある程度の把握をしている砕蜂。双護の霊術院時代に起きた事件について調べている際時灘について知ったのだ。

 

 自分よりも位の低い死神に小物呼ばわりされた事に若干の苛立ちを感じる時灘であったが双護の交友関係について把握している彼はすぐに冷静さを取り戻し、咄嗟に思いついた作戦に口元が緩むのを感じた。

 

 

「良かったじゃないか卯ノ花、自分のピンチに駆け付けてくれる部下がいて。貴様が取り入ってる四楓院家の長女も尸魂界に帰ってきたし、疑いも晴れて万々歳じゃないか」

 

 

「貴様…………何が言いたい」

 

 

 砕蜂は雀蜂を解放し、構える。時灘の斬魄刀の能力は砕蜂にとって不明であるが、双護がダメージを負わされている以上砕蜂にとって時灘はこれ以上無い警戒すべき相手となっている。

 

 

「私はお前には話しかけて無いんだ、肉便器は黙っていてくれないか。そうだ、四楓院夜一も帰ってきた事だし私があいつを貰ってやろう」

 

 

「貴様……………………」

 

 

「性格は気に入らんが顔と身体は悪くない。どうせお前は四楓院夜一に捨てられてるんだ。今更誰が貰おうと関係無いよなぁ。それにお前には情けない自分を守ってくれる肉便器があ「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎」………………隙ありだ」

 

 

「しまっ⁉︎」

 

 

 砕蜂が現れた時、時灘は艶羅鏡典を双魚の理にしていた。砕蜂としては浮竹と同じ形状である事に疑問は抱いていたが、情報がない以上気をつけるという事以外警戒のしようがなかった。

 

 迂闊に突っ込むのは危険であり、精神的な揺さ振りから生まれる隙は命の危険に直結する事を知っている筈の砕蜂。

 

 自分が肉便器と蔑まれるのは思う所が無いわけではないが特に気にはしていなかった。双護や二番隊、護廷隊をよく思わない一部の者たちの間でそう揶揄されているのを知っていたからだ。

 

 しかし、敬愛していた夜一に対しての下卑た発言、双護と夜一2人の想いを知ろうともしない輩が2人の関係を語った事、そして何より誰よりも慕っている双護を蔑んだ事が許せなかった。

 

 怒りの限界点を迎えた砕蜂は高速で時灘との間合いを詰め雀蜂を突き出す。

 

 しかし、怒りにより単調になった砕蜂の動きは如何に速くても時灘にとって対応するのは簡単な事だった。

 

 

「掻きむしれ…………『疋殺地蔵』」

 

 

 赤子の顔の意匠がされた金色に輝く毒々しい刃の斬魄刀に変化する艶羅鏡典。

 

 警戒を忘れ、怒りのままに時灘へ突っ込んだ為、回避出来ない体勢になっていた砕蜂。

 

 防御出来ない状態であった為、反射的に目を瞑ってしまう。

 

 

「そう………………ご殿………………」

 

 

 しかし、いつまでも痛みが来ない事を疑問に思い、恐る恐る目を開けると砕蜂を庇うように時灘の攻撃を背中で受ける双護の姿があった。

 

 

「間に合って良かった」

 

 

「も、ももももも申し訳…………」

 

 

「砕蜂ちゃん、謝罪とか反省は良いから夜一と合流してくれるかな」

 

 

「は、はい」

 

 

 自分の不注意で余計な傷を負わせてしまった事実にパニックになりかけるが双護の声で若干、落ち着きを取り戻す。

 

 砕蜂は双護に言われた通り、この場を離脱し夜一の霊圧がする方へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 砕蜂が離脱したのを確認すると双護は月詠神楽を杖にしながらゆっくりと立ち上がる。

 

 

「あの程度の軽口で取り乱すようじゃ隠密機動も底が知れるな」

 

 

 双護の雰囲気が変わった事に気が付いていないのか、全く気にする様子も無く嘲笑する時灘。直後、時灘から鮮血が舞った。

 

 

「立てよ、お前に人を怒らせたらどうなるかってのを教えてやる」

 

 

 

「ばけ…………ものがっ‼︎」

 

 

 時灘が使った疋殺地蔵の能力は脳と四肢の神経を麻痺させ、動かすという動作を封じ痛覚だけを残すという斬魄刀。

 

 今の双護には斬られた痛みと疋殺地蔵の能力で半身が動かせない状態にあるはずなのだ。

 

 それなのに双護から放たれる霊圧は殺意に満ちており、空間の震えが止まらなくなっていた。

 

 そして時灘は再び京楽の言葉が過った。

 

 

『このまま行けば君は怒らせちゃいけない人を怒らせる事になる』

 

 時灘背に久方ぶりの冷や汗が流れ落ちた。

 

 




砕蜂は煽り耐性が低めな気がするの俺だけ?沸点低いのが可愛い。ちゃんとメンタル面も成長するから許してにゃん。

、砕蜂が突撃した事で双護と砕蜂、時灘の間に距離が出来て割と反射的に瞬歩で砕蜂庇いにいってます。咄嗟の事で慌ててたのと反応が遅れた事でヨミちゃんガードが間に合いませんでした。

次回で時灘VS双護決着です。

双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。

  • 涅ネム (マユリ印ヒロイン)
  • 虎徹勇音  (長身系真面目臆病風妹)
  • 砕蜂    (一途な真面目ちゃん)
  • 雛森桃  (正統派美少女)
  • 四楓院夜一  (褐色お姉さん)
  • その為 (活動報告にお願いします)
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