曜とルビィの事件簿   作:la55

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曜とルビィの事件簿 最終章 ソニックを追え!!~ある切符の憂鬱~ 前編

 1月4日13時37分、とある列車の4号車、ここにはある少女たちが楽しそうにしゃべっていた。

「彼方先輩、起きてくださいよ~。もうすぐ小倉ですよ!!席を回転させないと・・・」

「ふわ~、よく寝た。あっ、かすみちゃん、その必要はないんだよ~」

「なんでですか?小倉に着いたら席を回転させないといけないんですよ~」

「だって~、彼方ちゃんたち、向かい合わせで座っているから~」

「あっ、そうでした・・・」

彼方という少女とかすみという少女がそんなやり取りをしているなか、入口付近を見ている処女がいた。そんな少女に対し隣にいたスイスから来た外国人の少女がこう尋ねてきた。

「あれっ、りなちゃん、なにかあるの?」

これにはりなと呼ばれた少女がこう言った。

「なにか、怪しい人・・・。ちょっと気になる・・・」

 そして、りなと呼ばれた子はかばんから顔の前面にいろんな表情が表示できる、通称、りなちゃんボード、をつけると、

「・・・オン」

と言っては、

ジーーーー

ジーーーー

とその怪しい人、というか、怪しい男の人、を見つめていた・・・。

 

ソニックを追え(ある切符の憂鬱)

 

 正月三が日、

「南さん、あのジェットコースターに乗ろうよ!!」(曜)

「お、俺は・・・」(南)

「ル、ルビィ、あのジェットコースター、のり・・・」(ルビィ)

「ルビィちゃんもはやく!!」(高山)

「ピ、ピギィ!!」(ルビィ)

と(熊本県荒尾市にある)グリーンランドなどに行ってはめいいっぱい楽しんでいた。

 その翌日である1月4日・・・、

「ルビィ、もうジェットコースターに乗らないもん!!」(ルビィ)

「ルビィちゃん、ジェットコースター、嫌いになっちゃだめだよ!!」(曜)

「それでも嫌だもん!!」(ルビィ)

とルビィはすねていた。

 そんなルビィに対し曜はこう言い出す。

「ルビィちゃん、今はそんな気持ち忘れて温泉にはいろうよ!!」

これには、ルビィ、

「う~ん、わかった。今は温泉にはいろう!!」

と気持ちを切り替えて温泉にはいることに・・・。

 そんなわけで曜とルビィの2人は・・・、

「でも、2人で温泉はいるの初めてだよね?」(ルビィ)

「うん、そうだね。南さんたちはいろいろあるからって一緒に来れなかったけど2人旅も楽しいものだよね!!」(曜)

警察の年始行事のために忙しい南たちと別れて2人は旅を・・・、

「でも、温泉っていったら由布院か別府でしょ!!」(ルビィ)

「うんうん、そうだね。だから、別府に・・・」(曜)

曜とルビィの2人は別府に旅行しに・・・、

「でも、まさか、大分市、それも、大分駅、なんてどうして?」(ルビィ)

「私もわからないや・・・」(曜)

別府ではなく、大分市、それも、大分駅、に来ていた。でも、なんで大分駅なんかに・・・、。

 でも、それにはちゃんとした理由があった。

「でも、まさか、大分駅の上に温泉があるなんてびっくりだよ!!」(ルビィ)

「たしかにそうかも。でも、南さんたら南さんらしいね~」(曜)

実は、大分駅、駅の上に温泉施設があるのである。そこから見える大分市内の風景はとても綺麗なものであった。そんな温泉の優待券を鉄道つながりで南が持っていたため、2人は南からその優待券をもらい大分駅に来たのである。

 そんなわけで2人は大分駅の上にある温泉へ。時計は11時半前になろうとしていたそのとき、その温泉の入口に入ろうとしていた曜とルビィ・・・、であったが、突然、

「うわっ!!」(曜)

と入口から出てくるほかのお客様にぶつかりそうになってしまった。そのため、

「ごめんなさい」

と、曜、謝ろうとするもそのお客様というか美しい女性はただ、

「こちらこそごめんなさい」

とこちらも謝ると、その美しい女性の綺麗な長い髪を見てか、ルビィ、

「と、とても綺麗・・・。まるでお姉ちゃんみたい・・・」

と見とれていた。

 ただ、その美しい女性は曜とルビィにふたたび謝るとそのままどっかに消えてしまった・・・。そんな美しい女性を見て2人ともこんなことを言い出してはみとれていた・・・。

「とても美しかったね。まるでダイヤさんみたい・・・」(曜)

