「私もようやく警部か~」
と陽気よさそうに言葉にするのはこの物語でもおなじみのめんこい刑事であった。実は、めんこい刑事、今度、警部に出世することが決まったのである。南との対決では道化的なポジションだったのだが、南との対決以降、まじめに職務を全うし、ときには事件を解決に導いたりしていたため、(運というのもあるが、)今度、警部へと出世することが決まったのである。
そんなめんこい刑事であったが仕事のあった長崎から(博多までの最終列車である)かもめ64号に乗り、門司港(0時52分着)まで来たのである。実は、かもめ64号、通常ならかもめ(リレーかもめ)は長崎駅を出発、武雄温泉駅で在来線に乗り換えて博多駅で終点のところ、その先の門司港駅まで行くのである。その門司港駅で降りためんこい刑事であるがなぜか門司港まで来ていたのである。で、その理由が・・・、
「そういえばここで待ち合わせだったな・・・
そう、誰かと門司港駅で待ち合わせをしていたのである。
だが、そんなときだった。突然、
「うがぐふっ」
とめんこい刑事の口元がふさがれてしまった。そして・・・、
がくっ
とめんこい刑事は眠ってしまった・・・。
曜とルビィの事件簿 最終章 最終かもめの男
「うぅ、ここは・・・」
とめんこい刑事は目を覚ました。すると、
「なんじゃこりゃ!!」
と一瞬めんこい刑事は驚いてしまう。なぜなら・・・、
「って、なんで、私、鉄格子のなかにいるんだ・・・」
そう、そこは警察の留置所であった。
すぐにめんこい刑事はそこにいる警察官に対してこう叫ぶ。
「なんで私はここにいるんだ?」
すると、その警察官はめんこい刑事に対してこう告げた。
「あなたが人を刺して殺したからです」
むろん、この警察官の言葉に対してめんこい刑事はこう反論した。
「私は人を刺していない!!」
だが、このめんこい刑事の反論に対しその警察官はこんなことを言ってきた。
「でもですね、あなたの指紋がついたナイフが殺人事件の現場で見つかっているのですよ」
そう、被疑者の血痕とめんこい刑事の指紋がついたナイフが事件現場に落ちていたのである。これには、めんこい刑事、
「う~」
とうなるしかなかっ・・・、
「それでも私はやっていない!!」
と叫び続けたのである。
その後、取り調べにおいても無罪を叫び続けためんこい刑事、これにはさすがの刑事たちも、
「く~、これじゃ埒が明かない・・・」
とお手会上げ・・・。
そんなわけで、
「めんこい刑事、それだったらあなたの無実を証明できる人を呼びなさい・・・」
とめんこい刑事の無実を証明できる人を呼ぶことに・・・。で、その人物とは・・・。
「で、俺がここに呼ばれたのですね・・・」
と南がめんこい刑事の前に来てはぼやいていた。そう、めんこい刑事が召喚したのは南であった。むろん、この子たちも・・・。
「曜です!!」「ルビィです!!」
もちろん、曜とルビィもついてきていた。これには、めんこい刑事、
「あっ、おまけか・・・」
とつい口走ると、曜、
「それじゃ、無実の証拠、教えてあげない!!」
とすねてしまった。これには、めんこい刑事、
「えっ、本当にあったのか!!」
と驚くと、曜、めんこい刑事に対して、
「これは私が見つけたものだよ!!」
と胸を張って自慢した。というのも、南、めんこい刑事から呼ばれるなり、
「曜とルビィ、すまないが次のところに行ってくれ!!」
と曜とルビィをとある場所へと行ってもらうことにしたのである。むろん、南の根回しはちゃんとしてだ。
そんな曜の言葉に対し、めんこい刑事、
「ごめん、ごめん!!」
と詫びるとともに、
「それじゃ、それを見せてくれ!!」
と頼むと、曜、
「それじゃ、これね」
と自分のスマホからとある映像を流した。そこには、
「あっ、私が誰かに眠らされている・・・」
