※この物語は毎週月・水・金に投稿しております。
「あなたたちのアリバイ、すべて崩れたぜ!!」
この南の言葉に北斗は反論する。
「なんだって!!俺は「A列車で行こう」に乗っていた!!ずっと黒ずくめの服を着ていたんだ!!それが証拠だ!!」
だが、これに対して南は静かに、
「いくらそんなことを言ったところでアリバイが崩れたことに間違いはないのさ」
と告げるとこう断言した。
「熊本駅のトイレで被疑者を殺したのは牛沼北斗さん、あなたですね!!」
これには、曜、ルビィ、ともにびっくりする。
「えっ、でも、黒ずくめの服を着ているから北斗さんが「A列車で行こう」に乗っていたことにならないの?」(曜)
「それってどういうこと?」(ルビィ)
むろん、南斗からも文句が出る。
「北斗は「A列車で行こう」に乗っていた!!それはまぎれのない事実だ!!」
ところが、それに対して南はこんなことを言ってきた。
「その「A列車で行こう」に乗っていた黒ずくめの人が北斗さんじゃないとしたらどうでしょうか」
これには、北斗、
「なんでそんなことが言えるんだ!!俺だとしたら俺だ!!」
と文句を言うと南斗も、
「たしかにそうですよ。北斗は「A列車で行こう」に乗っていたのはたしかなんです」
と反論していた。
だが、ここで南は南斗にあることを尋ねた。
「では、聞きますが、南斗さんは13:26までどこにいたのですか?」
これには、南斗、
「ずっと三角にいたのですがね・・・」
と言うも高山はそれを、
「いや、南斗さんはずっと三角にはいなかったみたいですね」
と否定すると続けてこんなことを言い始めた。
「駅員の人や観光客の人たちに聞いてみましたが黒ずくめの人を含めて南斗さんや北斗さんを見かけたのは「A列車で行こう」の到着する13:03以降なのですよね・・・」
そう、高山は南の依頼を受け、普通列車の乗務員や乗客、そして、三角駅の駅員や観光客に聞いてまわっていたのである。そのなかで黒ずくめの人を含めて南斗や北斗を見かけたのは「A列車で行こう」の到着時刻である13:03以降であることがわかったのである。これには、南斗、
「くくく・・・」
と悔し顔をするもすぐに反論する。
「それじゃ、私はどうやってここに来たのですか?」
そう、南斗は13:03以降に着ていたのであれば南斗はどうやってここまで来たのか謎だったのだ。
だが、これには、南、すぐにこう答えた。
「そんなの簡単です。南斗さんが黒ずくめの服を着て北斗さんの身代わりとして「A列車で行こう」に乗っていたのですからね!!」
なんと、南斗が北斗の身代わりとして「A列車で行こう」に乗っていた、というのである。むろん、これには、南斗、
「なんでそんなことが言えるんだ!!そんなことなんてしていない!!」
と反論すると南はこう反論返しをした。
「では、聞きますが、ここにどうやってきたのですか?」
これには、南斗、
「そ、それは・・・」
と言葉に窮してしまった・・・と思ったがすぐに反論する。
「でも、「A列車で行こう」に乗っていた黒ずくめの人が私である証拠はあるのですかね?」
そう、たとえ三角への交通手段を答えられなくても南斗が北斗の身代わりとして「A列車で行こう」に乗っていた証拠があるのか疑問だったのだ。
だが、それに対して、南、
「その証拠はこれです」
と言っては自分のスマホを取り出しある写真をみんなに見せた。そこには・・・、
「えっ、これって千歌ちゃんがデコポンストレートを割ったときに使っていたAサイダー・・・」(曜)
そう、そこに映っていたのは「A列車で行こう」のBARで飲んでいる黒づくめの人の姿だった。そして、その人が飲んでいたもの、それは、Aサイダー、だった。
さらに、ここにきて南に援軍があらわる。
「私、見たもん、この黒ずくめの人、Aサイダーばかり飲んでいたもん!!」
これには、ルビィ、
「えっ、千歌ちゃん!!」
