曜とルビィの事件簿   作:la55

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曜とルビィの事件簿~つばめの謎~ 後編

 そして、南に呼ばれた者全員が「36+3」が停車しているホームに集まった。そんななか、南は集まった人たちに対し、

「みなさん、集まってきてくれてありがとうございます」

とお礼を言うとすぐにこう言った。

「さて、今日の新幹線つばめでの殺人事件、その犯人がわかりました。それでは順に説明していきましょう」

 そして、南、この事件について話し始めた。

「さて、まずは被害者の伊藤さんですが、殺された場所、それは熊本でも新幹線つばめのなかでもありませんでした」

これには集まった人たちから、

「たしか、殺された場所って熊本か新幹線つばめの中では?」

「うそでしょ!?」

という言葉が聞こえてくると南は殺された本当の場所を答えた。

「実は、長崎、だったのです!!」

これにはまわりから、

「え~!!」

という声が聞こえてきた。

 しかし、ここで上からの指示で在来線ホームに来ていためんこい刑事が反論する。

「だが、死亡推定時刻は遺体が見つかるまえの30分~1時間だったんだぞ!!」

 だが、それについては、南、言い返した。

「たしかに死亡推定時刻は30分~1時間前でした。けれど、本当の死亡推定時刻を偽装していたとしたらどうですか?」

これには、めんこい刑事、

「うぅ」

とうなるだけで反論できず。

 そして、南、犯人が死亡推定時刻を偽装した方法を言った。

「実は犯人ですが、死亡推定時刻を偽装するためにある方法をとりました。それはフルパワーの冷凍庫に遺体をいれておくことです。遺体をフルパワーの冷凍庫にいれておくことで死後硬直を遅らせることができるのです!!」

 しかし、これにも、めんこい刑事、食い下がる。

「しかし、たとえそうだとしてもそんないい話ってないだろ!!長崎で殺されて冷凍庫を借りてここ博多駅まで来たっていうのか!!それだと逆に目立ってしまうじゃないか!!」

 しかし、これも、南、逆に言い返してしまう。

「あぁ、そんな都合のいい話なんてないって!!でも、実はそれがあるのですのよね~」

そして、南はある方向を指してこう言った。

「被害者の遺体を運んだもの、それは、この「36+3」なんです!!」

これにはみんなから、

「え~!!」

というどよめきの声が聞こえてきた。

 だが、ルビィ、南の真意に気づいたのか、あることを思い出してこう言った。

「あ~、壊れていたと思われていた冷凍庫!!」

これには、南、すぐに反応。

「そう、ルビィちゃん、その通り!!」

 そして、ある真実を南は話し始めた。

「この「36+3」にはビュッフェが設置されているのですが、今日、この「36+3」の冷凍庫が壊れてしまったという報告を受けてビュッフェの一部の料理が出せない状況だったそうです。いや、提供することができなかった、というのが正しい言い方でしょう。だって食材のかわりに被害者の遺体を冷凍庫にいれていたのですから。さらに少しでも死亡推定時刻を偽るために完全フルパワーで冷凍庫を動かしていた。こうなると被害者の死亡推定時刻を偽りやすくなります」

 そして、南、その証拠となる冷凍庫のなかを写した写真をみんなの前に突きつけた。

「その証拠ですが、「36+3」の冷凍庫は壊れていた」という報告をビュッフェのチーフパーサーが受けた際、食材が解けかけていた、という報告もありました。しかし、この博多駅で「36+3」の冷凍庫のなかを確認したとき、写真の通り、霜がたくさん発生しておりました。これは、壊れていた、のではなく、完全フルパワーで動いていた、その証拠なのです!!」

これには、みんな、

「たしかに言われてみれば・・・」

と、納得の表情。

 しかし、ここでも、めんこい刑事、食い下がる。

「しかし、たとえそうだとしても「36+3」と被害者の関係はどう説明するのかね」

 だが、これにも南はたんたんと答えた。

「たしかにその関係性について疑問だと思いますが、それについても説明ができます、あの被害者が残してくれたダイイングメッセージでね!!」

 そして、南は被害者が残してくれたダイイングメッセージの真意を教えてくれた。

「実はあの金のつばめのダイイングメッセージですが、そのつばめが指し示すものとは、あの遺体が見つかった新幹線つばめではなく、この787系「36+3」のことを言っていたのですよ!!」

これには、一瞬、

「え~!!」

というどよめきが起きるも、南、この787系について語り始めた。

「この787系なのですが、昔、「つばめ」という名称で特急として走っていたのです!!」

そう、787系、実はレビュー当初、「つばめ」として博多~西鹿児島間を走っていたのである。特急「つばめ」、当初は鹿児島本線を走る特急「有明」として運用していたものをその「有明」の運用のうち博多~西鹿児島間の運用を独立させたものが特急「つばめ」である。その「つばめ」型車両として開発された列車、それが787系である。この787系、博多~西鹿児島間を4時間以上かけて走破するため、特急としては珍しくビュッフェ車両が設置されたり専用のグリーン個室があるなど「つばめ」に恥じないくらいの豪華な設備を誇っていた。そんなこともあり、787系は一躍國鉄九州総局の顔として認知されることとなった。また、787系はのちに「つばめ」型車両といわれるようにもなった。さらに、博多~熊本間を走ることとなった特急「有明」にも787系が使われることも多くなった。しかし、九州新幹線の開業などにより、ビュッフェの廃止、特急「つばめ」としての運用がなくなるなどして787系は鹿児島本線単独での運用がなくなるとそれ以外の路線での運用が多くなった。たとえば、博多~長崎間の「かもめ」、博多~佐世保間の「みどり」などなど。そのため、昔みたいに「つばめ」型車両といわれなくなったものの今でも九州総局の特急の主力として活躍を見せている。