そう、めんこい刑事が誰かによって眠らされているシーン、さらには・・・、
「そして、私がどこかに連れ去らわれようとしている・・・」
とめんこい刑事がどこかに引っ張られていくようなシーンがあった。
そして、曜はこう言った。
「これは門司港駅の防犯カメラの映像だよ!!」
そう、曜がみんなに見せた映像、それは事件当時の門司港駅の防犯カメラの映像だった。これには、南、こう述べる。
「めんこい刑事が門司港駅に到着してからすぐに記憶がなくなったと予測してみた。ならば、駅の防犯カメラの映像を見ればわかるかと思ったんだ」
南が曜とルビィを派遣した場所、それは門司港駅の防犯カメラを管理している場所であった。南がめんこい刑事に呼ばれたとき、すぐにそのことを予測して曜とルビィを門司港の防犯カメラの映像を管理しているところに派遣したのである。これは曜とルビィが自分たちで決めたことであった。というのも、曜とルビィ、2人を呼び出したときにこう言ったのである。
「最後こそ私たちにも手伝わせて!!」(曜)
「ルビィも最後だから頑張ルビィする!!」(ルビィ)
どうやらこれが最後の事件だと思ったのだろう、曜とルビィは進んで南たちの手伝いをお願いしたのである。むろん、南も寝耳に水のことであったが2人の思いを受け取ったのか、
「わかった!!」
と2人のお手伝いを認めたのである。そんなこともあり曜とルビィは南からの要望で門司港駅の防犯カメラの映像を管理している場所へと派遣されたのである。その後、曜とルビィ、リレーかもめ64号が到着する0時52分ごろを中心にめんこい刑事の形跡をたどったところ、曜がその映像をビンゴしたというわけである。
そんなわけで、めんこい刑事の無実は証明されたのである。これにて一件落着・・・、ではなかった。南はこう言った。
「でも、被疑者はなぜ殺されたのだろうか・・・」
そう、なぜ被疑者は殺されたのかである。それもめんこい刑事に罪を擦り付けである。これにはめんこい刑事を陥れようとしたことが予想される。そう考えた上でもこの事件はまだ解決されていなかったのである。
そこで南はめんこい刑事にあることを尋ねた。
「ところで、めんこい刑事、あなたは誰に呼ばれたのですか?」
そう、めんこい刑事は門司港駅で人と待ち合わせをしようと門司港駅に行ったのである。
これには、めんこい刑事、こう述べた。
「それは同僚で同じ刑事の緒方です」
どうやら、めんこい刑事の同僚で同じ刑事の緒方に呼ばれたようである。
さらにこんなことまでわかった。それはある少女たちの証言によるものだった。それは曜とルビィが聞き込みをしていたときにわかった。曜とルビィはめんこい刑事の無実を晴らしたあと、門司港駅付近で聞き込みをしていたのである。そこで、
「あっ、愛さん、果林さん、侑さん!!」
そう、偶然、曜とルビィが会ったのがニジガクの愛、果林のDiverDivaと侑であった。
そんな3人に対し曜とルビィはあることを尋ねた。
「ところで、昨日の夜からきょう未明にかけてなにか不審なことが起きなかった?」(曜)
「小さいことでも教えて」(ルビィ)
すると、愛がこんなことを教えてくれた。
「あっ、たしか、0時10分ごろ、2人組の男の人たちの一方が苦しみだして倒れたの。でも、まわりに人がいなかったからもう一方の人がその人を担いでどっかにいったわけ」
さらに果林もこう証言した。
「でも、もう一方の人は、たしか、少し焦っていた感じだったはず・・・」
最後に侑もこう証言した。
「だけど、その人、焦っていた割にはなにか計画的に動いていた感じもしたよ」
これには、曜とルビィ、
「うわ~、これはとても重要なものだね!!」(曜)
「たしかに!!」(ルビィ)
