疑心暗鬼な親友と、たぶん呉牛喘月な私 作:美羽様可愛いヤッター!
鱗×3、胸殻×3、角×2、大宝玉×1、眼×2で作れるそうです。
「炎蓮殿、珍品堂に行きませんか?」
祝勝会の翌日、皆さん2日酔いらしいので今日は休みになりました。あと、孫家の皆さんに真名教えて貰いましたので警戒はすれど、七乃みたいに何でも噛み付く必要が無くなったのは良き事。
「珍品堂?んだそれ」
「名の通り、珍品ばかり仕入れてる変な店ですよ。蓮華さんも行きますか?何か目ぼしいものあるかもしれませんし」
「私も良いの?」
昨日、お2人は私作の辣子鶏で火を吹いたからか酔いが残っていないようです。食べていなかった雪蓮さんは見事に2日酔いなんですがね。
「まぁ、1人増えたところで客少ないですし問題ないですよ。この後、紀霊も呼びに行くつもりでしたし」
「なら同行させて貰おうかしら」
珍しい物と聞いて若干ルンルンしてる蓮華さんに七乃の執務室前集合と伝えると、小さな鞄だったりを持ってくると小走りで部屋へと戻っていきました。
「炎蓮さんは何も持ってこなくて良いんですか?」
「まぁ、何かあったら後で買いに行けば良いだろ?」
それもそうか。紀霊の部屋の前に来たのでドンドン扉を叩く。
『ちょっ!?化粧してるんで待ってくださいよ!』
「いや知らんし」
何か中から聞こえた気がしたけれど構わず開く。姿見の前では見慣れた姿の紀霊が立っていたけれど、これで途中なの?
「いつも通りじゃん」
「違いますぅ。髪結ってないですぅ」
「うっざ」
妙に間延びした喋り方はクソ腹立つなオイ。チャチャッと髪を纏めて結った紀霊は、もう一度姿見の前でクルクル回ったりして確認をしている。
「キラーン☆いや、ちぇるーん♪…今日の私もキレイかつカワイイ!準備完了、行きましょう!」
「…あー、まぁなんだ?よろしくな紀霊」
紀霊の勢いに炎蓮さんは結構引いている。武官になったのならこの勢いに馴染まないと訓練も戦も一緒なんだからキツくなるぞ?
「んで、目的の品ってあるんすか?」
「特に無いかなぁ。あればだけど珍しくて弓とかの素材になりそうなのあったら嬉しいけどね」
「あ?新調すんのか?」
こうやって歩いていると嫌でも2人と自分の身長差が分かってしまう。紀霊と炎蓮さんが同じくらいだから約6尺、蓮華さんは七乃と同じくらいだったから約5尺3寸、雪蓮さんがその間くらい、シャオちゃんは美羽様と同じくらい。その他孫家の人は蓮華さん以上、炎蓮さん未満って感じでしたね。
「え、私って小さくないですか?」
「…あ?小せぇよ?」
「ちょっ!?炎蓮さん!」
…やはり、やはり私は小さいのか。クソォ、立派な山脈まで持ちやがって私に対する嫌がらせか何かか?
「ふーんだ!紀霊と炎蓮の木偶の坊!胸と背デカくする前に頭を鍛えろ猪武者!」
☆
「ずびばぜんでじだ」
あの後、スゲェ形相でスゲェ速度の炎蓮さんに顔を掴まれ壁に埋められました。叩き付けられた後頭部が1番痛いのに掴まれていた前面が陥没したように変形して前が見えねぇ…。
「ひー、ひー、陳紀さんその顔でこっち見ないで…。あっひゃひゃひゃ!」
限られた視界で確認すれば同僚は私の顔を見て笑い転げている。一瞬、チラッと見えた限りだと炎蓮さんはスゲェ形相から不機嫌の形相に格落ちしているので許して貰えたと思って良さそうだ。
「…ふん!」
ギュポンと謎の異音が鳴ると、潰れて見えなかった視界が一気に開け、顔の陥没が嘘みたいに無くなっていた。…私の顔は包子生地か何かだった?
「…何かスゴい音したのだけど」
曲がり角からチラッと顔を覗かせた蓮華さんが私の埋まっていた壁と、笑い転げる紀霊、未だに若干怒っていそうな炎蓮さんを見て、心配そうな顔から呆れ顔へと変化した。
「母様、暴れるのは良くないと言ったじゃないですか。我らは仲間なのですよ?」
「ハッ!それはコイツに言うんだな。突然黙りこくったと思えば木偶の坊だの猪武者だの言いやがって」
私の頭をバシバシ叩く炎蓮さん。やめろや余計に背縮むだろうが。
「ひー、ひー、蓮華さんも来ましたし行きましょ」
目の端に涙を浮かべた紀霊が笑いを堪えながら出立を促す。笑ってるのは腹立つけど、時間は有限だしサッサと出発しよう。
☆
南陽の賑やかな市場を通り抜け、人通りの少ない路地を抜け、人や猫などの気配すらしない薄暗い路地にその店はある。
扱う品は全て市場では出回っていない謎の品。入手経路も何もかもが謎に包まれ、決して詮索をしてはいけない。
「ようは違法店じゃない!」
案内と説明をしながら歩いていると蓮華さんが怒鳴った。さっきの説明とかを振り替えると確かに違法店だわ。取り締まるべきか?
