鬼滅の刃~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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鬼滅20

 

 空気を伝う波紋で全自動で鬼を滅殺する計画だが、残念ながらあまり進んでいない。

 それというのも波紋の性質的に身体の先端から集中して出す波紋の方が強くなるのだが、この場合全身から同時に出さなければならない。いやまあ髪の毛の先端から出してもいいんだが、一回やってみたら髪が白熱電球のフィラメントかってくらいに光り出した。なおその光に触れた鬼が死んだという報告があった。

 ある意味これで成功といえば成功なんだが、できることなら光を出さずに鬼を殺したい。俺の顔が逆光で見えにくくなったりするのは便利だから別にいいし、暗い所でも周りが見えるのは良いんだが、これでは闇に紛れて高速で移動しながら鬼をぶち殺す計画が頓挫してしまう。いやまあ外に出れないから関係ない気もするが。

 

 といってもどうせしばらく外に出られないこともあって時間はたっぷりある。波紋を散らしすぎたせいか周囲の植物の生態が凄まじいことになっているが、そのあたりもまあ仕方のないことだ。なんと言うか樹であるにもかかわらず猩々緋鉱石と同じような感じになっているのは本当になんでなんだろうな?

 

「星柱様の波紋の力が強すぎて残留して染み付いたんだと思いますけど」

「あー、それにあれだ、常中していらっしゃるから連続で浴び続けた時間も関係あるんじゃないか?」

「おい見てくれ、一部が道を塞ごうとしていたから斬り倒そうとしたら金属製の斧が割れたぞ。あれ本当に樹か?」

「ここの藤で作った香に火を付けたらその煙で鬼が死んだって話もよく聞くし」

「あ、俺前にここの山に住んでる猪を追っかけたら鬼を跳ね飛ばして殺してるの見たわ。多分全身に太陽の力を纏ってるから殺せるんだろうな」

「ここの木の実を烏に食わせてやってたんだけど、その烏を殺して食った鬼が死んだの見たぞ」

「もしかしたらお館様の一族の皆様もここでお暮しになられたら長く生きられるんじゃないか?」

 

 ……短命の呪いとやらが血鬼術由来なら可能性は十分あるだろうな。一番安心できる方法は本人達が波紋の呼吸を覚えることだが、それができるほどの体力があるのかね? 全集中とは結構違うがそれでも大分辛いようだぞ? 俺はほぼ生まれた頃からやってたようだから辛いと感じたことは一度もないが。

 そのお陰で鬼に襲われたのに鬼が俺を食おうと触れた所で死んだんだが、あのころはまだ物理的に小さかったからそこまで強い波紋が練れなかったのが両親を守れなかった原因か。今でもあまり変わってない? うるせえ二歳と五歳は大違いだろうが。

 

 ……波紋。そう、波紋だ。波紋は波だ、振動だ。太陽光と同じ振動を呼吸によって生み出し、同時に肉体を活性化させるのが波紋だ。それは人間の肉体に限らず様々な動植物にも応用できる。できないのはこの世界では鬼くらいのもの。

 つまり太陽と同じ振動を呼吸で作れるのであれば、呼吸以外でも太陽と同じ振動を作れない理由は無い。例えば打撃、震脚、そういったものでもできなくはないはずだ。ただ、呼吸は肺というかなり複雑な形をした臓器が関わるものだからそう簡単にできるとは思わないが、上手いことやれば波紋の振動を大地に流してある一定の場所を踏むと鬼は死ぬ波紋結界みたいなものを作ることもできるんじゃなかろうか。できるかどうかはわからないし俺はやる気はないが。やるとしても複数人で休み無しになりそうだし、そこまで大人数に教えたいとも思わないしな。俺が教えた奴が他の奴に伝えるのは勝手だが。

 

 さあ今日もいい日だった。飯も食ったし運動もしたし、ついでに波紋の練習の結果とはいえ鬼も狩った。隠に居た鬼への復讐心が強すぎる奴らが俺の所に波紋を教えて欲しいと群がってきているが、それについては明日考えよう。多分やることになるだろうが正直面倒臭い。

 

次回作

  • 魔王城でおやすみ
  • 鋼の錬金術師
  • なんか適当に止まってるの
  • なんか適当にハマってるの
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