と驚くとともにニジガクの3人を南のもとに連れて行っては今さっきの証言を南に聞かせたのである。
すると、南、すぐに南と一緒にいた高山に対してこんな命令を下した。
「高山、すまないが被疑者の死因を調べてくれ!!」
ところが、高山、こんなことを言ってきた。
「そうかと思ってここに来る前にちゃんと調べてきました」
どうやら、高山、このことを見越して被疑者の死因を調べていたようである。といっても、被疑者の遺体解剖の結果をしらべていただけであるが・・・。
と、そんなことよりも、高山、南に対して被疑者の死因などについてこう答えた。
「被疑者の名前は内牧でした。で、死因ですが、ナイフ一刺しによる刺殺・・・」
やっぱりめんこい刑事が・・・、
「と見せかけての毒殺でした。死亡推定時刻も0時10分ごろでした」
そう、被疑者、内牧の死因は毒殺であった。それに殺された時間もニジガクの証言と同じ時刻であった。これには、南、
「それだったら(ニジガクの)3人の証言にあうな」
となにか確信したような気がしていた。
そんななか、めんこい刑事の同僚である緒方が到着した。その緒方に対し南はこう言った。
「すまないが昨日から今日までのあなたの行動を教えてくれ」
どうやら、南、緒方に対し昨日から今日までのアリバイを聞いてみたのである。ただし、めんこい刑事の証言から門司港駅でめんこい刑事と待ち合わせをしていたことがわかっていた。なので変なアリバイは緒方にはできなかった。
そんな緒方であるがこんなことを言ってきた。
「俺はかもめ62号で長崎を21時19分に出発し、22時47分に博多駅に到着しました。その後、博多駅23時10分発のきらめき12号に乗り換えて門司港駅(0時19分着)まで来ました」
この緒方の言葉に南は驚く。昨日から今日までの緒方のアリバイだと内牧が殺された0時10分ごろには緒方は門司港駅にはいなかったことになるからだ。このままだと緒方のアリバイは成立してしまう。ただ、このときの取り調べはここまでしかできなかった。
その後、南はこの事件についていろいろと調べようとしていた。新しい証言も入った。まずは高山からだった。
「南さん、大変なことがわかりました!!」
と南のいる部屋に高山が飛び込んでくると、高山、南に対してこう言ったのである。
「内牧を殺した毒ですが、通常なら1時間以上ぐらいしないと効かない遅延性の毒でしたが、どうやら、内牧、薬が早く効く体質らしく、通常より早い30分で毒が効いて死んだみたいです」
さらにこんな証言も・・・。これは曜とルビィによるものだった。
「南さん、大変なことがわかったよ!!」(曜)
「これはルビィが見つけたものだよ!!」(ルビィ)
と言っては2人が南のいる部屋に駆け込むと、南、
「一体どうしたの?」
とルビィに尋ねた。すると、ルビィはこんなことを言ってきたのである。
「実はね、(ニジガクの)愛さんと果林さんと侑さんがね、新幹線であの人を・・・」
この証言のあと、愛と果林に南は詳しいことを聞いてみると、
「たしかに、私たち、博多駅から小倉駅まで新幹線で来たんだよ!!」(愛)
「たった20分で到着するなんて凄いとか言えないけど・・・」(果林)
「たしか、そこであの人を・・・」(侑)
と証言してきたのである。
その証言を聞いた南であるがすぐに長崎に飛ぶと、
「まずは緒方のアリバイを確認しないと・・・」
と緒方のアリバイを確かめることにした。
そんななか、ある駅に近づくとこんなアナウンスが聞こえてきた。
「もうすぐ新鳥栖に到着します。・・・新幹線はお乗り換えです・・・」
このアナウンスを聞いたとき、南、確信したようである。。
「なるほど、なるほど。やっぱりか・・・」
そして、南はある指令をだした。
「高山、すまないが関係者を門司港駅に集めてくれないか。それも23時40分ごろにね」