曜とルビィの事件簿   作:la55

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曜とルビィの事件簿~消えた○○~ 後編

 そして、博多駅を出発してから33分後、曜、ルビィ、森夫妻は熊本駅に到着した。その到着する際、

「2度目の熊本、到着!!あぁ、太平麺、食べたいよ~」

と、ルビィ、どうやら熊本名物の太平麺を食べたい様子。

 しかし、そのとき、

「おお、ルビィちゃん、食いしん坊なんだから!!」

と、南が突然現れてはルビィに対してちょっかいを出すと、ルビィ、

「あっ、南さん、梶山さん、こんにちは、って、ルビィ、花丸ちゃんや善子ちゃんみたいに食いしん坊じゃないもん!!」

と、南からのツッコミを軽くあしらえつつも南と梶山に挨拶すると、梶山、

「さて、みなさん、犯人とジロという子犬ですが、今のところ、熊本駅にある列車に乗って向かっているとのことです。あともう少しで熊本駅に到着する、とのことです。その列車が到着するホームに向かいましょう」

と言うと、曜たち4人をそのホームへと案内してくれた。

 

 そして、犯人が乗った列車が到着するであろうホームに曜や南たちが到着すると同時にその列車もそのホームに入線してきた。で、その列車を見て、ルビィ、目を開けてびっくりする。

「えっ、この列車って、ルビィたちが昨日乗った「あそぼーい」だよ!!」

そう、このホームに入線してきたのは「あそぼーい」だったのだ。しかし、実は昨日、阿蘇地方大雨のために立野駅で立ち往生していた「あそぼーい」であったが、そのときに車両不具合も見つかったため、SL人吉、いや、SL「無限大」号、いや、SL「あそBOY」の救援を受けていたのである(詳しくは前作「復活のA」をご覧ください)。

 しかし、昨日、車両不具合が見つかったのに今日も走っていることに、曜、

「でも、昨日走れなかった「あそぼーい」が今日も走っているのはなんで?」

と、疑問に思うも、梶山、これについてこう説明した。

「たしかに、昨日、私たち(梶山たち)が乗っていた「あそぼーい」に車両不具合が見つかりました。しかし、車両基地に戻ってからよくよく調べてみると、ただ、外から飛んできた小石によって車両の側面に少し小さな傷ができていただけだと分かったため、運用に特に支障がない、ということでして、今日も運転しているとのことでした」

どうやら、昨日の車両不具合は車掌が慌てて上に報告したことが物事を大きくしてしまったのが原因だったようだ。そんなわけで、今日も元気よく運行している「あそぼーい」でした・・・。

 

 と、それは別にして、「あそぼーい」が熊本駅の到着ホームに到着すると乗客たちはどんどん列車から降りてくる。でも、どの人も南たちが待っている人ではなかった。これには、曜、

「待ち人、まだ来ないのかな?」

と、つばを飲み込みながらその人を待つ。

 そして、ついにそのときはきた。「あそぼーい」から子犬を入れたゲージを持っている1人の男性が列車から降りてきた。それを見て、曜、

「あっ、犯人だ!!」

と、大きな声で叫ぶも、すぐにそれが意外な人物であるとわかったの、森夫妻はびっくりするような声をあげた。

「「えっ、なんで次郎が犯人なの!!」」(森・温子)

そう、子犬の入ったゲージを持って「あそぼーい」を降りてきた男性いや、犯人はなんと森夫妻の次男、次郎、であった。あまりに意外な人物、これには、曜、ルビィ、ともに、

「なんで森夫妻の子どもが犯人だったの?」(曜)

「え~、そんなの、うそ、だよね。ルビィ、幻を見ているだけだよね・・・」(ルビィ)

と、困惑している様子。いや、曜とルビィ以上に、

「次郎、うそでしょ!!うそ、つかないで!!」(森)

と、森は困惑していた。さらに、温子にいたっては、

「やっぱり・・・、やっぱり・・・、次郎が犯人だったんだね・・・」

と、なんか納得している様子。これには、南、

「やっぱり温子さんにはわかっていたのですね、犯人が自分の息子である次郎であると・・・」

と、温子に尋ねると、温子は南に対し、

「と、いうことは、南さんも私のあのとき(ブログを見ているとき)の動揺のことを知っていたのですね」

と言うと南はこう答えた。

「はい、あなたがブログを見ていて動揺していることはわかっていました。だって、ブログを読み進めるうちに明らかに動揺しているあなたの姿を見続けていましたから。さらに、それから犯人である次郎さんと温子さんのあいだになにかあると思いました。そして、このブログを読み続けるうちにあることに気付きました、

 

ブログ自体、次郎さんがあなた、ひろ子さん、そして、森さんに向けて送ったメッセージ

 

だと、さらに、

 

この「あそぼーい」こそ森さんと温子さん、そして、温子さんと次郎さんの想い出を、次郎さんの想いを詰め込んだ列車である

 

と・・・」

これには、温子、

「それ、本当なの、次郎?」

と、次郎に尋ねると次郎も、

「うん、そうだよ、母ちゃん」

と、南の言うことを認めてしまった。

 そして、南はある列車の歴史を語り始めた、それは・・・、

「次郎さんの想い、それはこの列車「あそぼーい」の数奇な運命の歴史と同じかもしれません。それでは、この「あそぼーい」の数奇なる運命の歴史を語ることにしましょう・・・」

 