 と、そんな説明を南がしたあと、南、続けて、

「そして、そんな787系を昔以上の豪華列車として改装したのがこの787系「36+3」なのです!!」

と言うと、「36+3」のスタッフ全員から突然の拍手が送られてしまった。

 だが、その説明を受けたとしても、めんこい刑事、しつこく食い下がる。

「しかし、たとえそうだとしてもそれがこの列車を指し示すものとは限らないだろうが!!」

 しかし、これにも、南、反論する。

「まだ納得していないみたいですね、めんこい刑事さん。でもね、これはただのつばめのタイピンじゃないのです。金メッキが施されているつばめのタイピンなんですよ。この「36+3」も「つばめ」型車両の上をいく列車なのです!!そのことを含めてのダイイングメッセージなんです!!」

これにはさすがのめんこい刑事も、

「うぅ」

と、うなるしかなかった。

 だが、それでもめげないのがめんこい刑事である。ダイイングメッセージについては諦めたのか、

「たとえそうであったとしても被害者は前日熊本にいたんだぞ!!それが今日になって被害者が長崎にいるなんて、それっておかしくないか!!被害者はどうやって長崎に行ったんだ!!」

と、南に反抗する。

しかし、その反抗すら予想していたのか、南、すぐにこんなことを言いだしてきた。

「あぁ、被害者である伊藤さんですが熊本から長崎までちゃんと移動しましたよ!!」

これには、めんこい刑事、反論。

「おい、それは無理だろ!!だって熊本から長崎まで列車に乗ったという形跡がないんだぞ!!被害者、熊本駅から列車に乗った様子などなかったんだぞ!!」

たしかにそうである。被害者は熊本駅から列車に乗ったとみられる防犯カメラの映像なんてなかったのである。

 しかし、これについて、南、ちゃんとした証拠を持っていた。それは・・・。

「あぁ、めんこい刑事、移動手段が列車だけだと思っているのですか?ほかにもあるんですよ、熊本から長崎まで行く交通手段が・・・」

これには、めんこい刑事、

「それはなんなんだね?」

と、南に言い返すと、南、余裕をもってこう言い切った。

「それはですね、「りんどう」号ですよ!!」

これには、めんこい刑事、

「「りんどう」」号?そんな列車なんてないぞ!!」

と起こりながら言うと、南、その「りんどう」号について話した。

「あぁ、たしかに「りんどう」号なんていう列車はありません。でもね、ちゃんとした名称なんですよね、高速バスのね!!」

これには、みんな、唖然となるも、南、そのまま答えた。

「「りんどう」号、熊本~長崎間を結ぶ高速バスです。でね、私の同僚(菅原と松本)にお願いして熊本の桜町にあるバスターミナルで高速バス予約センターの場所を聞き出し、(上の許可を得て)予約センターで被害者である伊藤さんがその「りんどう」号に予約していないか確認をとりました。結果、ビンゴ!!伊藤さん、本名でこの「りんどう」号に予約しており長崎まで移動していたみたいです」

これには、めんこい刑事、

「うぅぅ」

と、うなるしかなかった。

 さらに、南、こんなことまで言ったりした。

「そしてね、実は被害者の着ていた服に濡れたあとが見つかりました。そして、その被害者の遺体の隣にあったおおきなキャリーケースのなかも濡れた形跡が見つかりました。これって「「36+3」の冷凍庫で運んだ被害者の遺体をあの大きなキャリーケースに入れて新幹線つばめまで運び、その新幹線つばめのトイレにそこで殺された風に置いた」ってことにはなりませんかね」

