※この物語は毎週月・水・金に投稿しております。
「うわ~、これが血の池地獄なんだ!!すごく赤い!!」(曜)
「うぎゃ~!!お湯が飛び出してきた!!」
「海幸山幸」の一件が起きた翌日、曜とルビィ、花丸、ヨハネ、梨子、そして、南と高山は宮崎から特急「にちりん」に乗って大分・別府へ、そこで(主に別府地獄を)観光していた。これまでは事件に次ぐ事件だったので曜とルビィとしてはこの旅で初めての旅らしい旅みたいなことをしていた。ということで、曜とルビィは別府地獄でめいいっぱい楽しんでいた。そんな曜とルビィに対して南は、
「これ自体自然現象なんだけどこれほどすばらしいとはなかなかなものだな!!」
と地獄自体自然現象なのだがそれはそれでとてもすばらしいと太鼓判を押していた。それくらい別府地獄はすばらしいところなのかもしれない。
そして、夜の7時ごろとなり、
「う~ん、とり天、おいしいずら!!」(花丸)
「うわっ、私のとり天!!」(ヨハネ)
「うまいずら、うまいずら」(花丸)
となぜか花丸に自分のとり天をとられるヨハネの姿が・・・、いやいや、曜・ルビィ一行は大分駅近くのレストランで大分名物のとり天を食べていた。そんななか、南に対しルビィはあることを尋ねてみた。
「ところで、南さん、これからどうするの?」
そう、これから先のことをルビィは南に尋ねたのである。実は曜とルビィの卒業旅行の予定はゆうに過ぎていたのである。1日目に「A列車で行こう」、2日目に「かわせみやませみ」「いさぶろう・しんぺい」、3・4日目に「海幸山幸」と予定の4日間はすでに過ぎていた。それでもって今日は5日目、曜とルビィたちは今日か明日にでも沼津に戻る必要があったのだ。だが、南たちはまだ一緒にいる。なので、南たちはこれからどうするのかルビィは確認しようとしていたのだ。ただ、南は、
「う~ん、そうだなぁ~」
となにか悩む恰好をみせるも、
「まだ決めていない」
と言葉を濁した。実は、このとき、南はあることを悩んでいた。それは・・・、
(う~ん、これをしゃべっていいのだろうか。あともう少しで・・・)
となにかを隠していたような感じだった。
そんななか、突然、南の携帯に、
ピピピ
という音が聞こえてきた。そのため、南はすぐに電話にでる。
「南だがどうしたんだ?」
すると、電話をかけてきた桜井からある連絡がはいった。
「大変です、南さん。宮崎で他殺体が発見されました!!」
これには、南、こう指示した。
「すぐに被疑者(他殺体の人)の関係を調べてくれ!!」
むろん、これには桜井とその近くにいた岩泉から、
「わかりました!!」
という声が聞こえてきた。
そんなやりとりをみていた曜はすぐに南に尋ねる。
「まさか、事件!?」
すると、南、
「あぁ、事件だ!!」
ということ曜に対してこう言った。
「もしかするとここでさよならかもな!!」
これには、曜、
「えっ、それって本当?」
と南に言うも、南、すぐに、
「まぁ、それは桜井と岩泉の捜査次第さ」
とたんに答えていた。
そんなやりとりから5分後、
「南さん、怪しい人物が浮上しました!!」
と桜井から通信がはいった。南はすぐに、
「その情報をくれ!!」
と言うと岩泉はすぐに怪しい人物の名をあげた。
「その怪しい人物とは被疑者である日出(ひじ)と一緒に旅行をしていた三重という人物です。実は被疑者である日出はナイフで一刺しだったらしく、そのナイフから三重の指紋がみつかりました」
どうやら三重という人物が犯人である、という情報がはいってきた。そのナイフから三重の指紋が見つかった、というのだ。そのため、見栄を重要参考人として探すこととなった。
だが、ここにきて話は急展開をみせる。桜井からの連絡から3分後、
「南さん、三重がみつかりました!!」
という小海からの連絡がはいったのだ。これには、南、
「いったいどこでみつかったんだ?」
というと小海はそれを詳しく話した。
「三重ですが大分駅にいるところを発見しました。今、確保しました」
ただ、小海の声とは別に男の声で、
「俺はやっていない!!俺はやっていない!!」
と聞こえてきた。
すると南は小海に対しこう命じた。
「小海、三重をそのまま拘束してくれ。俺が行く!!」
その南の声に曜ははっとした。
「南さん、もしかして、犯人がみつかったの?」
これには、南、
「あぁ、でも、俺が行かないと自供してくれないと思うからな」
