鬼滅の刃~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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鬼滅07

 

 山の中を探してみたが完全な状態の刀は残されていなかった。どれもこれも折れていたり欠けていたり、物によっては結構な時間山の中にあたのか錆まみれだったりもした。だがまあ一応これまでの先達の遺品みたいなものとして集めておいた。いつか何かに使えるんじゃないかと思うが、まあ使えたとしても熔かして刀に打ち直されるかあるいは刀以外の何かになるかのどちらかだろう。知らんが。

 一応折れてしまって入る刀よりはましな物を見つけて研いでいるが、試し切りがしたいな。

 

 ちょうど襲い掛かってくる鬼がいたので斬り捨てる。最近は型ではないただの剣技で当たり前のように鬼の首を落とすことができる。そして首を落とされた鬼は当然塵となって消えていく。基本的に鬼が死ぬとその鬼が流した血も消えるから掃除とかを考えなくていいのがありがたい。特に嬉しいのが斬った時に刀につく脂な。あれはできるだけ早く落とさないと錆びるんだが、鬼をちゃんと殺せれば塵になって消えてくれるから楽なんだ。

 しかし、俺みたいな素人の研ぎでもそこそこ斬れるようになるってことは、この刀を打った鍛冶師は結構な腕の持ち主だったんだろうな。まあ持ち主の腕次第で名刀にも鈍にもなるのが日本刀ってものなんだが、少なくとも鬼という人外相手に自分の命を当たり前のように預けられるだけの腕は平均して持ってないと信用されなくなるわな。

 

 拾い物の刀をそこらに落ちていた目の細かい石で軽く研いだだけのそれを使うと、使えなくなる型が一つある。雷の呼吸の壱の型、霹靂一閃だ。あれは居合だから鞘と刀がしっかり合っていないと使えない。軽く研いだだけの刀は元々使われていた鞘でも凹凸ができてしまうから鞘走りがうまくいかない。できなくはないがどうしても遅くなる。だからこれを使っている間は霹靂一閃の精度は落ちるものだと考えておかないといけない。まあ霹靂一閃に限らず抜刀術系統は全部そうだと思っておくべきだが。

 それでも普通に使えばある程度鬼の首は斬れるし、今まで使ってきた折れた刀もある。かなり刃が短いからこれはこれで居合は使いにくかったし、他の技の間合いが伸びる分を考えていい拾い物だった、ということにしておこう。

 

 初日のうちに刀を調達し、水場を得る。次に水場の近くの木を切り倒して鬼の隠れる場所を無くし、夜に戦う。そして次の日からは昼間に眠って体力を回復させ、食料となる獣や木の実を狩り、食べる。何日かすると生き残った何人かが来て一塊になって昼のうちに眠り、夜に戦う事をするようになった。これで多少生き延びる数は増えるんじゃないだろうか。

 俺はあくまでも専守防衛に徹し、襲い掛かってきた鬼のみ殺す。まあこんだけ堂々と水場で生活していれば鬼の方もここに居ることを理解して襲い掛かってくるんだが、この山に入れられた鬼は大して強くはないらしい。まあ見習い相手に七日間持たせることのある鬼なんだからそこまでぶっ飛んでたら困るか。

 後は基本的に動かない。朝から昼にかけて体力を回復させ、それ以降は食事のために色々と探す。水があれば一週間くらいは食べずに動けるそうだが、こうして動き回っているとそれも怪しい。最終手段として鬼に殺された奴らの肉を食うという手も無くはないが、鬼の血を取り込むと鬼になるか死ぬらしいのでやめておくのが無難。

 

 それはそうと、この最終選別で新しく覚えたことがある。呼吸の技についてだが、基本の五つの呼吸から派生した呼吸というのも存在し、物によってはそれなりに使い手がいることもあるそうだ。俺が一番初めに習った水の呼吸は基本的な技が多く扱いやすい呼吸だそうで、使っている隊士も結構多いそうだ。

 まあ何が言いたいかと言えば、そんな感じの基礎からは外れた派生の呼吸を見ていくらか使えるようになった。と言うか、見て使えるようになったなら元々その技を扱うだけの基礎は俺の身体にできているということだ。だったら他人が派生させた呼吸の型ではなく、俺自身の呼吸にもそれに合わせた型を作ってもいいんじゃないだろうかと、今更になって思い至った。もう少し早く思いついていればよかったんだが、まあ後でもいいや。

 斬って、斬って、斬って、斬って、俺に襲い掛かってくる鬼は全て斬り伏せて、やがて時間が来る。

 

 最終選別の終わりを告げる、夜明けの太陽が昇る。俺の周りで安心したのかへたり込んだり、雄叫びを上げたりしている者もいる。

 これから何をどうするかは正直わからない。本当なら説明を受けてくるはずだったのにその説明をしてくれる育手であった師匠は俺に説明する前に死んでしまった。だから俺はとりあえずここで情報収集からしないといけないわけだな。

 

次回作

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  • なんか適当にハマってるの
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