 そして、これを証明するかのように鑑識の結果が南のところにもたらされた。で、

「で、鑑識の結果が今届きましたが、それによると、被害者の服から濡れたあとが見つかった、とのことです。それもなにかによって凍らされた感じだったそうです」

と、南、鑑識の結果を言うと、続けて、

「そして、「36+3」の冷凍庫のなかには赤いもの、いや、血、が付着していたのですが、それも鑑識にまわしたところ、その血は被害者のものではありませんでした」

と言うと意外なことを言いだしてしまう。

「その血ですが、この「36+3」のあるスタッフ、というか、あの冷凍庫を管理しているスタッフの金井さんというものとわかりました」

これには、「36+3」のスタッフ全員から、

「えっ!!」

という声があがってきてしまう。

 そして、ついに南はこの事件の真犯人の名を言った。

「そう、この事件の真犯人、それは、「36+3」のビュッフェにて冷凍庫を管理している金井さん、だったのです!!」

もちろん、これには「36+3」のスタッフ全員から、

「うそでしょ・・・」

「なんで・・・」

という声が聞こえてくるとともに、

「おい、俺が犯人だなんて勝手に決めるな!!」

と、年配のスタッフが突然南の前に現れた。これには、南、

「ほう、あなたが金井さんですか」

と言うと金井の姿をまじまいと見る。すると、金井、腕の部分をケガしているのか腕を包帯でぐるぐる巻きにしていた。そんな金井の姿に、南、

「金井さん、なんで腕をケガしているのですか?」

と、金井に尋ねると、金井、

「これはちょっと金網に腕をひっかけてしまってな、それで・・・」

と答えてくれたが、そのとき、南、突然、金井の腕をとり、

「ほう、その割にはちょっと大げさに包帯を巻いていますね・・・」

と、金井の腕にしていた包帯をとってしまった。その南だが、金井の腕をまじまじで見るとそこには、

「これ、どうみても金網にひっかけたとはいえないですね」

と、南がいうくらいまるで誰かに引っ掛かれたような傷の線が4本できていた。

 そして、南は決定的な証拠を金井に突きつけた。

「金井さん、被害者である伊藤さんの爪からあなたの皮膚と血が検出されました。もう言い逃れはできませんよ!!」

そう、金井の腕の傷跡、それは被害者である伊藤が金井に対して自分の爪でひっかいた後だった。南、実は被害者である伊藤の遺体を見たとき、伊藤の手の爪になにか付着していたことに気付いたのだ。そのため、その爪に残っていたものを鑑識に出していたのである。それが金井のDNAと一致したのである。これには、金井、

「うぅぅ」

とうなるだけ。金井、もう言い逃れすることができなくなった。

 そんな金井に対し、南、被害者である伊藤を殺した動機について語り始めた。

「金井さん、あなたにとって大切にしていた金のつばめのタイピン、それを伊藤から狙われたことがとてもいやだった。だけど執拗に伊藤に狙われたため、それがいやで伊藤を殺したんですよね」

 この南の発言を聞いてか、金井、重い口を開いた。

「あぁ、そうだとも。俺の持っていた金のつばめのタイピンを高値で買ってあげる、って伊藤に言われたことがことの始まりだった。

 そして、金井、伊藤に狙われたことの顛末を話してくれた。

「俺が持っている金のつばめのタイピンは俺が國鉄に所属していたときに表彰を受けてもらったものだ。それを伊藤から狙われていたんだ。この「36+3」のスタッフとして採用される前、伊藤から突然連絡があった、この金のつばめのタイピンを高値で買ってあげる、って。でも、俺にとってみればそのタイピンは命の次に大切なものだった。だから、伊藤からのお願いをすぐに断った。だが、あの男(伊藤)は執念深い男だった。ことあるごとに「売ってくれないか」「高値で買うよ」と言ってきた。俺はそれに対して幾度も断っていたがその男はめげずに何度も言ってきた。しまいには、あの伊藤、脅しに近いものまで言うようになってきた。それをするくらいのあの男の執念深さには俺としても精神的に参ったよ。だから、俺はあの男を長崎に呼び出し「36+3」の車内で殺したんだよ」

あまりにショッキング的な内容にまわりは静まり返る。

 だが、それを打ち破ったのはあの「36+3」のビュッフェの女性チーフパーサーだった。その女性チーフパーサーは金井に対してこんなことを言った。

「でも、金井さん、たしか大切なものをなくした、って言ってなかったですか?」

みなさんは「36+3」のビュッフェで南たちが調べていたとき、女性チーフパーサーが言った言葉を思い出してほしい。このとき、女性チーフパーサーは「ビュッフェの調理スタッフ(金井)は大切なタイピンをなくした」と言っている。そう、金井はこのとき大切にしていた金のつばめのタイピンをなくしていたのだ。そして、その女性チーフパーサーの言葉に、金井、

「あぁ、俺が伊藤を殺したあと、俺のタイピンがないことに気付いたんだ!!いったどこにあるんだ、俺のタイピンは!!」

と嘆いてしまった。

 そんな金井を見たのか、南、金井が被害者である伊藤を殺したあとの流れを語った。

「金井さんは伊藤さんを殺したあと、「36+3」のビュッフェの冷凍庫に殺した伊藤さんの遺体をいれてフルパワーにすることで伊藤さんの死後硬直を遅らせて死亡推定時刻を欺くとともに博多駅までその遺体を運んだんだ。その後、あらかじめ用意していてキャリーケースに伊藤さんの遺体を入れて新幹線の清掃員として新幹線つばめに潜入、その車内のトイレに伊藤さんの遺体を放置した、まるで新幹線つばめのトイレで殺されたようにしてね!!」

