デレのジョな冒険 スマイリングシンデレラ   作:並び替え

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みくのスタンド能力によって、卯月、凛、美穂は猫になってしまった。
未央が考えた、猫になった人たちを元に戻す方法とは――

未央vsみく、3話目!


第17話 星(スター) その③

 

―――― 08:41 ライブ会場 チケット売り場

 

(ひげを刺されれば猫になるのか……)

(じゃあ逆に抜けば……?)

未央はスマホをしまいながら考えていた。

 

「ただ、問題はしまむーやしぶりんがどこにいるか……?」

(衣装室の中には、みほちーがいても2人が居る可能性は低いはず。 ひげを抜いて元に戻るとすれば、3人は離すべきだ)

(もしかしてライブ会場の外に逃がした? それなら見つけるのは難しいし……)

「あー! もー、どぉーしよーー!!!」

 

にゃ~

 

「!!」

数匹の猫が追いかけてくる。

「また来た!」

未央は逃げようとするが……

「ひげを抜けば……」

そう言って猫に近づき、猫のひげを抜いた。

すると、猫の体は座れそうな形になり、色も鉄っぽく……

 

「これは、パイプ椅子!!」

さらに他の猫のひげも抜く。

するとそれは元の形に戻っていく。

「こっちは、電球!!」

「さらにこれは、衣装だ!!」

 

「わかっちゃったかにゃ?」

「!!」

 

みくが未央に追いつく。

「ネコちゃんのおひげを抜けば、もとに戻るんだにゃ。」

「つまり、3人も……」

「そうにゃ。」

「お……教えてよ! 3人がどこにいるのか!」

 

「外に放したにゃ! どこ行ったかは知らないよ!」

「…………っ!」

 

未央は外に探しに行った。

 

そしてみくは、未央が居なくなったことを確認し、

 

「ふ……ふふっ…………」

「にゃ~~はっはっはっはっは!!!!」

大爆笑をした。

 

「あっさり信じちゃったにゃ! なんでみくがここにいるかも考えずに! にゃははっ!」

「みくのスタンドには、射程距離があるにゃ。 無限だったら会場の設備をネコちゃんにしてとんずらすればライブ中止にゃ。」

「それができないから全部ネコちゃんにする必要があった。」

 

「けど」

 

「これでみくの勝ちにゃ! ネコちゃんアイドル前川みくのソロライブの準備をはじめるにゃ~!」

「せっかくだしファンもみんなネコちゃんにして、にゃんにゃんにゃんライブの始まりだにゃ~!」

「ネコちゃんは世界を救うにゃ!」

「もう辛いことも……嫌なことも……、全部ネコちゃんにすればいいよね……」

 

「目には目を、歯には歯を……」

「!?」

 

「あんたは私たちのライブを台無しにした……」

未央が、みくと猫の前にあらわれた。

 

(戻ってきた……? 嘘がバレたのかにゃ?)

「台無しにされる覚悟はあるよね?」

 

「ひっ!?」

 

未央の手には――――

 

 

ワインが握られていた。

 

 

「そっ、それは……。 い、いま、何やってるか分かってるのかにゃ!?」

「猫はアルコールに弱い。」

 

「そうにゃ! だからやめ――」

「しぶりんたちはいないんだよね?」

「そ、それは嘘にゃ! 盾にするために、全員いるにゃ!」

(ワインをまかれたらまずいにゃ! 猫にとってアルコールは毒!)

(しかもネコちゃんにした生物は死んだらひげを抜いても死んだままにゃ!)

 

未央はゆっくりとみくに近づく。

「そんな嘘には騙されない、このワインをこれから撒く!」

 

「ひっ!?」

みくは怯える。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

――08:27 美穂が猫になる前

 

美穂と未央はライブ会場に人がいないか探している。

「未央ちゃん、もしスタンド使いに会ったら……、スタンド使い自身を倒すのが一番良いんだけど。」

「最悪の場合のために、車の鍵を預けておくね。」

「みほちー、急にどうしたの? まぁ預かるけど。」

未央は車の鍵を受け取った。

 

「やっぱり誰もいない…… しまむーも、しぶりんもどっか行っちゃった!?」」

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

(あのときの鍵が、まさか役に立つとはね…… しかも『ワイン』まで)

(しまむー達が外にいるのか、中にいるのかは分からないけど、このライブを成功させるんだ!)

「ワインをこれから撒く!」

(これは、賭けだ……)

 

「ひっ!? そんなことしたら……ネコちゃんが……」

「す、スタッフさんもネコちゃんにしたにゃ!!」

「ネコちゃんが死んだら人間に戻っても死んだままにゃ!」

「ふーん、そう。」

 

未央はワインの栓を抜く。

「やめろって言ってるにゃああああ!!!」

「人に戻せばいいよね?」

「え?」

「猫を、人に戻せばいいよね?」

「…………」

 

みくも、未央も冷や汗をかいた。

未央はワインを傾ける。

みくは、青ざめた表情で叫ぶ。

「この、人でなし! 殺人鬼!」

 

「みくが能力を解除すれば、助かるんだ……殺人鬼は、どっちだ……!」

そう言って、未央はワインを猫に向かってばらまいた。

 

「…………」

 

「……う…………」

猫が人や、椅子や、アンプ……、どんどん元に戻っていく。

 

「…………」

未央はワインの瓶を手に持ったまま、安心する。

(よかった…… これで能力を解除してくれなかったら私は……)

 

「!!」

「上からなにか、降ってくる!?」

 

「『花束』だっ!!」

(まさか、花束を猫にして天井に隠していたのか!!)

 

『ひっ!? そんなことしたら……ネコちゃんが……』

『ネコちゃんが死んだら人間に戻っても死んだままにゃ!』

『やめろって言ってるにゃああああ!!!』

 

(これらの会話は、すべて天井に猫を行かせるための時間稼ぎ!

猶予を与え過ぎた……)

 

花束、大量の花が未央に舞い落ちる。

(いや、花束自体は問題じゃない。 問題は……)

未央は反射的に下を向き、腕で頭を守る。

 

「スキあり!」

みくは未央にひげを刺そうと近づく。

 

「あ……」

(やられた…… いま最も避けるべきことが……)

未央の右頬には、一本の猫ひげが刺さっていた。

 

「もう……、終わりだ……」

 

 




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