曜とルビィの事件簿   作:la55

30 / 44
この作品は新庄さんとのコラボでお送りいたします。
また、劇中のダイヤですが令和4年9月23日時のダイヤを利用しております。


曜とルビィの事件簿Ⅲ~最長かつ最安の切符~ 後編

13:07、ついに南たち4人は田川後藤寺に到着した。このとき、曜とルビィ、

「なんかすごい話を聞いたかも!!」(曜)

「駅弁もおいしかったしね!!」(ルビィ)

と後藤寺線の列車の車内で駅弁を食べながら筑豊炭田と鉄道の話にうれしさを感じていた。

 そして、南たち4人は続けて13:11発の日田彦山線小倉行きに乗り換えるとその車内の中で南は曜とルビィに対し、

「ここでもあるお話をしてみよう」

と言うと曜とルビィも、

「なんか楽しみだな」(曜)

「うん、わかった」(ルビィ)

とかなり乗り気の様子。

 すると、南はあるお話をし始める。

「今、俺たちがいる日田彦山線なんだけど、今、激変しようとしているんだ」

これには、曜、

「それってどういうこと?」

と南に尋ねると南はそれについて説明した。

「実は数年前の豪雨により途中の線路が流出したんだ。そのため、一部区間において今でも不通になっているんだ」

これには、ルビィ、

「えっ、それって大丈夫なの?」

と心配そうに言うと高山はこう言い出してきた。

「いや、大丈夫じゃないよ。日田彦山線はもともと赤字路線だから鉄路での復活は難しくなっているんだ。それに、久大本線が豪雨によって鉄橋が流されたときに日田彦山線の鉄橋を使って復活させたため、鉄路での復活は事実上不可能なんだ」

これには、曜、

「それじゃ、日田彦山線はもうだめになってしまうの?」

とさらに心配してしまう。

 ところが、ここで南があることを言い出した。

「たしかに鉄路での復活は見込めない。でも、そのかわり、それに代わるものがあるんだ」

これには、ルビィ、

「それってなに?」

と南に尋ねると南はこう説明した。

「それはね、BRT、列車の代わりにバスによる交通輸送をするようになるんだ。この方法のいいところはバスは専用道などを使って走ることではやく定時に走ることなんだ。日田彦山線はこのBRTを使うことですばやく復興を成し遂げようとしているんだ」

 この南の言葉に、曜とルビィ、

「列車の代わりにバスが走るのか・・・」(曜)

「でも、それって寂しいものだよね・・・」(ルビィ)

とちょっと悲しそうに言うも高山はそれについてこう答えた。

「でも、赤字路線を復活させることはかなり難しいんだ。そのためにBRTもその復活のための1つの施策ともいえるんだ。私も鉄路がなくなるのは寂しいよ。でも、これからの時代、新しい形の鉄道網の発展、維持は必要になってくるんだ」

そう、全国には数多くの赤字路線がある。その維持管理だけでも多額のお金がかかっているのである。でも、その理由でもってすぐに廃止、ということはその沿線に済む地元の人たちの生活に悪影響を与えてしまう。そのため、BRTなどの新しいかたちでの交通網の整備を含めて十分に考える必要があるのかもしれない。

 そんな思いもあってか、曜とルビィ、

「そう考えると新しいかたちを受け入れることも大事なのかな」(曜)

「それにね、ルビィ、こう思うの。そこに住む人たちのことも考えないといけないかも・・・」(ルビィ)

とこの問題について十分考えさせられるものとなった。

 

 そして、列車は西小倉に14:01に到着した。と、ここで、南、曜とルビィに対してこう言い出した。

「え~とね、ここでも約40分くらい待つかたちになるんだ。ごめんね」

これには、曜、びっくりする。

「えっ、ここでも40分待つの~。これで2度目だよ・・・」

 だが、ここでルビィがこんなことを言い出してきた。

「でも、小倉駅のホーム上にとてもうまいうどん屋さんがあったはず!!そこに行こうよ!!」

そう、小倉駅のホーム上にはとてもうまいうどん屋があるのだ。ルビィはそこに行きたいと言っているんだ。

 ところが、ここで、高山、こんなことを言い出す。

「ルビィちゃん、ごめん。小倉駅には行けないんだ」

そう、この旅の性質上、小倉駅に行くことができないのである。これには、曜、

「それってどういうわけ?」

と南に尋ねると南はこう言った。

「小倉駅に行くとこの旅自体がだめになるんだ」

これには、ルビィ、

「う~、そうなの・・・」

とがっかりしてしまった。

 と、ここで、高山、かばんにいれていたお菓子を出してはこう言い出した。

「でも、待っているあいだ、このお菓子を食べてね」

すると、ルビィ、

「うん、わかった」

と元気を取り戻した。

 そんな曜とルビィに対して南はこう言い出した。

「この旅で重要なことは一筆で書けることなんだ」

これには、曜とルビィ、

「一筆で書く?」(曜)

「それってなんのことかな?」(ルビィ)

と南に尋ねると南はこう言った。

「それは吉塚についてのお楽しみに!!」

そんな南の言葉に曜とルビィは、

「「?」」

と頭の上にハテナマークを浮かべるしかなかった。

 

