また、劇中のダイヤですが令和4年9月23日時のダイヤを利用しております。
「とてもおいしいね!!」(ルビィ)
「うん!!」(曜)
ふたつ星での事件後、曜とルビィは長崎まで戻り、長崎駅近くの料理店で卓袱料理を食べていた。卓袱料理、それは長崎を代表する料理であった。和・洋・中、すべての要素が融合したこの料理を曜とルビィは堪能していたのである。
そんな曜とルビィに対し、2人と一緒に行動している南からは、
「曜ちゃんにルビィちゃん、明日は鹿児島に移動するから腹八分目でお願いする」
と注意を受けるもその横では、
「そんなこと言っていたら、おいしい料理、なくなりますよ。南さんも食べましょうよ!!」
と高山が料理をおいしく食べながら言うと、南、
「高山、少しは遠慮を覚えろ!!」
と高山に注意していた。これには、高山、
「それはないですよ!!」
と言うと曜とルビィからは
ハハハ
という笑い声が聞こえてきた。
そんななか、突然、南と高山のもとにある連絡が入った。突然、南のスマホから、
プルルプルル
という音が聞こえてきた。これには、南、
「ちょっと電話に出てくる」
と言っては席を立ち電話に出ると大きな声でこう叫んだ。
「なに、佐世保で殺人だって!!」
これには、高山、
「なんてことだ!!まさか連続で殺人が起きるなんて・・・」
と不機嫌そうに言うと曜とルビィは南に対し、
「まさか、殺人事件・・・」
と心配そうに南を見つめた。すると、南、
「あぁ」
と同意するもすぐに、
「でも、場所が佐世保だけに自分たちの場所から遠すぎる。まずは佐世保の近くにいる高杉班長と小海にお願いして事件現場に行ってもらうことにしよう」
と言っては高杉のところに連絡をとると高杉はそのことを了承しては事件現場へと向かってもらうこととなった。
と、同時に南たちは食事を切り上げてはちかくの鉄道公安隊の公安室まで行くことにした。このとき、南は自分の時計で時間を確認すると、
「今は20:40か」
と声を上げた、そのときだった。突然、ドカッという音とともに、
「うわっ!!」
という南の声が聞こえてきた。これには、曜、
「南さん、いったいどうしたの?」
と言うと南は曜とルビィに対し今起こったことを話した。
「今、俺が外に出た途端に走ってきた男性にぶつかってきたんだ。俺はそれに驚いたのだが、その男性は血相を変えて走っていったんだ、まるでなにかに急いでいるかのようにな・・・」
この南の言葉に、ルビィ、
「でも、ケガがなくてよかったね」
と言うも、南、なにかを感じていたのか、突然、高山に対しこう命令した。
「高山、すまないが俺にぶつかった相手を追いかけてくれ!!なにか事件の香りがする!!」
これには、高山、
「はい、わかりました!!」
と言っては南にぶつかってきた男を追いかけていった。
そして、南は男性が来た方向を向くと曜とルビィに対しあるお願いをした。
「もしかするとこれは事件かもしれない。だから、曜ちゃんとルビィちゃんは先にホテルに・・・」
だが、これには、曜、はっきりと断る。
「南さん、心配しないで。私たちだって南さんと仲間です。一緒に行きます!!」
むろん、これには、ルビィ、
「曜ちゃんと同じくルビィも行く!!」
と言っては南と一緒に行くことを希望した。これには、南、
「うん、わかった。なら、一緒に行こう」
と2人のことを承諾しては曜とルビィと一緒に行くことにした。
そして、男性とぶつかってから数分後、南はある路地裏であるものを見つけた。それは・・・、
「ま、まさか、ここで殺死体とご対面するとはな・・・」
なんと、そこにはナイフが刺さったままの男性の殺死体が見つかったではないか。これには、曜、
「なんて惨い・・・」
と言うくらいナイフで何か所も刺されているようなあとが残っていた。
だが、それでも南は仕事を始める。すぐに現場の写真を撮るとともにすぐに警察と長崎にいる同僚の岩泉と桜井にも連絡を入れる。
それから10分後、南たちのいる現場にはまさかの珍客が現れた、こう歌いながら・・・。
「俺はめんこい、めんこい刑事・・・」
