side リンディ
こうしてクロノとのじゃれあいを見てるとただの女の子よね…
クロノと同い年くらいかしら?
クロノも子供らしくなってるし…少しからかってみるのもいいわね。
「あらあら、クロノがこんなにとりみだすなんていつ以来からかしら」
私の発した言葉にクロノは赤面し、
彼女の方は心底驚いた様にこちらを見ている。
まぁ、彼女が驚くのも無理ないわね。
だって彼女が寝ている間にクロノに席を譲ってもらったのだから。
(にしても寝顔可愛かったなぁ…私の子にしちゃいたいぐらいだったわ)
私がそんなことを思っていると件の彼女が声をかけてきた。
「あのぉ~、いつからそこに?」
ちょっとだけいじわるしてみようかしら…
「あなたが寝ている間に来たの、そ
れから可愛い寝顔もじっくりと見させてもらったわ」
彼女の顔が一瞬で赤くなる
(いいわぁ、クロノとまた違う良さがあるわね)
でも、私的な行動はここまで。私は思考を切り替え彼女に質問する。
「ねぇ、あなたのお名前は?」
すると彼女は表情を少し硬いものにして答えた。
「山藤 澪」
「お歳はいくつなのかしら?」
「歳?9歳なのかな?……うん、9歳。」
なぜ歳を言う時につまったのかしら?
…9歳?
それにしては少し…その…いい体してるわね、将来有望ってとこかしら?
「まてッ!君は本当に9歳なのか?」
「女性に歳のことでしつこく追及するなんて紳士としてどうかと思うよ?」
「なっ!き、君だって僕のことを変態呼ばわりしたじゃないか!」
「しつこい男は嫌われるよ」
…ほんと、この子たちは……立場が逆転してるんじゃないかしら?
クロノもまだまだということね…
(しかし……いいかげん、事情聴取を再開したいんだけど…)
side エイミィ
私は今あの女の子の使い魔らしき女性の取り調べをしています。
「あの…お名前は…?」
「…相手の名を聞きたいのならば、まずは自分の名を言うべきでは?」
「あっ、はいっ、私はエイミィ・リミエッタ16歳です。
アースラで通信主任兼執務官補佐をやってますっ」
(しまった…緊張のあまり、余計なことまで言っちゃった…)
私が少し落ち込んでいると使い魔の女性が自己紹介をしてきた。
「私は澪の使い魔ユリだ。素体は鷹で歳は…15,6だと思う…
申し訳ない、正確な歳が分からないのではっきりと言うことができない」
そう言ってとてもすまなそうに私に頭を下げてくる
(よかった…そこまで悪い人じゃないみたい…少し怖いけど)
ユリは私が紹介した内容に見合うだけの自分の情報を私に教えてくれた。
(しかも、私と同い年ぐらいかぁ)
するとユリは少し暗い声で私に話しかけてきた。
「澪は…マスターは無事なんですよね?…あの子が辛い目に会うことだけは…」
口調が変わったことで私はユリが真剣に主の心配をしているのだと感じた。
「大丈夫だと思うよ。ただ“二人組の女が一般人の女の子を狙っている”って
密告があって、それと情報が一致してるってことで話を聞いてるだけだから
疑いがはれたら即解放だと思うよ」
(これで少しは安心してくれるかな?)