 そして、南はタブレットを持ってある写真を表示した。それは「あそぼーい」であるキハ183系の車体に三つの色、赤、白、青と横に塗られたものだった。これを見て、森、

「あっ、これこれ!!昔、温子さんとデートに行ったときによく乗っていた列車だ!!」

と喜びを見せていた。で、その列車の写真を見て、曜、

「なんか今のカラーリングと違う・・・」

と、驚いてしまった。

 そんな曜の姿を見てか、南、タブレットに写る列車の説明をした。

「これは今の「あそぼーい」であるキハ183系の最初の形態、「オランダ村特急」なんだ!!」

その「オランダ村特急」の言葉に、ルビィ、

「えっ、「オランダ村特急」?聞いたことがない名前だ!!」

と、驚いてしまうも、南、それについて説明する。

「「オランダ村特急」、文字通り、長崎にあったテーマパーク「長崎オランダ村」にアクセスするために作られた特急なんだ。その特急は門司港~佐世保間を結んでいた。そのオランダ村なんだけど、ブログの2ページ目に載っていたテーマパーク跡地、それが長崎オランダ村なんだ!!」

 これには、ルビィ、

「えっ、たしか、ハステンボスのルーツって言っていたテーマパークって長崎オランダ村だったんだ!!」

と、なんと納得の表情。南はオランダ村と「オランダ村特急」について軽く説明する。

「長崎オランダ村。1980年代にオープンしたんだけど、党委はとても人気もあってそことアクセスする特急として運用されたのがこの「オランダ村特急」だったわけ。そして、そこを発展的に作ったのが今のハウステンボス。で、長崎オランダ村はハウステンボス開場後、そのハウステンボスのサテライト的な役割をもっていたのだけど、そのためにお客さんがオランダ村に来なくなりついに閉園になったんだ。けれど、最近になって地元が中心になって残った建物を使って役場をそこに移設したりなどして再び観光名所として頑張ろうとしているんだ!!」

 この南の言葉を受けてか森はそのときの想い出話をしてきた。

「私と温子さんは、昔、長崎オランダ村でよくデートをしていました。そのときによく使っていたのだこの「オランダ村特急」なんです。この列車の写真を見るだけでもそのときのことを思い出します」

そして、温子も、

「そうですね、森さん!!私もこの列車には森さんとの想い出ばかり思いだします」

と、当時のことを思い出しながら答えた。

 だが、南の説明は続く。

「しかし、ハウステンボス開場後、「オランダ村特急」は特急「ハウステンボス」号にその役割を引き継いでしまった。こうして、「オランダ村特急」という名前は消えてしまったんだ。だが、どこでも使える気動車として作られたのが幸いした。このキハ183系は次の職場へと移動する。それが・・・」

と、タブレットの画像を切り替えると、そこには、緑色、いや、「ゆふいんの森」号のカラーと同じ色になったキハ183系の姿があった。これには、ルビィ、

「あっ、「ゆふいんの森」号だ!!」

と、びっくりしてしまう。

 そんなルビィの対応に呼応してか、南の説明に磨きがかかる。

「そう、ルビィちゃんの言う通り、キハ183系は「ゆふいんの森」号として生まれ変わった!!キハ183系は今度は「ゆふいんの森」号として博多~(久大線経由)~別府間を走ることになるんだ!!」

 この言葉を聞いてか、曜、あることに気付く。

「あっ、もしかして、これが(今ある)「ゆふいんの森」Ⅰ世とⅢ世のあいだで消えてしまったⅡ世じゃ・・・」

と、ここでその言葉を待っていたかのごとく南はこう答えた。

「曜ちゃん、ずばり、その通り!!これこそあの消えた「ゆふいんの森」Ⅱ世なんだ!!「ゆふいんの森」号には3つ列車があった。一番最初から走っていたⅠ世、「ゆふいんの森」号のなかでは一番新しいⅢ世、そして、このキハ183系こそ消えた「ゆふいんの森」Ⅱ世なんだ!!」

 この南の言葉を聞いてか、次郎、ついに声をあげた。

「俺にとってその「ゆふいんの森」Ⅱ世は母ちゃん(温子)と一緒に乗ったときの記憶がとても強く残っているんだ!!大分の本家に行くとき、この列車をよく使っていたんだ!!」

これには、曜、

「ってことは、この「ゆふいんの森」Ⅱ世に次郎さんは愛着を持っているの?」

と、次郎に尋ねると次郎も、

「うん、そうなんだ」

と認めてしまった。

 だが、これに対して森はというと、

「ただ、私にとってその「ゆふいんの森」Ⅱ世との想い出はないんだ。だって「オランダ村特急」が廃止になってすぐに親たちによって温子さんと別れさせられたのですから・・・」

と、当時のことを思い出すと温子も、

「森さんと別れてすぐに親によって結婚させられて次郎を生んだのですが、次郎がその「ゆふいんの森」Ⅱ世が好きだったから大分の本家に戻る際にはこのⅡ世をよく使っていました」

としみじみに答えた。

 だが、話は急展開する。南は真剣なまなざしでこう言った。

「けれど、新しい「ゆふいんの森」Ⅲ世が登場したため、Ⅱ世であるキハ185系は「ゆふいんの森」Ⅱ世としての役割を終えることになる。こうして、Ⅱ世の名は「オランダ村特急」と同様に消えてしまった・・・」

これには、ルビィ、

「また名前が消えてしまった・・・」

と、嘆いてしまうもすぐに、南、こんなことを言いだす。

「けれど、キハ185系には別の仕事場があった。それは長崎~佐世保間での運用だった。こうしてキハ185系はその路線で特急「シーボルト」として運用を始めたんだ」 

 これには、温子、ある想い出話をした。

「小さいころの次郎から「「ゆふいんの森」Ⅱ世はどこに行ったの?」って言われたことがあるんだ。このときにはその列車は「ゆふいんの森」Ⅱ世としての運用が終わっていたの。だから、私、当時はやっていたネットを使って「ゆふいんの森」Ⅱ世に使われていた列車がどこを走っているのか調べて、その列車が特急「シーボルト」として運用されていることを知ったの。そして、その列車に乗りたい次郎を連れて特急「シーボルト」に乗ったんだ」