これには、ルビィ、数年前のことを思い出してはその珍客の名を呼んだ。
「あっ、もしかして、南さんにコテンパンにやられた刑事!!」
これには、珍客、「どてっ」と一昔風のズッコケをかますとルビィに対してこう言い出した。
「俺はそれではない!!俺の名はめんこい刑事!!世界一の刑事だ!!」
さて、みなさん、ご存じだろうか。珍客、いや、彼の名はめんこい刑事、自称、世界一の刑事・・・なのですが、「曜とルビィの事件簿」、第3の事件、「36+3」で起こった殺人事件で登場したものの、南によってこてんぱんにやられた刑事である。そんためか、南、
「ところで、役立たずの刑事がなぜここにいるのわけ?」
と言うとめんこい刑事はすぐにこんなことを南に対し言ってきたのである。
「俺はな、「36+3」での事件でお前にコテンパンにやられたあと、恥をかいたんだ!!」
これには、曜、
「それって自業自得じゃ・・・」
と言うも、めんこい刑事、そんなことを気にせずに南にこう言ってはつかかってきた。
「ただ、それだけじゃなく、警察に泥を塗った、ということで長崎県警に出向させられたんだよ!!」
ただ、これにも、ルビィ、
「それはお気の毒に・・・」
とまるで他人事がごとく言うも、めんこい刑事、これには、
「そこ、ちゃんと聞くように!!」
と注文をつけていた。
そんなめんこい刑事であるが、どうやら南に恨みがあるらしく、南に対して恨むようにこう言った。
「俺はお前のせいで人生を狂わせられたんだ!!今回、ここで、この恨み、晴らしてやる!!」
ただ、これには、南、
「はいはい」
と軽くあしらっていた。
まぁ、そんなめんこい刑事なのか、南に対し、めんこい刑事、こんなことを言ってしまう。
「まずはおれが所属しているところの力を見せつけてやる!!この男なのだが・・・」
その言葉のあと、男性の殺死体の身元を調べるめんこい刑事、すると、
「この男だがな・・・」
と言い出すも、そこに、南、あっさりこう答えてしまう。
「この男の名は大浦、ある企業に務めている会社員だな・・・」
これには、めんこい刑事、
「うぬぬ、なんで俺より先に・・・」
と起こりながら言うも逆に、
「なら、今さっき起きた佐世保の殺人はな・・・」
と威張るように言うも、これにも、南、すぐに、
「そして、佐世保の殺人だが、こちらも身元がわかった。佐世保の殺死体の名前は七浦、この人もある企業に務めている会社員だ・・・」
と先に言うと、めんこい刑事、
「うぐぐぐ、なんでこうあっさりと・・・」
と悔しそうに言った。これには、曜、こんなことを言ってしまう。
「そりゃそうでしょ。だって、南さんたちはあの國鉄鉄道公安隊の一員なんだから!!」
國鉄鉄道公安隊、鉄道に関する警察組織である。なので・・・ということはあとにして、めんこい刑事がいる警察と同等の力も持つ組織に属している南からすればこの情報なんてすぐにわかる?ものなのである。
だが、ここで、南、ある重要なことを話す。
「それと、この2人にはある結びつきがあった。2人とも同じ会社の同僚で仲が良かったんだ・・・」
その南の言葉を聞いて、めんこい刑事、すぐにある推理を言ってしまう。
「ということは、この事件は同じ犯人によって殺されたんだ!!」
これには、ルビィ、こう突っ込む。
「えっ、まだ事件が起きたばかりだよ!!それなのにそんなことがわかるの?」
そりゃそうだろう。だって、ルビィの言う通り、事件が起きたばかりなのだ。それなのにそう決めつけるとは・・・。
だが、めんこい刑事は南も知らない情報を出してきた。
「実はな、その佐世保で殺された七浦だが、殺された時間がわかった。殺された時間は18:40ごろ、だったんだ。それもナイフでなんども刺されたんだ」
これには、南、
「う~ん、めんこい刑事、侮れないな・・・」
とめんこい刑事の底力には驚いていた。
そんな南の言葉がもとになったのか、めんこい刑事、さらにこんなことも言ってしまった。