「そうですか…なら澪は無事と考えていいんですね?」
「うん」
side 澪
リンディさんの話によると、私たちがなんからの容疑者の疑いで
捕まえられたらしい。
でも、その疑いはつい今しがたはれたようだ。
「あなたが密告にあった人物ではないことは理解したわ。
でも、まだあなたに聴かなきゃいけないことがあるのよ」
「え?他に何かあるんですか?」
「そうなの2つ 重要なことが残ってるの」
「2つ?」
「そう2つ。まずはあなたが魔導師として登録されていないということ」
「えっ!登録とかいるんですか!?」
あたかも初めて聞いたかのように反応して見せる
「ええ、魔導師ならば登録が必要となるのよ。
あなたの親御さんは何も言ってなかった?」
「うちの親はもう私が幼い頃に死んでしまってるので…」
「…っ!!……ごめんなさい…私の配慮が足らなかったわ。
では、あなたは魔法について何も知らないのね?」
「はい…」
「そう…ならしかたのない事なのかもしれないわね…」
(すいませんリンディさん、神からの情報で大体知っています)
心の中で一応謝っておく。
「じゃあ、もうひとつの事に移るわね」
「はい」
「これはあなたの住む世界でも違法になることだと思うけど、
質量兵器の所持についてよ。
私たち管理局の規則では質量兵器…拳銃みたいな物理的殺傷兵器の
所持と使用が禁止されてるの」
「そうなんですか…」
「だからクロノの報告にあったあなたの使用していた武器、あれも違反なの。
それに、あなたの国の法でも所持自体が禁止されてるでしょ?」
この人、私の中身に気付いてんじゃないかと思うくらい難しい話を混ぜてくる…
まあ、一切理解できないというのも不自然だから
ある程度理解しているみたいな反応でもしておこう…
「はい、たしか銃刀法違反でしたっけ?そういうのに反しているんですよね?」
「ええ、だからまずはあなたの持っている質量兵器を
すべて提出してもらいます。
ここにあなたのデバイスも持ってきているので、今この場で出してください」
そう言ってリンディさんは私のデバイスを手渡してくる
「言っとくが変なマネをしたらどうなるか分かってるな…?」
デバイスを起動手に持って見つめたら横にいたクロノが犯罪者が言うような
怖い一言を言って自分のデバイスを起動し、私の横腹に当ててきた。
(さて…どうするべきか…素直に全てを教えるか、全てを教えない、
または全て嘘の事を教える
真ん中をとって事実と嘘を織り交ぜて話すか…)
この四択なのだが、なにぶん相手方の情報が少なすぎる…
私的な考えとしては
リンディさんはとてもいい人だと思うし、優しそうだし、
きれいだし、胸大きいし…胸大きいし……
柔らかそうだなぁ~どれくらいのサイズなのかなぁ…?
…ハッ!!
いけない…どうでもいい事を考えてしまっていた…
しかし、リンディさんが善人だということを前提にしても、
リンディさんの所属する組織まで良い人の集まりだとは限らないし…
それに、リンディさん自身が前線で働いているところを見るに
組織の中枢人物でないのは明らかだし…
…
……
………(よしっ、ならば…)
意を決して口を開こうとした瞬間、
「リンディ提督!捕縛した少女の身内と名乗る者から通信が入っております」
電子音が鳴るのと同時に現れた空間パネルに映し出された
オペレ―ターらしき人がリンディさんに何かを……ん??
捕縛?少女?身内?
(え…?親は死んだって設定じゃあ…まさか“あしながおじさん”っ!?)
私が複雑な気持ちでいるとオペレーターとの話の区切りを付けたリンディさんが
さっきより険しい表情で私に話しかけてきた。
「あなたのお爺さんを名乗る人から通信が来てるわ…」
「………」
(誰!?…これで「人違いでした…テヘッ☆ミ」とかだったら
恥ずかしいだけじゃなくて、なんとも言えない空気になるぞ…)
と、考えていると私の目の前に空間パネルが現れて…
「って、お前かいっっ!!」
…管理局の服を着た神でした。
「お前とは失礼な孫じゃ…。わしは時空管理局本局艦隊
アルベリヒ・カーティス少将。キサマのお爺ちゃんじゃ!」
(オジイチャン?ショウショウ?ホンキョク?)
混乱している私を見てリンディさんがお爺ちゃん(神)と
二人きりで話すといいわと言って
席から立ち、空気化していたクロノを連れて部屋から出ていった。
…数分後
艦自体が少し揺れた…たぶん他の艦が接舷したのだろう…
(でも、なんで神が今の時期に…)
すこし神の行動に疑問を抱きながら待っていると、件の神が部屋に入ってきた。
「久しぶりじゃの…」
そういうや否や神は手をパンッと合わせた…
そして、気付けばあたり一面が真っ白な空間に私はいた。
「さて、これでわしらの話を聞く者はだれ一人といなくなった…」
「なんなんですか これ?」
「そんなこと気にするでない。今重要な事は今キサマのおかれた状況じゃ」
「私のおかれた状況?なんか変なことに巻き込まれたんですか私」
