そして、その日の23時40分ごろ、
「俺は明日も予定があるんだ。はやくしてくれ」
と緒方はぼやいていた、そんなときだった。突然、
「すまない、すまない」
と長崎に飛んでいたはずの南が現れたのである。これには、曜、
「えっ、今さっきまで長崎にいたはずでは?」
と驚くもすぐに緒方に対し、南、こう言い放った。
「これで緒方さんのアリバイは崩れました」
これには、緒方、
「俺のアリバイが崩れた?それってどういう・・・」
というと南がこんなことを言ってきたのである。
「緒方さん、本当はあなたが言っていたアリバイの40分以上前に門司港駅に到着していたのですよ」
むろん、これには、緒方、
「なんだって!!言っておくが私のアリバイのルートが1番早く門司港に到着することができるのですよ!!」
たしかに通常のルートなら緒方の言うことも一理あったりする。
だが、南は緒方に対しこう言ってきた。
「でもね、お金に糸目をつけなければそれよりも最速のルートがあるのですよ」
そして、南は時刻表を広げた、こう言いながら・・・。
「緒方さん、新鳥栖と博多で新幹線に乗り換えてきましたね」
これには、緒方、
「えっ・・・」
と驚いてしまった。
すると、南、そんな緒方に対しこんなことを言ってきたのである。
「まず、かもめ(&リレーかもめ)62号に乗って長崎を21時19分に出発、途中、新鳥栖で22時22分に降りるとすぐにつばめ338号(新鳥栖22時32分発)に乗り換えて博多駅に22時44分に到着する」
この南の言葉に緒方はただ、
「・・・」
と顔をゆがませようとしていた。だが、南の言葉は続く。
「すぐに博多駅22時48分発のこだま780号に乗り小倉駅に23時06分に到着、そのあと、在来線の普通(23時24分発)に乗り換えたあと、門司港駅に23時38分に到着すると内牧さんに毒を盛られたなにかを食べたか飲んだのでしょう。そして、あとは遅延性の毒だから毒が効くまで内牧さんと一緒にいることでいつ内牧さんが死んでもいいように待っていたのでしょう」
この南の推理に緒方はすぐに、
「そんなことなんてできないはずじゃ・・・」
と言うと南はこう言ってきたのである。
「俺がここにいる、それだけでも証明できているのですがね・・・」
すると、南は自分が乗ってきた乗車券をみせた。そこには今日のかもめ62号だけでなくかもめやこだまの特急券もあったのである。むろん、そのすべてに門司港駅の無効印が押されていたのだが・・・。これにはさすがの緒方も、
「くくく・・・」
としかめっ面をするような感じになってしまった。
と、ここで、南、緒方に詰め寄りこうも言った。
「言っておくがお前が新幹線に乗っていたという証言も獲ている、この子たちによってな!!」
すると、ニジガクの3人が声をあげた。愛、果林、侑の3人もこの場にいたのである。
「たしかにこの人がこだま380号に乗っていたの、見たもん!!」(愛)
「たしかに間違いないね」(果林)
「たしかに、たしかに!!」(侑)
このニジガク3人の言葉に、緒方、
「くそ・・・」
と悔し顔になってしまった・・・。
しかし、ここでルビィがこんな疑問を南にぶつけた。
「でも、なんで緒方さんは内牧さんに遅延性の毒を盛ったものを出したの?即効性の毒でもよかったはずなのに・・・」
そう、なんでわざわざ緒方が遅延性の毒を用いたのかである。即効性の毒でも殺せたはずである。なのに、なんで緒方は遅延性の毒を用いたのだろうか。
すると、南はその理由についてこう述べたのである。
「それは1時間後に来るめんこい刑事のせいにしたかったからだよ。でも、思っていた以上に早く内牧は遅延性の毒によって死んでしまった。だから、緒方はめんこい刑事を眠らせては刺殺の線で話を進めようとしていたと思うよ」
そう、緒方は内牧が殺される時間の予測を外されたのである。1時間以上あとで効く遅延性の毒がいつ効くかどうかは個人差がある。早く効く人もいれば遅く効く人もいる。そして、内牧は早く効く方であった。そのことを緒方は知らなかったのである。そのため、通常の人なら1時間以上あとで効くために内牧を自分より1時間以上あとに来るめんこい刑事が毒殺したという筋書きにしたいところ、それができなくなったのである。そのため、緒方は焦ってしまい、めんこい刑事が内牧を刺殺した、という筋書きに変えたのである。だが、それは南によって阻止された、というわけである。
そして、ニジガクの3人は緒方に対しこう言った。
「その内牧さんが死んでいった場面に私たちが偶然みかけたんだよ」(愛)
「あれは本当に思い出したくないわ」(果林)
「でも、それによって緒方さんの悪事を知らしめることができたのです」(侑)
そんなニジガクの3人の言葉を前に緒方は膝を落としてはこう言った。
「まぁ、俺が内牧と一緒にいたためにいつ内牧が死んでも大丈夫だったはずなのにその直接の現場をこの3人に見られたなんてな・・・」
