一護達が虚園で激闘を繰り広げている中、藍染惣右介は王印を造る為に軍団を引き連れ空座町へと進軍したが、そこには元柳斎を含めた隊長格の面々が待ち構えていた。
現世への被害を減らす為、浦原は流魂街に空座町とそっくりの模型を作り、結界にて空座町と偽の空座町を入れ替えていたのだ。
織姫を救出した一護が参戦するも、護廷隊は敗北。浦原や一心、夜一らも戦うが崩玉と融合を始めた藍染に歯が立たなかった。
手持ちの駒を使い護廷隊を撃退した藍染は腹心である市丸ギンを引き連れ尸魂界にある本物の空座町へと向かった。
「胸に穴が空いて死ぬんや、本望ですやろ?」
「な………にを、す………る」
しかし、藍染の隙を窺っていたギンに謀反を起こされた。藍染は彼の幼馴染である十番隊副隊長の松本乱菊の魂魄の一部を奪っており、ギンはその復讐の機会をずっと窺っていた、目的の大半を達成し隙が生まれるその瞬間を。
ギンの斬魄刀、神鎗の卍解である神死鎗は一見始解と大差無く、伸縮のスピードと距離が伸びただけのように思えるが隠された本当の能力があった。
伸縮する際、一瞬だけ塵になりその一部を相手の体内に残す事で刃に含まれている魂魄の細胞を溶かす猛毒を相手の体内に忍ばせる事が出来る。
そして「殺せ」の解号でその毒を回らせ相手を内部から破壊させる事が出来る。
「乱菊……………終わったで…………」
やっと終わったと一息つくギン。藍染に復讐すると決めたその日から長い年月をかけてきた。本音を晒す事は滅多にせず、藍染に取り入り隙を窺う為に全てを費やし、全てを捨ててきた。
可愛い部下や最愛の幼馴染すら捨て復讐の為に全てを費やしてきたギン。護廷に叛逆した罪は重くこのまま捕らえられれば重い罰が課せられるのは確実であった。
もう乱菊と再開する事出来ないであろうが、自分がいなくなった世界で彼女が笑っていられる世界を祈りながらゆっくりと目を瞑る。
「まだ終わってないよ、ギン」
そう言われ、ハッと我に帰ると目の前には殺した筈の藍染が斬魄刀を振り上げていた。
ギンは死を確信するのと同時に自分の浅はかさを呪った。藍染惣右介の全てを警戒していながら、油断した隙を狙っておきながら殺し切れていなかったのだ。油断していたのは自分の方だったのだと。
しかし、いつまで経っても斬られた痛みが来なかった。ギンがゆっくり目を開けると自身と藍染の間に割って入るように双護が現れ、藍染の攻撃を受け止めていた。
「なん「邪魔」ガッ⁉︎」
いきなり現れ、何故か助けてくれた双護に何でと聞こうとしたギンだったが邪魔という一言共に双護に蹴り飛ばされてしまった。
「君には色々と取ってもらわないといけない責任があるんだ。一先ずはそこでゆっくり休んでなさい。あ、逃げないでよ?君を探すのは面倒くさいんだから」
瓦礫に埋もれているギンに対しビシッと指を差しながら話す。
「んなアホな。双護さんが思いっきり蹴ったせいで暫く動けませんわ。ここでゆっくり見させてもらいます」
「さて、もう良いかな?」
ギンと双護の会話がひと段落するのを待っていた藍染が双護に声をかける。
「あぁ、ごめんね惣右介。ここじゃなんだから少し移動しようか」
そう言うと双護は懐から白布を取り出し自分と藍染の周囲を旋回させる。千反白蛇という技で白布を自身と対象の周囲に展開させ、瞬時に遠くへと移動するというものである。
ギンは双護と藍染の霊圧が遠かったのを確認する
と小さく笑みを浮かべた。
「ボクもまだまだアカンなぁ…………………双護さんは大丈夫やろうけど、あの子大丈夫やろか」
思い浮かべたのはまだ幼さの残る少年、一護だった。初めて見かけた時に比べ様々な経験を経て段違いに強くなっているが、それでもギンから見ればまだ未熟な部分が多い少年だった。
勝負に勝つという強い意志とそれを叶える為の技術と力を身につけつつあるが、命をかけたやり取りの経験値が足りていなかった。
端的に言えば相手を殺すという意思に欠けている上に自分の力を全て使い切る事に迷いが感じられた。
一護の経緯や能力の事を考えれば迷う気持ちも分からないでもなかったギン。
双護や藍染が高く買う程の才能があるのは確実だが、未だ未熟なこの少年をこれ以上巻き込めないと逃そうとしていた。
「まぁ、あとは双護さんが何とかしてくれるやろ」
「あんたは人任せにする前に言う事あるんじゃないの」
起き上がって逃げる事も出来ない為、少し寝てしまおうかと考えた矢先、見知った霊圧が現れた。
