曜とルビィの事件簿   作:la55

24 / 44
この作品は新庄さんとのコラボでお送りいたします。
また、劇中のダイヤですが令和4年9月23日時のダイヤを利用しております。


曜とルビィの事件簿Ⅲ~運転開始日の殺人~  後編

「現川さん、あなたのアリバイ、崩すことができたぜ!!現川さん、あなたが犯人だ!!」

この南の言葉に現川は、

「それは濡れ衣だ!!」

と高杉の近くにいた小海に突っかかってきた。これには、高杉、

「現川、やめないか!!」

と小海を守るように現川を制すると現川はそんな高杉に向かって、

「私は本当に犯人ではない!!」

と訴えたのである。

 だが、南はそんな現川に対しこう告げた。

「現川さん、あなたは長里さんと湯江さんを続けて殺したのです。ある列車を使ってね・・・」

これには、現川、

「へぇ~、どうやって殺したのですかね」

と南にくってかかろうとしていた、モニター越しに・・・。むろん、これには、曜、

「でも、長里さんが15:00に長崎にて殺されて湯江さんは(諫早に到着する)15:30以降にふたつ星で頃たんだよ。新幹線を使わずにどうやって長崎から諫早まで来ることができるの?それに加えて現川さんはふたつ星に乗っていないんだよ。それもどう説明するの?」

と南に問いかけた。たしかにその通りであった。現川が犯人なら長崎で長里を15:00ごろに殺したのであればどうやって15:30~16:20の間でふたつ星のトイレで湯江を殺したのか、それも新幹線を使わずに、である。これにはさすがの高山ですら、

「南さん・・・」

と心配そうにみていた。

 だが、南は違っていた。自信満々の現川に対しこんなことを南は言ってきた。

「それが可能なんですよ、快速を使ってね!!」

快速を使った!!これには、ルビィ、

「えっ、特急に快速が追いつくの!?特急って快速より速いんだよ!!」

とびっくりしてしまう。たしかにルビィがびっくりするのも納得であった。だって、特急といえば新幹線を除けば最速の部類に入るものである。それなのに快速に追いつかれる特急なんてルビィからしたら聞いたことがないのである。

 だが、それでも南は言った。

「でも、たしかに快速に追いつかれる特急があるんですよ。いや、快速に追い抜かれる特急があるといったほうがいいかな」

これには、ルビィ、

「えっ、快速に追い抜かれる特急ってあるの?」

とまたもやびっくりしてしまった。

 そんなルビィを尻目に南はこう告げた、ふたつ星の真意を・・・。

「実はその特急こそふたつ星なんだ。長崎を14:53に出発したふたつ星は長崎本線の旧線(長与軽油)を時間をかけて諫早に行き、15:30に諫早に到着する。一方、快速シーサイドライナーは15:08に長崎を出発、新線(市布経由)をさっそうと走って15:35に諫早に到着、15:36にふたつ星を残して諫早を出発するんだ。現川さんはそれを使って諫早まで来たんだ」

そう、ふたつ星はたしかに快速に追い抜かれる特急で会った。先に長崎を出発したふたつ星は時間をかけて15:30に諫早に到着、15:45までの15分間、諫早に停車している。一方、15:08に長崎を出発した快速シーサイドライナーは颯爽と走り、15:35に諫早に到着、15:36にふたつ星を残して諫早を出発するのである。これには、曜、あることを思い出した。

「あっ、それって諫早駅で見たYC1系だよね!!」

そう、曜はそのときのことを思い出したのである、諫早駅で見たYC1系のことを。それに対して南はこう解説した。

「たしかに曜ちゃんの言う通り!!諫早駅で曜ちゃんたちが見ていたYC1系こそ大村線でふたつ星より先に出発する快速シーサイドライナーなんだ!!」

YC1系、今のところ長崎地区において主力となる気道車であった。そのなかで特に、長崎~諫早~大村~早岐~佐世保の快速シーサイドライナーはYC1系にとっては花形ともいえる存在であった。現川はその快速を使って諫早駅まで来たのである。

 と、ここで、ルビィ、南にある質問をした。

「ところで、南さん、旧線と新線ってなに?」

そう、南が言っていた旧線と新線についてである。ふたつ星は旧線を使って長崎から諫早まで来たのに対し快速シーサイドライナーは新線を使って長崎から諫早まで来たのである。これには、南、こう答えた。

「ルビィちゃん、それはね、長崎本線長崎~諫早間は旧線と新線の2つの路線があるんだ。ふたつ星はは旧線(長与経由)を使い、快速シーサイドライナーは新線(市布経由)を使って諫早まで来たんだ」

南の言う通りであった。長崎本線長崎~諫早間には2つの路線がある。1つは長与経由の旧線、もう1つは市布経由の新線である。長崎本線はもともと長与経由の大回りの旧線が先に作られたのである。だが、かなりの大回りであったため、それだとかなり時間がかかってしまう、また、輸送量増加、ということで、戦後、長崎と諫早のあいだにある山々をくりぬいて市布経由の新線を作ったのである。この新線を使うことで特急かもめや快速シーサイドライナーといった列車はかなりのスピードアップを図ることができたのである。そんな説明をした南はルビィに対しこれを付け加えた。