と行くことに曜に告げると曜は南に対し、
「なら、私たちも連れてって!!」
とお願いした。これには、南、
「行っておくが犯人がなにをするかわからないぞ!!」
と脅しをかけるも、これには、曜・・・ではなく、なぜか近くにいた、
「なら、私が彼女たちを守ってあげる!!」
と梶山が言うと高山も続けて、
「それに彼女たちの力が必要になると思います」
と梶山の援護射撃をしたのが効いたのか、南、
「わかった。曜ちゃんとルビィちゃんの同伴を許可する」
と曜とルビィの同伴を許可・・・したのがいいのだが、ここで、今なお、旅の添乗員をしていた千歌からも、
「ち、千歌も一緒に行く!!」
と言ってきた。その千歌の顔を見た南はぼそっと、
「う~ん、特別工作員の千歌を連れていくのはなぁ~」
と言うも、
「うん、仕方がない!!千歌も連れていく!!」
と声をあげてしまった。どうやら、南、千歌の押しに負けたようだ。
そんなわけで、南と高山はヨハネたちをその場に残し、曜、ルビィ、千歌を連れて小海のもとへと向かうのであった。
「俺はやっていない!!俺はやっていない!!」
南たちは駅の事務室に行くなり、三重が小海たちに抗議していた。それに対し小海は、
「でも、あなたの指紋がみつかったでしょうが!!」
と言い争いをしていた。
そんなとき、南が小海と三重のあいだにはいるなりこう言った。
「あなたが三重さんですね。あなたにはなにかアリバイがあるのですか?」
すると三重がこんなことを言ってきた。
「俺は青春18きっぷを使って大分県内を旅していたんだ。それが証拠だ!!」
すると、三重は青春18きっぷをみせてきた。するとちゃんと今日の日付が印字されていた。
そんなときだった。ここで桜井と岩永が来て南にあることを告げた。
「南さん、宮崎県警から連絡があり、被疑者が殺されたのが朝の8時ごろということです」
これを聞いた瞬間、南、少し暗い顔になってしまう。というのも、
「そうなると三重が犯人というのが難しくなる・・・」
どうやら南が犯人であるということが難しくなったようである。ただ、それに対し、ルビィ、南に、
「でも、なんで三重さんが犯人といえなくなるの?」
と尋ねると高山がその理由について話した。
「青春18きっぷを使う人にとって延岡~佐伯間の「宗太郎越え」がネックになるんだ」
だが、ただそれだと意味がわからないのか、ルビィ、南に尋ねる。
「どうして「宗太郎越え」がネックになるの?」
すると、それについて三重が説明始めた。
「そりゃそうだ!!だって、延岡→佐伯の便は朝の6:10発と夜の19:33発の2本しかないんだからな!!」
そう、そこが青春18きっぷを使う人にとって日本一難しい区間、「宗太郎越え」たる所以だった。実は延岡~佐伯間は下りが朝の1本だけ、登りは朝夜の2本のみという日本でも1番の便の少なさだったのだ。なので、青春18きっぷを使う人にとって、この便の少なさ、いわゆる、「宗太郎越え」というのが難所中の難所、いや、日本一の難所、といえたのである。
そして、そこに南が三重が犯人と決めつけられない所以だった。というのも、
「朝8時ごろに被疑者を殺して今の時間(夜7時ごろ)に(青春18きっぷが使える)普通に乗って大分の来るのが不可能に近いんだ・・・」
そう、宮崎→大分を青春18きっぷで朝8時から夜の7時までに直接行こうとしても「宗太郎越え」があるから不可能に近い、というのだ。
ただ、それに対して曜がある疑問を南に伝えた。
「でも、そうだったら特急「にちりん」に乗ればいいのでは?」
そう、大分と宮崎を結ぶ特急「にちりん」を使えば宮崎→大分間はすぐに移動できるのである。これは曜やルビィ一行が宮崎から大分まで来るときに使った手段であった。
だが、これには、高山、
「それも不可能なんです」
と言っては不可能である理由を曜とルビィに教えてあげた。
「実は青春18きっぷは特急には使えないんだ」
そう、青春18きっぷは全国の國鉄(JR)の普通・快速には乗れるのだが、一部の区間を除いて特急券を買ったとしても特急に乗ることができないのだ。なので、三重が特急「にちりん」を使って宮崎→大分に来ることは不可能だったのだ。まぁ、その理由以外にも、
「実は、特急「にちりん」に三重みたいな客がいなかったか確認をしたのだけどいなかったんだ」
