とある学園都市の市街狩猟(シティーハンター) 作:KBS滝原
そんな中、リョウは美琴たちからあるお願いをされるのであった。
ジャッジメント一七七支部。この支部には、常盤台中学の白井黒子、柵川中学の初春飾利が所属している。2人が調べているのは、リョウの正体だ。2人の見解によると、リョウが拳銃を持っているという事は、リョウはLEVEL0、いわゆる無能力者であるということだ。しかし、書庫を見てみても、LEVEL0でリョウの正体が見当たらない。
「見つかりませんわ。そもそも、お姉さまがあそこは仕留めるところでしたのに、あの男はその見せ場を奪ったのですから。」
「確かに、御坂さんは少し不機嫌でしたね。しかし、なんででしょうか?あの男性の、拳銃で右前輪をパンクさせるという荒技が、かっこよく感じました!」
「そうだよね!また会ってみたいな!」
黒子と飾利、涙子が会話していた。リョウのあの姿になぜかかっこいいと感じる飾利と涙子。だが黒子は、そんなことは思っていなかった。
その頃、リョウは、学園都市を回っていた。覚えているのは、新宿で下着をつけた瞬間、マンホールに落ちたところまでだ。どうしてこの学園都市に転移したか分からない。というかそもそも、ここはどこだか分からない。先ほどのツインテールの女子の瞬間移動と言い、その中学生が犯人を相手していると言い、なんか不思議になってくる。
「はぁ~、ここはどこだか分からないし、急に新宿がハイテクになったようなもんだし、でも、絶対にモッコリ美女がいるはず!」
先ほどまでの不思議さから開き直った。リョウは美女に弱く、女性を見かけてはナンパをよく大都会新宿でやっている。ほぼほぼぶっ飛ばされることが多いが。そして開き直った体で、ナンパを始めた。
「お嬢さ~ん!お茶しない~?」
「か~のじょ~!」
大体拒否されている。するとその近くに、美琴がいた!実は美琴、リョウの正体を確かめるために、学園都市中を回っていた。更に美琴は、見つけ次第戦う予定で探していた。美琴の性格上、負けず嫌いであるため、勝敗が着くまでは、粘着しやすいという性格だ。
「あの姿・・・まさか昨日の銀行強盗を仕留めた男!?」
リョウに近づこうとする。するとリョウは何かを察知したのか、美琴に銃を向ける!だが気のせいかと思いきや、見たことがある姿だと悟った。
「ようやく会えたわ。あんたね。昨日の強盗を倒したという男は。」
美琴が突き詰める。
「なんだ君か。なんか俺に用あるの?」
リョウが突き詰める。
「あんたに興味があるわ。私と勝負しなさい!」
「悪いけど、俺は18歳未満の子供とは付き合わないことにしてっから。勝負を申し込まれても勝負する気さらっさらないんで。」
「誰が子供ですって・・・?」
リョウの言い方に美琴の怒りのボルテージが上がっていく。その姿は電気を帯びた、まるで持ち運びできるモンスターみたいなものだった。
「ふざけんなー!!人を子供扱いするなんていい度胸ね。どうなっても知らないわよ?」
「だってその制服と背の高さから事実なことは事実でしょ?それにこれは、僕ちゃんが決めたことだし、関わっている暇はないから~!」
「さっきから黙って聞いてれば私を罵倒してからに!!絶対倒してやるわ。やられたらやり返す。倍返しよ。それが私の、流儀なんでね。」
「やれるもんなら、やってみな。」
その時、美琴の携帯に電話が入る。
「お姉さま?そちらはどうですの?」
「見つけたわ。場所は第七学区、学舎の園折返場にいるわ。って、あれ!?」
美琴が振り向くと、リョウの姿がない!急いで探すが、どこにもいない。探しに回る美琴。実はその時、リョウはそこに止まっていたバスの下に潜り込んでいた。いなくなったのを確認すると、リョウはバスの下から出てくる。
「大丈夫ですか?しかし、潜り込むってことは、何かあったんですか?」
運転士がリョウに聞く。
「まぁ、ちょっとめんどくさいのに絡まれたんでね。それより、今日の仕事終わったら、ぜひ私とお茶しませんか?」
運転士が女性だったことや、20代であることから、リョウはまたナンパする。
「ぜひそうしたいんですけど・・・今日は残念ながら深夜バス担当するので無理かと・・・。」
断られたリョウ。すると、携帯の連絡先が書かれた紙を渡す。
「もし何かあったら、私に連絡してください。」
声を低くするリョウ。戸惑いながらも女性は返事をした。リョウは何かないかと思い、バスに乗る。発車3分前になると、13人お客様が並んでいる。リョウは乗り込んで、考えるやいなや、何か異変に気づく。それは、最後のあたりに並んでいる3人だ。大きいバックにしては何か様子がおかしいと感じる。
(バッグにしてはかなり重いな・・・。あのサイズでか?)