「なんや、来てたの。乱菊」
十番隊副隊長、松本乱菊だった。現世での戦いの際、藍染に殺害を命じられギンは白伏で乱菊を仮死状態にしていた。
白伏の持続時間はそこまで長くない為、追いかけてくるかもしれない。なんて考えがあったが本当に追ってくるとは思ってもみなかった。
「私はあんた追いかける為に着いてきただけよ」
乱菊の視線の先には伸びたオレンジ色の髪をたなびかせ、黒い死覇装と漆黒に煌めく斬魄刀を携えた青年、黒崎一護だった。
現世で戦った時はまだ幼さの残る顔立ちだった一護だったが、今、ギンの目の前にいるのは歴戦の戦士のような雰囲気をしていた。
「着いてきた?何を言うて……………あぁ、なるほど」
乱菊とほぼ同時に来ていたのだろうが、一護の霊圧を全く感じられなかったギン。
崩玉と完全に融合し覚醒した藍染の近づくだけで息の詰まるような霊圧は無い一護だが、その雰囲気は剣を握っている時の双護と似通っていた。
死神の強さは霊圧で決まると言っても過言ではなく、霊圧の低さは戦闘力の低さに直結する。ギンが今感じている霊圧の無さでは藍染に勝つビジョンは到底見えないのだが、不思議と納得出来たギン。
「悪ぃけど、ここは頼むぜ。乱菊さん」
乱菊に一瞥する事もなく、双護と藍染の霊圧がする方へと目線を向けている一護に乱菊は無言で頷く。
「ちょ、待ちぃや」
身体を起こしながら一護を呼び止めるギン。それに対し一護はギンに視線を向けるだけで何も言わない。
「良い目になっとる、今の君なら大丈夫や。頑張りや」
「あぁ」
一言答えると一護は藍染と双護が戦っているであろう方角へと飛び去っていった。
「若いってエエなぁ……………なんか羨ましくなってきたわ」
「何が羨ましいよ」
「なぁ…………乱菊」
「何よ」
「今までごめんな、何処か行くのもこれで最後や。もう少し待っててくれるか?」
ギンの後方に隠密機動の隊士が数名現れた。
復讐の為に護廷を裏切った罪の重さというのをギンも分かっていた。仮に藍染を首尾よく殺せたとして、生き残ったとしても罪に問われる事は間違いないと分かっていた。藍染の指示とはいえ多くの隊士を傷つけたのだ。
その報いは受けなければならなかった。
「ここまで待ったもの。あと少しくらいどうって事無いわ」
乱菊は笑顔でギンに応える。乱菊もギンが罪に問われるであろう事は分かっていた。
ギンが行ってきた今まで行動はよく分からなかったが、昔言われた「乱菊がもう泣かんでもエエようにしたる」という言葉から自分の為に何かをしているということは察していた。
ただ、乱菊としては側にいてほしかった。少しでも近いところに居たくて護廷の門を叩いた。しかし、近づこうとすればするほど自分の手の届かない所行こうとするギン。
必死で伸ばし続けてきた手がようやく届きそうな所まできたのだ。今、乱菊の中にあるのは安堵だけだった。
「市丸ギン。護廷叛逆の罪で貴様を連行する」
「ほなな、乱菊」
手枷をかけられる隠密機動の隊士がギンを引き連れていった。ゆっくりと遠ざかるその背中を眺めながら乱菊は目尻から流れる涙をゆっくりと袖で拭った。
ギンむずいっす。
自分の中でやっと完結までの道のりが明確に見えました。もう少しお付き合いください。
双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。
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涅ネム (マユリ印ヒロイン)
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虎徹勇音 (長身系真面目臆病風妹)
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砕蜂 (一途な真面目ちゃん)
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雛森桃 (正統派美少女)
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四楓院夜一 (褐色お姉さん)
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その為 (活動報告にお願いします)