デレのジョな冒険 スマイリングシンデレラ   作:並び替え

13 / 46
小日向美穂は、卯月たち3人を自分のステージに誘った。
どうやら美穂は何か考えているようだ――


第12話 レッスン室 その①

―――― 2019年3月28日 15:05 レッスン室 

 

「はぁ……はぁ……」

「…………」

「も、もうだめ……」

 

卯月たち3人は、汗を大量に流して床に倒れている。

しかし小日向美穂は、彼女達と同じレッスンを受けたにも関わらず汗一つかいていなかった。

それどころか、

「さすがに1kgは軽すぎたかな」

と言いながら両腕に付けていたリストバンドを外し、3kgのものに付け替えていた。

 

「はぁ……はぁ……なんでこんなことに……」

 

~~~3時間前~~~

 

「えーーーーーっ!?」

「ライブに!? 私たち3人が?」

「私たちの……初のステージ?」

 

「うん、私が主催のライブで、チケットは完売。開催は3日後、千葉県。ユニットの宣伝にはなると思うんだけど……どうかな?」

 

「ユニットの宣伝って……そんなことして、いいんでしょうか?」

「そもそもチケット販売後に出演アイドル追加して大丈夫なの?」

「しかも3日後……ほかの出演アイドルに迷惑がかかるんじゃ……」」

 

『ん?』

 

『ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇええええええ!!!!!!!! 3日後ぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!????』

 

卯月達はその急な誘いに驚いた。

 

「……………………」

凛は黙る。

 

「…………あんた。」

凛が呆れた顔で美穂に言う。

「別に操られて卯月を襲ったのはいい、私もそうだったし。」

「怪我をした卯月を手当てしなかったのもいい。 卯月が走ったらしいし。」

「だけど、それで急にライブの誘い? しかも3日後? ふざけないでよ。 私たち失敗するの丸見えじゃん。」

「それで私たちが醜態晒して、もしかして私たちを蹴落とすつもり?」

凛は美穂の胸ぐらを掴む。

 

美穂は黙っている。

「……………………」

 

「凛ちゃん!」

卯月が凛をスタンドで触る。

しかし凛は何も変わらなかった。

「なんか言ってよ、美穂さん。」

「あんたさぁ、どんな考えでそんなこと思いついたの? 私たちの宣伝? ユニット名も決めていないのに?」

「多分卯月へのお詫びのつもりでそんな話振ったんだろうけど、それってムシがよすぎない?」

 

「お詫びなんて、思ってないよ。」

 

美穂が口を開く。

「それにお詫びするのは卯月ちゃんだけじゃないよ。」

「オーディション会場に来ていたアイドルに憧れる子たち全員も……」

「私は、その子たちの夢を奪ったんだよ……」

「操られたから? そんなの知らないよ!関係ない!」

「私のせいで、アイドルが怖くなった子もいる! 舌を切られた子もいる!!」

「ははは…… 言葉なんて出ないよ……」

「私は……夢を、いくつもの夢を潰したんだよ……」

 

「それに比べて!!」

「いくら練習する時間が無いとはいえ失敗? 醜態? そんなもの私はいくつも晒したよ!!」

「ステージ中に振り付け間違えた! 緊張でガチガチの自己紹介もした!」

「そこまでしてやっと手に入れられたものを……1日で失ったの……」

「それで蹴落とすつもりかって? 蹴落として欲しいのは私のほうだよ!」

「ねぇ蹴って! 踏んで! 跡形もなく踏み潰して!!」

 

「うぅ…………うぅぅぅ…………」

 

「…………」

 

美穂は地面に座り泣いた。

 

「私……、このライブが終わったら……、責任取ってアイドル辞める……。」

 

「え? そんなっ!」

卯月が驚く。

 

「だから……私を踏み台にして……」

「『新しい時代』になってよ……、それに一役買わせて…………」

 

「美穂ちゃん……」

 

「ライブを、ステージをやるかやらないかは自由だよ。ただ、」

美穂は卯月を見る。

「私なら、絶対にやらなかった。」

「そして、後悔する……」

 

 

「……………………」

卯月は少し考えた。

 

 

「やる……」

「やるよ、凛ちゃん……未央ちゃん……」

「やらせてください…… 美穂さん……」

 

「ありがとう…… でも後ろの2人はどうするのかな?」

 

「わ、私はやるよ! そうだよね? しぶりん!?」

「…………」

 

卯月と未央は凛を見た。

「やるよ…… 私たちユニットだし。」

 

「……………………でもふ」

「ところで昼飯はもう食べた?」

「え? は、はい……」

卯月の言葉を遮った美穂の問いかけに卯月は答える。

 

「じゃあこれからトレーナーさんを呼んで、3時間のレッスンを始めるけどいいかな? もちろん料金は全額私が出すよ。 いいよね?」

 

 

『はい!!』

3人は即答する。

 

「じゃあちょっと呼んでくるね。」

美穂はレッスン室の出口へと歩いて行った。

そして凛と美穂がすれ違ったとき……

 

「…………!」

凛を静かに睨み付けた。

卯月や未央には分からないほど、静かに。

けれどそこには確かな凄味があった。

 

―――― 2019年3月28日 12:21 レッスン室

 

「キミたちがレッスン生だな。私はトレーナーの青木麗だ。」

 

「よ……よろしくお願いします!!」

「よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします!」

 

「ふふ……、私に任せろ。3日後のライブに間に合うように仕上げてやる!」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「はぁ……はぁ……」

「…………」

「も、もうだめ……」

 

小日向美穂は、水を飲みながら3人を見る。

(卯月ちゃんは養成所で鍛えていただけあって悪くない動きだった。 笑顔もかわいい。)

(凛ちゃんは最初は目も当てられなかったけど、上達は早いかな。 表情がアレだけど。)

(未央ちゃんは少し飛ばしすぎなところもあるけど、元気があって体力もある。)

 

「今日のレッスンはこれで終わりだ! しっかり体を休ませろよ!」

「お……おつかれさまでした……」

トレーナーがレッスン室を出た。

 

「じゃあ私はここで自主練するから、帰ってもいいよ。」

そういって美穂は、両腕両足それぞれに5kgのウェイトを付けた。

 

「お疲れさまでした!」

「お疲れ様です。」

「お疲れ様でした~!!」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「しぶりん! しまむ~! じゃあまた明日~~!!」

「卯月、未央。 また明日。」

 

そういって3人はそれぞれ家路につく。

 

「…………踏み台になんてしない。」

「美穂ちゃんを説得しなきゃ……」

誰かの声が聞こえる。

 

 




ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
最近、マインクラフトを買いました。
遊んでいる様子はツイッターに投稿しています。

美穂ちゃんの肉体強い……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。