疑心暗鬼な親友と、たぶん呉牛喘月な私 作:美羽様可愛いヤッター!
私達が孫夏と戦っている間に黄巾の首魁である張3兄弟は曹操さんに討ち取られたらしい。どうも七乃は腑に落ちない顔をしていたけれど、やっと帰れる事に喜んでいるようだった。
「世話んなったわ」
「楽しかったの~」
現地解散らしいので真桜と沙和ちゃんとも此処でお別れだ。後々、真桜には私用の弓を作ってもらう約束をしたので、帰ったら何か良い感じの素材を探そうと思う。
「片付けが終わり次第、美羽様の元へ帰りましょうか」
「あいさー。ついでに孫堅殿と弩も回収しないとな」
攻城用に作った弩は1台を真桜が持ち帰り、残りの2台は私達が持ち帰って改良だの何だのして互いに情報共有をしたいらしい。
陣幕やら弩やらを畳んでいく兵を見ながら、目的である孫堅殿を探す。まだ朱儁の所にいるなら良いけど勝手にアッチコッチ出歩かれてると、いざ帰る時に余計な時間を食うので場所だけは把握しておきたい。
「よぉ、陳紀。どうしたコソコソキョロキョロして」
フラフラ探していたらお目当ての孫堅殿がいた。その手には杯と酒瓶を持ち、顔は赤くなっていたけれど。
「帰るので用意をー、と思ったんですけど。結構呑んでますよね?馬乗れます?」
「は、バカ言え。こんなのオレにとっちゃ水みてぇなモンだ。まだまだ酔いやしねぇよ」
そう言いながら杯を傾け、注いであった酒をグッと一息で飲み干した。そして空いた杯に注いで~って、
「いや、帰るって言ってるじゃないですか!早く準備してくださいよ!」
「ギャーギャー喧しいなぁ!分かった分かった。準備するから少し待ってろ」
面倒くせぇと言いながら孫堅殿は恐らく自軍の方へと歩いていった。酔って無いって自分で言ってたんだし、ちゃんと帰れるんだろう。
☆
「祭~、水~」
やっぱり酔ってるじゃないか(呆れ)
あんだけ豪語していた孫堅殿は今、馬にもたれ掛かりながら隣の黄蓋さんから竹筒を受け取って水を飲んでいる。赤かった顔が真っ青になって水を飲んでは鮮やかな色の物を口から吐き出している。
「ヴォエ…」
「酔って無いって言ってたじゃないですか」
「…酔ってねぇって」
「何だお前根性なしだなぁ」
若干1名のせいで当初の予定より早めの休息を入れる。顔色が少し良くなった様な気がする孫堅殿は軽口くらいなら叩ける程度には復活した。
「あー、さっぱりした」
色々吐き出したからか、死んだ魚みたいな目には生気が宿り直した。まだ頭が痛いのか米神を押さえて眉をしかめているけれど、行動するのには問題無さそうだ。
「よっしゃ、さっさと行こうぜ。雪蓮達の顔も早く見てぇしな」
ヒラリと馬に跨がるとサッサと先頭へと馬を走らせていく。元気になったら元気になったでホントに騒がしい人だなぁ。
あ、七乃がキレて追い掛けてる。
☆
無駄に長い道程を乗り越えて、ホントに数か月ぶりの南陽の街が見えてきた。
「やっと見えてきました…」
「早く帰って寝たい…」
なれぬ遠征と野営で疲労が溜まっている私と七乃は幽鬼のようにフラフラになりながらもギリギリ落馬せず耐えきれていた。
「…おい、ありゃどういうこった?」
何かを見た孫堅殿が指差す方を見ると、南陽の城に黄色地に『袁』の旗と赤地に『孫』の旗がはためいていた。
心なしか城壁に傷があったり周りの地面に陥没した跡や槍や矢が散乱している。
「これは…」
より近付いて見れば完全武装をした赤鎧の兵士と黄色鎧の兵士が協力して城壁の修復や見張りを行っている。
「あ!張勲様達のお帰りだ!紀霊様と孫策様に伝えろ!」
見張りをしていた兵が私達に気付いたらしく、城内に向かって叫ぶ。それにしても紀霊様と孫策様、か。
こっちは遠征通したのにギスギス感が残ってるというのに、アッチは兵士同士も打ち解けてるみたいだなぁ。
「…雪蓮か?いや、冥琳の発案か?」
珍しく考え込んでいる孫堅殿をチラチラ観察しながらギャーギャー何か騒がしい出迎えを待つ。
漸く開いたと思えば何やら奇妙な組み合わせ。
「長旅お疲れーす。戦果はどうでした?」
「ええい、雪蓮離すのじゃ!」
「ちょっと美羽、暴れないでよ!」