「でも、旧線は風光明媚なところが多い、ということでふたつ星は旧線を経由して時間をかけて諫早までくることになったんだ」

これには、ルビィ、

「たしかに、長与・時津から見えた大村湾ってかなり綺麗だったよ!!」

と目をキラキラさせながらそう答えた。

 そして、南はもう1度、(モニター越しに)現川を見てはこう告げた。

「そして、快速シーサイドライナーを使ってふたつ星に追いついた現川さんはふたつ星の諫早での停車時間のあいだにふたつ星に乗り、湯江さんを呼び出してはトイレで殺してふたつ星を降りたんだ」

これには、現川、

「ぐぐぐ」

と苦虫を潰されたような表情になるもすぐに南に反論する。

「でも、諫早停車中に私がふたつ星に乗って人を殺してから降りるなてそれを見ていた人なんていないだろうが!!」

 と、ここで、南、ある少女を出す。

「それについてはもうすでに承認を見つけたんだよ。千歌、お願い!!」

すると、南のそばに千歌が登場、千歌はこう証言した。

「千歌、見たもん!!あなたみたいなおじさんがYC1系から降りてふたつ星に乗り込み、数分してからふたつ星を降りてきたところを!!お祭り騒ぎで賑わっていた諫早駅で、おじさんの姿、見たもん!!」

これには、現川、

「ううう・・・」

とさらに険しい表情をしてしまった。

 と、ここで、曜、あることを南に問うた。

「でも、なんで特急ふたつ星をが快速に追い抜かれているわけ?」

 すると、南はその真意を曜に対して説明した。

「実は、ふたつ星は特急は特急でも、観光特急、つまり、D&S特急の一つなんだ。だから普通の特急みたいに速達性を求めているわけでもなく、観光目的だからゆっくりでもいいわけ」

そう、ふたつ星をはじめとするD&S特急は観光特急の部類にはいる。そのため、普通の特急みたいに速達性を求めているのではなく、観光目的に乗ることを前提にしているのである。また、D&S特急は乗ることそのものが忘れないイベントとなるように作られている。なので、普通の特急みたいにスピードをそんなに追い求めていないのである。これには、曜、

「へぇ~、ふたつ星といったD&S特急ってそうなんだ」

と納得の表情をみせていた。

 そして、南は現川に対しこう告げたのである。

「現川さん、あなたは15:00ごろに長崎で長里さんを殺したあと、快速シーサイドライナーで長崎を15:08に出発、15:35に諫早に到着後、先に到着していたふたつ星に乗車し湯江さんを殺害、ふたつ星を降りては諫早15:51発の新幹線かもめ40号に乗り込み武雄まで来た、というわけです」

これには、現川、

「ぐぐぐ・・・」

と苦しい表情をみせると高杉は現川に対しあるお願いをした。

「すいませんがあなたのかばんの中身をみせてくれませんか」

これには、現川、もう諦めたのか、

「は・・・、はい・・・」

と高杉にかばんの中身を見せるとそこには・・・、

「むむ、血のついたナイフに返り血を浴びたハンカチ・・・。これを調べたら2人の血液が検出されるでしょう」(高杉)

そう、2人の血がついたナイフと2人の返り血を浴びたハンカチが出てきたのである。これには、現川、

「おう言い逃れできない・・・」

と肩を落とすしかできなかった・・・。

 

 こうして、現川は長里と湯江を殺害した罪で逮捕された。これはのちにわかったことだが現川は長里と湯江の存在が疎ましかった。現川自身がすることにいつも長里と湯江がけちをつける、というか反対したのである。そのため、自分の思う通りに動くことができなかったのである。そこで、2人を殺害することで邪魔者を排除しようとしたのである。だが、南の活躍により現川は逮捕されることになった。南がふたつ星に乗車していなければ最後までこのことはわからなかったのかもしれない。けれど、罪というのはいつの日かはばれるものである。そのことを実感した出来事だったのかもしれない。

 そんな陰に隠れようとしていた事件を解決した南の姿に曜とルビィは、

「ルビィちゃん、南さん、やっぱりかっこよかったね!!」(曜)

「うん、そうだね!!」(ルビィ)

と活躍した南に対し感激の目をキラキラさせながらも言った。それと同時に、

「ところで、千歌ちゃん、本当に神出鬼没だね・・・」(曜)

「うん、そうだね・・・」(ルビィ)

といつ出てくるかわからない千歌の姿に2人の頭の上に「・・・」がつくような感じがするしかなかった・・・。

 

 と、まぁ、こんな具合にこの旅第1の事件の幕は降りた。今日も南の活躍により無事に事件は解決したのだが、このときの南たちは知る由もなかった、もうすぐ第2の事件が起きることを・・・。そして、あのとんでもない刑事が出てくることも・・・。

 

運転開始日の殺人 END & to be contuned

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。