とある学園都市の市街狩猟(シティーハンター)   作:KBS滝原

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突然、美琴とリョウを襲った30人の男たち。彼らの正体は、ファイトメジオンという、戦闘用品メーカーだった。奴らの計画は、美琴とリョウを殺害する計画以外に、学園都市を滅亡に追いやる計画が。
次々と迫る危機!果たして、美琴とリョウの運命は!?


第20話(最終話)美琴とリョウ!能力を掛け合わせた学園都市追走反撃(後編)

美琴たち5人は、第七学区の七福神商店街を歩いていた。緊急事態が迫っているだけに、学園都市のジャッジメントたちによる警戒警備は、厳しくなっていた。

 

「それにしても、なぜリョウさんとお姉さまを狙うんでしょうか?」

 

黒子が話す。リョウと美琴を狙う奴らの気が知れない。それは涙子、飾利も疑問に思っている。

 

「何かやったんじゃないんですか?リョウさんのことですから。」

 

涙子が話す。だがそれならなぜ美琴も狙われるのか?その重要な部分を全員が考えるのだが、答えが出ない。ただの恨みを持つ人間の犯行か?そう思っていた。

しかしその危機は、美琴とリョウのすぐ近くに迫っていた。七福神商店街に突如入ってきた、謎の3万体近くのロボット。それは5人を囲んだ。するとロボットたちが、突如攻撃を開始した!超小型の銃弾で、かなり殺傷能力が高い!攻撃をされたため、商店街では大変な事態に!

 

美琴が電撃を放つが、ブロックされてしまう!すると、

 

「ロボットの上を走れ!商店街の外に出るぞ!」

 

リョウが言う!指示された通りに動く4人!事態を受けたジャッジメントが駆けつけ、各々能力を放つ!だが無効になっている。そんな中、止めてある路線バスに乗り、リョウが操縦する!黒いシートを被らせ、身を守らせる!あらかじめ忍び込ませていた、ショットガンを使い、頃合いを見計らいながら、電柱に当てて、その慣性で急所部分に狙う!ロボットの急所部分が分かり、そこを狙うと爆発することが分かったリョウは、そこから反撃する!

 

バスはジャッジメント一七七支部付近に止まり、安全のため、黒子、飾利、涙子を降ろす。

 

「君たちはアンチスキルに連絡してくれ!俺はその間、カーチェイスして時間を稼ぐ!」

 

そう言い、バスを走らせる。追ってくるロボットたち。それを蹴り飛ばそうとする黒子だが、あまりの頑丈さに足を痛める。

 

「とにかく皆さん、私におつかまりになって!」

 

そういうと2人は黒子の体に掴まり、事務所にテレポートする。そして黒子はアンチスキルに連絡する。

 

事態は悪化の一途を辿っていた。

 

急所の部分が分かったことで、美琴も攻撃を開始した。だがその時!超小型の飛行物体型戦闘機がリョウの前に出てきた!そして急ハンドルを切ろうとしたその時だった!バスが遠心力に耐えられなくなり、横転してしまった!万事休すの事態に!と、その時!ロボットが爆発した!

そこには、幻想殺しの異能の力を右手に秘める、高校生の上条当麻の姿が!

 

「あんた何してんのよ!?そこにいたらあんた死ぬわよ!?」

 

「別にそんなことは分かってますけど?随分と厄介な連中が出てきたもんだな。」

 

当麻が言う。しかし周囲は、増すごとの攻撃に、住民たちが逃げていく。

 

「当麻君。君にも協力してもらいたい。」

 

「ちょっ、リョウさん!?」

 

「美琴君。どうやら俺らだけでは、このうじゃうじゃしている連中は、倒せないようだ。能力を壊すことのできる当麻君なら、どうってことないだろ?」

 

リョウが言う。

 

「ああ。全面的に協力させてもらうぜ!」

 

当麻が快諾する!すると、美琴の携帯に一本の電話が入ってくる。

 

「お姉さま!?逃げながら聞いてくださいまし!今、アンチスキルに連絡しましたの!私が今言うところに、アンチスキルがいますから、そこに逃げてほしいんですの!リョウさんにも伝えてくださいまし!」

 