 だが、この事件の流れよりも、金井、

「ところで、俺が大切にしてきたタイピン、どこにいったんだよ~!!」

と嘆いていると、南、こんなことを言いだしてきた。

「そのタイピンだが、伊藤さんがずっと持っていたよ、そのタイピンをまるで死んでも離さない、そんな感じでね・・・」

これには、金井、

「くそ~、あの伊藤が持っていたのか!!あの伊藤だけには渡したくなかった、あのタイピンは・・・」

と、とても悔しそうな顔を見せると、南、

「金井さん、一体どうしたんですか?」

と金井の突然の表情変化に逆に困惑してしまった。

 そして、金井はまるでダムが決壊したかのような論調で伊藤に対する思いを暴露した。

「伊藤、いや、あの悪魔はわが国が誇るつばめを侮辱したのです!!」

これには、南、

「つばめを侮辱した!?」

と、金井に聞き直すと、金井、それについてまくしたてるかのようにこう言った。

「あの男(伊藤)は國鉄が誇るつばめの歴史にケチをつけようとしたんだ!!」

 で、この金井の言葉を聞いて、南、

「あぁ、なるほどね!!」

と、1人納得の表情をみせる。そんな南の姿を見て、ルビィ、その南にあることを尋ねる。

「あの~、南さん、國鉄とつばめってどんな関係があるの?」

これには、南、こんな風に答えた。

「国鉄とつばめ、それは切っても切れない関係なんだ」

 そして、南は國鉄とつばめの関係について語り始めた。

「つばめ、戦前、國鉄はある列車に「つばめ」という名称を付けたときから切っても切れない関係になったんだ。戦前、日本を代表する超特急が誕生した。それは東京~神戸間をこれまでの特急とは比べ物にないくらい早い時間で走破した。そんな特急の名称を一般公募したのだけど、その結果、その超特急の名称は「つばめ」に決定した。そして、超特急「つばめ」の名はのちに國鉄のシンボルになるくらいインパクトを残すものとなったんだ。また、戦後になってからも東海道・山陽線を走る特急の名前に受け継がれていくことになったんだ」

 そして、南、ある球団の話をした。

「曜ちゃんなら知っているでしょ、東京にはスワローズというプロ野球球団があることを」

これには、曜、

「うん、知っているよ!!たしか、ヤ〇ルトスワローズ、だよね!!」

と言うと南は意外なことを言った。

「でもね、昔は國鉄スワローズって言っていたんだ」

これには、曜、

「え~、スワローズって昔は國鉄が持っていたの?」

と驚いてしまうと、南、

「実は國鉄単体が持っていたわけじゃないんだけど、昔はスワローズは國鉄スワローズって言っていたんだ。でね、そのスワローズだけど、その名称、実は超特急「つばめ」からきているんだ!!」

と、スワローズの名称について語ると、曜、

「へぇ~、そうなんだ」

と妙に納得していた。

 そして、國鉄とつばめのことについて南の話は戻る。南、そのまま、

「でね、國鉄はつばめを國鉄のシンボルマークにするくらいつばめという名前を大事にしてきた。いや、つばめそのものを大切にしてきたんだ。その証拠に俺たちが國鉄に入社したときにもらったつばめのタイピン、それは國鉄がつばめのことを大事にしている証拠、だったんだ」

だが、これについては、梶山、

「それ、南、忘れていたでしょ!!私が今さっき教えたんだからね!!」

と、ちょっとネタ晴らしをしてしまうと、南、

「それは言わないでよ!!」

と、梶山に注意。すると、梶山、

「はいはい」

と、ほっておくことにした。

 そして、南、気を取り直して今度は九州総局とつばめについて話し始めた。

「しかし、超特急つばめは新幹線の開業とともに西へ西へと追いやられてしまい、しまいには山陽新幹線博多開業と同時に消滅することになったんだ。そして、そのつばめが復活したのは1990年代に入ってからだった。九州総局が(博多~熊本~西鹿児島間を走っていた)特急「有明」のうち、博多~西鹿児島間の運用を独立させ特急「つばめ」として走らせることになったんだ。だけど、このとき、つばめという名称の列車は消滅していたとはいえ日本を代表する列車に付けられていた名称だったこともあり、九州総局は全国各地の國鉄総局に対してつばめの名称を新しい特急につける許諾を得ていったんだ。こうして実現したのが、787系つばめ、だったんだ。こうして復活を果たした特急つばめは、その後、九州新幹線開業時に新幹線つばめとして名称は受け継がれることとなり今も元気に走っているわけ。さらに、九州総局はつばめという名前を大事にしたこともあり、今では九州総局のシンボルマークにもつばめが描かれるようになったんだ」

 この南の言葉に、ルビィ、

「へぇ~、それくらい、國鉄、そして、九州総局はつばめを大事にしてきたんだね」

と感心していた。

 だが、この南の話を受けてか、金井はこう叫んでしまった。

「俺たちにとってつばめはつばめはとても大切な存在なんだ!!けれど、伊藤はそんなつばめすら自分の欲望を満たすものでしかなかったんだ!!伊藤、こんなことを言っていたんだ、「つばめ、そんなの、私には関係ない!!お前(金井)が持っている金のつばめのタイピンなんて私に言わせリャ私の大事なコレクションの1つでしかない。私にとって私のコレクションは1つのステータスなんだよ!!お前のタイピンをもらえば私のステータスが上がるってもんだよ!!だって、お前のタイピン、全国でも國鉄に表彰された人しかもらえない、それくらい貴重なものなんだよ!!持っていればそれだけで、私のステータス、私のコレクションの価値もあがるってもんだよ!!」ってね。これを聞いて、俺、こう思ったよ、「この男はつばめのことを馬鹿にしている、鉄道を好きな人はつばめを大事にする、そんな心なんかこの男にはない」、ってね!!」