この温子の想い出話に、次郎、

「うん、俺、Ⅱ世がとても好きでもう1度Ⅱ世に乗りたい、と思っていたんだ。だから、母ちゃんに「もう一度Ⅱ世に乗せて!!」とわがままを言ったんだけど、母ちゃん、そのわがままを聞いてくれてわざわざ長崎まで特急「シーボルト」に乗せてくれたんだ・・・」

と、当時のことをしみじみと思いだしていた。

 が、またここで話は急転する。南、さらに畳みかけるように言う。

「しかし、そこまで需要があったわけでもないため、特急「シーボルト」は廃止されてしまう。またもや名前がなくなってしまったんだ」

これには、ルビィ、

「まただ。また名前がなくなってしまった・・・」

と、泣きそうに言った。

 だが、南の話は続く。

「でも、キハ185系はまたもや別の場所へと移動した。次の職場、それは「ゆふいんの森」号と同じ路線である久大線。しかし、「ゆふいんの森」号ではなく、特急「ゆふ」のDX版、「ゆふDX」として運用されるようになるんだ」

これには、曜、

「「ゆふDX」なんてなんかかっこいい響き・・・」

と感動するとルビィも、

「たしかにすごそうな名前だね・・・」

とものすごいものを想像していた。

 そして、次郎も、

「俺にとって「ゆふDX」登場当時、「ゆふDX」は「ゆふいんの森」Ⅱ世の再来かと思ったよ。「ゆふいんの森」号のときの設備なんてないけど、それでもパロラマシートがある、それだけでも嬉しかった!!だから、俺はこの列車を乗るように母ちゃんに頼んでいたんだ!!」

と、感慨深く言うと温子も、

「たしかにその通りだったね。よく次郎から「「ゆふDX」に乗せて!!」ってせがまれたから大分の本家に戻るとき、よく「ゆふDX」を使っていたものです」

と、こちらも感慨深く言った。

 だが、ここで話がまたもや急展開する。南曰く、

「しかし、「ゆふDX」として活躍していたキハ185系も次の仕事場所が見つかってしまう。今度は豊肥線でSL「あそBOY」「あそ1964」の後釜として特急「あそぼーい」として運用されうことが決まったんだ。こうして、キハ185系は「ゆふDX」から「あそぼーい」として改造を受け豊肥線を走ることになり今に至るんだ。ただ、これによって「ゆふDX」の名前は消えてしまったけどね・・・」

これには、ルビィ、

「またも名前がなくなってしまった・・・。一体、どれくらい名前がなくなればいいの・・・

と、泣きそうになってしまう。

 だが、曜、これまでの南の話を聞いてあることに気づいた。

「あっ、もしかして、私たちが読んでいた「ニノタビ」というブログの話の流れってこの列車(キハ185系)の歴史そのものなんじゃないかな」

さらに、曜、そう思った理由を述べた。

「たしか、キハ185系の最初の形骸「オランダ村特急」は昔のオランダ村の跡地の写真がそれを物語っているし、2ページ目の「ゆふいんの森」号はこの列車が消えたⅡ世であることを示している。さらに、3ページ目の大村湾の風景はこのそばを通っている線路(大村線)をかつて走っていた特急「シーボルト」を示していた。そして、最後の記事の「ゆふ」号と豊後森機関庫はこの列車が「ゆふDX」として走っていたことを示していた。それってこの列車の歴史そのものだと思うの!!」

 この曜の推理に、南、

「曜ちゃんの言う通り、あのブログはキハ185系の歴史を物語っていたんだ」

と答えると南がその考えにたどり着いた理由を述べた。

「俺はこのブログを読んでいくうちに、「オランダ村跡地→「ゆふいんの森」号→大村湾の風景→「ゆふ」号と豊後森機関庫の写真」という話の流れからこれが犯人である次郎さんがこれに関連するものを示したい、そう思えてきたのです。そして、最後のページに書かれていた文言、「列車とともに」という言葉でその関連したものが「ある列車」であると思いました。これらをもとに考えた結果、「オランダ村特急」→「ゆふいんの森」号→「シーボルト」→「ゆふDX」→「あそぼーい」という遍歴を持つキハ185系が関係しているのでは、と思い、私の関係者にお願いして列車のなかでのあなたの動向を調べてもらいました。そして、この「あそぼーい」に、次郎さん、あなたがジロを抱えて乗っている、そのことを聞いて俺の推理は間違いなかった、そう思った次第です」

 そんな南だったが話はまだ終わっていなかった。南、次郎の方を向いてはこんなことまで言いだしてきた。

「そして、あのブログには次郎さんのある想いをこの列車のある事実と重ね合わせて示したいたんだ!!」

これには、温子、

「えっ、次郎の想い・・・」

と、唖然となるも、次郎、ついに自分のある想いを爆発させてしまう。

「母ちゃん、なんで由緒ある「湯平」って名前を捨てるの!!」(次郎)