と驚く。そう、この証言をしたのは「A列車で行こう」で(未成年専用)バーテンダーとしてずっとこの列車のBARにいた千歌であった。黒ずくめの人はずっとAサイダーばかり飲んでいたのである。
さらに、南、南斗に詰め寄る。
「それに、黒づくめの人の体格が北斗さんに似ているかつ北斗さんは、今、酔っぱらっている(=「A列車で行こう」に乗っている黒ずくめの人ではない)かつ「Aサイダーばかり飲んでいる」(=お酒が飲めない)のであれば南斗さんしか該当しないのですがね」
たしかに南の言う通りであった。南斗は先ほどの会話で「自分はお酒が飲めない」と発言していた。さらに、「A列車で行こう」に黒ずくめの人と体格が似ている、となれば(酔っぱらっている)北斗ではなく南斗しかいない、というのである。
さらに、ここにきて南が・・・、ではなく、なぜか千歌がこんなことを言ってしまう。
「それに、それに、南斗さんが飲んだAサイダーの瓶、まだ「A列車で行こう」のゴミ箱のなかにあるもん!!その瓶に残っている指紋を調べれば南斗さんの指紋がでてくるかもしれないよ!!」
この千歌の言葉に、南斗、
「う~」
と悔し顔をみせるも、南、千歌に対し一言。
「それ、俺のセリフ!!」
あらら、千歌、南のセリフを勝手に言ってしまったようである。これには、千歌、
「えへへ」
と笑ってごまかすも、これには、曜、ルビィから、
「うわ~、主人公殺し・・・」(ルビィ)
「千歌ちゃん、ちょっとやりすぎ・・・」(曜)
とジロリ目で千歌の方を見ていた。
こうして北斗のアリバイが崩れたかにみえた・・・のだが、ここにきて、北斗、南に言い返す。
「それじゃ、聞くが、俺はどうやって人を殺してここまできたのだ?」
たしかにそうである。12:24ごろに熊本駅で被疑者は殺されたのである。被疑者を殺した犯人が北斗なら約1時間でここ三角駅に来ることなんて不可能に見られたのである。
だが、南は不敵な笑いを浮かべると北斗に向かってこう断言した。
「それならもうわかっています」
これには、北斗、
「なにが言いたいんだ!!」
と文句を言うと南斗も、
「不可能なことではないのですかね」
と反論してくる。むろん、刑事からも、
「たしか、12:24ごろに熊本駅のトイレで殺されて約1時間でここ三角にくる手段ってあるのですか?」
と南に尋ねる。
すると、南は三角駅を今から発車しようとしていた普通列車を指さしてはこう言った。
「そんなの簡単ですよ
だって、あの普通列車に乗って三角に来たのですから!!」
これには、ルビィ、
「えっ、それってどういうこと?」
と南に聞くと南がそれについて話してくれた。
「実はね、13:26ごろまでに普通列車で三角まで来ることができるのですよ。だって・・・、
その普通列車は12:28に熊本駅を出発し13:26に三角駅に到着する列車なのですから」
これには、北斗、
「そ、それがどんな証拠になるのですかね?」
と青ざめるとともにそう言うと南はさらにこんなことまで言い出してきた。
「犯人、いや、北斗さんは黒ずくめの服を着て12:24ごろに熊本駅のトイレで被疑者を殺すとその服を駅のゴミ箱に捨て、取り急ぎ、12:28熊本駅発の三角行き普通列車に乗りました。その列車のなかでお酒を飲んで三角駅に13:26に到着、すぐに南斗さんが着ていた黒ずくめの服を着て「A列車で行こう」に乗っていたかのようにみせたのです」
これには、北斗、すぐに反論。
「そんなことを言うんだったら証拠をだせ、証拠を!!」
と、ここで高山がその証拠を出してきた。
「それだったらもう裏がとれてます。まず、普通列車の乗務員から、「大きな酒の瓶をもって酒盛りをしていた男がいた、。その男は酒を浴びるように飲んでいた」という証言をもらっています。むろん、その普通列車の乗客のみなさんからも同様の証言を得ています。そして、そのときに北斗さんが飲んでいたと思われる酒の瓶も三角駅のゴミ箱からすでに回収、今、指紋鑑定に出しています。それを比べれば北斗さんの指紋が出てくると思います」
