鬼滅の刃~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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鬼滅06

 

 年がら年中藤の花に包まれている山なんて早々無いと思っていたんだが、探してみればあるもんだ。それもちょうどいい感じに最終選別があと七日間ほどで始まるとか。今年の最終選別はもう終わったと言われるよりはよっぽどいいが、それでも七日間ほどこの場で放置喰らうのは面倒臭いな。絶妙に運がいいのか悪いのか……。

 

 だが、おかげさまで最終選別の現場には俺が一番乗りらしい。普通七日前に藤の花くらいしかない山に到着する意味は無いから当たり前っちゃ当たり前だが、そうやって早めに来た者のために一応泊まる場所は用意されているのがありがたい。

 まあ普通に考えて、成りたての鬼を結構な数捕らえてこの場に放り込むのに十日だの一月だのでできるわけがない。年に一回か、多くても二回くらいと考えるべきだろう。そう考えれば今のように七日待つくらいの事は大したことじゃない。それに七日……実際には六日か。六日は休養と最後の確認ができると思えば悪い事でもない。落ち着けるというのは大切だ。

 

 そうやって待っていると、続々と最終選別を受ける奴が集まってきた。どいつも俺の事を参加者ではないと思っているようだが、そういう奴には何もしない。声をかけることもしないし視線を向けることもしない。存在しているということを認識はするが関わろうとしない。まあ俺の性格的にそうなるのは仕方ねえわな。

 ……それと、ここに居る奴らは強くないな。呼吸の技は使えるようだがどれもあまり練り上げられていないし、起きている間だけでも常に全集中をしようともしていない。そもそもそんな発想が無いのかもしれないがそれは育手に聞けばわかること。そして教えなかった育手も育手だ。これができるようになるだけで一気に鍛錬効率が上がるのだから、体力作りの次に優先するべきものだと思うんだが。

 

 と言っても今更だし、俺に何ができるわけでもない。俺が言ったところで即座に習得できるような物でもないそうだし、今から鍛えなおしたところで大した効果が出るとも思えない。まあ俺が三日で大体呼吸の型を一つ覚えられたからもしかしたらできる奴も居るかもしれないが、俺は知らん。今できないなら知らん。

 

 最後に、確認をしていこう。

 まず初めに、参加者は当たり前に刀を持っている。少し早く来ていた数人が刀を振って鍛錬をしていたのでわかるんだが、それらは全て日輪刀だ。つまり、ただ鬼から逃げるのではなく鬼と戦う事も選択肢に入れることができる。

 それから話を聞く限りでは最終選別ってのはただ生き残るだけでいいらしい。七日間、鬼が数多くいるこの藤襲山の中で生き延びることができれば合格らしい。鬼から逃げる、隠れる、あるいは鬼を倒す。どんな手を使ってもいいそうだ。

 まあ、どんな手を使ってもいいと言われた以上は本当にありとあらゆる手を使っていこう。とりあえず山の植物を全て斬り倒して昼に隠れる日陰を一切無くすところから始めようか。斬り倒した樹は適当に山の外にぶん投げておけば問題ない。

 それが終わったら次は山そのものを平らにしていく作業だな。頂上から少しずつ斬り落として地面に隠れている鬼を斬り落とすか太陽に当てるかすれば鬼は死ぬ。巻き込んで何人か死ぬかもしれないが知らん。

 

 ……あ、そう言えば刀折れてるんだったか。じゃあ少し難しいな。やめておこう。普通に戦って普通に生き延びた方が楽だわ、多分。

 とりあえず、昼は眠るために広範囲で日の当たる場所を作っておいた方が良いな。鬼の中には俺が殺した奴みたいに異様に小さいのもいるようだから草までしっかりと刈り取っておいた方が良い。刈り取った草は燃やすか何かすればいいだろう。ついでに獣でも狩って火を通せば無駄にはならない。

 食い物……そう言えば、鬼は食えないんだろうか? 殺すとぼろぼろと崩れ落ちていってしまうから無理か? 流石に火を通さずに食いたいものではないからな。元は人間だそうだし。

 

次回作

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