疑心暗鬼な親友と、たぶん呉牛喘月な私 作:美羽様可愛いヤッター!
文章とか変なとことかポコポコあると思いますが、コレからもよろしくお願いします。
「さて、それじゃ開戦といきましょうか。目標は首を1つですね~」
「1つぅ?そんなんじゃ足りねぇだろ、2つだな」
「ただの目標ですからね~。挙げれるなら幾らでも良いですよ?」
「そうこなくっちゃな。出るぞ祭、粋怜!オレに付いてこい!」
「な!?大殿、お待ちくだされ!急ぐぞ粋怜!」
「あぁ、もう!」
うわぁ…。自分が先頭で切り込むどころか単騎駆けしてるし。それに振り回されている黄蓋さんと程普さんも大変だろうに…。
「え、馬から降りたんですけど何考えてるんですか?…人ってあんなに吹き飛ぶものなんですかね?」
孫堅の戦い方を見てる七乃は普通じゃないソレに頭が付いていけてない様だ。確かに突然馬から降りて馬より早く走るわ、轟音と共に敵兵が空へ巻き上げられるわで戦場と言うより大嵐の中って感じだ。一緒に来てた黄蓋さんや程普さんも猛将ってのは分かるけど、孫堅のソレは頭1つ抜けている。
後ろで良かった。アレと前に出てたら私は今頃、宙を舞ってたに違いない。
「…アレが江東の虎ね」
恐らく暇なのだろう曹操殿が夏候惇さんと夏候淵さんを連れてやってきた。その後ろでは前も見た白くキラキラ光る不思議な服を着た男性と部下だろう3人の女性が周囲の警戒をしている。
「ほう、見たときから思っていたが凄まじいな」
「姉者、一緒にいた2人もかなりの手練れのようだぞ」
ここからでも感じる気配に夏候惇さんは楽しげに、夏候淵さんは黄蓋さんと程普さんの強さに興味を持ったようだ。
「すげぇ、あれが孫堅か…」
「どないしたん隊長、怖じ気ついたん?」
「ビビってるのー」
「こら!2人とも!」
後ろで見てる4人組も前方で起きている大嵐に魅入っているらしい。それにしても近くで見れば見るほど不思議な服だ。ああいうのは紀霊が詳しそうだし、帰ったら聞いてみよう。
「あら、虎から逃げたのがこっちに来るわね。春蘭、秋蘭、一刀達も準備良いわね?」
「陳紀さん、用意できてますか~?」
何となく過剰戦力な気もするけれど、少ないよりは良いか。ここで馴れてしまえば訓練の成果も発揮できるハズだし。
「勿論です!華琳様!」
「姉者…」
「よし、3人とも行くぞ!」
「「おー!」」「了解!」
超絶ヤル気満々な夏候惇さんに呆れる夏候淵さん、何か気の抜ける4人組。傍目から見たらダメみたいですね…。って感じなのに非常に心強い。
「私も行きますよー!」
―――
「はぁぁぁぁ!猛虎、蹴撃!」
「やるな凪!私も負けていられん!」
凪の気弾が爆発し、地面に叩き付けられた春蘭の大剣が爆風を生み出す。さっき遠くから見てた孫堅ほどじゃないし何回か見てるとは言え、近くでやられると身の危険を感じてしまう。
「春蘭様も凪ちゃんも張り切ってるのー」
「いつもの3割増しってところやな」
呑気な事を言いながらドリルみたいな槍を振り回す真桜と双剣を巧みに操りながら敵を倒す沙和。普段の姿からは想像できないほど彼女達は強い。
「北郷、余所見は危険だぞ」
姉である春蘭の援護をしていた秋蘭が、俺の近くに来ていた敵兵を撃ち抜いた。彼女達の戦闘を見ていて気付かなかったらしい。
「すまん、助かった」
「姉者達を見ているのは良いが、自身の周囲にも気を配っておけ」
「あぁ、気を付ける。…さっきの陳紀さんだっけ?彼女は?」
「陳紀殿なら…あそこで戦ってるぞ」
秋蘭が指差したのは春蘭達がいる反対側。戦闘前に見ていた限りだと彼女は弓を持っていたハズなのに前に出ているのか!?場合によっては真桜と沙和に向かって貰う必要が…
「…ウソだろ」
秋蘭が指差した方向では手に持った矢で敵兵の喉を刺し、抜いた矢を放つ陳紀さんの姿があった。弓はその場に立って遠くの敵を射抜く武器、そんな風に捉えていたけど彼女の戦い方は俺のそんな考えを真正面から否定するものだった。
「…弓ってあんな戦い方も出来るんだな」
「私が姉者を援護する戦い方を選んだように、彼女は先頭で戦うやり方を選んだと言うことさ。遠当てなら私は負けないだろうが近い距離なら彼女の方が当てるのは上手いだろうな。それに恐らくだが…」
秋蘭が言葉を続けようとすると、陳紀さんは眼にも写らないスピードで弦を外すと弓を中央から2つに分割させた。…弓の中に剣を仕込んでるのか!
