鬼滅の刃~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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鬼滅24 another3 柱より育手が天職な鱗滝さん

 

 柱。鬼殺隊において最強と言われる者達であり、柱と言う文字の画数から最大で九人が隊士の中から選ばれる。

 最低限の実力として、任務として五十体以上の鬼を狩るか十二鬼月と呼ばれる高い実力を持つ鬼を殺せる程度は必要である。それだけの実力を持つ者が、柱が九人より少なくなった時に選ばれるのだ。

 それだけの実力を持つ者であればほぼ間違いなく階級は甲であるため、基本的には甲より下の階級から選ばれることはない。また、柱が九人を割ったとしても十分な実力の無い者が新たに柱となることは無い。

 

 そんな中で鱗滝左近次は、十二鬼月を倒して水柱を拝命した。と言っても最近では十二鬼月もなぜか追加されることは無く、鬼自体もどんどんと減ってきているために新たに柱となる人員は減ってきているのだが。

 鱗滝の倒した下弦の壱は、そんな中で唯一残った十二鬼月であった。上弦の六体は星柱と呼ばれる現役最強の柱によって壊滅し、鬼舞辻無惨は星柱を恐れて必死に逃げ回っているとされている。結果として小康状態のような物が生まれ、鬼殺隊全体の実力が落ちてきているという心配もある。

 そういった話もある中で、残っていた十二鬼月を倒せるだけの実力のある鱗滝の柱入りはおおむね受け入れられていた。

 

 そして、柱だけに伝えられていることがあると言われ、一人御館様の待つ産屋敷邸に向かっていた。

 

 そこで聞いたこと。星柱と呼ばれる男の存在。星柱の生み出した波紋の呼吸と呼ばれる呼吸。上弦全てを殺害し、精神的に鬼舞辻を追い詰めすぎたせいで鬼全体の脅威度を下げた英雄ともいえる男の話。

 そしてその英雄ともいえる男は自身の技によってこの世界から消えたらしい。死んだわけではなく、消える前に伝言なども残しているため産屋敷一族は必要な時に星柱がこの世界に戻ってくることを確信しているらしい。

 その時がいつかはわからないが、恐らく三十年から四十年ほどだという。御館様の直感が大体そのくらいだろうと告げているそうだ。

 

 このことに関しては決して外に漏らしてはならない。それと言うのも、鬼舞辻無惨が恐らく再び精力的に動き出すのは星柱が死んだと思われる二十年以上の時間が過ぎてから。痣者と呼ばれる強力な物であると仮定すればそのくらいだろうと思われるそうだ。

 痣者とは何かという説明も受けたが、その点については問題ないらしい。なんでも痣者ではないが痣者と見紛うほどに強いだけ、らしい。

 

 到底信じられないことを聞いた。鬼でもないものが空間を越え、時間を越える。しかし御館様はそれが真実であると信じておられる。聞いただけでは到底信じられないそれを、先代である晃羅哉様より聞き、そして自身に備わった先見の明によって真実だと認識したらしい。

 なお、信じようとしなかった時に先見の明から凄まじい勢いで怒鳴りつけるように、あるいは洗脳されるように信じろ、信じずとも実行しろと圧を掛けられたらしい。先見の明が圧掛けてくるってどういうことだ……? と宇宙を背負いかけたりもしたがとりあえず受け入れることにした。

 御館様の言を信じるのであれば、その星柱が再び現れた時こそ鬼舞辻を討つ時なのだという。それまで鬼殺隊を存続させ、鬼への殺意を、憎悪を途切れさせず、人々を守り続けることが今の鬼殺隊の為すべきことなのだという。少なくともそれまでは恐らく鬼舞辻無惨は表に出てはこない。表に出てきたとしても人間としての姿を取っており、それと気付くことは非常に難しいだろうとも。

 

 鬼を姿と行動で察知するのはそう難しい事ではない。多くの鬼は異形の部分がどこかにあり、また行動も人間を喰らうという一般的な人間ではありえないことをしようとするからだ。

 しかし鬼舞辻無惨はそう言った異形の部分を隠し、人間の中に溶け込むことができる。それどころか恐らく空間を操る鬼と思われる存在によって作らせた異空間に引き籠ることで、定期的に人を攫う以外の干渉をせずに生き続けることもできるという。

 今は星柱の恐怖から逃げるために行動を控えているだけで、星柱が死んだと認識するだろう時期からは再び鬼舞辻は鬼を増やし始めることが予想される。だからこそ今のうちに隊士の実力の底上げと新しく隊士が入隊してくる際に活発になるであろう鬼を相手に殺されないように鍛え上げなければならないのだと。

 

 鱗滝にとってはようやくたどり着いた柱の地位。しかし地位や権力と言う物にそこまで興味のなかった鱗滝は、柱としての働きに一段落が付いたら即座に育手として後方に回った。残念ながら波紋の呼吸については覚えられなかったが、それでも知識だけは得ることができた。

 鱗滝は、当時の御館様からも次代のお館様からもそれなり以上に重用される立場となった。鬼に対する復讐心でなく、義侠心で刀を振るう鱗滝を見る際、その代の御館様は常に微笑みを絶やさなかったという。

 

次回作

  • 魔王城でおやすみ
  • 鋼の錬金術師
  • なんか適当に止まってるの
  • なんか適当にハマってるの
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