とある学園都市の市街狩猟(シティーハンター) 作:KBS滝原
学園都市のある通路。植え込みの中にぬいぐるみが置いてあった。それがしぼんで消え、突然、パン!という音を発した。
美琴と黒子は自販機の前で話していた。この事件は5件目で、すべて小規模な爆発だったのだが、愉快犯にしても、それはシャレにならない。黒子はこの前日、手掛かりがつかめた。この爆発は全て、重力子の急激な加速が衛星によって観測されていた。
つまり、アルミを起点に重力子の速度を爆発的に加速させ、一気に周囲にまき散らす方法だった。つまりアルミ爆弾である。だがなぜアルミを使ったのかは分からない。美琴は能力者の仕業であるなら、バンクで検索すればいいじゃないかと黒子に言ったのだ。
該当する能力は量子変速(シンクロトロン)。それもアルミを爆発させるほどの能力となれば、LEVEL4の生徒一人だけなのだが、アリバイがあった。その生徒は入院していたため、一連の事件を起こせるとは思えない。更にバンクのデータに不備があるとも思えない。それを聞いて美琴は手伝おうと思ったが、黒子に即拒否された。黒子はどうやら美琴の考えて居ることを見透かしていたようだ。
{お姉さま、今、「これってちょっと面白いかも!相手次第では腕試ししてやろうじゃない!」なんてお考えではありませんでした~?}
黒子は美琴の行動があまりにも先走り過ぎていたことを知っていた。
「お姉さまはあくまでも一般人。治安維持活動は・・・」
{「ジャッジメントに任せていただきたいんですの~」でしょ?分かってるって。}
美琴は分かっているようだが、黒子は生返事にしか聞こえなかったようで、更に注意を促すだけでなく、ここで美琴に誓約させる。それは、
一、むやみやたらに戯れに突っ込まないこと。
二、毎日事件に遭っても単独での立ち回りは禁物。くれぐれもジャッジメントの到着を待つこと。
三、スカートの下に短パンを履かないこと。
ん?3つ目はどういうこと?美琴はそれは関係ないだろと反論。だが黒子は美琴にこの際、服装や生活態度からご自身を見つめなおしてほしいと話す。
「そもそもお姉さまには常盤台のエースとしての自覚がいささか以上に欠落していると黒子は常々思いますの!」
「だからそれは・・・!!」
「どうか最後まで。多少なりとも自覚がおありなら、子供じみたご監修は・・・」
今度はプライベートの事まで踏み込まれた美琴。黒子に圧倒されている。
店の中で美琴は怒りが爆発!
「あんたは私のママか!!どう思う初春さん、リョウさん!?」
ファミレスにいた美琴、飾利、リョウ。
「と、とりあえず・・・」
「す、座ろっか・・・!」
美琴は周囲の状況を見て冷や汗をかいてしまった。笑いでごまかし、一度座る。飾利は黒子が美琴を危険な目に遭わせたくないのだと推測。
「そうだな。むやみやたらに一般人が突っ込む問題ではない。スイーパーやっていたが、実際俺の目の前で、一般の関係ない奴が突っ込んで死んだ事案があるからな。まぁそのグラビトン事件にしたってね~。」
リョウは経験と同時に話す。実際に関係のない人物が巻き込まれ、死傷している姿をリョウは何度も見てきた。グラビトン事件では、最初はゴミ箱の空き缶で起きていたのが、最近ではぬいぐるみや子供の鞄みたいな警戒心を削ぐものに仕掛けられていることが多いという。それを踏まえて飾利は、黒子が美琴を危険に遭ってもらいたくないという考えだろうと話す。パフェが到着し、食べようとした次の瞬間、
「う~い~は~る~!!」
ギロッとした目で見つめる黒子。美琴を向くと、美琴は眼を逸らす。リョウも同様。
黒子は飾利を引っ張り出し、巡回に行くぞと言う。だがリョウは連れていかれない。なぜならリョウはこの日、非番だったからだ。すると美琴が、自分に付き合ってほしいから呼んだだけだ、文句があるなら自分に言いたまえと話す。
黒子は美琴に、ジャッジメントは美琴が思ってるより甘くはないと話す。
「何よ偉そうに!二言目にはジャッジメントジャッジメントって、だったら私がやっつける前に来てみろっつーの!!ねぇリョウさん?」
「まぁ落ち着こう。あっ、腕章が。俺が届けてくる。美琴君はパフェを食べていい。お題はここに置いておくから。」
と言い、3000円を置いていった。店外。リョウが腕章を持って出ようとする。すると、右横から、
「何を呑気にさぼってるの?」
横には、黒髪ロングに眼鏡をした、美偉がいた。
「俺か?」
「って、リョウさんか。その腕章はどうしたの?」
「飾利君が忘れて行ったんだ。俺が届けようと思ったんだが。」
美偉が話を聞き、まぁいいとして、暇かと聞く。リョウは特に予定はないと話す。
「一緒に仕事を手伝ってほしいの。」
「まぁいいが。」
