鬼滅の刃~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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鬼滅12

 

 日本全国津々浦々、ひたすら鬼を狩りながら過ごしているが、柱になってもならなくてもあまり給金を使っていないことに思い至った。特に俺の場合見敵必殺かつ一太刀で終わらせてしまうので周りに出た被害に対する補償だのなんだのがほぼ無い。まあ一太刀で終わるものを相手に態々時間をかけてやる理由は無いからな。

 俺に許された特例は、まず鍛冶師の里へ自由に出入りできるもの、柱合会議への不参加の許可、猩々緋鉱石及び猩々緋砂鉄を研究に使う権限。大きくすればこんなものだ。後、基本的に柱である以上鬼殺隊の他の誰かから命令されることはなく、当主の言葉も基本的には聞かなくていいらしい。あと御館の屋敷に入り浸ることも許可された。

 

 ……凄まじい程の厚遇だと言える。一応俺も仕事はきっちりやるし、御館の屋敷に行く時には手土産をいくらか持っていくことも忘れない。まあ持って行くのが面倒だから基本的には情報か鬼を狩った報告かなんだけどな。

 それと、下弦と呼ばれる奴を狩った。かなりちょろかった、と言うかこれで本当に鬼側の戦力で上から十指に入る実力を持っているのかと不思議に思った。

 

 そんな全国行脚の中で、不思議な奴に出会った。

 とある山の中でのことだった。山の中にあった少し開けた広場で、男が一人舞っていた。その動きは鋭く、呼吸音からして何らかの呼吸であることは間違いなく、しかし今まで一度も聞いたことのないかなり特殊な呼吸であることが分かった。

 それ以上に、その男の舞は恐らく十二ある型をひたすらに連結させて一切途切れさせないようにしているようで、だからこそそれは舞のように続けることができているのだろう。じっと眺めて真似ようとするが、動きだけならともかく呼吸の方を取り込もうとすると俺の呼吸の根幹が揺らぎそうになるので……恐らくあれこそがもっとも純粋な全集中の呼吸なんだろうと認識した。

 俺の使う『星の呼吸』は、全集中の呼吸であると同時に全く別の呼吸の効果も同時に存在している。全集中の呼吸ではありえない回復効果などもある。

 しかし、今俺の目の前で見せられているその呼吸は混じりけなしの全集中の呼吸。今ある五つの基本の呼吸に比べて明らかに全集中の呼吸としての純度が高い。この呼吸を使うには間違いなく相当の努力と才能が必要となるだろう。あれほどの純度の呼吸であれば、要求されるものも相当に大きなものとなるだろう。

 

 ……鬼殺隊でなくとも、ここまで呼吸の技を受け継いできた存在がいるのだと思うと胸が熱くなった。とりあえず一度この場所を覚えて、また後日来ることにした。今は仕事中だからな。

 

 ~一夏干渉中~   ~情報開示・波紋呼吸法~

 

 しかしあの純度の呼吸の技を見逃すのは惜しい。だがあの純度の呼吸の技を使うとなると俺の呼吸を一から見直す必要が出てくることだろう。少なくとも、今までのように後付けはできないはずだ。

 だが、恐らくそれをする価値はある。俺の呼吸は俺が生まれつきやっていたもので、そして本格的に覚えたのが水から始まったもの。波紋の呼吸と水の全集中の呼吸から派生させたからこそ様々な呼吸を取り込むことができていたが、それでも全集中の呼吸の基本は水だ。炎とはやや相性が悪いし、水以外から派生する派生呼吸はあまり得意ではない。

 しかしこの呼吸ならば、水の呼吸とあまり相性の良くない呼吸でも全てを内包することができるだろう。そもそもの型が他の型と繋げる機能が付いているのだから、今の呼吸に応用も効く。ならばやらない理由はない。

 

 俺はひたすらに舞い続ける男の動きを、呼吸をじっと見つめて取り込んでいく。水の呼吸に慣れている身体は突然今までとは全く別の呼吸法で動かされることに驚いたように心臓を跳ねさせるが、それも数分で慣れていく。型の動きは恐らく男が舞っている物で全てだろうが、これまで慣れていた動きと違いすぎて身体の扱いが難しい。いきなり出せる力がかなり増えたような気分だ。

 

 呼吸を今の身体に馴染ませるようにしっかりと全集中を常中させる。ゴオォォォ、という炎が燃え盛るような荒々しい呼吸音は、水の呼吸の山間を吹き抜ける風のような呼吸音とはまるで違う。しかしこの呼吸に少しずつ今まで覚えてきた呼吸を合わせていくと、少しずつ音が収まっていく。最後にはほんの僅かに掠れるような、ゥゥゥゥゥ……と言う音に収まった。それに、今まで少し混ぜにくかったいくつかの技をより高威力に混ぜ合わせることができるようになった。

 ただ、前に使っていた水の呼吸を基礎としている物より少し難しい気もする。これをずっと続けるとなるとそりゃあ継げる奴の数も少なくなってくるわな。

 

 それから仕事に関してだが、身体能力が上がったせいか更に早く終わらせることができるようになった。ついでに斬撃が鋭すぎるのが原因なのか刀を振ると斬撃が飛ぶようにもなった。飛ぶ斬撃なんてものを見せてしまったら血鬼術を疑われてしまうので人前じゃあ使えんな。残念ながら。

 

次回作

  • 魔王城でおやすみ
  • 鋼の錬金術師
  • なんか適当に止まってるの
  • なんか適当にハマってるの
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