「うん、お姉ちゃんみたいだった・・・」(ルビィ)

 だが、これがこれから起きる事件の序章にすぎなかったのはこの時の2人は知らなかった・・・。

 

 そして、そこから2時間後、事件がついに起こった。それは南のスマホに緊急のメールが舞い込んだことで起こった。南はそのとき福岡県警の祝賀式典に参加していた。その最後のところ、偉い人の祝辞のときだった。そのとき、南のスマホに緊急のメールがはいった。これには、南、

(なにか事件化・・・)

とすぐに事件が起きたことを察知、すぐに自分のスマホの画面を見た。するとそこにはこう書かれていた。

「大分駅付近の通りの裏で若い女性の遺体がみつかった。至急応援されたし」

これには、南、すぐに特捜班のメンバーを集め警察と連携しながら証拠を集めようとしていた。

 そのかいもあってすぐにその被害者の身元がわかった。その被害者の女性の名前は立石であり、最近、大金持ちの男性と離婚したことで話題となっていた。その立石の生前の写真を見て南はこう思った。

(黒い長い髪が印象的だ。まるでお雛様の感じがする・・・)

と、そこに、南のスマホから、

プルル

というスマホの着信音がなる。これには、南、

(もしかすると曜ちゃんとルビィちゃんだ!!)

と察知したらしくすぐに電話に出る。すると、

「南さん、そちらはどうですか?」

という元気な曜の声が聞こえてきた。これには、南、

「あぁ、ちょっと立て込んでいるが大丈夫だ!!」

と答えてくれたあと、続けて、

「ところで、今、どこにいるんだ?」

と尋ねてきた。これには、ルビィ、元気よく、

「別府の竹瓦温泉だよ!!あともう少しで砂風呂にはいるんだよ!!」

と答えていた。曜とルビィは大分駅の上にある温泉にはいったあと、別府八湯巡りと称して別府の温泉をまわろうとしていた。なお、竹瓦温泉は別府を代表する市営の共同温泉であり地元のひともよく来る温泉でもあった。また、竹瓦温泉には砂風呂がありそれも有名であった。

 そんな曜とルビィであるがあることを口にしたことで2人も事件に巻き込まれてしまう。それは次の曜の言葉によるものだった。ちょっとした雑談のあと、曜は突然こんなことを言ってしまう。

「そういえば、南さん、なんかダイヤさんらしい長い黒髪のの女性をみかけたんだよ。とても美しかったよ」

この曜の言葉に南ははっとする。

(長い黒髪の女性・・・、まさかっ!!)

この瞬間、南は曜とルビィに対しこんなことを尋ねた。

「曜ちゃん、ルビィちゃん、すまないが、今、ある事件を追っている。2人が会った黒髪の女性ってこの人かな?」

 この言葉のあと、南は被害者である立石の生前の写真を2人にみせた。すると、ルビィ、突然こう言ってしまう。

「あっ、この人!!この人に間違いないよ!!たしか2時間前に大分駅の上にある温泉施設で会った女性の人だよ!!」

 その瞬間、見安海はあることに気づく。

(立石は2時間前には生きていた。ということは立石が殺されたのはこの1~2時間のあいだってことか!!)

そう、被害者である立石が殺されたのはほんの1から2時間だったのである。その話を聞いて南はすぐに曜とルビィに対しお礼を言った。

「曜ちゃんにルビィちゃん、貴重な情報をありがとう。それじゃ切るからな」

 ところが、曜とルビィ、南の予想の斜め上をいく発言をしてしまう、ここで・・・。

「それじゃ、南さん、今から、私たち、帰ってくるからあとで合流しよ!!」(曜)

「うん、それがいい!!」(ルビィ)

なんと、曜とルビィ、この事件に突っ込んでしまったのである。これには、南、

「2人とも事件に自ら突っ込むなんてよくないぞ!!ここは2人で旅の続きを・・・」

 だが、2人とも聞く耳持たず・・・。

「私たちも南さんたちのと同じグループだよ!!ここは一緒に事件を解決しよう!!」((曜)

「ルビィもそう思う!!」(ルビィ)