「そうじゃ、単刀直入に言うが……」
「………」
「わしが色々ポカした」
「……はしょり過ぎて、いまいち意味が分からないんですが…」
神は不機嫌な顔で話を続ける
「要するにじゃ……その…」
「他の転生者がいるとかですか?」
「いや……、それならまだいいんじゃ……一人以外殺せば済む話じゃし…」
「………」
今、さらっと恐ろしい事言ったよね…この爺さん…
「とても言いにくいんじゃが……
…………飲んだ勢いで隣の席の神と……喧嘩した…」
「………はぁ?」
「しかも、怒ったその神が、わしの管轄する世界に介入しだしたのじゃ…」
「どゆこと?」
「じゃから、本来ならば転生してすぐのキサマが捕まることはありえないことじ
ゃし、ましてやこの時期に時空管理局とかいう組織が
地球に来ること自体あるはずのない事じゃったんじゃ」
「じゃあ、私が捕まったのも全て他の神の介入によるものだと?」
「そうじゃ」
「そして、全ての元凶は酔ったどこかの脳筋くそ神だと」
「そう美筋k……ん?キサマ、今わしの事を
「いえ……それより、今後の対策などはないのですか?」
「まぁ、わしを罵ったことは不問にしてやろう…そうじゃの…対策としては……
あっ、そうじゃ忘れとったわ!」
そう言って神は何やらごそごそし始めた。
「これじゃコレ、聖祥小学校の制服。それと編入届け、あと勉強道具一式。
これでキサマも一介の小学生の仲間入りじゃwww」
クソ爺め…もう一度学校へ行けるのはうれしいが爺(神)の
あの勝ち誇った笑みがムカつく…
このままではこっちの気分がよくないのでせめてもの反抗をしてみる。
「あの~、私スカートとかだとちょっと…」
「そう言うと思って、ほれっ」
神が制服の入った包みを開けて見せる
「……」
神が取り出して見せたのはピンクのパンティーだった。
「……なにこれ?明らかにあんたの趣味だろ!?」
「ほぉっほぉっほぉっ。これが神の力じゃ!!」
「どこが神の力なんですか?」
ただのパンツだったら神の息子さんを無きものにしてやる…
「ふぉっふぉっふぉっ。聞いて驚くがよい!
このパンティーは装着者の余剰魔力を貯める機能があるのじゃ!!」
「……で?まさかそれだけってことは…ないですよね?」
「…へ?………。…色落ちしない…とか?」
「………。」
…充電機能付きのただのパンツやん!!
もう…パンツの事はどうでもいいや……
「……ところで神。こんな事の為にここまで来たんじゃないですよね?」
「おぉっ、そうじゃ、これからの対策じゃが…
まず、キサマの魔力をSまで増やそうと思う。
ただし一日30分間だけじゃが…
次にキサマの投影能力で砲の投影も可能になるようにする。
砲の構造を頭に入れておくのじゃぞ。
最後にキサマを一時的に管理局の…いや……
リンディ提督の独立遊撃部隊として魔導師登録する。」
「………わかりました」
「ほぉ…もう少し反抗するかと思っておったのじゃが…」
反抗してほしかったのか…この爺さんは
「いえ、私もどうしようかと迷っていたので…」
「そうか…ならキサマの役割を伝えるぞ…
キサマは持てる戦力全てで介入者…つまり神のアレと戦うのじゃ!!」
「…あれってなんですか?」
「わしも敵が何を出してくるのかわからん…
じゃがワシが味方じゃから安心せい!」
(何を頼りに安心したらいいんですか…?)
神がドヤ顔をしたかと思うと急に景色ががさっきまでいた部屋の中に戻ってい
た。
そして神が顔を近づけて私の耳元でつぶやく
「ところで、リンディ提督のバストはなんぼなんじゃ?」
「自分で聞け!!」
ツッコミを入れると神は「おぉ~怖いのぉ」と言いながら
そそくさと部屋を出て行った。
神と入れ違いでリンディさんが入ってくる。
「いいお爺さんじゃない。制服から文房具まで用意してくれるなんて」
(リンディさんたちにはそこしか見えていないのか…)
なんとも神ってのは都合のいい力を持ってるようだ。
「じゃあ、お爺さんから聞いたと思うけど、
今日からあなたは“私の”部下になったから
事件捜査や警備とかに協力してもらうことになるわ。
でも安心して、あなたは学生だから平日は仕事を入れないようにするから」
「それ以外は真面目に働けよ」
いつの間にか入ってきていたクロノが少し不機嫌そうに言う。
私は少し癇に障ったので言い返す。
「税金ドロボーのクロノに言われたくないよ」
「なんだと!」
「やめなさい二人とも…」
「艦長!こいつは艦内の風紀を乱す恐れがあります!
なのでここでキッチリと…」
ギャーギャー喚くクロノを無視してリンディさんの目の前へ歩み寄る。
リンディさんもこちらの意図がつかめたようで、そっと手を差し伸べてくる。
「これからよろしくね。澪さん」
「こちらこそよろしくお願いしますリンディさん!」
「おい!僕を無視するんじゃなぁぁぁぁぁぁい!!」
前書きでも述べたとおり、ご指摘をいただきました。とても感謝しております。
以後もおかしな点等がございましたらバンバン言っていただけると嬉しいです。