これには、曜、

「えっ、「湯平」!?」

と驚くとルビィも、

「温子さんの旧名って「湯平」って言うの?」

と温子に尋ねた。すると、温子、

「はい、私の旧名は「湯平」なんです。そして、この名前は(大分において)名家ともいえる名字なんです」

と正直に答えた。

 その温子の答えに火がついたのか、次郎は温子に対し自分の想いを暴露した。

「「オランダ村特急」みたいに、「ゆふいんの森」Ⅱ世みたいに、「シーボルト」みたいに、「ゆふDX」みたいに、母ちゃんは「湯平」という名前を捨てようと、消そうとしているの?俺にとって「湯平」って名前は名家であることを示す名字で俺にとってステータスシンボルなんだ!!それをこれらの列車の名前と同様に捨てるつもりなの!!俺にとってみればそれは先祖に対する冒とくなんだよ!!」

 この次郎の本音を聞いたか、南、こんなことを言いだしてきた。

「俺はこのブログを読んでいくなかで「ゆふいんの森」号についてあることを考えた、なんでブログに「ゆふいんの森」号のことを扱ったのか、と。そして、盗まれた子犬が2番目の子犬だったのか、それが気になっていた。そして、ブログを読み続けて、さらに、森さんから森夫妻の子どもたちのことを聞いてある結論に達しました。それは犯人が森夫妻にとって2番目の子、つまり、次郎さんではないかと。なぜなら、「ゆふいんの森」Ⅰ世とⅢ世を森夫妻の子どもに例えると長男の太郎さんと三男の三郎さん、それに対し今はもういないⅡ世は次男の次郎さんと例えることができる。さらに、森夫妻が飼っている犬の子どもも2番目が盗まれた。それらを考えた場合、「「(消えてしまった)「ゆふいんの森」Ⅱ世、森夫妻の次男である次郎さんと犬のハズちゃんとワイちゃんの次男であるジロが消えていなくなった」=犯人である次郎さんがある目的で同じ次男であるジロちゃんと一緒に自ら消えてしまった」ではないかと推測できたんだ。そして、森夫妻について菅原たちに調べてもらった。さらに、俺は森さんから森夫妻の名字について聞いてすべてがわかりました。次郎さんはキハ185系の過去の名前みたいに自分の名字「湯平」が消えてしまう、そのことがいやだからこんなことをしてしまったのです。さらに、その想いをあの「ニノタビ」というブログを通じて森夫妻にメッセージを送ってました、「キハ185系の過去の名前と同じように自分の名前「湯平」が消えてしまうのがいやだ」と。そして、俺の結論は正しかったことがわかりました、このブログを通じて次郎さんがこの「あそぼーい」、つまり、キハ185系に乗っていることで次郎さんの森夫妻にあてたメッセージは完結する、俺はそう思っておりました。そして、実際に次郎さんはこの列車に乗って自分からのメッセージを完結させようとしました。まさにその通りでしたね」

これには、次郎、

「ふっ、まさか南さんたちに俺のすべてを知られているなんてびっくりです」

と、白旗をあげるとともに南にこう言った。

「そして、俺のある想いも南さんは気づいているのではないのですか?」

と南に確認を取ると南はその次郎の想いを口にした。

「そして、次郎さんはこう思っております、「ゆふいんの森」Ⅱ世みたいに「湯平」の名前を簡単に捨てて森さんのところに行った温子さんに自分は捨てられるのではないかと。名家と呼ばれる「湯平」みたいに自分の存在も2番目の子(=Ⅱ世)みたいに、「ゆふいんの森」Ⅱ世と同じように消されるのではないかと・・・」

これには、温子、

「そ、それは・・・」

と、言葉を濁してしまう。

 そんな温子に対し次郎はつらい言葉を投げつけてくる。

「俺は「ゆふいんの森」Ⅱ世みたいに、「湯平」という名前と同じように、2人から完全に消されてしまう、忘れ去られた存在になるかもしれない、そう思っていたんだ。そして、このジロという子犬も同様に俺と同じ運命をたどるかもしれない、そうも思っていた。だから、俺は森さんと母ちゃんによって完全に消された存在、忘れ去れた存在になるかもしれない、そんなのいやだ、そう思ってあの家を飛び出したんだ、ジロを連れて、俺のその想いを2人にわからせるために!!」

これには、森、

「次郎さん、それは・・・」

と口にするも、次郎、

「黙れ!!俺を消そうとしている人が言うな!!」

と、完全に拒否される。こrにえは、曜、ルビィ、ともに、

「次郎さん、落ち着いて・・・」(曜)

「うわ~、修羅場だよ・・・」(ルビィ)

と、2人とも困惑していた。

 だが、このとき、南は冷静に次郎の方を向くとこの修羅場の雰囲気の中でこんなことを言いだしてきた。

「でも、次郎さん、実はなにか誤解しているのではありませんか?」

これには、次郎、

「えっ、俺が誤解しているって?」

と、南に言うと南はある事実を次郎に伝えた。

「森さんは別に「湯平」の名前を捨てたわけじゃないのです!!逆に「湯平」の名字を残そうとしているのです、あなたの存在と同様に!!」

これには、次郎、

「えっ、それって本当なのですか?」

と森に尋ねると、森、

「あぁ、本当だ!!」

と力強く言うと次郎も知らない事実を次郎に伝えた。

「実は、私の本当の名前は「湯布院」ではなく「由布院」なんだ!!」

これにはさすがの次郎も、

「う、うそだろ・・・、「由布院」って「湯平」と同じく大分では名家と言われているのでは・・・。森、それって、お前も名家の名字である「由布院」の名を捨てたってことか・・・」

と絶句する。なんと、森も大分では名家と誉れ高い「由布院」の名を捨ててしまったのか、そう次郎は考えてしまった。

 だが、そんな絶句する次郎に対し、南、反論する!!