…あれ?ホントに違法店なのかな?違法店じゃないかもしれないな。取り締まるのやめとくわ。(シャム構文)
「分かってないっすね~蓮華さんは。良いっすか?バレなきゃ違法店じゃないんですよ!」
ビシッと人差し指を突きつける紀霊。勢いと妙にカッコ良い顔で言っているけれど、結局それは違法だよ。店の前でギャーギャー騒いでいれば店主にも聞こえているわけで、カラカラッと戸が開いて中から顔馴染みの爺さんが出てきた。
「お客さん、店の前で騒がれんのは困るんだけどねぇ」
「あ、貴方がここの店主ね!これは違法よ!違法!後でンー!ンー!」
いきなり爺さんに詰め寄る蓮華さんを私が後ろから羽交い締めにし、紀霊が口を手で塞ぐ。全く、今からここで物を探そうと言うのにこの堅物は…。
「…南陽周辺の珍しい物はここにしかないすっよ。しかも取り潰されたら何処の好事家に買われるか分からないんすから」
「ンー!ンー!」
隅っこまで引っ張っていき蓮華さんを説得する紀霊。スゴい不満そうな顔だけど、拝み倒す紀霊の熱意と、そこまでする物を置いている店への好奇心が勝ったようだ。
「お客さん、騒がしい人連れてこられるのあんまし…」
「分かってますよ。ひとまず大人しくなったみたいですし今回は多めに見てください」
「まぁ、常連だから今回は良いですけど…」
危ねぇ。蓮華さんで出禁になんてなったら笑えねぇぞ。掘り出し物が多いから重宝してるし、それこそ出禁にでもなったら摘発するのも難しくなっちまう。
☆
「これ銅鏡かしら?なんか妙に圧を感じるのだけど…」
「そいつは玉藻鎮石って名前でっせ。ちぃっと前に手に入れたモンでさ」
「鏡なのに石なの?」
「らしいでっせ」
堅物が1番楽しんでいる件。手に取ってはコレは何?アレは何?と爺さんに訊ねまくっている。爺さんも綺麗な少女がキラキラした目で聞いてくるのに、悪い気はしていない様で機嫌良く質問に答えている。
「星熊盃?爺さん、コイツはどういうモンなんだ?」
炎蓮さんが手に取ったのは1尺はある丁寧な朱塗りがされた美しい杯。値段を見れば普通の杯よりも少し高い気がするけれど、大きい分の値段と考えればこのくらいなのかな?
「そいつは注いだ酒を旨くするんだそうで。あっしは酒の味が良く分かんねぇんですがね。お姉さん試してみますかい?」
「…ほう、ソイツは面白え杯だな。試飲はいらねぇ、見た目も気に入ったしコイツは買っていくぜ」
「まいど」
炎蓮さんも何か良いものを見つけたようだ。そして私と紀霊は───
「コレとかどう?」
「なんか故郷の街で似たような物を真桜が扱ってたの見ましたよ」
真桜が見たこと無いような珍しい素材探しをしていた。ガサガサと色々詰め込まれてる棚とか箱とかの中から素材になりそうな物を探しているけれど、どれもこれもパッとしない。
「爺さん、何か珍しい物で弓とかに使えそうなもの無い?」
「…また変な注文で。あー、使えるかは知りやせんけど珍しいモンならありますよ。すぐ持ってきますわ」
店の奥へと入っていった爺さんは暫くすると大きな籠に鱗とか色々詰めて戻ってきた。
「コレです。嘘かホントかは知りやしませんが龍から取れた物だそうで」
「龍?あの伝説の生き物?」
「へぇ、その龍でさ。しかもこの龍は飛びっきりの悪いヤツだそうで国を滅ぼしたとか」
「うわぁ、そこまで行くと嘘臭いっすねぇ。これは角?牙すかね?コレ」
紀霊が籠から取り出したのは恐らく角と思われる黒く鋭い物。私も鱗を手に取り見てみるが、こんなに大きな鱗を持つ生物が存在するのだろうか?炎蓮さんが持っていた杯並みに大きく、短剣では傷が付かないほど硬い。
「んで、コイツが話だと眼だそうでさ。確か邪眼?魔眼?そんな風に呼ばれてるそうでっせ」
箱に納められていたのは宝石にしか見えない石のような物。宝石とか興味ない私が見ても吸い込まれてしまいそうな感覚に陥る。紀霊は眼が離せなくなっていてずっと凝視している。
「…これは想像以上の物ですね。買いです。2度とお目にかかれないでしょうから言い値で買い取りますよ」
「ヘッヘッヘ、毎度あり!」
籠ごと素材を買い取り店を出る。正直、ここまで予想外の物が買えるとは思っていなかった。こんな変わったスゴい物なら真桜もヤル気が湧くだろう。
「良いもの買えたじゃないすか!それなら真桜だって気合い入りますよ間違いなく」
「そりゃ気合い入れて貰わないと困るんだけどね。ただ、かなり硬いけど加工できるのかな?」
「そこは真桜ですし何とかするっしょ。アイツ、こういうのは何がなんでもやりますから期待して待っとけば良いんすよ」
RISEやるためだけにSwitchを買う?
RISE終わったら埋もれるの確定だしなぁ~。
まずはmhw:iの勲章埋めでもするか