鬼滅の刃~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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鬼滅25 another4 死ぬ気の炎を灯せそうな真菰ちゃん

 

 鱗滝さんはすごい人だ。何人も弟子を取って、何人も送り出して、何人も最終選別を通過して立派な隊士となっている。中には柱になった人もいて、鱗滝さんの凄さがそれだけでもよくわかる。

 なにより、鱗滝さんが弟子にした人はほぼ全員が何らかの形で大成している。そう、殆どの人が……。

 

 私は同年代から見ても身体が小さい。代わりに動きは速いけれど、あまりに固い鬼の首を斬ることはできない。死ぬ気で鍛えて、水の呼吸の型を自分に合うようにして、それでもある程度固い鬼が相手になると水面斬りではなく滝壺でなければ首を斬ることができない。

 私の身体に水の呼吸が合っていないわけではない。それどころか他のどの呼吸よりも水の呼吸が合っていた。炎も、風も、岩も、雷も、それらの派生の呼吸も、鱗滝さんのおかげで見て回ることができたけれど、それでもすぐにわかる。水の呼吸に慣れているからというだけではなく、明らかにそれらの呼吸が私に合っていないということが。

 

 それでも諦めきれず、私は刀を振った。手の皮がむけて血だらけになっても、まめが潰れて痛み以外の感覚が無くなってしまっても、それでもがむしゃらにはならず、全力で。

 そうしているうちに体力は付いた。全集中の呼吸を常時続けることもできるようになった。けれど、それでも私の身体は固い鬼の首を斬れるほどの力を付けることは無かった。

 兄弟子や姉弟子たちに稽古をお願いしても、負ける時はいつも私の力が足りずに押し切られる形で終わる。もちろんたまに勝つこともあるんだけれど、その時は常に力勝負は避け続けている。

 

 鬼の数が最近は増えてきている。けれど力はそう強いものでもないようで、上弦と呼ばれる非常に強い鬼であっても柱が単独で十分倒せる程度のものになっている。

 少し前までは、上弦の鬼と言えば柱を簡単に殺し、百年以上も面々の変わらない鬼達だったらしいけれど、ある柱が上弦の鬼を纏めて殺害したため今のような状態になっているのだと鱗滝さんが教えてくれた。少し前と言っても数十年前らしいけれど。

 

 そして今、私は鱗滝さんの紹介で異様に深いのになぜか妙に明るい山の中にある屋敷に来ていた。

 鱗滝さん曰く星柱と呼ばれる人の邸宅で、波紋の呼吸という全集中の呼吸とは根本から違う呼吸を産み出した人の邸宅らしい。

 その場所は長く星柱さんが暮らしていた影響で土地そのものに波紋が染みつき、新しく波紋を覚えるにも波紋を鍛え上げるにも最適な場所になっているんだとか。

 

 思い切り息を吸ってみる。全集中の呼吸ではなく、ただただ思いっきり。すると空気が入ってくる時に私の肺が奇妙な形で震え、身体が暖かくなっていく。

 それを何度も繰り返す。目を閉じて、空気からくる肺の震えに身を任せる。

 全集中の呼吸で張るのには慣れていた肺が、ビリビリと震えて熱を産み出す。全集中の常中を覚えてから初めて全集中の呼吸を辞めたけれど、その代わりに十分なりそうな感覚。

 

「うわぁ……あの人何も知らないのに自己流でなんか使えてるんだけど」

「うっそだろうわマジだ。俺偶然でもできるようになるのに三か月かかったし、自分の意思でちゃんとできるようになるまでそこから半年以上必要だったんだけど」

「今までの最短記録って確か隊長の三日だったっけ?」

「隊長はここで三日過ごしてから何となくやったらできた、だからほぼ初回だな」

「相変わらず人間じゃねえ」

「星柱様は産まれた時からやってたらしいけどな」

「確実に人間じゃねえ」

 

 ……周りの声を聞く限り、これでできているらしい。でも、これだと周りの空気が震えているから使えるようなものだ。これを自分でできるようにならないと使えるとは言わないと思う。

 どのくらいから使えると言えるのかはわからないけれど、ここ以外の場所でもここでやるのと同じようにできるようになろう。自分でこの震えを作り出すのにどのくらい時間がかかるのかはわからないけれど、やらなければ私は置いて行かれるだけ。だったらもう死ぬ気でやるしかないよね。うん。

 

 色々聞いてみるけれど、やることについてはよくわからないまま。波紋の呼吸を作った星柱って人も、作って間が無かったせいでどうすれば鍛えられるのかはよくわかっていなかったらしい。ただ、大きく呼吸することと長く呼吸すること、そして早く呼吸することで波紋は鍛えられるということだけはわかっているらしい。

 ならやることは今までと変わらない。強くなるためにやるべきことを、死ぬ気でやるしかないよね。

 

次回作

  • 魔王城でおやすみ
  • 鋼の錬金術師
  • なんか適当に止まってるの
  • なんか適当にハマってるの
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