艦これ、復帰しました   作:something1945

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段ボール箱の上での食事

3名分用意された朝食。

電と大淀を自室に招いて食事をしようと思った。

自室に招く…という、いや、「そういう意味」ではなくて。

ただ単に、あの倉庫のような『母港』で食べるより、調度品の整っている自室で食べた方が便利だと思ったからなのだ。

…なにせ、『母港』には、椅子とテーブルもないのだから。

 

そして、なぜか躊躇いをみせる電と、困惑ぎみの大淀と、3人で寄宿舎の自室の扉の前まで来た。

「入ってー」

自室の扉を開けて、振り返って、先頭の電を招き入れようとした。

引き入れた電の手。電は、引っ張られて。

 

通り抜けなかった。

 

バッチィィン!と、静電気のような音がして、電の手がはじかれた。

「「え!?」」

自分も、そして電もびっくりして、電はパタンと尻餅をついた。

自分の方が身長は高いので見下ろしている電の下着は見えません。がっかりはしてません。してませんよ。

 

「大丈夫!?電」

「だ、大丈夫、なのです…びっくりしたのです」

深雪と衝突したかのような驚きを口にして、転んだ電に手を差し伸べて立たせる。

 

もう一度、今度はゆっくりと手を差し出すように頼む。

電は恐る恐る手を前に出して…

バッチィィン!と、やはり敷居を境にして弾かれる。

 

大淀が、「艦娘は…提督の私室には、入れないようです。規則のようです」と述べた。

「知ってたの?」

「いえ…今知りました」

大淀の恐縮そうな表情からして、嘘を言っているようではなさそうだった。

新しい知識がダウンロードされたようなものなのだろうか。大淀自身もよくわかっていないようだったが。

 

 

ここでご飯が食べられないのならば…

「じゃ、母港で食べよっか」

部屋の中から外へ食事を持って3度往復し、1人1食持って状態で寄宿舎から母港へと歩く。

 

母港の段ボールをひっくり返して机にして、床に座って、3人で食事を囲んだ。

「いただきます」

「「いただきます」」

手を合わせて合掌した後、同じように電、大淀も自分の真似をして続けた。

 

えっと…パン。スクランブルエッグ。サラダ。チキンステーキ。

朝は洋食派の自分にはうれしい、まるでホテルの朝食のようなセット。味も申し分ない。

移動の間でスープが少し冷めてしまったが、そんなものより3人で食べれられる嬉しさのほうが勝った。

…と、自分は思うのだけど。

自分の思い上がりではないだろうか?という疑念は、慣れない手つきでフォークとスプーンを使って食事をする艦娘2人の様子を見て一瞬で晴れた。

 

「美味しい…!」

「おいしいのです!」

大淀も電も、2人で顔を合わせてニコニコと笑いながら、もぐもぐと食事を口に運んでいた。

 

(よかった…)

はしゃぐ電はもとより、心から嬉しそうな大淀を見て思う。

段ボールの上で食事するのも、悪くないな、と。

 




次回、建造。
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