こうなってしまうと南の手に負えなくなってしまう、そう考えた南、ついに白旗を上げた・・・。

「わかった、わかった。2人ともあとで迎えに行く。乗る列車が決まったら教えてくれ」

どうやら、南、2人の事件への参加を認めるとともにあとで2人を迎えにいくことになった。これには、曜とルビィ、

「わ~い、福岡に戻ろう!!」(曜)

「うんうん」(ルビィ)

と嬉しそうな表情をしていた。

 

 そんなわけで曜とルビィは列車の切符をとることに。まずはみどりの窓口で・・・、

と思ったら曜とルビィ、さすがに現代っ子、スマホのアプリから列車の予約を取ることにした。使うアプリは國鉄九州総局アプリ(JR九州アプリ)!!國鉄九州総局が作ったアプリである。

 まずは大分別府~博多では直通のソニックを選ぶ曜。

「たしか、次に福岡に戻れるものは・・・、14時52分発のソニック38号だね!!」

曜はどうやらソニック28号を選んだようである。

 そして、グリーン車と指定席、自由席で選べることに。そこでルビィはびっくりする。

「えっ、自由席と指定席の料金が同じなの?同じ3250円・・・」

そう、実はネットで買う場合、指定席と自由席が同じ3250円だったりするのだ。(九州ネット切符の場合)。さらに、場合によっては早得3で2550円で普通席より安く指定席を取れたりする。

 そんなわけで曜は指定席をとることに。そこで指定席の座席を指定する場面においてルビィはあることに気づく。

「1号車と2号車のなかから選ぶんだね!!」

アプリの場合、指定席である1・2・3号車のうち1・2号車のなかから選ぶことができたのである。ただ、この日は1号車が満席ということで2号車を選ぶことに。その後、個人情報とクレジット情報を確認して支払いをすませうと予約は完了!!これで切符がとれた・・・、といいたいところだが、九州総局(JR九州)は2024年1月現在、スマホやICカードを切符代わりに使って乗ることができない(在来線の場合)ため、一度専用の券売機で予約した切符を発券する必要があるため、博多駅ではその乗車券を受け取るためだけの列ができたりするのである(長くて1時間くらい)。ただ、曜とルビィは別府駅で発券ということもあり並ばずに切符を受け取ることができたようである。

 そんなわけで曜とルビィの2人はさっそくソニック38号に乗って福岡に戻ったのである。

 

 その後、ソニック38号が小倉に到着するなり意外なことが起こった。なんと乗客のみんなが座席を回転させていたのである。これには、曜、

「えっ、なんで席を回転させるわけ?」

と驚くもすぐにその理由がわかった。なんと、進行方向が逆になったのである。これはソニックが小倉でスイッチバックのような形で進行方向が逆になっているからである。そのため、お客さんは自らの手で席を回転させていたのである。むろん、この影響はほかにも起きている。ソニックは小倉経由で海沿いを走るために大回りでの走行になっている。これにより130キロ走行であっても博多から大分まで2時間以上かかってしまっている。一方、山のほうを突っ切る大分道を走る高速バスは博多から大分まで2時間半ぐらいで結んでいる。そのため、昔からソニックと高速バスはいわば競争関係となっていた。

 とはいえ、曜とルビィは座席を回転させて座るようにした。だが、このとき、車内アナウンスはこう言っていた、「3号車は小倉より○○・・・」と・・・。

 

 そして、ソニック38号は博多に16時49分に到着したのだが曜とルビィはがっかりしていた。というのも、南からこんなメールが届いていたからだった。

「ちょっと立て込んでいて迎えに行けない。ごめん・・・」

これには、曜とルビィ、

「仕事だから仕方がないことだけどちょっとがっがりだよ・・・」(曜)

「ルビィも・・・」(ルビィ)

と本当にがっかりしていた。

 そんなときだった。突然、

「曜ちゃん、ルビィちゃん!!」

と曜とルビィを呼ぶ声がした。これに、曜とルビィ、声がするほうに振り向くとそこには・・・、

「あっ、QU4RTZのみんな!!」(曜)

なんと、ニジガクのQU4RTZの4人がいたのである。これには、ルビィ、

「あっ、お久しぶりだね!!」

と喜んでいた。

 ここでQU4RTZのメンバーである彼方とかすみが声をあげる。

「曜ちゃん、ルビィちゃん、おひさ~」(彼方)

