鬼滅の刃~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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鬼滅21

 

 波紋を鍛えることにしてから大体三年程度が過ぎただろうか。未だ目標には届かないが、様々な成果は上がってきた。

 御館の呪いに関しては、波紋によって浄化できなくはないが実行すると浄化された部分が脆くなるため程度によっては死ぬことが分かった。ただ、弱い波紋を常時流すことで呪いの進行を遅くすることができることと、本人が波紋を覚えれば呪いの進行がほぼなくなることが分かった。ただし、呪いの進行を止めた場合に後から波紋を使うのをやめた場合、呪いは進行速度を大いに増す。なんとも厄介な呪いだ。波紋の常中ができなければ止めるたびに呪いの進行が早くなる。困った困った。

 

 それはそうと、星の呼吸の技がおよそできた。

 壱ノ太刀、敵を距離もろとも一刀にて斬り捨てる技、天断(あまねだち)

 二ノ業、幻影の自分を出してそれと戦わせることで一方的に攻撃を行う技、侍り影星(はべりかげぼし)

 参ノ芸、空中だろうと水上だろうと地上のように歩み、踏みしめる技、空歩(くうほ)

 肆ノ道、空間を斬り裂き別の場所に繋ぐ技、星霊回廊(せいれいかいろう)

 伍ノ呪、鬼を探知する技、鬼気察知(ききさっち)。なお鬼以外も察知できる。

 陸ノ断、因果を逆転させ斬ったという事実を無理矢理押し付ける技、非時(ときじく)

 

 これらの技を普通に他の剣技に乗せて使うだけの呼吸だ。例えば天断を水面斬りに乗せて使うと、結構な距離が水平に両断される。空歩を使えば空中で霹靂一閃ができるし、射程は短いが非時を炎虎に乗せれば敵は炎の虎にいつの間にか食われているように見えるだろう。まあそんなことをするよりとりあえずぶった切った方がよっぽど早いんだが。

 そんな訳で型なんてものは無い、と言うこともあって通常なら○○の呼吸・〇の型、とか入るところには型ではなくて技に合わせたそれっぽい文言を入れてあるが、多分意識して使うような物じゃないからもう一回名前が出てくるかどうかは大分怪しい。多分出てこない。もしかしたら組み合わせとか順番とか間違えるかもしれない。もしかしたら増える可能性もあるし減る可能性もある。

 

 よしこの話はここまでにして、ちょっとした失敗について語ろうか。

 

 実は非時を作っている最中にふと斬り方を間違えて星霊回廊で繋げた空間を斬ってしまった結果、どうやら変な形で空間と時間を混ぜ合わせたものを斬ってしまったようで……少しこの時代からさよならすることになってしまった。ちょっと自分の因果を斬り捨てた結果時を移動できるようになったようだ。

 移動前の時間との繋がりを斬って移動先で新しく繋げるようだから俺の意思なく勝手に移動することは無いようだが、今はちょっと説明のために無理矢理この時代に縫い留めているからかなり気を使う。

 

「……なるほどね。だから私の代ではここまでなのか」

「そうらしい。過去に行くか未来に行くかくらいは決められるようだし、どれだけ離れても三十年程度だろうから言い伝えにでも残しておいてくれ」

「……過去に行って鬼舞辻を殺してくることはできたりしないかな?」

「できなくは無いだろうがその世界はこことは繋がりが無くなって立ち枯れるだろうから、そっちが残ろうがこっちが残ろうがこの世界は救われないと思うぞ」

「そういうものなのかい?」

「大きく流れを変えると反動が面倒なんだよ。川の流れの中でちょいと石ころを動かしても川の流れは変わらないが、灌漑なり堰なり作って流れを変えればそこから先はかなり変わってくるだろう? 変えた方がちゃんと使えればそっちに流れるし、変えたけど使えなければ元の方に水が流れる。どうなるかはまだわからんからそんな面倒なことはせんぞ俺は」

 

 ちなみにもし実行できて一番楽な方法があるとするならば、鬼の首魁が母親の胎の中にいる頃に母親に堕胎薬でも飲ませてやるのが一番手っ取り早かったりするんだが、それをやると多分この世界は全く別の世界に変質するだろう。呼吸の剣士と呼ばれる存在はいなくなり、代わりにどんなものが現れるかは全く分からない。もしかしたら新たに魔術なんてものが現れるかもしれないし、もしかしたら宇宙人が現れるかもしれない。未知ってのは楽しみだが面倒でもある。

 鬼の首魁が産まれたのはおよそ千年前、平安の時代と聞いている。そこで大きく時代の流れを変えたらまず間違いなく今は消えるな。現在改変と未来改変はともかく、過去改変は手間の割に効果がなぁ……現在改変でよくない? と思う。まあどれも手間がめっちゃかかることには違いないんだが。

 

「……そうだね、君の事はずっと残しておくことにするよ。名前がわからないから、柱としての役職の名前だけ残しておくことになるけれど」

「それを気にするんだったら七年も無名のままでいたりしねえんだから気にすんな」

 

 そう言い残して俺は自分をこの時代に留めるのを辞めた。恐らく場所は変わらないだろうが、また妙な失敗が起きないとも限らない。例えば……時代の移動だけではなく世界間移動をしてしまって分かたれた世界の一つに流れ着く可能性も無くは無い。俺がいない世界とか、もしくは俺が上弦の壱を殺す時に追いかけていって敵の本拠地と思われるあの場に侵入し中にいる相手を皆殺しにして全部解決した世界とか……いや、まったく同じ存在を世界は認めないだろうから、多分俺がいる世界には繋がらないだろう。となると俺が産まれる前か、消えた後、もしくはそもそも存在していない世界……か?

 

 まあ、いいや。今更考えた所でどうにもならん。

 

次回作

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  • 鋼の錬金術師
  • なんか適当に止まってるの
  • なんか適当にハマってるの
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