という情報も南のもとに入ってきたため、曜の示した特急「にちりん」を使っての大分入りはなかった、ということになったのだ。
そのため、南、
「う~ん、どうやってたった1日で青春18きっぷを使って宮崎から大分まで来たんだ・・・」
と頭を悩ましていた。
そんなとき、曜とルビィがこんなことを言い出してきた。
「南さん、このアリバイ、私たちが崩したいと思うんだけど・・・」(曜)
「ルビィもね、このアリバイを崩したいとと思っているの。南さん、お願い」(ルビィ)
どうやら、曜とルビィ、この三重のアリバイを崩したい、そう思っているようだ。ただ、これには、南、
「でもなぁ、この俺さえも難しいことを曜ちゃんとルビィちゃんに任せてもなぁ」
と及び腰に・・・。
そんな南に対してついにあの人がガンッと言った。
「この千歌がいるから大丈夫!!私たち、CYaRon!にお任せ!!」
そう、千歌だった。やっぱりAqoursのリーダー!!やるときはやる(つもり)なのだ。これには、
「そこまでやる気があるならやってもらった方がいいと思います」(高山)
「困ったときはときは第三者の目も必要です。やってもらった方がいいと思います」(小海)
という部下たちからの意見もあり、南、それならばと、
「わかった。でも、もし無理そうだったら俺に言えよな!!」
と、千歌、曜、ルビィに三重のアリバイ崩しをお願いすることになった。
まず、千歌と曜、ルビィ、は「宗太郎越え」について考えてみた。
「「宗太郎越え」だと朝夜の2本のみ(上りの場合)。そうなるとやっぱり宮崎から大分まで来ることができないよ」(曜)
「でも、日豊本線で直接来るのであればそれが最短ルートだよ!!」(ルビィ)
「でも、それが不可能だったらこのルートは外すしかないよ」(千歌)
そう、前述の通り、「宗太郎越え」を直接するのは不可能、ということとなった。
そんなわけで次に青春18きっぷについておさらいをする。
「青春18きっぷは全国の國鉄(JR)の普通・快速列車に乗れるんだよね」(曜)
「でも、特急や新幹線には乗れない(一部を除く)んだよね!!」(ルビィ)
「そう考えると鹿児島中央から新幹線を乗り継いで大分に来るのは無理だね・・・」(千歌)
千歌が考えたルート、それは宮崎から鹿児島中央を抜け、新幹線を乗り継いで大分まで行くルートだった。これだったら小倉まで行って小倉から大分まで大回りで行くことができるのだが、青春18きっぷを使って新幹線に乗ることができない以上、このルートで大分に行くのはできなかった。
ただ、この千歌の考えを聞いて、曜、あることを考えた。
「そうだ!!宗太郎越えをせずに大回りすればアリバイは崩れるかも!!」
そう、わざわざ「宗太郎越え」をしなくてもいいのである。大回りすればいいだけの話である。
そんなわけで、千歌はその大回りのルートを考えてみた。
「まず、青春18きっぷを最大限活かせるルートだけど、吉松、人吉を抜けるルートがあるよ!!」(千歌)
千歌が考えたルート、それは、
宮崎→都城→(吉都線)→吉松→(肥薩線)→人吉→熊本
のルートだった。これならJRの普通を乗り継いで大分まで抜けることができる、そう千歌は考えたのである。
そういうことで時刻表を片手に千歌たちは時間を比べてみる。すると、
「宮崎8:48発、都城9:56着・・・、って、都城で3時間待ちじゃない!!」(千歌)
そう、このルートだと(ローカル線ではありがちなのだが)長時間待つことになるのだ。そんなわけで、いろいろと調べたものの、
宮崎 都城
8:48→9:56 吉松
13:03→14:31 人吉
15:15→16:34
といったところで大分まで行くことができないことが発覚した。これには、曜、ルビィ、ともに、
「えっ、まさか人吉で終わるなんて・・・」(曜)
「ルビィ、うまくいく、と思っていたのに・・・」(ルビィ)
と唖然になってしまう。まぁ、吉都線、肥薩線、ともにローカル線、ということもあり、便数が少ないのがネックだったようだ。これにはさすがの千歌も、
「まぁ、そういうことだってあるでしょ!!」
と開き直るしかなかったのだ・・・。
と、ここで、曜、意外なことを言う。
「青春18きっぷっていうくくりだけで考えているからできないんだよ!!なら、ほかの鉄道を使うのってどうなの?」
そう、九州にはいろんな鉄道がある。平成筑豊鉄道、くま川鉄道、などなど。それを使えばいいのでは、と曜は考えたのである。