これを聞いて、南、金井に対しなにか言おうとした。

「たしかに金井さんはそう思ってしまうかもしれないけど・・・」

 だが、そんな南の発言を遮るかの如く大きな声がしてきた。

「金井さん、あなたは間違っているよ!!」

それは「36+3」のビュッフェの女性チーフパーサーからのものだった。だが、次の瞬間、ルビィ、驚いてしまう。

「えっ、顔って簡単に剥がれるものなの!?」

そう、その女性チーフパーサーは顔の下の部分を掴むとそのまま、

バリバリ~

と、顔の表面を剥いでしまった。いや、変装を解いた、と言っていいだろう。その女性チーフパーサーは顔に特殊メイクを施していた。それはあのハリウッドも真っ青と思えるくらいのものだった。実際には、女性チーフパーサー、自分の顔に特殊メイク、いや、特殊マスクを施し歳をとったチーフパーサーにみせていたのだ。

 そして、特殊マスクを剥いだ、そのとき、曜はびっくりしてこう叫んでしまった。

「えっ、なんで、ここに千歌ちゃんがいるの!?」

そう、歳をとった女性チーフパーサーに変装していたのは、千歌、だった!!だが、千歌、びっくりする曜に対し、

「曜ちゃん、それについてはあとで話すね」

と言うと、千歌、金井に対し怒るようにこう言った。

「金井さん、あなたこそ、國鉄のつばめを冒とくしているんだよ!!」

これには、金井、

「お前みたいな若造に、そんなこと、言われたくないわ!!」

と反論するも、千歌、それを見越したのごとく金井に対し剣幕を立てて怒った。

「金井さん、あなたはこれからの787系を指し示す「36+3」で自分が殺した伊藤さんの遺体を運ばせたんだよ!!この787系はねぇ、昔、「つばめ」型車両と言われていたけど、今でもその想いはこの787系やほかの九州総局の列車たちに受け継がれているんだよ!!そして、この「36+3」こそ、これからの787系、「つばめ」型車両たちの想いを受け継いだ新しい「つばめ」型車両、なんだよ!!それなのに、自分の考えだけで自分が殺した伊藤さんの遺体を運ばせるなんて、この787系、いや、すべての「つばめ」型車両、いや、九州総局のすべての列車を冒とくしたことにつながるんだよ!!だからね、金井さん、あなたに「つばめ」のことについて語る資格なんてないんだよ!!」

この千歌の言葉により金井は完全に論破されてしまった。そのためか、金井、

「う、うそだろう・・・」

と、肩を落としてしまった。若造と思われた千歌からのきついお言葉はあの金井すら自身が喪失するくらい力がこもったものだった。その後、自信喪失により抜け殻のようになった金井は福岡県警に逮捕されそのままパトカーで近くの署まで連行されていった。

 そして、それとは別に自信喪失になった者がもう1人・・・。

「うぅ、なんで、私の名推理が・・・」

そう、あのめんこい刑事である。まさか自分が事件を解決するはずがあの若造(南)に事件を解決されるとは・・・、刑事としての、(自称)九州一の名探偵としての面目丸つぶれである。

 そんなめんこい刑事に対し南はその刑事に近づくとこう言った。

「めんこい刑事、あなたは自分の悪運だけで事件をいくつも解決してきたから今回も自分が解決するとそう思っていただろう。けれど、ほんとの事件というのはそんな悪運だけでは解決することはできないんだよ!!ちゃんとした推理、ちゃんとした調査、ちゃんとした証拠が必要なんだ!!それを肝に銘じておくことだな」

これには、めんこい刑事、

「うぅ・・・」

とうなっては肩を落としてしまった。

 こうして、めんこい刑事によって引っ掻き回されたこの事件も終わりを迎えようとしていた。

 

 その後、

「千歌ちゃん、変装、すごかったね~!!ルビィ、千歌ちゃん、出てきたときはびっくりしたよ!!」

と、ルビィ、変装していた千歌に対して感嘆の言葉をあげていた。一方、曜は、

「千歌ちゃん、たしか、一昨日はSLの機関助手で昨日は「あそぼーい」のパーサー、で、今日は「36+3」のパーサーしていたけど、なんで今日は「36+3」のパーサーをしていたの、それに変装してまで?」

と、千歌に尋ねると、千歌、

「いや~、「36+3」のスタッフが足りないからって連絡があったから、千歌、「36+3」のパーサーもやるはめになったんだよね~。だって、今日、SLも「あそぼーい」も運転していないし・・・」

そう、「あそぼーい」」は週末限定の運行である。そのため、千歌のスケジュールに余裕があったのだ。そして、変装については、

「ただ、今日やる仕事がさぁ、ビュッフェのチーフパーサーでしょ。「36+3」って精鋭のパーサーさんやスタッフさんが多いでしょ!!だから、私、ほかのスタッフさんになめられないように変装したの!!」

と、言い訳じみた答え・・・。これには、曜、

「それ、本当~?」

と、千歌を疑うも、千歌、疑う曜に対して、弁解を・・・、

「それに、千歌、資格マスターだし、ここで変装の資格を活かそうと思ってね・・・」

と、こちらも言い訳みたいなものになってしまった。これには、曜、

「千歌ちゃん、嘘つかないでよ!!」

と、千歌に対して怒ってしまった。これには、千歌、

「ご、ごめんなさ~い!!」

と、曜に謝ってしまった。

 そんな千歌に対し、ルビィ、

「ねぇねぇ、変装の仕方、教えてよ~」

と、千歌に変装、いや、特殊メイクの仕方の教えを請おうとしていた。

 