「ああいう手練れは大体、他の武具も使えるように練習しているものだ」
―――
「…スゴい強いな」
楽進ちゃんは気功を弾にして撃ち出して爆発させるし、夏候惇さんは剣の叩き付けでソレ以上の爆発を起こし、夏候淵さんは突っ込みがちな2人を守る精密な援護をしている。
「気功を撃ち出すのってかなり難しいハズなんだけど、ボカボカ撃ってるな…」
気を全身に纏わせて肉体を武器と鎧にする。それなら私だって出来るし、強度を考えなければ気功を使い始めた初心者だって出来る芸当だ。簡単に言ってしまえば思いっきり力めば鎧に出来るし、握りしめた拳は鎧を貫く矛に早変わりする。
そして気功の奥義とも言えるのが、彼女の使っている漲らせた気を体外に放出するというモノだ。玉状の気を掌に作るのだって数年かかる芸当と聞いていたんだけどなぁ…。
「…私だって特訓すれば出来る様になる、ハズ。たぶん、きっと」
見てる限りだと気功の強度や量は私の方が高いようだから、練習方法が間違っているのかな?練習の成果もあって手刀は鎧を裂くし、矢に纏わせて撃てば3人抜きくらい出来るから無駄ではないけど、飛び道具が増えるのは結構大きい。
「後で聞きましょう。そうしよう」
―――
「へぇ、陳紀だったかしら?彼女も相当出来るわね」
噂は聞いていたけれど、間違いではなかったようね。『技の陳紀と力の紀霊』どっかの2枚看板みたいな例えられ方だから信用してなかったけど、実際に見ると『技の陳紀』が嘘ではないのがよく分かるわ。
「弓が得意だけどソレ以外も扱える器用貧乏な人ですからねぇ」
「もう1人の『力の紀霊』はどうなのかしら?今回は来てないみたいだけど」
「その呼び名、紀霊さん嫌みたいなんですよねぇ~。実際、力押しがヒドイのは陳紀さんの方ですから「それ逆だし…」って落ち込んでましたよ」
どっちもどっちなんですけどねぇ~と笑う張勲は陳紀が誉められていることを喜んでいるように見える。ここに来てから主君の名代とその配下にしては仲が良いと言うか距離感が近い感じがしていたのだけれど、随分と仲が良いみたいね。
「えぇ、あんなに優秀なら是非とも我が軍に来て欲しいわ」
「…それは笑えませんねぇ」
楽しげな空気が一瞬でピシッと凍りついたのを感じた。笑顔のまま私を見ているけれど、眼には怒りと意図を図ろうとしているのが感じられた。
「何て眼をしてるのかしら。冗談よ、今はね」
「今は、ですか」
「えぇ。今は、よ。欲しいと思った物はどれだけ掛かっても絶対に手に入れるわ。例え何年掛かってもね」
「…」
「朝廷の力は地に落ちた、予言にある『天の御遣い』も現れた。この戦乱が乱世の幕開け、ここから大いに荒れるわよ。…もし、貴女達が今の朝廷の様に堕ちた時は覚悟なさい。貴女の大切なモノを全部奪いに行くから」
「…それは、随分と言ってくれますねぇ。でも気を付けてくださいね?いざ、攻めてきた時に味方を信用しすぎてると寝首掛かれちゃいますからねぇ~」
彼女達が私の前に平伏している姿を考えて笑みを浮かべてしまった。そんな私を見て張勲は一瞬、笑顔の仮面が外れた様子だけど面白い返しが返ってきた。
「ふふ。やっぱり貴女、面白いわ」
笑顔の華琳様かわいい。
覇王の笑みを浮かべる華琳様かっこいい
両方こなせる華琳様は万能ヒロイン。