そこで千歌は國鉄(JR)の路線図を見る。すると・・・、
「おれんじ鉄道・・・」
そう、おれんじ鉄道、昔の鹿児島本線である。それを使えば大回りでも大分に行ける、そう思ったのか、ルビィ、
「犯人はきっとおれんじ鉄道を使ったんだよ!!」
と勢いづいていた。
そんなわけで、千歌、曜、ルビィ、ともに、
「あっ、どんどんつながる!!」(千歌)
「これは幸先いいね!!」(曜)
「うんっ!!」(ルビィ)
といろいろと調べてはどんどんつながっていった。
だが・・・、
「う~、時間が足りない・・・」(千歌)
「あともう少しだったのに・・・」(曜)
「ぐすんっ!!」(ルビィ)
と突然行き詰まってしまった。というのも・・・、
宮崎 都城
8:48→9:56 鹿児島中央
10:24→11:55 川内
12:29→13:18 八代
13:22→15:57 鳥栖
16:04→18:45
と、あまりにも大回りだったため、鳥栖で時間切れを起こしたのだ。
そんなわけで、鉄道を使ったら宮崎から大分までいけないことがわかった千歌たち。そのため、
「う~、ほかに方法がないのかな・・・」(曜)
と、もうお手上げ状態だった、そんなときだった。ルビィ、あることを思い出した。
「あっ、そうだ!!高速バスっていう手はないの?」
そう、高速バスを使う方法が残っていたのだ。というのも、ルビィ、秋に南たちと旅をしたとき、「36+3」の事件にて犯人が高速バスを使って移動していたことを思い出したのだ(詳しくは前作「つばめの謎」をご覧ください)。
そこでルビィは南を呼んでこうお願いした。
「ねぇ、南さん、宮崎から大分まで行く高速バスに犯人が移動していないか調べてくれませんか?」
すると、南もそう思ったのか、
「わかった。調べてみる」
と言ってはすぐに調べてくれた。すると、南、ルビィにこう告げた。
「たしかに宮崎と大分にはパシフィックライナーという高速バスが走っている」
これには、ルビィ、
「なら、犯人はパシフィックライナーを使ったんだ!!」
と元気よくいった・・・ものの、南の答えは意外なものだった。
「でも、犯人らしい人物は乗っていない、ということだ」
そう、南はこの高速バスの存在を調べるとともにそのバスに犯人が乗っていなかったのか調べたのである。だが、運行会社によるとそのような人はいなかった、ということである。(なお、パシフィックライナーは現在廃止されています)
と、それにあわせて南が新たなる情報をもってきてくれた。
「それと、三重だが、16:45ごろに由布院→大分の普通列車に乗っていた、という目撃証言がみつかった」
そう、三重は16:45ごろに由布院→大分の普通列車に乗っていた、というのだ。これには、千歌、
「それってすごい情報だよ!!」
と驚くもそれとつながる案がみつからずいた。
そんなときだった。ルビィ、あることを思い出した。それは、
(あっ、たしか、南さん、こう言っていたよ、「時刻表をみればわかる!!」って!!)
そう、南が「いさぶろう・しんぺい」の事件のときに言っていた言葉、「時刻表をみればわかる」、それを思い出したのである。そのため、ルビィ、
「もしかすると・・・」
と九州総局の時刻表を最初から読み返した。すると・・・、
「もしかして・・・、犯人・・・、あのルートを使っちゃんじゃ・・・」
と、ルビィ、なにかわかったのか、千歌と曜にこんな言葉を言った。
「千歌ちゃん、曜ちゃん、今すぐあの情報をもとに調べてみよう!!」
そして、ルビィはあの情報、つまり、16:45ごろに由布院→大分の普通列車に乗っていたこと、それをもとに時刻表を使って逆引きでダイヤを調べてみる。すると、
「でも、ここまでどうやって来るの?」(千歌)
ある駅で千歌と曜はその先へと進めなくなったようだ。
ただ、これに対してルビィはこう言った。
「それなら、この交通手段を使えばいいんだ!!」
すると、あら不思議、これまで困難と思っていた1つの線がつながったではありませんか!!これには、千歌、曜、ともに、
「うわ~、ルビィちゃん、天才!!」(千歌)
「これなら大丈夫だね!!」(曜)
とルビィのことを褒めるとルビィは南にこう言った。
「このルートなら少しの時間で宮崎から大分まで来ることができるよ!!」
すると、南はそのルートに見ては三重に対しこう告げた。
「三重さん、あなたのアリバイ、すべて崩れました」