 一方、梶山と南と言うと・・・、

「南、あの事件、腑に落ちないのだけど・・・」

と、梶山、そう前置きをしつう、今回の事件について南を問い詰めた。

「あの事件って金のつばめのタイピンの持ち主と被害者である伊藤の交友関係を調べれば済む話じゃない。なんで回りくどいことをしたの?」

そう、今回の事件、別に被害者である伊藤のダイイングメッセージなんて気にせずに伊藤が持っていた金のつばめのタイピンを鑑識に出してそれに付着していた指紋でその持ち主を探したたり被害者である伊藤の交友関係を調べたりするだけで金井が犯人であることがわかるはずだった。それなのに伊藤のダイイングメッセージだなんていう話が出てしまったためか、本当に回りくどい解決となってしまったのだ、この事件は。

 ただ、それについては、南、あっさりとこんなことを言ってしまう。

「まぁ、今回の場合、あのめんこい刑事という狂言者のせいでなにもかもがめちゃくちゃになってしまったんだ。だから、俺はあの狂言者の戯言にただ乗っただけさ」

これには、梶山、

「推理・鉄道バカの南がそんなことを言うなんてね・・・」

と、南にしては意外な言葉が出てきたことに驚きの表情をみせる・・・が、一瞬、梶山、南の方をにらむと真実を口にした。

「でも、本当は、南、あんたが最初、金のつばめのタイピンを見つけて、「これは被害者のダイイングメッセージだ」と言ったことがことの始まりのような気がするのですがね・・・」

これには、南、

「さぁて、それはどうだったかな・・・」

と、知らんぷりを貫くと、梶山、南に対して、

「南、お前こそ狂言者だ~~~!!」

と、怒ってしまった。

 そんなわけで相棒である梶山を怒らせた南、梶山からコブラツイストを決められてしまい、

「痛い、痛い」

と言いつつもかっこよくこんな言い訳を言ってしまった。

「ふっ、物語というのは時には狂言じみたものが必要なのさ。単純なものも時には必要、複雑なものも必要。喜劇も悲劇も必要。物語には正解なんてものはないのさ。むしろ、すべてが必要なのさ。いろんなものがあるから物語というのは面白いのさ!!」

って、南、かっこいいこと、言っているけど、作者でもなんでもないだろ、と、作者からツッコミを入れられてそうな南であったが、これに、梶山、カチンときたみたいで、

「南、反省しなさい!!」

と、よりきつめに技を決めてしまった。むろん、これには、南、

「ギブ、ギブ」

と梶山にSOSを出すも、梶山、技を緩めず、しまいには、南、

チーン

とギブアップしてしまった・・・。南、お気の毒に・・・。

 

 と、言いつつもついにこのときが来てしまう。

「って、曜ちゃん、ルビィちゃん、飛行機の時間が迫っているよ!!」(梶山)

そう、今日は曜とルビィの九州旅行の最終日、なので、曜とルビィが乗る飛行機の時間が迫っていたのである。これには、曜、ルビィ、ともに、

「あっ、そうだった!!その飛行機に乗らないと、明日、学校に遅れちゃうよ!!」(曜)

「それっ、ルビィ、いやだよ~!!」(ルビィ)

と、帰りの飛行機の時間をつい気にしてしまう。

 そんな曜とルビィに対し、ようやく我に返った南、

「それなら大丈夫だと思うよ。博多駅から福岡空港まで地下鉄で5分で行けるから」

と2人を安心させる言葉を言う。そう、博多駅から福岡空港までは地下鉄で5分と案外近かったりするのだ。

 だが、ここで大変なことが起きてしまった。もうお忘れの方に言っておくが、今のAqoursはあることが原因で日本で一番名の知れたスクールアイドルになったのである。全国区の人気が今のAqoursにはある。そして、曜とルビィはAqoursの一員である。(「って、千歌もでしょ!!私、Aqoursのリーダーだよ!!忘れないでよ!!」by千歌)そんなわけで、曜とルビィの名前を聞いたまわりの人が、

「えっ、Aqoursの曜ちゃんとルビィちゃんがいるの!?」

「おいっ、曜ちゃんとルビィちゃんだけじゃないぞ!!千歌ちゃんもいるぞ!!」

と言いだしては、曜、ルビィ、そして千歌のまわりに人が集まってきてしまった。そして、3人に近づいた人たちからは、

「曜ちゃん、あのセリフ、言って!!」

「ルビィちゃん、サイン、ちょうだい!!」

「千歌ちゃ~ん、手を振って!!」

という声が聞こえてくるとともに大騒ぎになってしまった。これでは曜とルビィはその場から動くことができなくなってしまう。いや、帰りの飛行機に乗り遅れてしまう、そんな状況に陥ってしまった。これには、曜、ルビィ、ともに、

「みんな、落ち着いて!!」(曜)

「うぅ、飛行機、乗り遅れちゃうよ・・・」(ルビィ)