「曜先輩、ルビィ先輩、今日はどうしたのですか?」(かすみ)

これには、曜、

「実は九州鉄道旅行をしているんだ」

とこたえるとこれには、彼方、

「へぇ~、楽しそうだね~」

とふんわか答えてくれた。

 むろん、曜も同じような質問を彼方にする。

「QU4RTZのみんなもなにをしているの?」

すると、彼方・・・ではなくかすみが答えてしまう。

「それは、ずばり、陰の・・・」

これには、彼方、すぐに言い換える。

「仮縫いの勉強のために九州にきているの!!」

これには、裁縫の得意なルビィから、

「仮縫い?」

と不思議になるも、曜、ルビィ、ともに、

(まぁ、あんまり気にしないでおこう)

と思ってか、

「あっ、九州に遊びにきたわけね」(曜)

と言い返すと、彼方、

「そうそう」

と珍しく慌ててうなずいたのである。

(このあと、かすみが彼方から怒られたのは言うまでもない・・・)

 そんななか、QU4RTZのメンバーであるりながある方向を見ていた。これには、ルビィ、

「りなちゃん、どうしたの?」

と尋ねるとエマもりなの様子が気になったのか、

「私も気になるよ~。りなちゃん、どうしたの?」

とりなに尋ねた。

 すると、里奈、ある方向を指さしてこんなことを言ってきた。

「あれっ、怪しい人・・・」

これは、エマ、こんなことも言ってきた。

「あっ、たしかに私たちが乗ってきた列車に見かけた人だ~」

 そんな2人を見て気になったのか2人が見る方を見たルビィはびっくりした。だって・・・、

「あれ、南さんたちもいるよ!!」(ルビィ)

なんと怪しい男の人とともに南もいたのである。これには、曜、

「ちょっと行ってみよう、ルビィちゃん」

と言うとルビィも、

「うん、行く!!」

と言ってはりなたちに対して、

「それじゃ、またね!!」

と曜が言うとりなも、

「うん、またね」

と言って別れたのである・・・。

 

 そして、曜とルビィが南のいる場所にたどり着くと近くにいた高山に対し、曜、

「一体どうしたの?」

と尋ねると高山がこう答えたのである。

「殺された立石に一番関係ある人物に対して任意同行をお願いしているとこなんだよ」

これには、ルビィ、

「えっ、それっていったい誰なの?」

と高山に尋ねると、高山、その怪しい男の人のことを話しくれた。

「彼の名は深谷三股。かなりのお金持ちなんだ。そして、殺された立石の元夫なんだ。

これには、曜、その深谷を見て一言。

「なんか、お金にがめつい、そうみえる・・・」

そんな曜の言葉に反応してか、深谷、

「俺は金にがめつい・・・のかもしれないな!!」

って、なぜか、深谷、認めてしまった・・・。たしかに深谷はお金にがめつい・・・だけでなく、

「俺はネットが嫌いだ!!だから、ネットのことは部会にやらせる!!」

これまたくクセが強いキャラみたいのようである。

 とはいえ、南はそんな深谷に対してこんなことを言った。

「深谷、お前に元奥さんの殺人容疑がかかっている。任意同行を求める」

だが、深谷はこんなことを言ってしまう。

「俺があいつを殺したという証拠なんてないだろうが!!」

これには、南、こう答える。

「お前の足取りはもう掴んでいる。お前は元奥さんを殺した後、12時10分大分発のソニック24号で大分から博多まで来たんだ!!」

そう、南の言う通り、深谷はソニック24号で大分から博多まで来ていたのである。

 だが、深谷は余裕があった。それは・・・、

「たしかにソニック24号に乗っていた。それは認める」

とはっきりと自供。これで事件は解決・・・、

「でもな、俺は部下に頼んでアプリで3号車指定席のネット切符を買って乗ってきたんだ!!」

これには、南、びっくりする。というのも・・・、

「ネットで指定席だって!!」

そう、それを指し示すものとは・・・、そう、個人情報がアプリ経由でネット切符とリンクしているということである。そして、ソニック24号の3号車は指定席である。そのことを踏まえると元奥さんである立石を殺したあと、深谷はソニック24号に乗って福岡に来たことが簡単に証明されてしまうのである。これには、南、だけでなくまわりの警察でさえもこう考えてしまう、「あまりに軽率だと・・・」。