「いや、森さんは名家と誉れ高い「由布院」の名字も由緒ある「湯平」の名字も捨ててなんてない!!むしろ、その名前を、森さん自身、受け継いでいこうとしているんだ!!」

これには、次郎、

「えっ、名家と誉れ高い名字を受け継いだだと・・・」

と、これまた絶句する。

 そんな絶句×2の次郎に対し南は森の名字に対するある想い、真意を伝えた。

「森夫妻が今名乗っている名字、「湯布院」、これはな、「湯平」の「湯」の字と「由布院」の「布院」の文字をくっつけた、いや、「湯平」と「由布院」の両方の名字を残すために「由布院」の「由」の字を「湯平」の「湯」にした、そんな森さんの想いがこもった名字なんだ!!」

この南の言葉に、次郎、

「う、うそだろ・・・」

とこれまた絶句する。まさか「湯平」の名字を簡単に消してしまったとこれまでそう思っていた次郎、それがまさか、その逆、誉れ高い「由布院」の名字、由緒ある「湯平」の名字、それを両方残すために自分の名字を改名した、そのことに驚いたからだった。

 そして、この南からの言葉を森は自分の口で真実を述べた。

「あぁ、南さんの言う通りだ!!私のもともとの名字、「由布院」と温子さんの名字、「湯平」、それを残すために私と温子さんは「湯布院」の名字を名乗るようにしたんだ!!私は「由布院」の名字を捨てたくない、と同様に、温子さんも「湯平」の名字を捨てたくない、ならばどうすればいいか、温子さんと2人で相当考えたんだ!!でも、日本において夫婦別姓は認められない、ならばどうすればいいか考えて考えて考えた結果、2つの名字を受け継いだ名字に改名することを決めたんだ!!私にとって「由布院」も「湯平」も大切な名字!!それを受け継ぐためにも、私は、いや、私たちは「湯布院」という名字を名乗ることにしたんだ!!」

この森の言葉に、次郎、

「うそだろ・・・。うそと言ってくれ・・・」

と、唖然としてしまうも、南、真実を言った森への援護射撃を行った。

「次郎さん、これが森さんの真意だよ。そしてね、普通、名字というのはとても大切なものだからよっぽどのことがない限り改名できないんだ。しかし、森さんと温子さん、それを承知の上でお互いの本家、そして、役所に必死にお願いしてようやく改名できたんだよ。それだけ森さんと温子さんの名字に対する想いはとても熱いものだったんだ」

 この南の言葉、とともに温子が次郎に対しこんなことを言う。

「次郎、森さんの名字に対する想いと同じように次郎に対する私たち(森夫妻)の想いも本物なんです」

これには、次郎、

「どうしてそんなことが言えるんだ!!」

と、自分の母親である温子をにらむように言うと、温子、自分たちの次郎に対する想いを語った。

「次郎、なんで私たちがキースホンドという犬を飼っているかわかる?実は私にとって「あそぼーい」であるキハ185系という列車は私たちにとって特別な列車なんだよ。この列車がまだ「オランダ村特急」だったとき、私たち2人はこの列車で出会ったんだよ。私が仕事のために特急電車の485系「有明」に、森さんは友達との旅のために気動車である「オランダ村特急」にそれぞれ乗っていたとき、鳥栖駅で出会ったんだ!!」

この温子の言葉に、曜、あることに気付く。

「え~と、たしか温子さんは電車に乗ってて森さんは気動車に乗っていた、それなのに鳥栖駅で出会った、って、これって偶然?」

そう、2人は「有明」という電車と「オランダ村特急」という気動車という別々の列車に乗っていたのだ。が、それでも二人は鳥栖駅で出会ったのだ。それって偶然では、と思うのも無理ではなかった。

 だが、それについて、南、すごいことを言いだす。

「いや、ぐうぜんではないね!!これは必然かもね!!」

これには、曜、ルビィ、ともに、

「必然!?それってありなの?」(曜)

「必然だったら凄いね!!」(ルビィ)

と、半信半疑の様子。

 というわけで、南、必然だといえる理由、というか、キハ185系のある真実の説明をした。

「実はキハ185系は「オランダ村特急」時代、(九州新幹線未開通であり、博多~熊本間において過密ダイヤだったこともあり)多くの電車が行き交う鹿児島本線を走るために当時485系電車での運用をしていた(門司港~博多~熊本~西鹿児島(現鹿児島中央駅)間を走っていた)「有明」との協調運転を門司港~鳥栖間で行っていたんだ!!そして、その連結や切り離し作業が鳥栖駅で行われていたんだ!!」

そう、キハ185系は、昔、485系電車と協調運転をしていた。今でもあまり聞いたことがない電車と気動車の協調運転、それをキハ185系「オランダ村特急」と485系電車特急「有明」はやっていたのだ。これは世界でも初めてのことだった。それをキハ185系はやっていたのである。そして、その連結や切り離しの作業を鹿児島本線と長崎本線の結節点である鳥栖駅で行っていたのである。

