あとは明日のライブを待つのみ。
そういえばユニット名、まだ決めてないのでは――
ライブ当日――――
「しまむー、しぶりん! ついにこの日が来たんだね!!」
「うん……!!」
ライブ会場の舞台袖に3人はいた。
「…………」
そして卯月は静かに涙を流す、笑顔で。
会場は大盛り上がり。
ステージの上にいる美穂が言った。
「今日は、ゲストを呼んでいます。」
「さぁおいで! ゲストの――――
「ふぇあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
卯月は起き上がる。
「あああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「むにゃ…… ん? しまむ~?」
「卯月…… 発声練習でもしてるの?」
「ユニット名、前日なのに決めてない!!!」
「 あ 」
―――― 2019年3月30日 05:28(ライブ前日) レッスン室
「レッスンに夢中で考えてなかった……」
「どうしよう、しまむ~?」
「う~~ん、卯月と愉快なスマイル団! とか?」
「いいね」
「いやしぶりん良くないよ!」
「じゃあ、真面目に……『新時代』」
『新時代?』
凛の提案に驚く2人。
「美穂が言ってた『新しい時代』、ちょっと良いなと思って。」
「しぶりん、いいよそれ! すごく良い!」
「でも主張強すぎませんか……?」
(私たち、アイドルユニット『新時代』です!)
「確かに…………」
「じゃあ『ニュージェネレーション』でどうかな?」
「凛ちゃん、3人だから複数形にしたらどうかな?」
「ニュージェネレーションズ……!!」
「いい! いいじゃん!」
「うん…… 良いかも」
「じゃあ早速、せーのっ」
「私わたたちしたち、ニにゅーューじぇジェねネレれーーシしょんョすンズでです!す!です!」
「………………」
「ふふっ」
「ははははは!!」
3人は、ニュージェネレーションズは不慣れな自己紹介に笑った。
―――― 06:28 346カフェ
安部菜々(自称永遠の17歳)は今日もカフェの開店準備を行う。
だが彼女はアイドルでもある。
「明日はライブだから、今日は早めに閉めます」
そんな張り紙を店の扉に貼っていると……
にゃ~
そこに、一匹の猫がいた。
猫は菜々の足もとに寄ってくる。
すると菜々は餌皿を出し、
「はい、ごはんですよ~~」
猫の前に置く。
「にゃ~~ にゃ~~~」
猫はむしゃむしゃと食べ、菜々を見て「にゃー」と言い去っていった。
――――07:00 346プロ 1号館18階 Pが監禁されている事務室
まゆの背中から、無数のリボンが伸びている。
「プロデューサーさんを誰にもバレずに運び出す方法……」
「通気口は全部ダメですか……。」
「台車を用意、いやもし万が一見つかったら……」
「今のところ異動したってことにしてうまくやってるけど……」
「いつかはバレてしまう…… しかも、」
スマホのスケジュールアプリを起動する。
3月31日 雑誌のインタビュー
「プロデューサーさんが私の為に取ってくれた仕事…… これだけはキャンセルしたくない……」
「でもプロデューサーさんを守らなくっちゃ……」
「私の、能力で……!」
「プロデューサーさん……明日頑張るための元気をください……」
まゆは、動かないプロデューサーに抱きついて、眠りにつく。
――――11:53 346プロ あるレッスン室
「おなかへった~」
「みく、猫耳つけたままだよ」
「え゛!? お、おなかすいたにゃ~~ =∀=;」
「じゃあ食堂行くか。」
2人の少女は、レッスン室を出て食堂に向かう。
「今日は人、少ないね。」
「…………、 りーなちゃん…… 最近、どう?」
みくは猫耳を外し、李衣菜に問いかける。
「…………まただめだった……」
みくと李衣菜は、沈黙したまま食事に手をつける。
「やっぱりソロよりユニットの方が仕事、取りやすいかなぁ……」
「にゃはっ。 ユニットをもし組むとしてもりーなちゃんとだけはいやだにゃ。」
「ははっ、それはそうだな。 ところでみく、」
「んにゃ?」
「いま、猫耳外しているよ。」
「あ」
すると誰かの声が聞こえてきた。
「…………いたね。」
「ご飯……なに食べ……」
遠いから良く聞こえない。
「りーなちゃん、あそこ。 見たことないアイドルがいるにゃ。」
「あ、本当だ。 新人じゃないかな? 私たちの後輩だね。」
しかしみく達は、はっきりと次の言葉を聞いた。
「明日ライブだから、たくさん食べないほうがいいのかな……?」
「未央ちゃん、まだこの後レッスンするからしっかり食べたほうがいいよ」
「はぁ!?」
みくは大きな声で叫んだ。
――――12:04 346プロ レッスン室 廊下
「なんで! なんで! なんでみくたちより後に出てきた新人が私より! 先にぃ!」
「ライブをぉ!?」
みくは廊下の壁を蹴る。
が、
「痛ぁあ!?」
「仕方ないよ…… 美穂の紹介なら……」
痛がるみくを、李衣菜はなだめる。
「プロデューサーに直談判にゃあ……!」
「そういえばプロデューサー、最近顔を見ないけど何かあったのかな?」
「じゃあ見つけ出してやるにゃ…… ライブも中止にしてやるにゃあ……」
「へえ、どうやって?」
「……………………」
「頭、冷やしてくるね。」
みくは外に出た。
「ま、プロデューサーを見つけ出すってとこには同意だけどね。」
李衣菜はつぶやいた。
――――12:09 346プロの近く
「はぁ……」
みくはため息をついた。
にゃー!
猫が一匹みくに向かって走ってくる。
そしてそのままぶつかった。
「痛っ! > < 」
そして猫はみくを一目見て走り出す。
「痛い……、うぅ…………」
みくは自分の顔が汚れていないかを確かめるため、手鏡をみた。
「にゃ!?」
みくの顔は、猫になっていた。
そして全身、猫になった。
「…………」
みくが戻りたいと念じると、元の身体に戻った。
「もしかしてこれにゃら、明日のライブは……ふふ……」
「あいつらに一泡吹かせてやるにゃ……」
――――18:59 レッスン室
「はぁ……、はぁ……」
「最低限、見れるくらいにはなったかな……」
「うん…………」
卯月達3人は汗を噴いて倒れる。
「いや、最高だった。」
「み、美穂ちゃん……」
「…………。」
凛は立ち上がり、美穂に言う。
「明日は、主役を乗っ取るくらいのステージを見せるから。 覚悟して。」
「できるものなら、ね。」
「じゃあもう今日は終わりにして、明日に備えよう。」
―――― 2019年3月31日 08:29(ライブ当日)
―――― ライブ会場 衣装室
未央は震え、怯えながら一匹の猫を見た。
「しまむーも、しぶりんも……。 みほちーも!」
「みんないなくなったっ!!!」
未央は恐怖のあまり叫び出す。
「もうライブなんてどうでも良い! 逃げなきゃ……」
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
デレジョ(この作品の略称)世界でもユニット名を決める過程を入れておきたかったので、入れました。
次回から本田未央のソロ戦闘が始まります!