黒子が言う。指示した先は、学園都市サーキットビッグエリアだ。リョウがその指示を受けると、3人は、すぐ近くに止まっていた昭和の普通自動車で、サーキットへ向かった。しかし逃げている途中でも、ロボットは追跡してくる。リョウがパイソン357マグナムで、美琴は電撃で攻撃し、時間を稼ごうとするが、ロボットの追跡は止まらない。時速は180kmを越えていた。

 

その頃、学園都市サーキットビッグエリアでは、アンチスキル700人が周辺に待機していた。サーキットから3kmのエリア内の住人の避難はすでに完了している。

車のスキール音が。

 

「リョウさんが来たじゃん!バリケードを開け!」

 

愛穂が指示し、隊員たちはバリケードを開く。後ろから追尾してくるロボットも確認済み。

 

「全員射撃用意!車が通過したらすぐ発砲だ!」

 

そしてリョウの運転する車が通過した次の瞬間!

 

「撃て!」

 

指示の通り、隊員たちはマシンガンで銃撃!しかし、銃撃するものの、このロボットには、機動隊の防弾プラスチックのものが装備されており、何体かは撃ち落とせたものの銃弾のくる方向がロボットには計算されていたようで、何体かは撃ち落とせず。

 

「あいつら防弾ガラス装着してるわ!まさかこれを計算していて・・・」

 

美琴が驚きを隠せない。すると当麻は車の上に乗り、迎撃してくるロボットを右手でパンチする!ロボットは爆発した!

 

「イマジンブレイカーだ。どんな能力も効かない能力。つまり、イマジンブレイカーの力を使えば、追ってきている奴らを減らせるってわけだ!」

 

リョウが言う。25分後、サーキット内に到着。

その頃、プレゼンテーション会場では・・・

 

「追尾ロボットが爆発されているが、どういうことなんだ?」

 

ボスが言う。

 

「この追尾ロボットは、関係ありません。このあと、最強殺戮兵器が登場します。さぁ皆さん、ご注目ください!デッズダストの登場です!」

 

芝原が言うと、ロボットが始動し、サーキット方面へ向かう。

 

サーキット場では、各々が分散して逃走していた。

この学園都市サーキットビッグエリアは、サーキットを中心にした、東京ドーム55個分のテーマパークだ。湖もあり、更に遊具やホテル、スポーツ場もある、まさにジェネラルテーマパークだ。

 

美琴は何を考えたか、落雷でロボットを破壊する方法だ。実際に落雷をさせてみるが、なんとこのロボットには、避雷器があったため、雷が逸らされてしまう!驚きの音をあげてしまう美琴。

 

「美琴君!もう一度落雷させてみろ!」

 

リョウの指示を受け、美琴はもう一度落雷をさせる。すると、ロボットが完全破壊した!追尾ロボットは全壊した。しかし、ここからもっと恐ろしい殺戮兵器が登場する。そう。デッズダストの登場だ。

車体長は180m。電車の長さが1両20mとして、それを9両つないだ計算になる。

リョウが銃弾を1発放つが、効果がない。美琴も電撃を放つが、電撃が逸らされてしまう。当麻が幻想殺しを秘めた右手でパンチするか、まさかの効かない事態に!

 

ジャッジメント一七七支部では、状況を上空から監視していた。

 

美偉、黒子、飾利、涙子が様子を見ているが、固まってしまっている。そう、この3人の力を合わせても、無効にしてしまう殺戮兵器だからだ。

 

「まさか・・・こんな殺戮兵器があったとは・・・!」

 

黒子が驚きの声を隠せない。

飾利がその横で調べている。

 

「白井さん!大変です!これ、デッズダストと言って、小型の銃弾を700発ストックしてあるほか、特大の銃弾、つまり小型ミサイルが5発搭載されています!しかもこの小型ミサイル1発が放たれた場合、直撃地点から7km範囲が死滅してしまう、恐ろしい殺戮兵器です!」

 

飾利の調べに絶句する3人。もはや何も成す術はないのか・・・

 

サーキットでは、殺戮兵器のターゲットが美琴に転換された。美琴が必死に隠れるが、ロボットが分析していたため、背後に回り込まれ、銃撃されてしまう!その後も逃げ続けるが、攻撃が更にエスカレートしていく。