槍を担いで手をヒラヒラさせながら近付いてくる紀霊、その後ろを袁術様と、その袁術様を抱き抱えている孫策が出て来た。
「え、どういう状況?」
思わず言ってしまった私は悪くない。
☆
「つー訳で、黄巾との攻防戦があって以来の仲なんすよ。雪蓮さん、あー、孫策さんは美羽様にベタ惚れっすけど」
謁見前に着替えとか風呂とかを済ませることになったので、その間に紀霊に疑問をぶつけると遠征中にあった戦闘の事を言われた。
「えぇ…?そんな事ある?んじゃ、その妹の孫権さんは?」
「蓮華さん?あの人とは友情?みたいなヤツっすね。上で守る時は蓮華さんを指揮者に、外出て戦う時は私を指揮者にしてたんで、指揮者同士なんか仲良くなりました」
その間、孫策さんは袁術様の護衛をしていたらしい。というか惚れた以来、何かと袁術様を抱き抱えたり頭を撫でたりして周瑜に怒られているんだとか。
そんな周瑜もキリッとしている癖して、袁術様と戯れる孫策を見ているときは家族を見るような穏やかな顔をしているんだとか。
「んで末妹のシャオちゃんは大体、美羽様の遊び相手になってもらってます。あと余裕ありそうなときは要望があったんで、戦闘に参加してもらったりしてましたわ」
そんな感じの事があったんすよー、と話す紀霊。要は袁術様の魅了(無意識)と紀霊の交流ってスゲェと言う訳だな。うん。
…え、どういう事?(自問自答)
「て事で、七乃様が不安視していた城空けてる間の守りは完璧だったわけっすね。あとついでに孫家の人も取り込んだんで、戦力的な問題も解決すよ」
ナッハッハ!と笑う紀霊だけど、孫家を取り込んだってのは本当なんだろうか?なんか和気藹々としてたら後ろから刺されそうな気がするんだが。
「あ、信じてませんね?親の孫堅さんは分からないですけど娘の孫権さんと孫策さんは本当に信じて大丈夫ですよ。城を奪おうと画策してるようなら私達と冥琳で説得するって意気込んでましたから」
そこが今一信用できないんだよなぁ。紀霊は孫策さん達の事を信用してるみたいだけど、あの孫堅殿の娘だぞ?そんな簡単に取り込めるとは思えないんだよなぁ。
「ま、そこは見てのお楽しみってことで。期待しててくださいよ?」
☆
「面を挙げてくださーい」
風呂だの休憩が終わり、いつも通りの緊張感が無い七乃の声を皮切りに会議が始まった。いつもと違うのは孫堅殿とその娘さん、配下の人達がいることだろうか?
「なんかこんなに人いるの久し振りだね」
「まぁ、殆どのが街の飾りになりましたからね。次は我が身っすよ」
ボソボソと紀霊と話をしていると本題である孫堅殿が袁術様の前に歩み出て膝まづき拱手をする。獣のような獰猛さ?が無くなったからか凄い落ち着いて見えるし、娘を思う母親って感じの雰囲気を醸し出していた。
「家族で、軍として話し合い決定いたしました。袁公路殿、我ら孫家を食客ではなく貴殿の軍の末席へと置いていただきたい!」
孫堅殿が頭を下げるのと合わせて、孫家家臣の人達も美羽様へ頭を下げる。七乃は少し目を見開いているし、美羽様は突然の事に慌てている。
「あ、頭を挙げよ!…との事じゃがお主らはどうじゃ?戦力の件もそうじゃが、妾は雪蓮やシャオ、冥琳のように善き友になれると思うぞよ。紀霊、お主はどうじゃ?」
ん?そこは七乃じゃなくて紀霊に聞くの?…あ、ふーん(察し)
これは確定演出ってヤツだな。間違いない。七乃も苦虫を噛んで味わってそうなほど渋い顔してるし。
「あーしは…。ごほん、私は蓮華さんもですけど思春とか明命と仲良くなれましたし大歓迎っすね。陳紀さんも七乃様も交流しないでイヤだってのはどうかと思いますし、1度話してみれば仲良くなれると思いますよ?」
「陳紀はどうじゃ?」
うわ、私に来ちゃうか…。えっと何て答えよう。
…あっそうだ(天啓)
「私はマトモに会話したのが孫堅殿しかいませんから何とも言えないですね。言えるとしたら主である袁術様の意見に付き従うって事でしょうか」
必殺の『どっちでも良いよ、指示に従うから』戦法だ!効果は答え辛い質問を受け流す。代償として周りから白い目で見られるし、七乃からスゲェ目で見られる。
…代償デカくねぇ?
