生まれた時から意識があった。生まれた時から知識があった。生まれた時から自分がその辺に居る人間よりもいくらか優れていることに気付いていた。だから俺は自分なりに考えながら自分のために生きていた。
父がいて、母がいて、あまり裕福ではないようだけれど一日二食食べることができる程度の生活を続けることができていた。
けれど、そんな当たり前の生活が無くなったのは、俺が二歳になった頃のこと。突然に押し入ってきた何かが俺の両親を殺して食おうとしたのがきっかけだった。
目の前で殺される両親を見て、俺は近くにあったぼろぼろの包丁でそれを切り刻んだ。刻んでも刻んでも身体を治すそれを、飽きることなく刻み続けた。
それが終わったのは、誰かが俺が刻み続けていたそれを一閃したからだった。妙に青黒いその刀で斬られると、それはぐずぐずと崩れて消えていった。
「……?」
その刀を持っていた誰かが俺に声をかけるが、今はそれよりもやりたいことがある。消えていったあれが食べ残した俺の両親だったものを、どこにでもいいから埋めてやらなければならない。できることなら墓に入れてやりたいところだけれど、この家にはそんな金は無いし親戚がどこにいるのかも知らない。だから自分で作ってやるしかない。
大きく息を吸って、大きく吐き出して、一息で土を抉り返す。付いて来ていたらしい誰かが驚いたような声を上げた気がするが、これが終わるまでは一旦無視して大きく穴を掘る。
両親だったものを纏めて入れて、埋め戻す。両手を合わせて少し前に聞きかじっただけの念仏を自分の覚えている範囲で唱えて、それから振り向く。
「お待たせしました」
「……ああ、いや、気にしなくていい。手伝うべきかと思ったのだが、思った以上に手際が良くて手伝うこともできなかったよ」
「誉め言葉として受け取っておきます。……子供らしからぬ口調は気持ち悪いですか?」
「!? ……いや、少し驚きはしたけど、まあ、いいんじゃないか?」
「あなたの懐深い感性に感謝しましょう。それで、何か用があるからこうしてわざわざ付いて来たのでしょう? 時間はたっぷりとできてしまったので、お聞きします」
その男は困ったような顔をして、俺の身に起きたことについて教えてくれた。
俺の両親を殺したあれは、鬼と呼ばれる存在らしい。普通の武器では殺すことができず、太陽か太陽の光を宿す刀である日輪刀で首を落とすしか殺す方法は無いのだとか。
鬼は人を食う存在であり、およそ千年ほど前から存在しているらしい。鬼を増やす鬼が一体だけいて、その鬼を殺さなければ鬼は増え続けるとその男は言う。そしてその一体を殺すために戦っているのが、その男の所属する『鬼殺隊』と言う組織なのだとか。
鬼を殺せなくとも圧倒し続けた俺は、どうやらその鬼殺隊と言う組織が伝えている特殊な呼吸法を修めているらしい。この呼吸法が特殊だと言われても困るが、とにかくできているらしい。
これからもし行く所が無いのであれば、鬼殺隊に入るための修行を積む場に紹介できるということだった。
俺は考える。両親は死に、親戚は俺の知る限りおらず、ついでに金もない。目の前の男はそれなり以上に懐に余裕があるようで、髪形や服装、靴までしっかりと整っている。つまりこれだけの物を当然に使うことができる程度の金を得ることができる仕事だということだ。
鬼と言うのがどれだけ強いのかは知らないけれど、これから働きに出ようとしても二歳の子供を雇ってくれるところ等あるわけもない。だったらここで鬼殺隊とやらに入ってみるのもあまり変わらないのかもしれない。
そう考えた俺は、目の前に居る男に頭を下げる。どこかほっとしたような顔をしたその男は、俺を抱えてどこかに走り出す。
……眠くなってきた。寝よう。
鬼舞辻狩りまくってた時のダイジェスト、いります?
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いる
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いるけど後でいい
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ちくわ大明神
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いらない
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誰だ今の