 こうして、西小倉駅で約40分くらい待っていた南たち4人は14:47発の区間快速二日市行きに乗り一路吉塚へ。その後、吉塚に16:01に到着すると曜とルビィはあのことを思い出してしまう。

「あっ、そうだ。私たち、170円の切符しか持っていなかったんだ・・・」(曜)

「これってやっぱりキセル乗車だよね・・・」(ルビィ)

そう、曜たちは今170円の切符しかなかったのだ。博多から大回りして吉塚まで来たのだから相当な金額になっているはずだ。それなのに170円の切符しか持っていない、なので、その不足分の運賃を払わない限りキセル乗車になってしまう、そう曜とルビィは危惧していたのだ。

 だが、南たちはかなりの余裕だった。だって、

「曜ちゃんとルビィちゃん、大丈夫だって!!」(南)

「南さんの言う通りですよ!!」(高山)

と安心しきっている様子。これには、曜とルビィ、

「本当に大丈夫なの・・・」(曜)

「とても心配・・・」(ルビィ)

とさらに心配を増長させていた。

 そして、ついに吉塚の改札口に到着した南たち4人。そこで曜とルビィは恐る恐る友人改札口のところに行くとそこには・・・、

「あれっ、千歌ちゃん!!!なんでここにいるの?」(曜)

「えっ、千歌ちゃんだ!!」(ルビィ)

そう、そこには千歌がいたのである。その千歌はこう言った。

「千歌ね、吉塚駅の駅員になっちゃったの!!」

これには、曜、

「千歌ちゃんらしいといえばらしいね・・・」

と唖然となるとルビィも、

「千歌ちゃん、すごいね・・・。これでも百以上の資格を持つ女だもんね・・・」

と言っては唖然となっていた。ただ、その千歌も、

「でも、駅員としての責務は全うするからね!!」

と自信満々に言うと、曜とルビィ、

「本当に大丈夫かな・・・」(曜)

「ルビィもわからない・・・」(ルビィ)

とさらに心配になってしまった。

 とはいえ、まずは改札の外に出ないといけない、ということで、曜、

「それじゃ、はい、切符・・・」

と自分が持っていた170円の切符を千歌に渡すとルビィも、

「ルビィも切符・・・」

と曜と同じく170円の切符を千歌に渡した。

 すると、千歌、突然、なぜか、

「ドロロロロ」

とドラム音を鳴り響かせると、曜とルビィ、

「やっぱりダメだったのかな・・・」(曜)

「そうだと思うよ・・・」(ルビィ)

と涙を流しそうになってしまった。

 そして、次の瞬間、千歌、

「ドン!!」

という声とともに曜とルビィに対しこう言い出してきた。

「曜ちゃん、ルビィちゃん、(改札を)通ってもいいよ!!」

これには、曜とルビィ、

「えぅ、いいの!!」(曜)

「よ、よかった・・・」(ルビィ)

と胸をなでおろしては安心すると、

「ふ~、なんか疲れたよ・・・」(曜)

「ルビィも・・・」(ルビィ)

と緊張の糸が切れたのかその場にへたれこんでしまった。

 そんな曜とルビィを見てか、南、改札の外からこう言った。

「曜ちゃんとルビィちゃん、そんなに心配しなくてもよかったのに・・・」

そう、南と高山はすでに無人改札から外に出ていたのである。これには、曜、

「えっ、なんで2人とも簡単に外に出ているの?」

と南に尋ねると、南、こう言った。

「だってルールにのっとって乗ってきたのだから」

この南の発言に、ルビィ、

「えっ、それってどういうこと?」

と逆に南に尋ねると南はこう言った。

「そりゃ簡単だよ。俺たちはあのルールにのっとって大回りしてきたのだから。まさしく最長かつ最安の方法でね」

 すると、曜とルビィ、南に対しこう尋ねた。

「そのルールってなに?」(曜)

「最長かつ最安の方法ってなんなの?」(ルビィ)

 すると、南が、

「それはね・・・」

と曜とルビィに説明しようとするとその横から千歌が、

「それはね・・・」

と横取りしたような形で乱入してきたはそのルールについてこう言ってしまう。

「それはね、この福岡が大都市近郊区間に指定されているからだよ!!」

これには、曜とルビィ、大声で、

「「大都市近郊区間!!」」

と言うと南は、

「千歌、どきなさい!!」

と千歌をどかしては大都市近郊区間について説明を始めた。

「大都市近郊区間、それは國鉄(JR)旅客営業規則に規定する区間のことで乗客経路がたくさんある地区において旅客の利便性向上と改札業務の簡素化を目的にしているんだよ」