問題である七乃へと袁術様が顔を向けるも、少し顔が強張っている感じがする。あれは聞き辛いと言うよりか顔を合わせるのが気まづいって感じだな。まだ仲直りしてねぇのかよ。
「…七乃はどうじゃ?」
「…そうですねぇ。戦力としては期待していますよ」
うわぁ、はの部分だけスゲェ強調した。
「…私は信用していませんよ。一緒に行動していたから感じましたけど、あの人は誰かの下に付くような人じゃありません。虎を御せないのと同じように組み込んだが最後、喉に噛み付かれます」
孫策達を信用している美羽様の前だから少し躊躇いがあったようだけど、七乃の答えは断固拒否だった。確かに戦場で見た孫堅殿を考えればそうなるだろう。目のギラつきが無いのは虎視眈々と首を狙っている虎にしか思えない。
「えー、そうかなぁ。じゃさ七乃様、こういうのはどうすかね?」
紀霊が挙手をしながら七乃の否定論へと割り込む。…スゲェよ、紀霊は。
「陳紀さんの副将に蓮華さん、あーしの副将に雪蓮さんを置くってのはどうっすか?そうすれば孫家の戦力分散になるし、あーしらの戦力増強になる。どうよ?」
あー、結構前に七乃が言っていたっけ。人質として~ってヤツな。
「ちなみにだけど、蓮華さんには思春って隠密が、雪蓮さんには冥琳が専属で付いて来るんで戦略性挙がりますよ?」
おー、いつも言われっぱなしの紀霊が七乃を押してる。
「それが牙を向く可能性があるから信用できないと言ってるんですよ。それとも紀霊さんは絶対に裏切らないと言うことに命でも張れるんですか?」
「張れますよ。友達を信じるのは当たり前でしょう?」
即答だった。ムキになっているという事でもなく本気で信じているんだ紀霊は。
「七乃様だって陳紀さんの事、最後は信じてるでしょう?それと同じですよ」
「…美羽様。私は彼女達をまだ信用できませんが、美羽様を信じています」
紀霊の言葉に考えた七乃は美羽様へそれだけ言うと口を閉じて何か考える様に俯いた。
「うむ。初対面の者も多いゆえ全部受け入れろとは言わぬ。じゃがこの出会いが良き事であるのは確信しておるのじゃ!…と言うわけでのう、乱の鎮圧も含めて祝勝会じゃ!」
おー、なんか良い感じに纏めたところがスゴく君主ッポイ。蜂蜜水飲んでグータラしていなければ袁術様も立派なんだよなぁ。
「…祝勝会ですか。陳紀さん、紀霊さんお願いしますね?」
…これも暗殺対策の1つだから仕方ない、か。
美羽様をこんな感じに召喚したい
美羽様
筋力:E- 耐久:E-
敏捷:E- 魔力:E-
宝具:EX
蜂蜜姫のカリスマ(A)
味方全体の攻撃力を上昇(3T)、敵全体に蜂蜜効果(攻撃力ダウン、防御力ダウン、ターン開始時確率で魅了効果)(消去不可)を付与
軍略(張勲)B+
味方全体の宝具威力アップ(1回)、宝具威力アップ(3T)、敵全体にスタンを付与
勇猛(孫策)B+
自身にARTS、BUSTER、Quickアップを付与(3T)、指定した味方の攻撃力アップ(3T)
宝具:天上に奏でし讃歌(美羽様・オン・ステージ)
黄金の蜂蜜水(蜂蜜効果の魅了を確定にする状態)を自身に付与(消去不可5T)、味方全体にターン開始時に攻撃力アップ、防御力アップ、HP回復(1500)、NPチャージ(10%)、蜂蜜(状態異常を1つ回復する)を付与