様子を見るため、注意深く監視のもとに動く。バスが折返場を出てから1km経った次の瞬間!
「動くな!今から我々がバスを制圧した。下手なことをしようものなら命がどうなっても知らんぞ!!」
リョウはやはりとにらんでいた。
「今から言うとおりにしろ。操車場まで動かせ。お前ら死にたくなかったら言う事を聞け!」
「それはどういう命令なのかな?」
リョウは運賃箱の横から現れ、バスジャック犯はリョウの姿を確認すると、銃を向け始める!パイソン357マグナムを取り出し、銃を撃ち落とす!そしてバスジャック犯をキックで撃破!
「今すぐ警察に連絡しろ!皆は急いでバスから降りろ!」
だが、ここである事態が!倒されたバスジャックの一人が、ひそかに爆弾の起爆装置を起動させていた!
「これで俺が負けたとでもいうのか?爆弾はもう起動した。てめぇは終わりだ。バスごと滅びるんだな!」
「ほう。そんな口を利くとは随分余裕なんだな。とにかく近くの用水路まで動かしてくれ!」
リョウが女性の運転士にお願いし、バスを動かさせる。爆弾の入ったカバンを開けると、そこには残り55秒の文字が!早くしないと爆発させてしまう。運転士もリョウも、この事態はなんとか打開しないといけないと思い、頑張って近くの用水路まで動かさせようとする!
すぐに用水路に到着!その時の爆弾は、残り3秒になっていた!リョウは用水路に投げ、爆発させた!幸い死傷者はいなかった。だが問題はここから先になってしまう!
「だがこれで余裕こけると思ったか。今度こそ命をいただくぜ。」
「どうやら、地獄を見せなくてはいけないようだな。」
すると・・・
「地獄を見せる必要はないと思いますわ。ジャッジメントですの。威力業務妨害及び殺人未遂で、拘束しますわ。」
リョウは見覚えのある制服と、見覚えのある姿を見た。2人は降参した。
アンチスキルに拘束されるバスジャック犯。リョウはそれを見届けていこうとした、その時。
「ちょっとお待ちなさいな。あなたにはたっぷりとお聞きしたいことがありますの。指示の通りに動いてくださるのでしたら、特に何もしませんわ。さぁ行きますわよ。」
「えーっ!?ちょっと助けてー!運転士さーーーん!!」
リョウが黒子に連行されてしまう。向かった先は、ジャッジメント一七七支部。会議テーブルがセットされていて、椅子にかけるリョウ。すると涙子がリョウにお礼を言う。
「昨日は、ありがとうございました!」
リョウは気にしないでいいと話す。その後、黒子が切りこむ。
「まず、あなたのお名前を伺いたいのですけれど。」
「冴羽リョウ。スイーパーをやっている。」
全員がスイーパーということにはてなマークを浮かべる。
「ちょっと待って。スイーパーって言うけど、どういう仕事してるの?」
「悪いが、それは言えない。」
リョウはスイーパーの仕事内容を話すことを拒んだ。なぜならリョウは、裏の世界で仕事をしているうえに、人を殺しかねない、いわゆる危険な仕事をしているからだ。それを中学生に教えたところで、もしかしたら裏の世界に入ってしまう可能性があるからだ。だがリョウにはそれ以上の疑問があった。まずここはどこだというわけだ。
新宿ではないことは確かだ。
「あなた、銀行強盗を仕留めるときに、拳銃を出したようですけど、どういうことですの?」
「忘れたのか?俺は条件反射的にそうなっただけだ。」
「でもあんたさ、そもそも拳銃なんて常備してるの?」
リョウはさすがにしびれを切らしたのか、ついに・・・