「それにな、佐世保で殺された七浦もナイフが刺さったままだったんだ。そのナイフに残っていた指紋とこの現場に残されていたナイフの指紋が一致した。これが俺が言う犯人同一説の根拠なんだ!!」
このめんこい刑事の言葉に、南、はっとする。
「それは本当なのか・・・」
これには、めんこい刑事、威張るようにこう叫んだ。
「そうだとも!!」
そして、めんこい刑事はこんな推理を披露した、時刻表を見ながら・・・。
「そして、犯人は快速シーサイドライナー佐世保18:49発に乗って長崎に来たんだ!!」
これには、南、ふと考えるとこんなことを言い出した。
「でも、それだと長崎の到着時間が・・・」
それでもめんこい刑事ははっきりとこんなことを言った。
「私に負けた負け惜しみだろうが!!」
これには、南、
「う~ん」
と首をひねるしかなかった・・・。
そんな南とめんこい刑事とのやり取りから20分後の21:10ごろ、高山が同僚の桜井と岩泉を連れて1人の男性を拘束しながら連れて帰ってきた、こう言いながら・・・。
「南さん、桜井と岩泉も使って犯人を連れて帰ってきました。この犯人、すべての犯行を自供しています!!」
これには、南、
「高山、でかしたぞ!!」
とうれしそうに言うと桜井はこの男の身元を明かした。
「犯人の名は東園、殺された大浦と七浦と同じ会社で働く会社員です」
さらに、岩泉はこれも話してくれた。
「それと、2人の殺人現場にあったナイフに残っていた指紋、この東園の指の指紋と一致しました!!」
これには、めんこい刑事、
「そりゃそうだろう!!俺の推理は正しかったんだ!!」
と声を上げて喜んでいた。
と、ここで、犯人である東園がこんなことを自供した。
「たしかに大浦と七浦を殺したのは私です。私は18:40に七浦を殺し、快速シーサイドライナー佐世保18:49発に乗って長崎まで来ました。間違いないです」
これを聞いためんこい刑事は南に対し、
「ふふふ、これで俺は南に勝つことができたんだ!!すべて俺の推理通りだ!!」
と勝ち誇っていた。
ただ、それでも南は納得していなかった。というのも・・・、
「でもなぁ、佐世保18:49分発の快速シーサイドライナーに乗ってもなぁ・・・」
とどうやらシーサイドライナーのここについて気になっていたのである。
だが、そんな南に対しめんこい刑事はこんなことを言ってきた。
「でもね、佐世保から長崎まで来るのにシーサイドライナー以外に速く来る方法なんてないんじゃないかな?」
たしかにその通りかもしれなかった。佐世保から長崎まで行く方法としてはシーサイドライナー以外には高速バスを使うしかなかった。だが、佐世保駅の近くにある佐世保バスセンター18:30発(長崎駅20:05着)以外だと佐世保バスセンター19:30発(長崎駅21:05着)になるため、東園のアリバイの証明にはならないのである。そう考えるとめんこい刑事の言うことも一理あった。ただし、それは・・・。
とはいえ、そんなこともあり、めんこい刑事は南に対し、
「どうや、どうや」
と威張っていた。これにはさすがの曜とルビィも、
「南さん・・・」(曜)
「南さん、大丈夫かな・・・」(ルビィ)
と心配そうに南の方を見ていた。
だが、ここで状況が一変する。威張っているめんこい刑事に対し、
「刑事さん、その推理、間違ったいるよ!!」
と1人の少女が大声で声をかけてきたのだ。これには、めんこい刑事、
「だ、誰だ、俺の推理にケチをつけるのは!?」
と大声をだすとそこに現れた少女とは・・・、
「「千歌ちゃん!?」」(曜・ルビィ)
そう、なぜか千歌が現れたのである。
その千歌は激高するめんこい刑事に対して大声でこう言った。
「刑事さん、千歌、この犯人、見ていないよ!!千歌ね、佐世保18:49発の快速シーサイドライナーに乗っていたのだけど、この犯人、見ていないんだもの!!」
これには、めんこい刑事、千歌に反論する。
「それはただこの犯人を見ていないだけであって・・・」
ところが、そのめんこい刑事の反論も千歌のある言葉によって封されることになった。それは・・・、
「それにね、そのシーサイドライナーが長崎に到着したのは20:41.なんだもん!!」
