曜とルビィの事件簿   作:la55

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※この物語は毎週月・水・金に投稿しております。


曜とルビィの事件簿Ⅱ~自然の脅威~ 中編

「その通り!!どれもこれも自然の脅威によって影響を受けたものなんだ!!」

南の言葉に曜はびっくりした、

「どれもこれも自然の脅威によって影響を受けたものなんだ・・・」

と言いながら。

 そして、南は一つずつ説明をしていくことにした。

 

 

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「まず、宮地駅の資料館にあったぐるぐる巻きのレールだけど、あれは平成24年7月の豪雨のとき、坂になっていたトンネルに大量の水が流入、その坂のせいで勢いが増した大量の雨水によってレールがぐるぐる巻きになった、というわけ」

これには、ルビィ、

「た、たしかに坂になると水の勢いは増すけど、そんな力があるんだ・・・」

とびっくりしていた。たしかに大量の水が坂の上から流れるとレールが曲がるくらいの力が発生してしまう。その例として水力発電がある。水力発電も坂の上から大量の水を流すことで重たいタービンを回しているのである。それくらいの勢いはばかにはならないのである。

 

 

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 次に橋の崩落について南が説明する。

「そして、「九州横断特急」の車窓から見えた橋の崩落現場だけど、曜ちゃん、あれってなんの災害で起きたと思う?」

これには、曜、少し考えてこう答えた。

「もしかして、熊本地震・・・」

すると、南、喜びながらこう答えた。

「正解!!あれは熊本地震のときに起きたんだ。あそこに架かっていたのは旧阿蘇大橋。熊本市内と阿蘇地方を結ぶ重要な橋だったんだけど、熊本地震のときに崩落したんだ。だが、そのとき、大学生が車で運転していたんだけど、橋の崩落に巻き込まれしまい犠牲になったんだ。それくらい、地震というのは恐ろしいものなんだ」

この話を聞いた曜は思わず、

「それくらい地震というのは恐ろしいものなんだね」

と少し怯えるように答えていた。

 

 

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 さらに、立野駅についても南によって説明に入る。

「その地震の影響は南阿蘇鉄道にも及んだんだ。南阿蘇鉄道は立野~高森間の鉄道のことをいうんだけど、地震の影響でその路線の一部であったトンネルと鉄橋などで損害が出たんだ。そのため、今でも一部区間で不通になっているんだ。だから、立野駅が荒廃しているのはそのためなんだよ」

 ただ、これには、ルビィ、不安になる。

「それじゃ、もう不通区間はもとに戻らないの?」

すると、南はこう答えた。

「それは大丈夫!!近い将来に開通できるように頑張っているからね!!」

この南の答えにルビィは、

「うん、ルビィ、応援している!!」

と元気よく答えてくれた。

 

 

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 そして、高森の湧水トンネルについて南は説明に入る。

「そして、高森の湧水トンネルなんだけど、もともとそこに鉄道トンネルと作る計画があったんだ」

これには、曜、

「えっ、そうなの?」

と驚くと南はこう言い出した。

「昔、立野~高森~高千穂~延岡の間に鉄道を通そうという計画があったんだ。なおトンネルはそのために掘られたものなんだ」

これには、ルビィ、

「へぇ~、だからあんな大きなトンネルだったんだ」

と納得の表情。

 だが、話はがらりと変わる。南、そのトンネルについて話し出す。

「ところが、そのトンネルは貫通なんてしなかった。なぜだと思う?」

これには、曜、

「う~ん、う~ん」

と考えた末にある答えを導いた。

「それって、もしかして、水?」

その曜の答えに南はこう答えた。

「そう、正解!!水が原因なんだ」

この答えのあと、南はトンネルが貫通しなかった理由を話した。

「トンネルを掘っている最中、水脈にぶつかったんだ。そのため、トンネルからは大量の水が噴出したんだ。ただ、それだけでなく、そのトンネルの上にあった集落の簡易水道も枯れてしまったんだけどね。國鉄はその水対策をしようにもそれを上回る水が湧き出てしまったため、結局、その鉄道建設計画は中止になったんだ」

 それと同時に高千穂のトンネル貯蔵庫についても南は説明した。

「そして、高千穂側からも、その鉄道建設計画のもと、トンネルを掘り進めていたのだけど、高森の件のために中止となったんだ。そのため、今ではトンネルを貯蔵庫として活用しているわけ」

 と、ここまで聞いた上で曜とルビィは自然の脅威に、

「それだけ自然って脅威なんだね!!」(曜)

「ルビィ、それを聞いただけでも自然って恐ろしいと思えるの」(ルビィ)

と唖然となってしまう。それくらい、自然というのは脅威なのかを実感したのかもしれない。

 そんななか、ついに南は本題に入る。

「そして、自然の脅威のせいで廃止になった悲劇の鉄道があるんだ」

その言葉に、曜、

「悲劇の鉄道・・・」

と言葉を詰まらせると南はその鉄道について語り始めた。

「その鉄道は今さっき言った、立野~高森~高千穂~延岡を結ぶ鉄道の1つとして開通したんだ。その名も高千穂線。のちに第3セクター化して高千穂鉄道として開業したんだけど、観光列車などの導入などで第3セクターとしては成功しようとしていたんだ」