どうやら、緒方、用心深いのだろう、内牧がいつ死んでもいいようにずっと内牧と一緒にいたことでいつ内牧が死んでも秘密裏に対処できるようにしたのだがニジガクの3人によってそれを隠すことすらできなくなったのである。そう、ニジガクの3人の証言がなかったら緒方が内牧を殺したことを知ることなく迷宮入りしたかもしれなかった。それくらいニジガクの3人の証言はこの事件の解決に役に立ったのである。
と、ここで、南、緒方に対しあることを尋ねた、とても重要な・・・。
「ところで、緒方、なんで内牧を殺したんだ?」
そう、殺人の動機である。
すると、緒方は、こう答えたのである。
「俺よりも早くめんこい刑事が出世するなんておかしすぎるんだよ!!だkら、内牧を殺してその罪をめんこい刑事にかぶせようとしていたんだ・・・」
あまりにも短絡的な動機であった。先に出世しためんこい刑事へのねたみ・・・、ただそれだけのためにまったく関係ない内牧を殺したのである。あまりにも短絡的である。だが、殺人の動機のほとんどが短絡的なものだったりする。人に対する恨みやねたみ、その他もろもろ。人はいろんな感情を持つからこそ人は他人を殺すのかもしれない・・・。
とはいえ、あまりに短絡的な動機を言った緒方に対しまわりのみんなは怒りに満ち溢れていた。特にめんこい刑事は相当怒っていた。だって・・・、
(ただの自分へのねたみのためだけに警察官としてやってはいけないkとをするなんて・・・)
だってめんこい刑事も同僚で同じ刑事の緒方も同じ警察官である。その警察官がただのねたみのためだけにまったく関係ない人を殺すという、いや、自分のねたみだけで他人を殺して自分に対し罪をかぶせようとするなんて許すことなんてできないからであった。むろん、それは警察官として、いや、人としてやってはいけないことをしたのである。そのことをめんこい刑事は許せなかったのである。
そして、ついにめんこい刑事は手を・・・。
バシッ
なんと、緒方のほほを平手打ちした少女がいたのである。これには、めんこい刑事、
(あっ、だれかが私の代わりに緒方に平手打ちするなんて・・・)
と唖然としていた。だって、めんこい刑事は緒方に対して手をあげていないのだから・・・。
では、誰が緒方に平手打ちをしたのか。それは・・・、
「えっ、千歌ちゃん!!}(曜)
「千歌ちゃん・・・」(ルビィ)
そう、緒方に平手打ちをしたのは(陰に隠れていた)千歌だった。千歌はこれまで陰として曜とルビィの旅のサポートを、いや、この物語における陰からのサポートをしてきた、つまり、この物語群における陰の功労者であった。だが、今、まさか、千歌、表に現れては事件の容疑者である緒方に対して平手打ちをかましたのである。それはよほどのことがない限りないことだった。それを覆すくらい千歌の心のなかではないかがあったのかもしれなかった。
ただ、緒方は突然のことなので、
「・・・」
となにもいえなかった。そんな緒方に対し、千歌、こう叫ぶ。
「ほかの人に対してのねたみ、それによってまったく関係ない人を殺すなんておろかでしかないよ・・・。そんなの、許せない・・・、許しちゃダメなんだよ!!」
それは千歌がここにいるみんなの想いを代弁しているかのようだった。ただのねたみや恨みのためだけに人を殺すなんて許してはいけない、そんな想いを千歌がすべての人に対して言っている、そんな感じがしていた・・・。そのためか、緒方はただ、
「・・・」
とまるで誰かに謝罪するかのような表情で立つことしかできなかった・・・。
その後、緒方は逮捕された。そのときの緒方は覇気が感じられない、そんな表情をしていた・・・。
こうして、めんこい刑事に関する事件は解決した。そのためか、めんこい刑事、南に対してこうお礼を言った。
「今回はありがとう。君のおかげで助かった」
すると、南、めんこい刑事に対してこう言った。
「別に助けにきたわけじゃない。仲間として駆けつけただけだ」
その南の表情はとても照れくさいものだった。
だが、めんこい刑事はうれしかった。だって・・・、
(まさか私のことを仲間としてみてくれていたとはな・・・)
仲間、それはめんこい刑事にとってとても嬉しいものだった。これまでは2人がいれば対決する運命だったのである。だが、ここにきて仲間というのは対決してきた先でみえたものだったのかもしれない。そのことをめんこい刑事は実感していいたのかもしれない。
ただ、このとき、この南の表情を見て、めんこい刑事、こう思ってしまう。
(でも、これが最後なのかもしれないな・・・)
そう、これが最後の出会いになる、そうめんこい刑事はそう思えたのである。でも、それはあながち間違いではなかった。これが本当に最後になる、最後の物語になる、それが最終章なのだから・・・。
ただ、それでもめんこい刑事はそのkとを気にしていないかのように南に対しこう言った。
「それじゃ、またな、南・・・」
これには、南、こう答えた。
「あぁ、またな、めんこい刑事・・・」
そして、2人は敬礼をして別れた。それはまるで最後ではないかのように・・・。
こうして、南のこの物語群における最後の事件は終わった。だが、このあと、まさか、あの事件が、いや、騒動が起きるとはだれも知る由もなかった・・・。