「へー、ここが今の父さんの家か。ペガと二人暮らしだったときを思い出すなぁ」
「ペガ、確かあのペガッサ星人のことか」
「うん、今は宇宙で待ってくれてるよ」
なぜかジードが俺様と詩乃の家に来てみたいと言ってついてきやがった。だが、目的はそれだけじゃねぇようだ。
「詩乃、帰ったぜ」
「おかえりなさい、ベリアル。あれ?その人は?」
「どうも、父さんがお世話になっているみたいで」
「あー!ジードさんね、ベリアルの息子の!はじめまして、朝田詩乃っていいます」
「はじめまして、朝倉リクです。知ってるんですか?僕のこと」
「ベリアルにこの前昔のこと聞いたときにね少し」
「そうだったんですね!」
詩乃はジードに会えたことが嬉しいのか、俺様のことをジードに聞く。だが、コイツと過ごした時間は短いからな、俺様の知っていることとすれば、最低最悪のウルトラマンってことぐらいだろう。
「リクさんはベリアルの息子さんなのよね?てことは、ベリアルって奥さんとか・・・」
「いえ、僕に母親はいないんです。父さんの遺伝子から産まれたクローンみたいなものなんで」
「そうだったの。あなたの世界に居たときのベリアルはどうだったの?私はこっちの世界のベリアルしか知らないから」
「僕の世界に居たときの父さんは・・・」
俺様の話をして何がいいんだかわからねぇな。
「やっぱりそうだったんだ。本当に極悪ウルトラマンだったのね」
「でも、この世界では違うみたいですね」
「今は、怪獣を倒す側になってるからね、私が助けられたことはないけど、よく外で助けてるみたいよ。あ、あと、人間よりも古い時代からいる怪獣の監視もやってるみたい」
「倒すんじゃなくて、ですか?」
「うん、なんというか、この世界の地球は人間だけのものじゃないってこと・・・ですかね?確か怪獣の名前は、ゴジラ、だったかな?」
「あー、ゴジラですか。それなら問題ないですね」
「どういうことですか?」
「僕たちウルトラマンはゴジラ、ガメラ、キングコングっていう怪獣には不干渉になってるんです」
「あ、そうなんですね」
「ゴジラやガメラ達は、人間を襲いはしますけど、同時に人間を守るような行動を同時に行っているので、倒すべきかそれとも倒すべきでないか判断がつかないときが多いんです。それに、他の怪獣と格が違うので、おいそれと戦えないというか。事前の準備が必要なんですよ」
ウルトラマンがゴジラやコングなどの怪獣どもを攻撃しない理由はそういうことか。
「それにしても、なぜ家に?すぐにでも帰らないといけないんじゃ・・・」
「それが、まだ用事がありまして」
気まずそうにしながらこちらを見てくるジード。
「父さん、宇宙警備隊に戻ってこないですか?」
「なに?」
「一度追放したから言えることじゃないけど、ウルトラの父が、また一緒に戦いたいって言っていて」
「ケンの頼みか、アイツに、俺様を宇宙警備隊に戻せるほどの権力を持っているのか?」
「それは知らないけど、反対意見も出てるよ。でも、僕は父さんはもう戦わなくていいかなって思ってて」
「どういうことだ?」
「父さんは、今までずっと憎しみのなかで戦ってきたから、もう疲れちゃったかなって思ってて」
戦いに疲れたか・・・。一度はそう思った。だが、今はいろいろと戦わなきゃいけねぇことがたくさんあるからな。特に、いま一番警戒してるのはあのモンスターゼロ。なぜだかわからねぇが、俺様はアイツのことを気に食わねぇ。結局のところ、戦わなくちゃいけねぇ空気がプンプン匂うからなぁ。
「俺様は宇宙警備隊には戻らねぇ、今はいろいろと忙しいんでな」
「そうか、父さんにもやりたいことが出来たんだね」
「やりたいことはねぇ、おもしれぇもんは見つかったなぁ」
「そうか、なら僕は帰ります。おじゃましました」
「またこの世界に来たらよってください」
「はい、ありがとうございました」
そう言ってジードは帰っていった。
「いい息子さんじゃない。なんであなたからあんないい子が出来るんだか」
「ソイツは俺様も不思議で仕方がねぇもんだ」
まぁ、俺様が育ててないってのが一番の理由か。アイツは人間に育てられたからなぁ。
「まぁいい、俺様は呼び出しがあったからなぁ、出掛けるぜ」
「わかったわ、いってらっしゃい」
俺様は出ると、紫の光を発しながらアメリカへと向かった。どうやらモナークがいろいろ俺様に聞きたいらしい。
詩乃サイド
にしても、リクさんは本当にいい人ね。そういえば、もし、私とベリアルが結婚したらリクさんは私の義理の息子ってことになるのよね?
って、なに私は考えてるんだか。
「疲れてるのね、さっさと寝よ」
私はお風呂に入ったあと、すぐにベッドに横になった。その後、すぐに夢の中に入った。
そういえば、この世界の陛下って沢城さんボイスでおかえりなさいやらいってらっしゃいやら聞けるのか・・・。
うらやましい!!
ゴジラと戦わせる?それとも共闘?
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戦わせる
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共闘
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陛下の意のままに