と、困惑してしまっていた。

 だが、このとき、曜とルビィに助け舟が来る。

「おい、鉄道公安隊だ!!そこを開けなさい!!」

なんと、曜、ルビィ、千歌、南、梶山のところに鉄道公安隊が来たのだ。これには、梶山、

「高杉班長、グッジョブです!!」

と、いきなり登場の南たち公安特捜班の班長であり南たちのところに鉄道公安隊を引き連れてきてくれた高杉にお礼を言うと、高杉、

「俺たちがエスコートしてやるから俺についてこい!!」

と、曜、ルビィ、南、梶山、そして、なぜか千歌までもが高杉と高杉が連れてきてくれた鉄道公安隊にエスコートされ博多駅地下にあるタクシー乗り場から博多駅を脱出することができた。

「って、私、まだ仕事中、なんですけど!!」(千歌)

 

 そして、ついに曜とルビィ、南と梶山、別れのときが来た。曜、南と梶山に対し、

「南さん、梶山さん、本当にお世話になりました。沼津に帰っても2人のことは忘れません」

とお礼を言うとルビィも、

「この3日間はルビィにとって想い出に残る3日間になったよ。ありがとうね!!」

と、南と梶山にお礼を言った。

 それに対し、梶山も、

「私も2人のことは忘れないよ!!私にとって想い出に残る3日間になったよ!!」

と曜とルビィにお礼を言った。

 また、曜、千歌に対しても、

「千歌ちゃん、帰ってこないの?みんな寂しそうにしているよ!!」

と声をかけるも、千歌、

「ごめん!!まだSLの運行が続くから沼津に帰るのが遅れちゃう!!みんなによろしくって伝えてね!!」

と、こちらに残ることを曜に詫びた。

 そして、高杉が持っているタブレットからは、

「曜ちゃんとルビィちゃんに会えて本当にうれしかったです!!」(菅原)

「遠くから2人のことを見守っているからね!!」(松本)

と、南と梶山の同僚である菅原と松本が別れの挨拶をしていた。2人ともまだ熊本にいるため、タブレットを通じて曜とルビィとの別れを悲しんでいたのだ。

 そして、南は曜とルビィに対し、

「曜ちゃん、ルビィちゃん、俺にとってこの3日間は本当に想い出に残るものとなった。もう2度と会うことはないだろう。向こうにいる善子ちゃんと花丸ちゃんにもよく言っておいてくれ。さらばだ!!」

と、意味深なことを言いつつも別れを告げた。

 こうして、曜とるルビィは南と梶山と別れ・・・る前に梶山がとんでもない提案をしてきた。それは・・・。

「ねぇ、曜ちゃんにルビィちゃん、最後に、千歌ちゃんもいることだし、あれ、もう1度やってみて!!」

これには、南、

「えっ、まさか、まだやるのか・・・」

と、口をあんぐりさせるも、曜とルビィ、そして、千歌も梶山の意図を察したのか、

「うん、あれね」(曜)「うん、あれだよ!!」(ルビィ)

「やるしかないでしょ!!」(千歌)

と言っては南たちの前であれをやってしまった。

「千歌です!!」「曜です!!」「ルビィです!!」

「「「We are CYaRon!、よろしくね!!!」」」

CYaRon!の決めゼリフ!!で、このあとは・・・、もう読者の方ならわかるだろう。いつものあれです!!

千歌・曜・ルビィ「We are CYaRon!」

梶山・菅原・松本・高杉「We are シャロとも!!」

だが、これには、南、

「誰があんな恥ずかしいこと、するもんか!!それに、高杉、きしょいわ!!」

と、逆に引いてしまった。が、これを梶山が見逃すわけがない。梶山、すぐに、

「南、やりなさい!!やりなさいと言ったらやりなさい!!」

と南に命令。これには、南、

(うぅ、これ、やらなかったらこのあと梶山からめちゃくちゃ怒られるからなぁ、やるしかないか・・・)

と、観念したのか、ついやってしまう。

「うぃ~ あ~ しゃるとも・・・」

あまりにやる気のない言葉。だが、これがいつもの南とは違ったのか、南以外のみんなから、

ハハハ ハハハ

という笑いの声がしてきた。これには、南、

「だからやりたくなかったんだよ!!」

と、恥ずかしそうに怒っていた。

 

 こうして曜とルビィは機上の人となった・・・のだが、ここに一人だけ残っている人が・・・。

「ところで、千歌ちゃん、なんでここに残っているの?」(南)