 

その頃、プレゼンテーション会場では、

 

「シティーハンターや常盤台のエースにこだわるな!殺戮兵器デッズダストの力を見せつけられればいいんだ!」

 

ボスが言う。芝原が言うと、イヤホン型のようなものを頭に取り付けた。これはマイクロコントローラーというもので、頭の神経を使って操るようなものだ。それを使って攻撃が可能となる。

 

一方、学園都市では、住民の避難が続いていた。普通なら学園都市の外へ行く交通機関はないが、緊急事態なだけに、臨時の措置として、貸切バスで避難をすることになった。

 

「学園都市にお住いの皆さんは、落ち着いて避難をしてください!電柱が倒れていたり、道路が沈んだりしているところは通らず、安全に避難をしてください!」

 

臨時ニュースも放送されていた。そう、学園都市では、緊急事態宣言が発令されていた。モノレールの駅前では、避難する人々でたくさん押し寄せていた。爆発音が一発響く。

 

「早くバス乗せろよ!」

 

「俺たち殺す気かよ!」

 

「もう安全に避難できるって言うレベルじゃねーぞ!」

 

「どうなってんだよ!」

 

学園都市にあるバス会社全車両を総動員させ、更に学園都市外からのバスも押し寄せていた。しかし学園都市の人口があまりにも多く、バス1台がすべて満車となってしまう。

 

サーキット場には、3人の姿が見えなかった。実はこの殺戮兵器は、サーモグラフィーが搭載されている。つまり、人の体温でどこにいるかも分析できるのだ。ロボットが反応しないことを確認した3人は、30秒沈んだ後、すぐに浮上。そして逃げ始める。ターゲットがリョウに向き、デッズダストはリョウを攻撃する。だがリョウもただ逃げているわけではない。銃を装填してから、発砲までの秒数をカウントしながら逃げていた。

 

そして5分経った後、デッズダストの姿がないことを確認したリョウは、美琴と当麻の元に向かう。

 

「ちょっと、大丈夫なの!?集まってきて。」

 

「それより分かったことがある。」

 

リョウは逃走をしながら、デッズダストの特徴を話す。

 

「OK!それで行こうか!」

 

「ああ。いつまでも逃げていてはだめだ。ここで俺らが反撃してしまえば、奴らの負けと言うわけだ!」

 

美琴と当麻が、リョウの指示を受諾。分散して逃げる方式から、まとまって逃げる方式に転換し、サーキット場の中へデッズダストを誘導した後、狭い空間で、全員で攻撃を仕掛けるという方法だ!いつまで逃げていても、奴らの思うつぼであると判断したが故のリョウの判断だ。危険だが、このまま野放しにするよりかはここで対処したほうがいいと踏んだ判断だ。

 

すると、逃げ始めようとした途端、デッズダストが3人の姿を確認!追尾しながら攻撃を再開!まずは1段階目の、まとまって逃げる方式を取る!

 

ジャッジメント一七七支部では・・・

 

「なんでまとまって逃げるの!?全員で攻撃されるかもしれないのに!?」

 

涙子が言う。

 

「そうではありませんの。おそらくリョウさんは、まとまって逃げた後の動きを取るための、1段階目の動きを取っているんですわ。リョウさんの得意技は、相手の銃口に銃弾を撃ち、そこで暴発させる方法ですわ。」

 

だが涙子には引っかかることがある。特大銃弾が爆発した場合、7km圏内が爆発するという事態が起きるという事だ。もし爆発が起きてしまった場合、3人は助かるのか。そして、街に被害は出るのか、それが引っかかっている。

 

一方、会場では、デッズダストがついに追い込んだことを受け、

 

「冴羽リョウ、御坂美琴。どうやらここまでのようだな。お前たちの墓場だ。この小型ミサイルで、お前らもろとも吹っ飛んでしまえ!」

 

芝原が叫ぶ!

 

リョウと美琴は、デッズダストの前に立った。場所は、サーキット場のパドックとテーマパークを結ぶ、狭い連絡通路だ。リョウと美琴、当麻がカウントする。

 

「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1・・・!」

 

「行けーー!!」

 

デッズダストから特大銃弾が発射された!