「まず聞くけど、そもそもここはどこなんだ?新宿ではないみたいだが?」
「どこって、学園都市ですけど・・・?」
「学園都市ぃ?確かに新宿だったら、早稲田とかあの辺りは学校が多いからそれっぽいけど、東京で学園都市って言ったら、国分寺とかしか思い浮かばんけどな。急になんかここに移ったし。」
4人が何を話しているのかが分からなかった。新宿だの早稲田だの、国分寺だの、知らない地名が出てきている。だが、学園都市は東京にあることは間違いない。
「まさか自分がいるところも分からないんですか!?」
飾利が驚いて突っ込んでしまう。
「ちょっとお聞きしたいんですけど、今、急にここに移ってきたっておっしゃってたんですけど、何が起きたとかってありますか?」
「仕事を終えて、何か知らないけど、警察に追われて、マンホールに落ちたってところなんだよな。」
マンホールに落ちた?ここがおかしいと怪訝に思う4人。
「まぁいいですわ。とにかく冴羽さん。あなたの身分が証明できるものをお見せくださいまし。」
そういい、リョウは免許証を見せる。住所は、東京都新宿区になっている。だが、この世界には新宿区がない。そして黒子は、あることを話す。それは、リョウが元々ここの住人ではないことだ。確かに東京都があるのだが、新宿区という地名がない。リョウはどうすればいいかが分からなかった。更にバンクにも名前がないため、本来であれば、学園都市から追放されることになる。
「別に君たちの世話になるなんて考えてないし、一人でどっか暮らしてるさ。」
その発言に驚く一同。
「一人でどっか暮らすって、まさかホームレスみたいなことを!?」
「でしたら、私の家はどうでしょうか!?ほら、お礼の意味も込めて!」
涙子が突然話す。3人は涙子がリョウを好きであることを悟ったのだった。リョウは度重なる中学生たちの追求に疲れていた。リョウはやむなく了承。だがリョウは、4人にあることをお願いした。それは、
過度な干渉をしないこと。
美琴たちには分からないのだ。黒子や飾利はジャッジメントとして活動しているとはいえ、リョウは何人の、何グループという闇を見てきた。そしてその悪党を掃除してきた。ジャッジメントとは違う。そして黒子は、リョウにあるお願いをする。
「こちらに記入してくださいまし。これは、ジャッジメント入隊申請届ですわ。あなたのような方には入っていただきたくお願いしてますの。」
するとリョウは、この入隊申請届の用紙を、破棄した。
「悪いが、君たちみたいな中学生連中とは違う。それ以上この話をするなら、俺は帰るぞ。僕ちゃん時間がないんで。」
そういい、後にする。リョウの後を追う涙子。
「リョウさん待って!どうしてジャッジメントの入部しないの?」
「君は分からないだろ?俺は君たちとは違って、いろいろな悪党を掃除してきた。君たちとは違うんだ。君たち以上に危険な仕事だ。踏み入ってはいけない仕事だ。それを君たちは、俺からすればなめてかかっているように見える。だからそのジャッジメントとやらには入らないんだ。」
それを聞くと、涙子はリョウに言う。
「それは違うと思うよ。リョウさんはリョウさんで、いろいろ辛い経験をしてきただろうけど、私も初春たちも、リョウさんにこれからも活躍してほしいと思っているんだよ。」
涙子は、飾利たちの思い、自分の思いをリョウにぶつけた。
明らかに経験が違うリョウとジャッジメント。改めて呼び出しをされるリョウ。ジャッジメント入隊申請届に、リョウはどうするのか!?
次回 ぶつけられた思い、リョウの思い