 さらに南は特捜班メンバーを利用してソニック24号の車掌に3号車に深谷がいたか確認したところ、

「たしかにこの人(深谷)は座っていました、3号車に・・・」

という答えがかえってきてしまった。これで、深谷のアリバイ、というかあまりに軽率すぎる深谷の行動が成立してしまったのでこれにはさすがの南も、

「これはどうすればいいのか・・・」

と頭を抱えることになった。だって、あまりに軽率な行動を深谷がすることは自分が犯人であると言っているのも同義でありそんなことをしてまで深谷にどんなメリットがあるのか、いや、そんな軽率な行動をしてまで深谷は逮捕されたいのか、と考えてしまい、深谷の行動に裏があるのではと、誰か違う犯人がいるのでは、とうらのうらまで考えてしまったのだから・・・。

 そんなわけで、深谷、勝手に、

「それじゃ俺は行くからな!!」

と言ってはどっかにいってしまった。これにはさすがの曜とルビィも、

「これってありなのかな・・・」(曜)

「ルビィ、わからない・・・」(ルビィ)

と口をあんぐりするしかなかった。

 だが、南はちょっと気になることがあったのか、1時間後、陰であるアランと千歌をよんでこんなことを命令した。

「アランに千歌、すまないがソニック24号の車掌に詳しい話を聞いてくれないか?」

これには、千歌、すぐに、

「わかりました!!」

と言うとともにこんなことを言っては消えてしまった。

「それに、私、今回のために臨時に用意した陰の者たちにも深谷の行動を見張るようにしておきます!!それでは!!」

 

 だが、事件はこれでは終わらなかった。翌日の1月5日、今度も大分・・・ではなく別府で事件が・・・、殺人が起きてしまった。その情報が入ってきたのは23時ごろを回ろうとしていたときだった。ちょうどそのとき、南は曜とルビィとともにホテルで休もうとしていたときだった。突然、南のスマホに殺人事件が起きたことを知らせるメールが届いたのである。殺人が起きたのは別府の中心地の裏路地に入ったところだった。そのため、発見が遅れたという。また、遺体の硬直状態から殺人推定時刻は21時ごろとわかった。

 だが、それ以上に南たちを驚かせたことがあった。それは・・・、

「うそ・・・、まさか深谷の今の妻とは・・・」

そう、殺されたのが深谷の今の妻だったのである。これにはさすがの南も絶句してしまう。なぜなら、犯人は昨日の深谷の元奥さんだけでなく今の奥さんすらも殺したのだから・・・。いや、南だけじゃない。

「元奥さんと今の奥さんが殺されるなんてちょっとおかしいよ!!」(曜)

「うんうん」(ルビィ)

曜とルビィもだった。曜もルビィもあまりにもおかしすぎる事件と認識していたのである。

 そんなわけで殺された2人に関係ある深谷を23時45分ごろに任意同行させるとともに福岡県警の刑事は深谷に対してこう詰め寄った。

「深谷、2人を殺しただろうが!!」

なぜ、警察はこんな詰問を深谷にしているのか。それは、今の奥さんが殺されたというのに深谷本人はのほほんとしているからだった。深谷曰く、

「俺の妻が殺された~。なにか悪いことをしたんでしょうね」

とのこと。本当なら自分の妻が殺されたらとても悲しくなるはずなのだが深谷本人はのほほんとしているだけであった。現に深谷に任意同行を求めたとき、深谷は中州で酒を飲もうとしていたのだから・・・。

 ところが、別の縁から深谷が2人を殺した動機につながるものがみつかった。なんと、殺された2人から多額の慰謝料を求められていたのである。実は、深谷、元奥さんである立石や今の奥さんとは完全に別居状態だったのである。いや、深谷の女遊びが激しかったこともあり元奥さんである立石と今の奥さんから多額の慰謝料を深谷は求められていたのである。

 そんなこともあり、その点についても深谷に対し厳しく言及するも、深谷、

「2人と最近会うことなんてなかった・・・」

と2人と最近会っていたことすら否定していた。

 だが、警察はそれでも深谷に厳しく言うも、深谷、ここぞとばかりにある切符を2枚出してきた。それは・・・、

「この切符を見ればわかりますよね!!俺はね、この列車で、今日、福岡に来たのですよ!!」

で、深谷が出した2枚の切符を見て刑事たちは絶句した。そこには「無効」印が押された切符があった。それも・・・、「大分20時12分、別府20時20分→博多22時27分着」のソニック58号の乗車券と指定席特急券であった。で、深谷の今の奥さんが殺されたのが21時ごろ、これだと深谷のアリバイが成立してしまうのである。