そう、千歌である。なぜか千歌だけが残っていた。なぜなら・・・。

「あのう、南さん、忘れていると思いますが、私、南さんたちのために残っているのですよ!!だって、私、千歌、公安特捜班、秘密工作員、ですから!!」

え~、千歌が秘密工作員!?かなりすごいカミングアウト!!で、これには、南、

「たしかにそうでしたね、千歌隊員!!」

と言うと続けて、

「たしかに善子ちゃんと花丸ちゃんから頼まれたときにはびっくりしました、まさかSLを運転させるために千歌隊員を使ってほしいと頼まれたときはね・・・」

と意外な事実が出てきてしまった。

 と、ここで千歌が南たち公安特捜班の秘密工作員になったことの顛末を話そう。「ハピトレ」のリリースが決定したとき、千歌はこんなことを考えていた。

「「ハピトレ」の主役はSLでしょ!!なら、SLの運転手になれば曲のイメージが湧くかも!!」

そんなわけでの、千歌、SLの運転手になろうとする・・・も千歌には鉄道関係の友人なんていない。というわけで、千歌、鉄道公安隊の南と交友関係があるヨハネと花丸に頼み込み、南を通じてSLの運転手になろうとしていたのだ。一方、南たちはというと、とある任務のために九州に行くことになったものの、特捜班全員の顔が割れていたため、その任務の際に内部関係者、つまり、秘密工作員になる人物を探していた。そのときにヨハネと花丸から千歌、いや、資格マスター千歌という秘密工作員としてはうってつけの人物を紹介されたのだ。こうして、千歌と南たち、お互いの思惑が一致したため、千歌は九州総局のSLの機関助手兼パーサーとして九州総局内に秘密工作員の身分を隠したまま暗躍、南たちはその千歌から内部情報をもらい任務を遂行していったのである。そんななか、曜とルビィが「ハピトレ」のPVの下見のために九州に来る、ということをヨハネと花丸経由で知った南、それならばと2人と面識がある千歌を使って曜とルビィの旅のサポートをしていた?のである。

 で、千歌、南にこんなことを言ってしまう。

「最初の日の「あそぼーい」、SL「無限大」号の運転が終わってすぐに南さんから「曜ちゃんとルビィちゃんが乗った列車が動かなくなった!!すぐに救援に来て!!」と言われたから、私、率先して救援に行ったよ。けどね、2日目の「あそぼーい」はね、あれ、南さんの指示で「あそぼーい」のチーフパーサーとして着任しちゃった、はずなんだよ・・・」

これには、南、

「あれは「あそぼーい」のチーフパーサーが仕事を休んだのが原因であって・・・」

と言い訳をする。そう、2日目の「あそぼーい」については南によって千歌は「あそぼーい」のチーフパーサーをやることになっただ。それどころか、千歌、あることすら言う。

「それに、南さん、突然、「湯布院次郎さんを見張れ!!」「特別製の乗車証明書を作れ!!」って言われたとき、千歌、「この千歌使いが荒い人が・・・」って怒っていたんだよ!!」

これには、南、

「あれはあの家族のためと思ってしたことだぞ!!」

と弁解する。そう、2日目の子犬誘拐事件、そのときに犯人である次郎を見張っていた者、それは、千歌、だった。さらに、あの特別製の乗車証明書を作ったのも千歌だった。で、その陰に南の存在があった。それはすべて南が千歌に指示したことだった。あっ、ちなみに、南が次郎の家族のためにそれらを指示したことは本当です。

 さらに、千歌、今日のことについても、

「それに、今日は今日で休みだったからのんびりと長崎に行っていたのに、突然、「大至急、任務のため、年配の女性に変装して「36+3」のチーフパーサーとして「36+3」に潜入してくれ!!」って言われたとき、私、「千歌の休みを返して!!」って、南さんのこと、恨んだもん!!」

と、怒りながら言った。そう、今日の「36+3」についても千歌は本当は休みだったのだが、南によっていきなり「36+3」のチーフパーサーとして召集されていたのだ。ただ、「36+3」のスタッフはかなり優秀だったためか、もしくは任務のためか、千歌は年配の女性に変装することになったのだ。これも南からの指示だった。ただ、その「36+3」が博多駅に到着したときに曜とルビィも関わった今日の殺人事件に巻き込まれた、それも自分が担当していたビュッフェが大きくかかわっていた、という意味では、千歌、とんだ災難だったのかもしれない。

 そんなわけで、千歌使いが荒い南に対し、千歌、一言。

「曜ちゃんもルビィちゃんも帰ったことだし、千歌、もう用なし、じゃないかな?」

だが、南、これだけは言ってしまう。

「千歌隊員、任務はまだ続いているんだよ。用なしじゃないよ」

この南の言葉を聞いて、千歌、こう答えた。

「はいはい、わかりましたよ、南さん。千歌、これからも秘密工作員として頑張るからね!!任せてね!!」

 

(余談)

「で、ところで、SLの運転の方はどうなっているのかな?」(南)

「実はね、SL「無限大」号、人気、ありすぎて、追加の運転が決まったんだよ!!」(千歌)

「それはよかったじゃない」(梶山)

「でもね、千歌、これから「ハピトレ」の練習をしないといけないのに、(SL「無限大」号の機関士である)あいてつさんからSLの運転技術が認められてね、追加運転の仕事まで入れられてしまったの!!」(千歌)

「あらら・・・」(梶山)

「こうなるんだったら期間限定の機関助手になればよかったよ!!」(千歌)

 ちなみに、このあと、千歌、南たちの任務も終わり、秘密工作員としての仕事は終わったものの、ある責任感からか、平日は沼津で「ハピトレ」の練習を、休みの日は九州でSLの機関助手という二足の草鞋を履くこととなった。俗にいう、史上初めてのSLの運転ができるスクールアイドルの誕生である。

「え~ん、そんなこと、考えていなかったよ~~~!!」(by 千歌)

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