艦これ、復帰しました   作:something1945

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初投稿です。N番煎じですが、艦これトリップです。
どうぞよろしくお願いします。


艦これ、復帰しました

起きたら、蒼い海が見えた。

 

 

 

…あれ?なんで?

最初に思ったのは、「旅行にでも来たんだっけ」という事。

その2、3秒後に、「いや違う」と思い直す。自分は今旅行には来ていないはずだ。自分の家は内陸にあり、シーサイドビューイングが臨めるような素敵な家ではない。

 

普通に会社に行って、疲れて帰ってきて寝て…

起きたら、海が見える。

 

どういう事…?

 

訳も分からず、茫然と蒼い海を見る。

 

混乱する自分に畳みかけるように、部屋の壁に唐突に光が照らされる。

寝起きの眼には眩しく、しばらく目を閉じた。5秒ほどゆっくり数えてから、目を開ける。

 

どうやら、プロジェクターで壁に画面を照らし出しているようだ。

だが、天井を見上げても機械らしきものは見当たらない。ただ、大きな画面だけが、壁に光っている。

 

異様さに、寝起きの頭も徐々に冷えていく。

 

画面には、こう映し出されていた。

 

「提督の名前を入力してください」

 

 

てい・・・とく・・・?

自分が?

 

訳が分からない。

 

でも、『名前』というワードに脳が勝手に反応して、自分の名前が脳裏に浮かぶ。

篠原 宏史(ひろし)

それが自分の名前。20数年間馴染んできた自分の名前だ。

 

すると、勝手に、画面に文字が打ち込まれていく。

 

しの・・・はら・・・篠原・・・ひろ・・・宏史。

そして、『決定』のボタンが自動的に光った。

 

え…?

いま、自動的に入力された…?

脳内の自分の思考が…?

 

混乱に混乱をきたす中、それでも、

徐々に、いや、否応なく、理解しだしていた。

 

 

ここは、『艦これ』の世界ではないのか、と。

 

この画面…「提督の名前を入力してください」の文字。数年ぶりに見る画面。

 

自分はかつて提督だった。ゲームの中で。ここ数年はログインすらしていない。最後に触れたのは…1年ほど前だろうか。久しぶりにイベントに参加した記憶が、ある。

5、6年前、そう、2014年の頃は、ランキング入りするほど熱中していたゲームだというのに。

大学生の頃は暇で良かったよな。社会人になったら、忙しくて、そして日常に疲れて、あれほど熱心にやっていた艦これから離れてしまった。

 

…って、そんなことを思い返している場合ではない。

 

気が付くと、画面はLoading表記から変わっていた。

 

「好きな艦娘を選んでください」の文字。

 

ああ、本当に、艦これだ。

懐かしい、という想いがこみ上げてくる。この新規着任のときの画面は、本当に久しぶりに見る。

えっと…

 特Ⅰ型駆逐艦 吹雪

 特Ⅰ型駆逐艦 叢雲

 特Ⅱ型駆逐艦 漣

 特Ⅲ型駆逐艦 電

 艦隊型駆逐艦 五月雨

この5人が、数秒の間をおいて、順番に表示された。

ああ、みんなかわいいな。久しぶりに会う子たちだ。

 

以前の自分は、叢雲を選んだことを覚えている。ツンデレっ子が好きだからだ。

でも、実際にいたら、厳しいこと言われたりしたら、小心者の自分はすぐに凹んでしまうだろうな…

実際に会うなら、電ちゃんがいいな。優しくて。甘やかしてくれそうだし。

 

そんなことを考えていたら、数秒おきに切り替わっていた画面が、電の画面で止まり、

『決定』が光った。

 

!?

またしても…脳内の思考が、勝手に画面に反映された。

 

再度天井を見上げるが、壁に光を当てているはずのプロジェクターらしき機械はそこにない。

どういう原理でこの画面は壁に出てるんだ…???

なにより、自分の思考を勝手にトレースして動くなんて、そんなに科学は進んでいたはずがない。

 

すると、コンコン、と部屋の扉が淑やかにノックされた。

え…?誰…?

自分は一人暮らしで、こんな朝早くから誰かが訪れることなんて、ない。

 

扉に注意が行って、ようやくそこで自分は部屋全体を視野に入れた。

自分の部屋じゃない。

都内の、狭い、自室、ではない。

蒼い海が見える時点でなんとなく察していたが、ここは、自室ではない。

 

再度、コンコンと、ノックされる。先ほどよりは、少し強めに。

そして、控えめな声が聞こえた。

 

「あの…提督さん…おはようございます」

まぎれもなく、電の声だった。

 




電ちゃん初期艦娘にしたのは、やっぱり実際に仲良くするなら電かなと思ったので。
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