 そして、森は南の説明を受けて温子とのなれそめや自分の想いを口にした。

「私と温子さんはちょうど別の用事でそれぞれ「オランダ村特急」と「有明」に乗っていた。そして、「オランダ村特急」と「有明」の連結作業が鳥栖駅で行われる、ということでその様子を見に私と温子さんはそれぞれ2つの列車が連結しようとしているところに見に行ったんだけどそのときに私たちは出会ったんだ。そして、その連結作業を見ていくなかで私と温子さんは意気投合してしまい付き合うことになったんだ。その後、長崎オランダ村にデートをしによく「オランダ村特急」に乗っていくなかで私たちは愛をはぐくむことになった。けれど、お互いの家が名家ということで「オランダ村特急」が廃止になった直後にお互いの両親によって別れさせられ、お互い共に親によって決められた相手と結婚することになったんだ。そんななか、「オランダ村特急」だったキハ185系は名前を変えながら「あそぼーい」になった。その「あそぼーい」で私と温子さんは再び出会った。このときはお互い親によって決められた相手とは離婚しておりお互いバツイチの状態だった。そんな2人であったけどキハ185系で出会い愛をはぐくんだ2人が再びキハ185系の車内で出会った、「これって運命なんでは」とお互いにそう思った。ならばと、私たち2人はもう一度結ばれることを切に願ったんだ。けれど、私たちは結ばれたいものの「由布院」という誉れ高い名字と「湯平」という由緒ある名字の存在、さらにお互いの家が名家であることがネックになったんだ。2つの名家の名字を残さないといけない、そのために私は2つの名字を受け継ぐことができる「湯布院」という名字に改名したんだ!!こうすることで確実に2つの名字を残していける、そう私は思っている!!それと同様に温子さんとの「オランダ村特急」の想い出を、この数奇な名前の歴史を持つこの列車、キハ185系のように、私たちがこれまで経験したこと、私たちの子どもたちを含めたこれまで私たちが出会ってきたすべての人たちのこと、そのすべてを大事にしよう、そう思って、「オランダ村特急」つながりでオランダが原産のキースホンドを飼うことにしたんだよ、初心を忘れずに、ってね!!」

 この森の想いを受けてか、南、この列車、キハ185系に関する自分の想いを語った。

「このキハ185系「あそぼーい」は「オランダ村特急」「ゆふいんの森Ⅱ世」「シーボルト」「ゆふDX」と何度も改名していった。けれど、これらの名前は決して消えたわけじゃない。キハ185系の歴史の積み重ねのなかでそれらはこの列車の宝物として、そして、次郎さんを含めたこれまでキハ185系に乗車してくれた人たちのなかで大切な想い出として残っているんだ。だからこそ、キハ185系はただの列車にあらず!!この30年間、いろんな人たちの想い出、そして、想い、それらを詰め込んで今でも走っている!!と、同様に、森さんも温子さんも「由布院」と「湯平」の名字を受け継ぎつつも、これまでのこと、これまで出会ってきた人たち、そして、次郎さんを含めた子どもたち、それらを大切にしていきたい、その志のもと、これからも次郎さんを含めた家族5人で生きていこう、そう思っているんだ!!」

 この南の言葉を受けてか、曜、

「森さんと南さんの話を聞いて、私、ちょっと感動しちゃった!!だって、次郎さんは森さんと温子さんから消されたと思っていたけど、本当はその逆だった。これほど家族思いの人っていないと思うよ。私だって船長であるパパに憧れているもん!!そんなパパは私のことをいつも大事に思っている!!そして、私、将来はパパみたいな船長になりたいもん!!それくらいパパの存在は私のなかで大きいと思うし、これからもパパと一緒に生きていきたい、そう思うよ」

と、自分の想いを口にすれば、ルビィも、

「ルビィも森さんや曜ちゃんの意見に賛成だよ。だって、お父さんもお母さんもお姉ちゃん(ダイヤ)もルビィにとって大事な存在だもん!!それに、ルビィの家、黒澤家は網元の家として代々受け継がれてきたけどその名前がなくなるのはいやだよ!!だからこそ、その名前を必死に受け継ごうとしている、それに加えて家族の想い出や想い、キズナを大事にすること、それはとても大事だと思うよ。ルビィだってずっとそうしたい、お姉ちゃんとはこれからも一緒に頑張っていこう、そう思うもん!!」

と、自分の想いを口にした。

 そんな、曜とルビィ、2人の想いが通じたのか、次郎、

「森さんと南さん、それに、少女2人(曜とルビィ)にそんなことを言われてなんかわかった気がする。俺、なんか勘違いしていたのかもしれないね・・・」

と、涙を流しながら言うと、自分の過ちについて、

「俺、「湯平」という俺が大切にしていきたい、そんな名字を、いや、俺自身も森さんから捨てられる、そう思っていた。けれど、それは違っていた。森さんは、母ちゃんは、「湯平」という名字、「由布院」という名字、そして、俺たち子どもの分まで大事にしようとしていたんだね・・・」

と悔いると、森に向かってこう叫んだ。

「森さん、こんな俺だけど、「お父さん」って言ってもいいですか?」

これには、森、

「次郎さん、いや、次郎、私のこと、「お父さん」って呼んでもいいよ」

と言うと、次郎、ジロの入ったゲージを持ったまま、森と温子に抱きしめては、

「お母ちゃん、お父さん、ごめんなさい!!」

と、泣いて謝ってきた。これには、森、

「よしよし、泣かない、泣かない」

と、次郎に対してなだめようとすると、続けて、

「それにな、キースホンドのハズちゃんとワイちゃんは子犬を私たちの子どもたち3人と同じ数、3匹生んだんだ。それを私たちの子どもたちが独立する際に1匹ずつ渡そうと思っていたんだ、私や温子さんの想いを子どもたちにも受け継いでもらいたいからね」

