曜とルビィの事件簿   作:la55

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※この物語は毎週月・水・金に投稿しております。


曜とルビィの事件簿Ⅱ~自然の脅威~ 後編

「宮崎駅に到着!!」

 翌日、千歌に言われるなりマイクロバスで高千穂から宮崎駅まで移動してきた曜・ルビィ一行。そこでは南があることを言い出した。

「やっぱりあの列車のことだったんだな:

どうやら、南、ある程度の目星はつけていたようだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 そして、ホームにあがるなり、曜とルビィはびっくりする。

「あっ、白と木目調のかっこういい列車!!」(曜)

「うん、とてもかっこいいね!!」(ルビィ)

そう、その列車は白と木目調のかっこういい列車だった。

 すると、千歌がこう言った。

「こうこそ、悲劇の列車の生まれ変わり、「海幸山幸」だよ!!」

そう、宮地親子が探していた妻の想い出の列車とは「手力男」と「天細女」の生まれ変わり、「海幸山幸」であった。

 で、その列車について南が話す。

「この列車の名は「海幸山幸」。「手力男」と「天細女」は高千穂鉄道廃止後、國鉄九州総局(JR九州)に売却されたんだ。その後、改造され、2009年に「海幸山幸」としてレビュー、日南線の観光特急として今でも走っているんだ」

そう、「海幸山幸」は悲劇の列車を改造してできた観光特急であった。高千穂鉄道廃止後、風前の灯火となった2つのトロッコ風列車は國鉄九州総局(JR九州)に売却されて改造、今では九州が誇るD&S特急の1つとして活躍していたのである。

 そして、曜・ルビィたち一行は「海幸山幸」に乗り込むなり、日南線の海岸の景色を楽しんでいた。

「うわ~、キレイずら!!」(花丸)

「荒々しい海だ!!まるでヨハネのようだ!!」(ヨハネ)

「本当に美しい景色が続くなんてロマンチック!!」(梨子)

そんななか、宮地親子も「海幸山幸」の旅を楽しんでいた。

「お父さん、この列車、とてもいいね!!かっこいいし、僕、好きになっちゃった!!」(攻)

「うん、そうだね」(守)

このときの守はそんな攻の無邪気さにこう思っていた。

(こんな攻の姿を見るなんて、私としてはうれしいよ。これが妻が、想い出、いや、乗りたかった理由かもしれないね)

妻の想い出の列車、それは攻にとっても想い出の列車になった、そう思えた守なのかもしれない。

 むろん、そんな宮地親子を見ていた曜とルビィも、

(これが親子なんだね!!私、感動したよ・・・)(曜)

(こんな麗しい光景だよ!!お姉ちゃん(ダイヤ)、この光景を焼き付けるからね!!)(ルビィ)

と感動に酔いしれていた。

 

 そんなみんなとは別に南は日南線から見える海岸線を見ながらこう思った。

(この荒々しい海と同じように俺たちは自然の脅威に常にさらされている。それはどうしようもない刹那なのかもしれないな・・・)

そう、南がそう思えるのも無理ではなかった。ここからは、今、現実に起きていることを話そう。日本だけでなく世界中において、自然の脅威が続いている、それこそ自然の摂理なのかもしれない。そして、それは、人類において自然の脅威になすすべなんてないのかもしれない。それはJR九州でも同じようなことが言えるだろう。熊本~阿蘇~大分を結ぶ豊肥本線は熊本地震などの影響で不通になったことが何度もあった。また、久留米~日田~湯布院~大分を結ぶ久大本線も何度かの豪雨により鉄橋や線路が流出しては何度も存亡の危機を迎えようとしていた。

 そして、今、現在、JR九州管内においては2017年の豪雨で日田彦山線が、2020年の豪雨で肥薩線の八代~人吉~吉松間が不通になっている。いや、それどころか、線路や鉄橋の流出により2つの路線は存亡の危機に瀕している。そのため、そこを走る観光列車にも影響が出ている。「かわせみ・やませみ」「いさぶろう・しんぺい」「SL人吉」は別々の路線で臨時列車として運行しているし、「はやとの風」は運行を終了し、「いさぶろう・しんぺい」の一部とともに西九州を走る予定の「ふたつ星4047」として運行するためにリニューアル中である。それくらいJR九州が誇るD&S特急も再編の波が押し寄せていた。

 さらに、日田彦山線では新たなる動きがでている。実は、この前の豪雨の際、久大本線の鉄橋の一部が流出したものの、不通になっている日田彦山線の鉄橋を再利用(どうやら鉄橋の長さが同じだったようだ)する形で早急に復旧したのだが、これにより鉄路での復旧が絶望的になったばかりか、逆に一部区間をBRTでの運行に舵をとったのである。 