この高山の言葉に北斗はただ、
「ぐぐぐ・・・」
とまたもや悔し顔をしていた。
と、ここで南はまとめに入った。
「北斗さんは、12:24ごろ、熊本駅のトイレで被疑者を殺すとその黒ずくめの服を捨て、12:28熊本発三角行きの普通列車に乗り三角へと向かった。その途中、お酒を飲んだ。対して、南斗さんは12:23熊本発の「A列車で行こう」に黒ずくめの服を着て乗り込み、その列車のBARで飲むことで北斗さんがこの列車に乗っているかのように偽装していた。その後、13:03に南斗さんが到着すると黒ずくめの服を着て三角駅で待ち北斗さんが13:26に三角に到着すると南斗さんが着ていた黒ずくめの服を北斗さんが着ることで北斗さんのアリバイを実証したかのように装った。これが事件の全貌です」
これには、北斗、
「くそっ!!」
と言うとともにすべてを自供した。
「あぁ、たしかに、俺が熊本駅のトイレで人を殺めた。でも、本当なら南斗と協力してそれをごまかすことができたはずなのに、なんで、ここにきて鉄道公安隊が現れるんだ!!くそっ!!」
ただ、ここにきて、南は南斗にあることを聞いた。
「でも、なんで北斗さんは人を殺めたんだ?なんか事情でもあるのか?」
すると、南斗に代わり北斗がそれに答えてくれた。
「あいつ(被疑者)は「A列車で行こう」を馬鹿にしてきたんだ!!だから、俺たちは許せなかったんだ!!」
これには、南、さらに北斗に尋ねてみる。
「「A列車で行こう」を馬鹿にした?いったいどうして?」
すると、北斗がこう答えてくれた。
「あいつ(被疑者)、キハ185系の改造列車は四国のほうが上、だって言ってきたんだ!!言っておくが、キハ185系の改造は九州の「A列車で行こう」の方が上なんだ!!それをあいつ(被疑者)は馬鹿にしてきたんだ!!」
これには、曜とルビィ、はっとする。
「キハ185系の改造は四国が上?それってどういうこと?」(曜)
「なんのことなの?」(ルビィ)
すると、南・・・ではなく高山がそれについて説明してくれた。
「実は、キハ185系、四国総局の方でも観光特急として改造して運用しているんだ」
そして、高山はそれについて詳しく解説してくれた。実は、キハ185系、四国の方でも観光特急として改造を受けては運用をしている。その名も「四国まんなか千年ものがたり」、そして、これは未来の話であるが、四国の観光特急、といえばこの列車、「伊予灘ものがたり」(2代目)。そのため、キハ185系を使った観光特急への改造は九州と四国、2か所にて行われていたのだ。これには、北斗、こう言ってしまう。
「四国の観光特急よりも九州の観光特急の方が優れているんだ!!」
と、ここで、南斗も参戦してしまう。
「それにな、「A列車で行こう」は改造を受ける前にラッピングトレインとして阿蘇を走っていたんだ!!それくらい由緒ある列車なんだ!!」
これには、曜とルビィ、びっくりする。
「えっ、改造を受ける前からラッピングトレインとして走っていたの?」(曜)
「それってどういうものなの?」(ルビィ)
と、ここで南が・・・、
「それはな・・・」
と言う前に高山が、
「それはですね・・・」
と南の言葉を遮るようにそれについての説明を始めた。
「実は、「A列車で行こう」、改造前に阿蘇地方でラッピングトレイン「阿蘇ゆるっと博号」として運用したことがあるんだ」
たしかにその通りであった。実は、「A列車で行こう」、改造前にラッピングトレイン「阿蘇ゆるっと博号」として期間限定で運用したことがあった。というのも、実は、阿蘇地方、観光特急がずっと走っていたのである。まずは、皆さんご存じのSLあそBOY、それに、その後継となるキハ58系を改造した列車「あそ1962」、である。だが、2010年に「あそ1962」の運用が終了、九州新幹線全通に伴う新観光特急として「あそぼーい」が新設されることになったのだが、その列車は、当時、「ゆふDX」として運用していたため、その改造に伴った期間のつなぎとしてラッピングトレイン「阿蘇ゆるっと博号」が運用されていたのである。その後、改造を終えた「あそぼーい」が運用を開始するとともに「阿蘇ゆるっと博号」はその運用をはずれ、今度は自分が改造を受けて「A列車で行こう」、になったのである。これには、曜、ルビィからも、