この千歌の言葉に、南、はっとした。
「むむむ、これだ、俺が感じていた違和感は!!」
これには、曜、
「それってどういうこと?」
と南に尋ねると南はすぐに自分が感じた違和感を曜とルビィに伝えた。
「もし、めんこい刑事の推理や犯人である東園の推理通りなら大浦と七浦を東園が殺すなんて不可能なんだ。だって、(長崎にて)大浦を殺した東園が逃げている最中、俺に東園がぶつかってきたのが20:40ごろ、快速シーサイドライナーが長崎駅に到着したのが20:41。たった1分差で東園のアリバイが崩れてしまう」
そう、もし、東園が2人を殺した犯人なら、大浦を殺したあと、東園は南とぶつかっている。そのぶつかった時間が20:40ごろである。だが、快速シーサイドライナーが長崎駅に到着するのが20:41、これだと東園のアリバイが崩れてしまうのである。
さらに、高山はこんな情報をもたらしてくれた。
「大浦の殺人現場付近の防犯カメラから東園が大浦を殺した時間が確定しました。東園が大浦を殺したのが20:35ごろ。さらに、防犯カメラの映像から東園が犯人であることには間違いない、とのことでした」
この高山の言葉にめんこい刑事ははっとする。
「犯人は快速シーサイドライナーに乗っていない・・・。いや、乗ること自体不可能・・・。これだと東園のアリバイが証明できない・・・。ならば、犯人は別にいるのか・・・」
だが、それは高山が否定した。
「それは違うと思います。まず、七浦に刺さっていたナイフの指紋、それと、大浦に刺さっていたナイフの指紋、それは東園のものと間違いありません。それに、大浦にいたっては防犯カメラの映像も東園と一致しております。そう考えると東園がこれらの殺人事件の犯人であるで間違いないと思います」
だが、ここでルビィがあることを指摘した。
「でも、それだったら、東園さんはどうやって佐世保から長崎まで(七浦が殺された)18:40から(大浦が殺された)20:35まえのあいだにどうやって来ることができるの?」
そう、快速シーサイドライナー、高速バス、ともに使わずにどうやって佐世保から長崎まで来ることができたのだろうか、という疑問が出てきてしまったのである。これには、南、
「そ、それはな・・・」
とさすがの南も言葉に窮してしまった・・・。
そんなとき、千歌が南に対しこんな話をした。
「そういえば、新幹線かもめの連絡特急なのに名前がちょっと違う特急があったはず・・・」
これを聞いた南はその千歌の言葉に、
「えっ、そ、それって・・・」
と言うと千歌は南に対して、
「それじゃ、南さん、あとはよろしく!!」
と言ってはその場を離れてしまった。これには、曜、ルビィ、ともに、
「千歌ちゃんって本当に神出鬼没だね・・・」(曜)
「うん、そうだね・・・」(ルビィ)
と去っていく千歌を見てはそう感じていた。
だが、南は千歌の言葉よりあることを考え始める。
(連絡特急・・・、かもめ・・・、リレーかもめ・・・)
すると、南はついにあることを思い出した。
(あっ、そうか、今日から使えるものがあった!!)
そう、どうやら、南、すべてがわかったようである。
一方、犯人である東園はというと・・・、
(私のアリバイは崩れたままだ。佐世保と長崎の移動手段がわからなければ俺を逮捕してもどうすることもできない・・・)
と高をくくっていた。
ところが、突然、南はこんなことを言い出してきた。
「東園さん、あなたのアリバイ、はっきりとわかりました!!東園さん、やっぱり、あなたが犯人なのはたしかです!!」
この南の言葉に、東園、
「えっ、私は快速シーサイドライナーに乗って佐世保から長崎まで来ましたよ!!それが佐世保から長崎までのメインルートなんですから!!」
と南に対し反抗的な態度をとるとめんこい刑事も、
「そうだぞ!!それなのにそれ以外の方法で佐世保から長崎まで来ることができるのか?」
と南に問いかけた。
すると、南はこんなことを言い出してきた。
「それができるのですよ、今日から使えるようになったあの方法でね!!」