 こうしてみてみると、自然の脅威は、自分たちだけでなくJR九州、いや、國鉄九州総局も、いや、世界中に影響を与えていることがわかるかもしれない。それと同時に自分たちも自然によって活かされていることを認識すべきなのかもしれない、そう南は考えているのかもしれない・・・。

 

 そして、夕日が沈む日南の海岸にて・・・、

「さようなら、私の愛した妻よ・・・」(守)

と、骨壺に入った遺灰をまく守の姿があった。守からすればそれは妻への、奥さんへの最後の別れ、だったのかもしれない。むろん、息子の攻も、

「お母さん、さようなら・・・」

と母親との別れを感じていたのかもしれない・・・。

 そんあ2人を見てか、曜とルビィは南に対してこう言っていた。

「私たちって自然によって活かされている、そんな感じがしたよ」(曜)

「うん。ルビィもこの2日間は自然がどれだけ脅威なのかわかったもん・・・」(ルビィ)

そんな曜とルビィに対し南はこう励ました。

「でも、そのなかでも人は精一杯頑張って生きていくだ。そのことを忘れなければきっと明るい未来へと向かうことができると思うよ」

 その言葉とともに曜とルビィは自分の想いを口にした。

「そんな自然のなかで生きている九州の人たちってすごいと思うよ」(曜)

「うん!!たとえどんなことがあっても「海幸山幸」のように復活できると思うんだ」(ルビィ)

曜とルビィ、この旅を通じて自然の脅威のなかで精一杯頑張っている九州の人たちのことを知ることができた。曜とルビィにとってこの数日間は、いや、秋に経験したことなどを含めて自然のなかで生きている九州の人たちに心打たれるものがあったのかもしれない、それくらい2人からしたら成長できたのかもしれない・・・。

 そんな曜とルビィに対し、

バシッ

と背中を叩く者がいた。これに対し、曜、

「千歌ちゃん、なんで背中を叩いたの?」

と背中を叩いた者こと千歌に対しそう言うと、千歌、こう言った。

「そんな暗い表情なんてせずに、今を、未来を、楽しもう!!」

そう、千歌はいつも前向きに考えていた。たとえどんなことがあっても前向きに考えることができる、それが千歌なのである。そのため、ルビィ、

「たしかにそうかもね!!ルビィたちはいつも前向きに考えないといけないんだもんね!!」

と千歌の前向きさに犯されたのか前向きに考えることにした。

 そして、千歌はこんなことを言いだしてきた。

「でも、私が前向きに考えることができるのはみんなのおかげだと思うんだ。これまでの旅のなかで私たちっていろんなみんなから勇気や元気をもらってきたじゃん。それどころか、いろんなことをするときでもみんなの協力があったから成功できたと思うんだ。だからね、みんなへのお礼を兼ねて、月末に、あの場所で、私たちの再出発の地、沼津駅前で、私たち卒業生さよならライブ、を行おうと思うんだ!!」

そう、千歌が考えたこと、それは、これまでお世話になったみんなに対するお礼のライブ、さよならライブを行うことだった。自分たちはこれまでみんなのおかげでAqoursとして活動することができた、それなら、それに対するお礼を兼ねてのライブ、さよならライブを行うことでみんなに恩送りをしよう、というのだ。むろん、これには、曜、ルビィ、ともに、

「うん、それはいい考え!!」(曜)

「ルビィも賛成!!」(ルビィ)

と賛成の意を示した。いや、それどころか、

「ヨハネも賛成!!」(ヨハネ)

「おらも賛成ずら!!恩送りずら!!」(花丸)

「私も賛成!!う~、私も頑張らないとね!!」(梨子)

というヨハネたちからの賛成はおろか、

「私としても賛成!!梨子、負けないからね!!」(桜花)

「先輩たちの考えに賛成!!やるよ、松華!!」(梅歌)

「まぁ、私としても梅歌と一緒ならどこにでもいくよ!!」(松華)

とテレビ電話で桜花たち1年生も賛成の意を示していた。

 こうして、ついにさよならライブの開催を決めた千歌たち、そんな千歌たちは日向灘の夕日に照らされながらこう叫んだ。

「さよならライブ、必ず成功させるからね!!だから、応援してね!!」

それはこれからお日さまの、虹の先へと進もうとしている9人をお日さま自ら応援しているようにもみえたのであった・・・。

 

ED 浪漫鉄道(JR九州社歌)

※申し訳ございません。YouTubeにて検索の上、脳内で鳴らしてもらえたら幸いです・・・。

 ごめんなさい・・・m(__)m

 

~自然の脅威~完 & To be contuned

 

 

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