「それくらいすごい列車なんだね!!」(曜)
「けっこうな働き者なんだね!!」(ルビィ)
と「A列車で行こう」を絶賛していた。ただ、セリフをとられた南からは、
「高山、あとでお仕置きだ!!」
と言われてしまったのか、高山、
「み、南さん、ごめんなさい・・・」
と謝るしかなかった・・・。高山、これでも鉄オタである・・・。
とはいえ、北斗は威張るようにこう言ってしまう。
「だからこそ、九州の方が改造列車の質が1番なんだ!!それをあいつ(被疑者)はそれすら否定した。四国のほうが上、って言ったんだ!!それに、俺、イラついて、熊本駅にあいつを呼んで殺したんだ、俺が殺したとはわからないように南斗とともに偽装しながらな!!」
だが、そんなとき、北斗のほほを、
バシンッ
と平手打ちをされた音が聞こえてきた。これには、北斗、
「なんで叩かれなきゃいけないんだ!!俺、親にもぶたれたことがないのに!!」
となぜか泣いていた。
ただ、これにはあまりにも突然のことだったため、南は北斗を平手打ちした人物の方を見る。するとその人は・・・、
「えっ、千歌ちゃん、なんで北斗さんを叩いたの?」(曜)
「えっ、なんで!?:」(ルビィ)
そう、北斗を平手打ちしたのは千歌だった。
その千歌は北斗に対し言葉を捲し上げた。
「言っておくけどね、改造列車に上も下もないんだよ!!お互いに優れたところがあるんだよ!!それを上とか下とかで見るなんて人がなっていないよ!!人もね上も下もないんだよ!!そう見えているなら、北斗さん、人間失格だよ!!」
そう、千歌は怒っていた。人も改造列車も上とか下とか関係ない、優れた部分がきっとある、それを認めずに上だの下だの決めつけるなんて許せなかったのである。これにはさすがの北斗も、
ガクシッ
と肩を落としてしまった。まさか一少女にそんなことを言われるなんて思ってもいなかったのである。
その後、桜井たちによって熊本駅で北斗が捨てた黒ずくめの服が見つかり指紋鑑定をした結果、北斗の指紋が見つかった。そのため、北斗・南斗兄弟は殺人の罪で逮捕されていった。これには、南、こう振り返る。
「あまりにもくだらない理由で人を殺すなんて、どうして、人ってくだらないことで言い争うものなんだろうか。まぁ、それでも事件を解決するのが俺の務めなんだけどね・・・」
あまりにもくだらない理由で起きた事件、その意味でもこの事件は人間の愚かさを痛感した事件だったのかもしれない。
一方、あまりもすごいことを言った千歌はというと・・・、
「やっぱり千歌ちゃんだよ!!すごいことを言うなんて素晴らしいよ!!」(曜)
「うん、千歌ちゃんはやっぱりすごい!!」(ルビィ)
と2人で千歌のことを褒めていた・・・のだが、とうの千歌はというと・・・、
「ふりゃ~、もうエネルギー切れだよ・・・」
と腑抜けになっていた・・・。
その後、千歌は「A列車で行こう」のバーテンダーとして仕事をするため、帰りの「A列車で行こう」に乗って三角を去ってしまった。これには、曜、
「なんか、千歌ちゃん、本当に神出鬼没だね・・・」
と言うとルビィも、
「うん、そうだね・・・」
と同意してしまった。
とはいえ、2人の度はまだ始まったばかりであった。だが、このとき、2人は知らなかった、このあと、いくつもの事件が2人の目の前で繰り広げられようとしていることを、そして、そのたびごとに南たちとであることになることも・・・。果たして、次の事件はなんだろうか。それについてはあとのお楽しみである。
殺人列車で行こう? 完 & To be contuned