曜とルビィの事件簿   作:la55

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※この物語は毎週月・水・金に投稿しております。


曜とルビィの事件簿Ⅱ~かもめは「白い」?~ 前編

「う~、今度は阿蘇に行くんだ・・・」

とルビィがそう言うと曜も、

「なんか阿蘇って何度行ってもすばらしいところだもんね!!」

と喜んでいた。ここは熊本駅。曜とルビィは途中から合流したヨハネ、花丸、梨子の3人を連れて次の目的地の阿蘇へと行こうとしていた。といっても曜とルビィにとって阿蘇は3回目である。1回目は「あそぼーい」の事件、2回目はその「あそぼーい」の列車のなかの出来事だった(詳しくは前作「曜とルビィの事件簿」をお読みください)。なので、阿蘇地方については2人にとって馴染みのある地であった。

 そんなとき、2人の隣にはみなさんご存じの公安特捜班の南と高山がいた。南は曜とルビィに対し、

「まぁ、俺たちにとって阿蘇は馴染みのある地だからな。本当に懐かしい感じがするな」

としみじみと感じていた。南にとってみても曜とルビィと初めて会ったのが阿蘇地方、ということもあり、本当に3人にとって馴染みのある地なのである。

 そんななか、南に声をかける人がいた。

「あっ、南、久しぶりだな!!」

その声に南は声がする方を見る。すると、

「あっ、三輪さんに速水さん、こんばんわ」

と2人の公安官、三輪と速水に挨拶をした。むろん、高山も、

「三輪先輩に速水先輩、こんばんわ」

とかしこまるように挨拶すると、曜、それを不思議に思ったのか、

「あの高山さんがかしこまっている?どうして?」

と不思議そうに見ていた。これには、高山、すぐに説明しながら三輪と速水のことを紹介してくれた。

「あっ、曜ちゃんにるルビィちゃん、紹介します。男性の方が三輪先輩で女性の方が速水先輩。2人は公安特捜班が誇るベテランの公安官なんです!!」

そう、三輪と速水は南以上の職歴をもつベテラン公安官であった。これには、三輪、

「まぁ、ただの長いだけの公安官ですよ」

とやさしくそう言うとルビィと曜に対して、

「2人ともよろしくお願いします

と深くお辞儀をした。むろん、これには、ルビィ、

「こちらこそよろしくお願いします」

とこちらも深くお辞儀をした。

 

 その後、三輪と南は、

「あの事件はですね・・・」(南)

「う~ん、そうだったのか」(三輪)

と昔の事件の話をしては花を咲かせていたのだが、曜とルビィはそんな2人を見てか、

「なんかいつもの南さんじゃない!!」(曜)

「でも、なんか楽しそうに話していてルビィもうれしくなっちゃう!!」(ルビィ)

と2人の姿に微笑んでいた。

 そんななか、南は曜とルビィの方を見てはこんなことを言い出してきた。

「あっ、曜ちゃんとルビィちゃん、ほっといてしまってごめん」

南、どうやら曜とルビィのことをほっといてしまったことを気にしてか謝るも曜とルビィは、

「そんなの関係ないよ!!」(曜)

「ルビィも昔話に花を咲かしている2人を見てうれしくなっちゃうんだもん!!」(ルビィ)

とうれしそうに答えてくれた。

 そんなとき、三輪があることを南に話した。

「それだったらあの話をしたらどうかな?」

すると、南の方もそれを受けてか、

「あぁ、あの伝説の公安官の話ですね」

とうれしそうに言った。これには、曜、

「えっ、伝説の公安官の話!?聞きたい!!」

と目をうるうるしながらそう答えると南はその話を話始めた。

「昔、伝説の公安官がいたんだ・・・」

 

 2010年4月、その公安官は長崎駅前にいた。その公安官の今日の目的は東京から福岡を経て特急かもめで長崎にやってくる鉄道評論家の護衛のために来ていたのだ。というのも、この評論家に脅迫状が届いたからだった。そのため、この評論家の護衛にその公安官がすることになっていたのである。

 ところが、783系かもめ、別名ハイパーかもめ、にて事件が発生した。なんと、長崎に到着してまもなく車内のトイレにて男の他殺体が見つかったというのだ。これには近くにいた、という理由でその公安官もその現場へと向かった。すると、その公安官はこんなことを言った。

「これはなんてむごいんだ・・・」

その他殺体・・・、被疑者はナイフで一刺しのようでいて実は首に絞められたあとがみつかったのだ。そのため、ナイフで一刺しか首を絞めたことによる他殺であると思われた。だが、それ以上のことはわからなかった。目撃証言もなくどうすることもできなかったのである。そのため、その公安官は本来の仕事に、評論家の護衛の仕事に戻ることにした。

 その数十分後、護衛対象の鉄道評論家が885系かもめに乗って長崎駅に到着した。名前を時津という。その時津はかもめを降りるなりその公安官に対して、

「俺の護衛、ご苦労」

と言うとそのまま長崎駅を出ようとしていた。その時津を見るなり公安官ははっとした。時津の首元には誰かにひっかかれた傷があったのだ。これには、公安官、

「大変申し訳ごぜいませんが首元にひっかけ傷がありますがなにかあったのでしょうか」

と時津に問いかけるも時津はただ、

「あぁ、ちょっとかゆかったんだ・・・」

と答えるのみだった。

 

 その時津はその公安官を連れてテレビ局へと向かっていた。今日の時津の仕事はテレビ局での討論番組での出演だった。その討論内容というのが長崎新幹線についてであった。長崎新幹線、それは鳥栖から佐賀を経て長崎へと向かう新幹線のことだった。その討論番組に評論家として出演する予定だったのである。

 そんなとき、その公安官に連絡が入る。被疑者の詳細がわかったというのだ。被疑者の正体は影の鉄道評論家といわれていた人だった。その評論家は表舞台に立ったことがなく、ネットのみでの活動をしていたのである。そのため、誰も彼の顔を見たことがなかったのだが、今回はたまたま被疑者の持ち物からノートPCが見つかり、そのノートPCのなかにあった情報からその人の正体がわかったのである。

 そして、その被疑者はダイニングメッセージを残していた。それは、

「かもめは「白い」のか?」

というものだった。これには、公安官、ただ、

「「かもめは「白い」のか?」か。とても興味がある」

と関心を向けていたものであった。

 さらに、被疑者の指の爪から誰かの皮膚の断片が検出された、との情報が入ってきた。これにも、その公安官、

「なんていう偶然なんだ・・・」

とあることを思い出してはにやりとわらっていた。

 そんななか、とある人から公安官に情報が入った。それはテレビ局のプロデューサーからのものだった。そのプロデューサーは時津が長崎駅に到着する2時間前に電話連絡したのだが、このとき、

「あぁ、わかった」

という時津の声とともにこんな音声が聞こえてきたという。その音声とは・・・、

「肥前山口~、肥前山口~。ここで「みどり」「ハウステンボス」を・・・」

それはまるでなにかを知らせるような音声だった。

 そんな情報を聞いてその公安官はこんなことを言い出した。

「ふふふ、これですべてがわかった!!犯人はあいつだな・・・」

どうやら、この公安官はすべてを悟ったようだった。

 

 その後、この公安官は時津を呼び出した。これには、時津、

「なんだね。私は忙しいんだ・・・」

と文句を言いながら言うとその公安官は時津に対しこんなことを言ってきた。

「かもめは「白い」のか?」

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