 でも、2つの切符合わせて2550円・・・、ちょっと安すぎである・・・ということで刑事はこれについて、

「どうしてこんなに安いんだ?」

と深谷に問うと、深谷、こう答えた。

「これも部下がアプリで買ったんだ!!だから安いんだ!!」

そう、2550円とはアプリ・ネット限定の早得3の大分・別府~博多間の料金である。3日前までにその切符を予約購入すれば席数限定にはなるがこの値段になるのである。これには、深谷、かなり納得しているのか、

「昨日も3250円、今日は2550円、あわせて5800円!!とても安くついた!!」

とかなりご満悦の様子。

 こんなやり取りを取調室の隣の部屋で見ていた南たちは、

「これだと深谷のアリバイは成立してしまいます。だって・・・」

そう、このままだと深谷のアリバイが成立してしまうのは明らかだったからである。それを詳しくいうと、ソニック58号が博多駅に到着するのが22時27分、そのあとのソニック60号が博多に到着するのが23時58分なのである。そのため、大分別府から博多に直通する列車はこの2本が最後なのである。これだと深谷の今の奥さんが殺された21時に別府にいること、及び、深谷に対して任意同行を求めたいた23時45分ごろに福岡にいること、それ自体できないのである。そのため、深谷のアリバイが成立してしまうのである。まぁ、実は小倉から博多まではかささぎ201号を使えばそのあいだの23時21分に到着できるのであるがこれだと大分別府から来ることなんてできないのでは・・・、となってしまうのである。なので、福岡県警の刑事たちは、

「このままだと深谷の言う通りになってしまう・・・」

と焦りを感じていた。これには、曜、ルビィともに、

「このまま迷宮入りなのかな・・・」(曜)

「たしかにそうかも・・・」(ルビィ)

と心配そうになっていた。

 そんなときだった。突然、曜のスマホから、

ツツツ ツーツツー

というAqoursの歌の着信音が鳴った。これには、曜、

「いったい誰からかな?」

と不思議そうに自分のスマホの画面を見る。すると、曜、驚いてしまった。というのも・・・、

「あっ、ニジガクのりなちゃんからだ!!」

そう、ニジガクのりなからのメールだったのである。というのも、ニジガクのQU4RTZの4人は、今、小倉で宿泊しているのである。

 そして、そのメールには動画が添付されていた。その動画を再生したところ、こんな音が聞こえてきた。

「本日はにちりん・・・をご利用していただきありがとう・・・」

この音を聞いた南は曜のもとに駈け寄ると動画を見てこんなことを言ってきた。

「これって深谷じゃ・・・」

そう、そこには深谷が映っていたのである。

 しかし、腑に落ちない点が一つ・・・。

「でも、にちりんって、普通、大分~宮崎間の特急ですよね・・・」

たしかに特急にちりんは大分~宮崎間の特急である。別に「にちりんシーガイア」といって博多~宮崎間の特急もあるのだが、それはさておき、深谷がにちりんに乗っているはずがないのである。だって、深谷は大分別府から福岡に来ているのだから。大分~宮崎間は福岡とは反対方向になってしまうのである。

 そんなこともありこの動画はただのガセネタか・・・、と思われていた。だが、動画を繰り返し見ていくうちにある言葉がその動画から聞こえてきた。

「本日はにちりん・・号にご乗車・・・。まもなく小倉に・・・」

 さらに、このとき、南のスマホから、

「南さん、ようやく証拠が見つかりました」

という千歌の声とともに南のもとにある動画が添付された情報とあと一つの情報が届く。それは陰で動く千歌からのものだった。その情報の動画を見た南はこう言った。

「なるほど。深谷はここで動いたのか。そして、ソニック24号の車掌の詳しい話も聞けた・・・。なるほど、なるほど・・・」

その瞬間、南の灰色の脳細胞が活性化した・・・

「ネット嫌い・・・、にりちん・・・、ソニック・・・、そうかわかったぞ!!」

これと同時に南は深谷のいる取調室に言っては深谷に対してこう言ったのである。

「深谷、お前のアリバイはすべて崩れたぞ!!」

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