美琴はレールガンを放ち、リョウはパイソン357マグナムの、少し大きい銃弾を放った!2つの弾は、デッズダストの銃弾を直撃!次の瞬間、当麻が右手を出し、爆発を抑えたのだ!サーキット場が大きく爆発した!デッズダストとの通信が途絶えた。

 

ジャッジメント一七七支部。

この状況を見ていた4人。サーキット場が爆発した。まさかあの3人は死んだのか・・・?

 

「御坂さんーーーー!」

 

「リョウさんーーーー!」

 

各々が泣き叫ぶ。

 

サーキットは崩壊したのみならず、ビッグエリアそのものが崩壊してしまった。しかし、それ以外の学園都市の建物には、支障は出なかった。

 

がれきの中から、美琴とリョウ、当麻が出てきた。向こうから、アンチスキルの隊員たちが走ってきた。

 

「君たち!大丈夫か!?」

 

応答に返答する3人。幸い、軽傷を負ったのみで、そこまでのケガはなかった。

一方、超高層ビルでは、デッズダストが破壊されてしまったため、

 

「今回は失敗してしまいましたが、本当ならもっと力が発揮できます。それでは・・・」

 

するとボスが出てくる。

 

「次は俺が指揮を取ろう。感情なんかに左右されるような奴が、ウォーヘアメーカーになろうなんて甘い。」

 

とすると、

 

「いいえ。あなたたちが甘いんですのよ。」

 

黒子が入ってきた。

 

「ジャッジメントですの。冴羽リョウ、御坂美琴、ならびに上条当麻を殺害しようとした殺人未遂、および器物損壊、その他もろもろの罪で、拘束します。大人しくお縄についてくださいまし。」

 

すると、芝原たちが笑う。

 

「お嬢ちゃん。そんな一人でどうにかなると思うなんて、自殺行為だ。どうやら変なところに足を踏み入れてしまったようだね。君を殺してしまえば、俺たちはいくらでも逃げれるさ。」

 

芝原が言うと、

 

アンチスキルが後ろからやってきて、隊員たちが包囲した。ちなみに、この事件を起こした芝原たちは逮捕された。聞けば、この学園都市を破壊するという計画は、半年前から練っていたようで、更にファイトメジオン社にも捜索が入った。また、このプレゼンテーションに参加していた各国の戦闘メーカーにも、捜索が入った。学園都市で起きてしまったこの事件は、世を震撼させた。そして今回狙われた、冴羽リョウ、御坂美琴、上条当麻は、学園都市や日本のみならず、全世界で一躍時の人となった。

彼らの活躍は、今後、世界の歴史に残るのか、教科書に載るぐらいのレベルかは分からないが、全世界の人類の記憶には、深く刻み込まれるだろう。

 

モノレールの駅前。

リョウ、美琴、当麻が集まっていた。

 

「それにしても、大活躍だったわね。リョウさん。」

 

美琴が言う。

 

「何を言うんだい?協力してくれた、美琴君、それに当麻君のおかげさ。」

 

リョウが言う。

 

「まさかこれほどにない事態が起きるとは、俺も予想できてなかったぜ・・・。」

 

当麻が今でも驚いているという音を明かす。

 

「ねぇリョウさん。もし、新宿に戻って、また来れるんだったら、またどこかで会えるかな?」

 

美琴が突然、少し切り込んだ質問をした。

 

「どうなんだろうね~?」

 

誤魔化した答えを出した。1987年の東京都新宿区から突然現れた、シティーハンター冴羽リョウ。自分が元いたところでは、人のために、休むことなく仕事が続いていたが、この学園都市においても、元いたところと変わらず、今後も、休むことなく動き続ける。




ここまでとなります!長い間放置してしまっただけでなく、後半は少し中途半端となってしまい、申し訳ございませんでした。
しかし、私がこの小説を書いたきっかけは、前回書いた、シティーハンターととある科学の超電磁砲の作品があまりにも軌道が逸脱し過ぎていたため、その反省を生かして、少しリメイクという形で書かせていただいた所存です。

次書くのは、もしかしたら批判殺到してもおかしくない、いや、絶対に批判されるであろうクロスオーバー作品を作ろうと思います。

最後まで読んでくださった読者の皆様、本当にありがとうございました!

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