痣城剣八の卍解・
その
糸状の反膜によって物質、霊力、あらゆる情報を共有するという能力である。これによって反膜に情報を共有蓄積し、再現することが可能となる。痣城の能力と非常に相性が良いと言えた。
そして痣城は彼女の能力を奪い取っていた。
『蹴散らせ、
二体で一組となった改造
『卍解・
二番隊隊長、砕蜂の卍解を再現する。
隠密機動でもある彼女は嫌っているようだが、一撃必殺を思わせるミサイル攻撃だ。一発限定の高威力攻撃を放つという使いどころの難しい卍解がずらりと並ぶ。
『万象一切灰燼と為せ、流刃若火』
劫火が巻き起こり、気温が各段に上がる。その場にいるだけで焼き焦がされるような感覚さえ覚える。それで始解なのだから驚きだ。最強最古の斬魄刀は伊達ではない。
「これは……」
雨露柘榴と反膜の糸による力の再現。
まずは狼の形をした
またこれで終わりではない。
続いて雀蜂雷公鞭が連射される。その一撃によって改造
最後のとどめとばかりに流刃若火の爆炎が集まっていく。
あらゆるものを焼き焦がす劫火が渦巻いた。
しかし、それらは内側から切り裂かれる。
「やりますね」
流石の剣八も死覇装が破れ、幾らか血を流していた。
しかしそれで終わりではない。
その間に痣城は黒腔から新たな軍用ヘリを呼び出していた。そしてガトリングガンを剣八へと向け、秒間何十発という弾丸を放射する。
(転界結柱で入れ替えているとはいえ、ここは現世。私も安易に本気を出すわけにはいきませんか)
剣技と剣圧だけで弾丸を吹き飛ばし、それ以外は回避する。その間に
眼帯も外さず、そのままの状態で限界まで霊圧を高める。
封じられていても尚、周囲に影響を与えるほどの絶大な霊圧だ。
剣を振るう。
ただそれだけで軍用ヘリが破壊され、落ちる。
「全く面倒ですね。思ったよりも」
また黒腔が開くのも見えた。
今度はそこから義骸人形が大量に現れる。それらは剣八を囲むようにして整列し、一斉に詠唱を始める。
『君臨者よ、血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ。蒼火の壁に双蓮を刻む、大火の淵を遠天にて待つ。破道の七十三、双蓮蒼火墜』
蒼の爆炎が殺到する。逃げ場所もない爆炎は義骸すら巻き込むほどであり、剣八は身に宿す霊圧によってほぼ無効化してしまった。
しかし双蓮蒼火墜の目的は剣八への攻撃ではない。
義骸を焼き焦がすことだ。
『破道の九十六、一刀火葬』
刀の形状をした灼熱が幾つも剣八へと襲いかかる。
焼き焦がした肉体を触媒として放つこの鬼道は、威力だけなら絶大だ。膨大な熱によって周囲一帯が消滅し、その中心で剣八が膝をつく。流石にこの威力は耐えがたく、いくつか火傷を負っていた。
「戦いを無駄というだけのことはありましたか」
「更木剣八、お前は現世で卍解を使うことができない。理性を持つが故に、力を封じてしまう。それが敗因だ」
「でしょうね」
「そもそも卍解など使わせん」
新たな
始解に卍解。
斬魄刀の能力は戦ううえで強大な力を与える。
だが更木剣八にとって、それは戦う手段の一つでしかない。
「その
剣八はその場から消失する。
瞬歩によって駆け回り、全ての改造
痣城は黒腔から義骸人形や追加の
「この私が卍解を使えない程度であなたに後れを取るとでも思いましたか?」
「くっ……雨露柘榴!」
「温い」
傷など知らん。
そう言わんばかりに剣八は淀みなく剣を振るう。
固めた霊圧によって攻撃されるも、剣八は全てを引き裂く。
大地すら引き裂く斬撃が痣城を通過した。
空気と融合することですり抜けるも、返す刀で剣八の追撃が始まる。
「やはりすり抜けますね。しかしやり方は分かってますよ」
剣八はイメージを変える。
あくまでも痣城は空気と融合しているだけであり、切断は不可能。しかし、霊圧で焼き切ることはできるのだ。
眼帯を付けてもなお封じられない霊圧が、周囲を焼き尽くす。そして剣八の霊圧の結晶体たる斬魄刀は剣八と共鳴することで空気と同化した痣城すら引き裂いて見せた。
(馬鹿な)
霊圧のぶつかり合いによって身が裂けた痣城は茫然とする。これだけ対策しても圧倒してくる霊圧の化け物に。
そしてこの瞬間を逃す剣八ではない。
野晒を振り上げ、両手で握る。
先の一刀火葬さえも超える霊圧が叩きつけられた。
痣城+ロカ
だが綺麗な剣八には勝てんよ