 すると、曜が、

「それと今日の旅がどう関係するわけ?」

と尋ねてくると南が・・・、

「それはね・・・」

と言おうとしたところ、またもや、千歌が、

「そんなの簡単だよ!!」

と横取りしてはきっぱりと言ってしまった。

「この区間内で乗車した場合、実際に乗車した経路に関わらず最も安くなる経路で計算した運賃で乗車できるわけ!!」

これには、ルビィ、

「それってお得だよね!!」

とうれしくなってしまった。

 と、ここで、南、復活!!千歌をどかしながらこう言う。

「まぁ、福岡以外にも、仙台、東京、新潟、大阪にもこの区間は設定されているんだけどね」

 だが、ここで、曜、あることに気づくとこう言った。

「でも、それって、もし、途中下車したり同じ路線を何度も使ったりしたら大変なことにならないかな?」

たしかに途中下車したり同じ路線を何度も使ったりしたらそれこそこのルールが破綻してしまう可能性が出てしまう。

 と、ここで、南・・・ではなく高山がこれについてこう説明した。

「それは大丈夫だよ。この区間制度にはちょっとしたルールがあるんだ。まず、途中下車はできないことになているんだ。そのため、途中下車した場合は実際に乗った経路の運賃を不足分を払うことになっているんだ。また、重複した区間に乗ることもできないんだ」

すると、ルビィ、あることを思い出してはこう言った。

「あっ、だから新飯塚駅で外に出ることができなかったし、西小倉駅で小倉に行くことができなかったんだね!!」

これには、高山、

「うん、ルビィちゃんの言う通りだね」

とうなずいた。たしかにルビィと高山の言う通りだった。ルビィは新飯塚駅で改札の外に出ようとしたができなかったのは途中下車不可によるものであったし、西小倉駅から小倉駅まで行けなかったのも西小倉駅から小倉駅に行って戻ってくる場合は重複する区間に該当するため、ルール違反になるためだった。

 そして、南はこんなことを曜とルビィに尋ねてきた。

「それで、今日の旅を通じてなにかわかったこと、ないかな」

 すると、曜とルビィは次々と答えてくれた。

「福岡にはたくさんの鉄道路線があったけど、時代とともになくなっていったんだ。それって悲しいことだよね」(曜)

「それに日田彦山線も新しい形に生まれ変わろうとしていることかな」(ルビィ)

 これには、南、2人にむかってこう語り始めた。

「たしかに曜ちゃんとルビィちゃんの言う通り、この旅にはある意図があったんだ」

それには、曜、

「それって私たちが言ったこと?」

と言うと南はこう語った。

「あぁ、そうとも。この旅の意図・・・、それは・・・、

 

福岡と鉄道のこれからについて

 

なんだ・・・」

 この言葉を発した南に対しルビィはこんなことを聞く。

「もしかして、路線がなくなることとBRT化?」

すると、南は、

「ルビィちゃん、その通り」

と答えるとこう語りだした。

「昔、福岡にはたくさんの鉄道路線があった。だけど、炭田の閉山にともなってその路線のほとんどが廃線、もしくは第3セクター化した。これと同じことが日本中で起きているんだ。その理由も赤字路線だから、などなど。これにより日本中から鉄路が少なくなってきているんだ。でも、廃止ありきで物事を決めてほしくない。地元の人たちの意見も聞いてほしんだ」

そう、現在、地方ローカル線などを中心にその路線の廃止などを論議されることが多くなった。その理由が赤字であることが大きいのだが廃止ありきで物事を決めてほしくはないものである。それよりも地元の人たちなどの意見などをちゃんと聞いて論議すべきではないだろうかと思ってしまう。

 と、同時に南はあることを話してくれた。

「でも、赤字である以上、その路線を存続していくには難しいこともある。だからこそ、BRT化などの考えを含めたうえで路線を守っていかないといけないのかもしれない。その例が日田彦山線のBRT化だと思うんだ」

そう、赤字である以上、その路線を守ることは難しかったりする。それに、日田彦山線のように自然災害などにより線路が流出するなどして復活が難しくなってしまう。そう考えるといろんな方法でその路線を守っていく必要があるのかもしれない。例えば、三陸の気仙沼線あんどのBRT化や富山港線のLRT化などがその例だろう。そして、今、日田彦山線の一部がBRT化を果たすことになる。それは鉄道の新しいかたち、地域の足を守る新しいかたちになるのかもしれない(とはいえ、鉄路がなくなるのは少し寂しいものなのだが・・・)

 その南の言葉を聞いて曜とルビィはこう述べた。

「鉄路を守るって本当に大変なことなんだね。でも、その地域の人たちにとって大事なものだから大切にしないとね!!」(曜)

「BRT化やLRT化といった新しいかたちで地域の足を守ることも大切なんだね!!」(ルビィ)

それは地域の足としてとても重要視されている路線を守るためには大切な思いなのかもしれない。

 そして、最後に南は・・・、

「だからこそ・・・」

と言おうとしたものの、

「千歌、復活!!」

と千歌が言ってはこう言い出してきた。

「だからこそ、千歌たちは鉄道のこれからを応援していく必要があるってことだよ!!」

これには、曜とルビィ、

「うん、千歌ちゃんの言う通りだね!!」(曜)

「ルビィ、鉄道のこと、これからも応援していくね!!」(ルビィ)

と自分の思いを口にしていた。これには、千歌に飛ばされた南も、

「その言葉、とても大事な思い、それを大切にしていてくれよ」

と千歌たち3人を見てそう思ったのである・・・。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。