と、自分のこれからの想いも言うと、これにはさすがの次郎も、

「お父さん、その想い、本当に嬉しいよ!!」

と、泣きながら自分の今の想いを口にした。

 そんなつつましい光景が展開されるなか、

「あの~、南さん、ちょっといい?」

と、1人の「あそぼーい」の女性のパーサー(客室乗務員)が南に近づいてはこう言うと、南、

「あっ、ちょうどよかった、高海千歌チーフパーサー!!」

と、南が高海千歌と呼ぶ女性のパーサーに言う。

 だが、この様子を見て、曜、その女性のパーサーに対しこんなことを言いだしてきた。

「えっ、千歌ちゃん、なんでここにいるの!?」

そう、みなさん、もうお気づきだろう。南が千歌と呼ぶチーフパーサー、なんと、みなさんご存じ、高海千歌、千歌ちゃん、ご本人であった。で、これには、曜、

「千歌ちゃん、たしか、昨日はSL「あそBOY」の機関助手、だったよね。で、今日はなんで「あそぼーい」のパーサーなの?」

と、びっくりしつうも千歌に尋ねる。たしかに、昨日(前作「復活のA」)では「あそぼーい」の救援にきたSL「あそBOY」の機関助手をしていた千歌、それが今日は「あそぼーい」のパーサーをしているのだ。

 ただ、これに関して、千歌、こんなことを言いだしてきた。

「あぁ、今日はSLの運転がないの。その代わりに今日は「あそぼーい」のパーサーをしているの!!でも、普通のパーサーじゃないよ、「チーフ」パーサーだよ!!パーサーのなかで一番偉いんだよ!!」

この千歌の言葉に、ルビィ、

「えっ、なんで「チーフ」パーサーなんかできるの?」

と、千歌に尋ねると、千歌、あっさりこんなことを言ってしまった。

「だって、私、接客に関する資格、たくさんあるもん!!ポケ〇ンマスターならぬ資格マスターである千歌にとってそんなの造作のないことだよ!!」

と、なぜかどや顔で言う千歌。これには、曜、

「千歌ちゃん、おそるべし・・・」

と、千歌の底知れぬものを感じていた。

 で、どや顔の千歌に対し、南、

「で、千歌チーフ、頼んでいたもの、森さんたちに渡して」

と命令すると、千歌、

「はい、わかりました!!」

と言っては1枚のポストカードを森たちに渡した。

 で、これに対し、るbぃ、南にある質問をした。

「南さん、今、千歌ちゃんが渡したものってなに?」

これには、南、すぐに答える。

「あれはね、乗車証明書だよ」

乗車証明書、九州総局の観光特急「D&S]特急には列車それぞれにその特急のポストカード大の乗車証明書が配られている。そのポストカード大の乗車証明書はその列車に乗った人なら誰でももらえるものであり、そのカードに記念スタンプを押すのが通例になっている。その証明書についてだが、ルビィ、

「あっ、ルビィも昨日もらった!!「ゆふいんの森」号に「あそぼーい」!!」

と、目をキラキラさせながら答えていた。そう、なにを隠そう、ルビィもちゃっかりその乗車証明書をもらっていたのである。って、ルビィ、知らずにもらっていたんかい!!

 と、ルビィにツッコミを入れるのはこれぐらいにして、ルビィ、

「あっ、森さんたちがもらった証明書がちょっと気になるよ~!!ちょっとのぞいてみよう!」

と、ちらっと千歌が森たちに渡した乗車証明書が見えたのでそれをのぞいてみると、ルビィ、いきなりこんなことを言いだしてきた。

「あれっ、これってルビィたちがもらった乗車証明書とは違う!!」

このルビィの叫び声に、曜、

「えっ、それ、本当!!」

と驚いてはすぐに森たちがもらった証明書を森たちから見せてもらう。すると、曜、

「あっ、本当だ!!」

とまたもや驚いてしまう。

 そんなわけで、ルビィ、自分がもらった「あそぼーい」の乗車証明書を取り出すと森たちが千歌からもらった乗車証明書を見比べてはこんな声をあげた。

「たしかに違う!!ルビィがもらった証明書は「あそぼーい」の正面のデザイン画が載っているのにこれ(森さんが千歌からもらった証明書はいろんな列車が載っている!!」

そう、普通の乗車証明書にはその列車の正面のデザイン画が載っている。だが、森たちが千歌からもらった乗車証明書には5つの列車のデザイン画が載っていたのである。

 で、森に渡した乗車証明書について千歌が説明する。

「実はね、この証明書は千歌特製の証明書なんだよ。表にはこの列車、キハ185系の歴史、つまり、「オランダ村特急」「ゆふいんの森Ⅱ世」「シーボルト」「ゆふDX」、そして、「あそぼーい」のデザイン画が載っているんだ。それに、その裏には千歌たちからのメッセージ入りだよ!!」

 その千歌の言葉を聞いて森たちはもらった証明書を裏返して見てみる。すると、直筆でこんなメッセージが書かれていた。

「これかも「あそぼーい」ことキハ185系みたいにずっとみんなと一緒に幸せに暮らしてください!!」

そして、このメッセージについて千歌は説明してくれた。

「「あそぼーい」ことキハ185系はこれまでキハ185系に乗車してくれた方々のいろんな想いが詰め込まれているんだよ。そして、これからもその想いとともに、いや、これから乗車してくれる方々の想いをもらって未来へと走っていくんだ。それと同じように森さんたちもこれまでの想い出、想い、キズナ、それをもってこれからの幸せな人生をみんな一緒に楽しみながら、そして、その想いを築きながら前に進んでいってほしいな」

 この千歌からの言葉を聞いて、森、

「本当にありがとうございます、千歌チーフパーサー、そして、「あそぼーい」のパーサーのみなさん!!」

と、千歌やほかの「あそぼーい」のパーサーたちにお礼を言うと、

「温子さん、そして、次郎、この「あそぼーい」、いや、キハ185系に関係した皆さんの想いに応えるためにも、そして、この乗車証明書のメッセージの言葉通り、ずっと幸せに暮らしていこう!!そして、これまでの想いと同様にこれから先もこれから生まれる私たちの想いを大事にしていこう!!」