これには、ルビィ、

「それだけ頑張っていたんだね!!」

と喜んだのも束の間、南、突然、暗い顔をして話の続きを、悲劇を語り始めた。

「でも、そんな高千穂鉄道に悲劇が起きたんだ。2005年の台風14号によって高千穂鉄道の線路や鉄橋が流出したんだ。そのため、なんとか復活しようと動いたんだけど、高額の復旧費用がかかるということがわかって断念、廃止に追い込まれたんだ」

この言葉に、曜、ルビィ、ともに、

「えっ、廃止・・・」(曜)

「やっと成功しようとしていたのに、むごい・・・」(ルビィ)

と涙を浮かべさせながら言うと南はそのあとのことを話した。

「その後、その鉄道の一部は今でも高千穂あまてらす鉄道の観光路線として活用しているし、TR列車の宿として使っていた列車を再利用しているんだ」

そのことを聞いて曜ははっとした。

「だから、あまてらす鉄道の路線が途中で行き止まりになっているのはそのためだったんだね」

と納得した。そう、あまてらす鉄道で高千穂鉄橋の先が行き止まりになっているのはその先が廃止になっているからであった。なお、ルビィに至っては、

「でも、今でもその高千穂鉄道が残した遺産(レガシー)をちゃんと活用しているんだね!!すごいことだよ!!」

と、今なお、高千穂鉄道が残してくれた遺産(レガシー)を活用していることに感服していた。

 そして、南はある列車のことを語った。

「で、これはこの旅をしていくうちに俺自身思い出したものだけど、この高千穂鉄道には悲劇の列車があるんだ」

これには、曜、

「悲劇の列車?」

と言うと、南、その列車、悲劇の列車について語り始めた。

「高千穂鉄道には地域振興などを目的に、2003年、トロッコ風列車を導入することにしたんだ。その列車の名は「手力男(たぢからお)」と「天細女(あまのうすめ)」。この列車を導入してから高千穂鉄道は収入が激増したんだ。というのも、導入当初、高千穂の名所を巡りながらトロッコ風列車に乗るという絶景コースが大人気になって大手旅行会社の団体ツアー客が集中するくらいにまでになったんだ」

これを聞いて、ルビィ、

「それはとてもいいことだね!!」

と喜ぶも、南、すぐに暗い表情になってこう言い続けた。

「でも、事態は急変する。先ほど言った台風14号のせいで高千穂鉄道は廃線、この列車たちも風前の灯火になったんだ」

この南の言葉を聞いて、

「それってもうなくなったんじゃ・・・」(曜)

「う~」(ルビィ)

と愕然となる・・・といったところに、突然、

「それって妻の想い出の列車に乗れないということなのでしょうか」

と男の人の声が聞こえてきた。これには、曜、

「あっ、宮地さん・・・」

と子の攻を連れた、男の人こと宮地守、に対し声をかけると、守、すぐに、

「私もその列車こそ妻の想い出の列車だと思います」

と悲しそうに言った。これには、南、

「たしかに、「たった2年で運行できなくなった悲劇の列車」という条件に合いますものんね」

と言った。たしかにそのトロッコ風列車ならその条件に合う。これなら乗れる・・・わけでもなく、

「でも、その列車が今どこにあるのかわかりませんよね・・・」

と守も諦めるしかない、そう思ったのである。そんな守に対して息子の攻も、

「もうお母さんの想い出の列車に乗れないの。わーん!!」

と泣き出してしまう。これには、ルビィ、

「きっと大丈夫だからね。泣かないでね」

と姉のように攻をあやす。

 そんなときだった。突然、

「いや、諦めないで!!」

という声が聞こえてきた。これには、曜、

「えっ、千歌ちゃん!!」

とその声の主こと千歌の名を叫ぶと千歌はこんなことを言い出してきた。

「その列車なら今でも活躍しているよ!!」

その言葉に、攻、うれしそうに、

「それじゃ、お母さんの想い出の列車に乗れるんだね!!」

とうれしそうに言うと千歌も、

「うん、そうだよ!!」

と元気よく返事した。

 そんな千歌に対し、曜、ルビィ、ともに、

「そんな安請け合いしても大丈夫?」(曜)

「ちょっと心配だよ・・・」(ルビィ)

と心配そうになるも千歌は、

「それなら大丈夫!!」

と声をあげると南からも、

「ここは千歌ちゃんの言う通りにしよう」

とにこにこ顔でそう言った。これにはさすがの曜も、

「それならいいんだけど・・・」

とちょっと心配になった。ただ、とうの千歌はこんなことを言い出した。

「それじゃ、明日、その列車に乗ることにしよう!!」

その声に攻は、

「うん!!僕、楽しみ!!」

とにこにこしながらそう答えていた。

 

そして、運命の日を迎えた・・・。

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