デレのジョな冒険 スマイリングシンデレラ   作:並び替え

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ライブ会場に着いた卯月たち。
しかし、そこにスタッフは一人もいなかった。

仲間がひとり、またひとりと消えていく――
新たな戦いが始まる!!


第15話 星(スター) その①

 

―――― 07:05 346プロダクション

 

「千葉のライブ会場までは車で行きます。」

卯月達3人は美穂の案内で車へと乗る。

 

「ひ、広い……」

「見て卯月。 冷蔵庫にワインがあるよ。」

「アイドルっぽい……」

 

「ふふっ。 冷蔵庫内のものはすべて私が用意したから、好きに飲んでいいよ。」

「いやお酒飲んじゃだめでしょ……」

美穂の言葉に、未央は突っ込む。

 

「じゃあ、ライブ会場へ出発!!」

 

ブロロロロロロ…………

 

ニュージェネレーションズと美穂は、車内でライブの曲と振り付けの確認を行った。

 

「そういえば未央ちゃんって千葉出身でしたっけ?」

卯月が未央に聞く。

「うん、そうだよ。」

 

――『千葉県』。

人口約627万人。 面積約5100平方キロメートル。

漁業や農業が盛んで、伊勢エビや鰯、ヨウ素、大根の生産が多い。

 

(え、未央ちゃん急に何か言い出した……。)

(ライブ前で緊張しているんだよ、卯月。 そっとしてあげて。)

 

ブロロロロロロ…………

 

 

――――――――

 

 

「時刻8時13分、千葉。 ライブ会場に……」

 

「とう、ちゃーーく!!」

卯月達3人はハイテンションで車から降りる。

が、

 

「おかしい…… 誰もいない……」

美穂は怪訝な顔をした。

 

「確かに、人通り少ないですよね。 猫はいましたけど。」

「いや、スタッフさんが駐車場で待っているはずなんだけど、どこにもいなくって……」

美穂は電話をかける、が誰も出ない。

 

「う~~ん……」

「とりあえず会場に行ってみたら?」

「うん。」

 

 

 

「ここまで、スタッフさんらしい人は居ませんでしたね。」

「うん、しかも。」

 

卯月達の前には、開けっぱなしの会場裏口への扉があった。

 

「……まさか。」

「行ってみましょう。」

 

卯月達はライブ会場内を二手に別れ歩いたが、人は一人もいなかった。

「誰も居ないよ……。 みほちー、これって、」

「明らかにおかしい……」

未央と美穂は、ライブステージの上に立ち辺りを見まわした。

 

「しかも、ライブの設備も半分くらい無くなっている……。」

「衣装は大丈夫かなぁ……」

「それは今、凛ちゃんや卯月ちゃんが見ているから……」

 

一方、凛と卯月は衣装室のほうにいた。

「スタッフさん居ませんでしたね……」

「…………、卯月。」

凛はクローゼットを指さした。

 

「あそこに衣装、あるのかな。」

「ちょっと気になりますね……。」

「じゃあ開けてみよっか。」

「えぇ!? で、でも人探さなきゃ……。」

「クローゼットの中に居るかも。」

「じゃあちょっとだけ……」

 

どさっ

 

卯月の鞄が、床に落ちた。

ただそれだけだった。

 

 

 

「いない…… しまむーも、しぶりんもどっか行っちゃった!?」

未央は控え室の扉を開け、誰も居ないことに慌てる。

「ねぇ美穂! なんか知らない? もしかしてドッキリとかだよね? 悪趣味だなぁ~~まったくもぅ~~」

「…………」

「ねぇ美穂! 何か言ってよ!?」

 

美穂からの返答はない。 

ただ黙っているだけだ。

 

「なんで……黙っているのさ!?」

「まさか……、『スタンド使い』!?」

美穂は口を開く。

 

「卯月ちゃんたちはまさかもう……」

「やめてよ!!」

 

そして未央と美穂は、廊下を歩き、2人を探す。

 

「しぶりん……、しまむー……、どこ…………?」

「はっ!」

 

廊下の壁に、いくつもの部屋の扉がある。

その中にひとつ、ただひとつ、開いている扉があった。

 

未央はそれを見た。

「みほちー! あそこにいるかも! 行こう!!」

 

そこは、衣装室だった。

 

「!! 卯月ちゃんの鞄がある!!」

「本当だ!」

 

クローゼットの前に卯月の鞄が落ちていた。

「中が怪しい……」

未央はクローゼットの扉を開けようとするが、

 

「待って! 私が開ける!」

「う、うん……」

美穂が開けることになった。

 

「いくよ……」

美穂は取っ手に手をかける。

 

が ち ゃ

 

 

 

 

 

中には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にゃあああああああああああああああああああああ」

「みゃああああああああああ」

「にゃあああああああああああああああああああああああああああ」

「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ」

 

大量の猫がいた。

 

それらは未央と美穂に突進する。

 

「わあああああ」

未央は後ろに逃げるが間に合わない。

 

ばちぃん!

 

未央に突進してきた猫は急に進路を変え、美穂にくっついた。

「みほちー!?」

 

「…………」

美穂はたくさんの猫で出来た山の中に埋もれた。

「ネイキッド…………ロマンス……」

「未央ちゃんを襲う猫と、私を糸でくっつけた……。」

 

「みほちー!? よかった無事なっ」

未央は美穂の顔を見て固まった。

「もう私は……だめみたい……にゃ」

 

「みほちーの顔が……、猫になってるっ!??」

美穂の体はどんどん猫になっていく。

 

「未央……ちゃん……、自分のスタンドで……切り抜けて……」

「ライブを……せい……こう……」

 

「にゃー」

 

「みほちー!!」

未央は叫んだ。

しかしそこにいるのは、猫だけだ。

猫になってしまった、美穂だ。

 

 

「そんな…………」

未央は絶望する。

 

「しまむーも、しぶりんも……。 みほちーも!」

「みんないなくなったっ!!!」

未央は叫ぶ。

 

「もうライブなんてどうでも良い! 逃げなきゃ!」

 

しかし猫たちは無慈悲にも未央に向かい突進する。飛び跳ねる。

「うああっ!」

それを間一髪で避けた未央は、反射的にテーブルの上にあった誰かの飲みかけのペットボトルを猫に投げつける。

が、あっさりかわされクローゼットにぶつかった。

 

「よし、いまのうちに!」

その隙に未央は衣装室を出ようとする。

「逃げて……やる!」

「逃げて……、そして……」

 

 

 

「どうするの?」

 

(いま、私がやっていることは3人を見捨てて私だけ逃げようとしているってことなんじゃ……)

「いや、3人ともこことは別の部屋にいて……ハハ…………」

「分かってるよ……」

 

「このまま逃げたら、どうなるか……」

「ライブが中止になって、ユニットも無くなって。私は一生裏切り者として猫に怯えながら暮らすのかなぁ……」

「あれだけ……」

「短いけどあれだけ、レッスンしたのに……」

未央は涙を流し、衣装室の出口で立ち止まる。

 

その背後には猫がいる。

「そんなの……」

 

「そんなの嫌だ!」

未央は振り返り、背後の猫の襲撃を椅子で防御した。

 

「こそこそ隠れてないで……、出てこい卑怯者!」

「いるんだろ!? スタンド使いがっ!」

 

 




ここまで読んでくださり、ありがとうございますにゃ。
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