と森は温子と次郎にそう言うと、

「うん、そうだね!!」(温子)

「俺もそう思うよ、父ちゃん!!」(次郎)

と、森の言葉に同意してくれた。

 そんな3人の姿を見てか、曜、ルビィ、ともに、

「うわぁ、こんな美しい終わり方があるなんて本当にびっくりだよ!!」(曜)

「でも、この姿を見て、ルビィ、森さんたちなら絶対に幸せに暮らしていけると思ってしまうよ!!」(ルビィ)

と、なぜか感動的な終わり方を感じていた。

 一方、南たちはというと、梶山から、

「一応聞いておく。感動的に終わろうとしているけど、これは「次郎さんが子犬を盗んだ」という立派な犯罪案件になるのだけど、南、それはどうするつもり?」

と、冷静に南に尋ねると南はあっさりと答えた。

「これは家族内の揉め事だ。俺たちの出る幕なんてない。俺たちは民事不介入だ。それにこの事件はすでに解決した。これ以上俺たちが関わることではないだろう」

これには、梶山、

「それもそうだね!!それに、あんな幸せな幕引きを見せられちゃ、もし逮捕でもしたら、私たち、曜ちゃんたちに嫌われるもんね・・・」

と、南の意見に追随することにした。

 

 こうして、曜とルビィの事件簿、2つ目の事件は美しい幕引きともに終わった。しかし、この物語である疑問が生じた。それは南が言っていた南の関係者のことである。その関係者は子犬を連れ歩いた犯人の次郎が乗った「あそぼーい」に乗ってはずっと次郎のことを監視していた。そして、それが事件解決の糸口の一つとなった。そして、南や梶山の同僚である菅原と松本であるが、次郎が「あそぼーい」に乗車しているときも森や温子のことを調べていたのである。では、この2人以外に南には関係者がいるのだろうか。さらに、その関係者とは誰のことなのだろうか。

 そんな謎を持ちつつ、曜とルビィの旅は続く。だが、翌日、曜とルビィの旅、最終日、またもやとある事件に2人は巻き込まれてしまう。果たしてその事件とはいったい?それは次の物語、「曜とルビィの事件簿完結編」にて語ることにしよう。しばし待たれよ!!

 

曜とルビィの事件簿2~消えた○○~ 完

 

And

 

To be Continue to

 

「曜とルビィの事件簿 完結編」

 

 




あとがき

 皆さん、こんにちは。la55です。
 さて、「曜とルビィの事件簿」も第2弾となりました。今回も新庄さんとのコラボによりお送りしております。前回の「復活のA」がかなりよかったらしくコラボの第2弾として遅れることは本当にうれしい限りです。ただ、自分はミステリーが苦手ということもあり、今回はちょっと趣向を変えて「子犬の捜索」という事件を通じての家族内で起きたミステリーとして書いてみました。皆さん、どうでしたか。ただ、この物語の流れですが、かなり四苦八苦しておりました。どうすればブログから犯人の意図やだれが犯人なのか皆さんにお伝えできるのかどうかなどなど。なので、かなりの難産でした。それでも完成できたことには本当によかったと思っております。でもそのせいかちょっと読みにくい感じになったかもしれません。それについては本当に申し訳ございません。だって、ミステリー、本当に苦手だもん・・・。
 さて、今回の副題「消えた○○」、なんですが、この○○に入る文字ってわかりますか。実はこの○○には複数の文字が入る形でこんな副題にしました。その文字とはなにか。それは、まずは子犬のジロが行方不明になったので「消えた子犬」、続けて、「ゆふいんの森」Ⅱ世という「消えた列車」、キハ185系が名乗ってきた「オランダ村特急」などの「消えた名前」、そして、犯人の次郎こと「消えた次男」などなど。あなたはこの物語を読んでどんな○○を想像したでしょうか。ですが、果たしてこれらは本当に消えたのでしょうか。この物語で伝えたかったこと、それは、これらは消えたのではなく、私たちのなかで生き続けていること、です。列車の名前などはダイヤ改正などで消えていくことが多いです。ですが、その名前自体は現実には消えてもそのものを通じて得ることができた想い出、想いなどはずっと私たちの胸の中で生き続けていきます。なので、決して、
「消える」=「なにもかもなくなる」
というわけではないのです。むしろ、たとえ名前などが消えたとしても私たちがそのものへの想い出、想いをなくさない限り私たちのなかで生き続けるのです。そのため、副題に「消えた○○」とつけさせていただいた次第です。でも、これって「劇場版ラブライブ!サンシャイン!!」でも言っていなかったけ?まぁ、それについては横に置いときましょう(おいおい!!)
 そんなわけで、物語の最後にも書いておりましたが、なんと、次回、この事件簿の完結編を投稿する予定です。実はこの物語はコラボ第2弾として投稿したのですが、第2弾の物語は今回だけではありません。次回の物語とセットでコラボ第2弾とする予定です。次回ですがあるものに対するなにかを題材にする予定です。これはRailWars!とのクロスオーバー作品ということで日本の鉄道において避けては通れないものかもしれません。これについては次週末には投稿できればと考えております。ですが、まだ鋭意制作中・・・(-_-;)なので本当に投稿できるのか不安です。それでもできれば投稿できればと考えております。なので、それまでお待ちください。それでは、また、さよなら、さよなら、さよなら。
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