コンビニ近くにやってきたリョウと美偉。箒を渡され、掃除する。このあたりを片付けてほしいとの要請だ。学生たちが散らかしたごみは、自分たちが片付ける。まぁ、研修の復習がてらということだ。もくもくと掃除する2人。するとリョウの前にゴミを捨てていく男子。これも頼むわという事で空き缶を捨てていく。
「あのな、今のうちに自分から片付けるということが出来ないんだったら、ダメな息子として育つぞ。」
リョウが言う。すると美偉が後ろからリョウを箒の持ち手の部分でたたく。
一方レストランでは、飾利が腕章を忘れていったという事で、飾利が探しに行ったのだが、預かっていないという。実はジャッジメントでは、腕章を紛失した場合は始末書を書くという制裁がある。支部に戻り予備の物を取りに行こうとした時だった。駐車場の入口に、泣いている小さい女の子が。飾利が迷子になったのかと聞く。
一方路地では、リョウが美偉に説教されていた。
「ダメじゃない!目に余ったからってあんなこと言うのは。」
更に美偉は、実力を行使することと、治安を維持することは別問題。実力行使は、やみくもに能力を使うのと同じだ。色々巡回していく2人。
木陰で休むリョウ。美偉がケーキを持ってくる。入ってから1カ月たったリョウに心境を聞く。自分も苦手だったと話す美偉。それもそのはず。座学で習ったのと実際の現場に出るというのは本当に訳が違う。その時、美偉の携帯に、一本の連絡が入る。
それは、捜索の要請だ。鞄だという。だがリョウはその前の話を聞いて思い出す。リョウは危機感を持ったように、それは子供用の鞄かと聞く!ピンクで花柄の鞄だ。ベンチに置いてあったのだが、犬が咥えて持って行ってしまったそうだ。
それはさっきの、警戒心を削ぐものに仕掛けられているというものだった。可能性を捨てきれないとし、急いで捜索に行く。
その頃、ジャッジメント一七七支部には、涙子が入ってきた。飾利のところに行くと、あの女の子が眠っていた。実はバッグを探してほしいとの依頼で、他の支部にもお願いしていた。学園都市は基本家族は別々だ。だからこういうことには積極的なのだという。涙子は御守を出す。
リョウが捜索をしていると、すれ違った学生がリョウの後ろにいた学生と衝突した喧嘩をしていた。
「何を寄ってたかってやってんだい?」
「ジャッジメントか。なんでもねぇよ。」
「何でもないわけがないだろ?」
と言ったが、去っていった。殴られていた男子高校生に近づくが、去って行ってしまった。その時、美偉が来て、状況はどうかと聞く。だが見つからなかった。
そしてもう一つの候補で、公園に来た。そこには子供たちが遊んでいる。
美偉とリョウは別々で捜索をしようとした、その時だった、リョウは子供たちに囲まれる。
「見ない顔のジャッジメントだね~!」
「普通は女の人がジャッジメントやってるんだけどな~」
いろいろな声が聞こえた。その時だった。犬がバッグを加えてやってきた。リョウが追う!捕らえようとした時だった!バッグがなかった。周りを見渡していると、噴水の方に!急いで取りに行き、水にダイブ!なんとか物はぬらさないで済んだ。
夕方、連絡が入った黒子と飾利は、公園に女の子を連れてやってきた。物は無事に渡された。見つけたのはずぶぬれのリョウだった。その姿に驚いた一同。
飾利は女の子をリョウの方に連れて行き、女の子はありがとうと言った。
その後、リョウは涙子の家に戻った。
「今日はお手柄だったって初春から聞いたよ。ずぶぬれになってでも守り抜くってかっこいいと思ったもん。」
「まぁでも、大切なものと言うのは、傷一つ付けちゃいかんものだろ?それは関係ないように見えて、関係のあるものだ。」
そういい放つリョウ。
「私ね、今までのリョウさんを見てきて思ったの。こんなに男気のある行動が出来ていて、能力は持ち合わせてないけど、いざとなったらすぐに行動を起こせるリョウさんが素敵に思えたの。それに引き換えて私は、能力がないのに動こうと思っても動けない。そんな自分がバカに見えてきた。」
「そんなことはない。自分が能力を持ってなくても、正しいと思ったことは動けばいい。正しいと思えることで動ける人は、おのずと自信がついてくるさ。涙子君も、自分に悲観することなく、前を向くんだ。」
「うん!」
涙子とリョウの少し深い話が終わった。リョウは涙子と一緒に買い物しようと出かけ、目の前のバス停で待っていたその時だった。異変を感じたリョウは涙子を急いで引っ張った!すると大きな爆発が発生した!
「爆発・・・まさかグラビトンか!?」
突如起きた爆発。自分を狙った犯行だろうとリョウは推測した。
グラビトン事件はどんどん派手なものになっていく。そんな中、この事件を聞きつけたのか、あの男がまた出てくる!ジャッジメントを狙った卑劣な犯行。あの男とリョウ、そしてジャッジメントのメンバーの連携はいかに!?
次回 グラビトン事件!無能力者のリョウ、実力で解決なるか!?
(2nd section 連携)