デレのジョな冒険 スマイリングシンデレラ   作:並び替え

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会場付近に早く着いた卯月。
彼女は喫茶店で時間をつぶすことにした。

しかし、靴に興味を示す少女が現われ……
島村卯月の最初の戦いが始まる!


第2話 しぶりんが来る その①

「わぁ! 美味しそう!」

島村卯月の前にはチョコレートドリンクとケーキが置いてある。

 

「……おいしい」

渋谷凛の前にはマカロンとコーヒーが置いてある。

 

2人の席は、近くもないが遠くもない。

卯月はケーキを、凛は卯月を見ている。

 

「もぐもぐ……」

卯月はケーキを口に運ぶ。

 

ほわぁぁぁあああ!!!!!

 

濃厚かつなめらかなチョコレートクリームに、

爽やかなオレンジピールの香りが口から鼻へと突き抜ける。

 

「おい……しい…………」

「ほえ~~~~」

そして卯月は近くにあるドリンクに手を伸ばす。

さっきまでの甘みとは真逆で、重厚なコーヒー豆の苦みが味覚を刺激する。

 

「あれ…………?」

 

「え……?」

 

「……」

 

「えっと……」

 

「私……チョコレートドリンクを頼んだような……?」

 

「いや……? コーヒーが中に入っているのかな?」

もう一度、チョコレートドリンクを見る。

チョコレートドリンクの上には、本来チョコクリームが乗っているはずだが…

 

「!!」

 

「チョコじゃぁっ ない! コーヒー!?」

「で……でも、グラスは最初と変わってない! ドリンクのグラスはぁ!?」

「もしかして、わたしの勘違い……? でも今コーヒーが入っているグラスは、

 たしかに冷たい飲み物を入れるためのグラス……」

そう言って卯月はコーヒーをもう一口飲む。

 

『熱いっ!?』

 

卯月は慌てている。

最初は冷たいチョコレートドリンクが入っていたグラスに、

今は熱いコーヒーが入っている。

 

「もしかして……さっきのガラスの靴みたいに、私の気のせい?

 いつの間にか、私がチョコレートドリンクを頼んでいたと思い込んでいた?」

 

そこに一人の少女、渋谷凛が歩いてくる。

 

「相席、いい?」

 

黒くて長い髪をした、少女は卯月に声をかける。

 

「い、いいですよ!」

「ありがとう さっきまで別の席に座ってたけど、お店の人が水をこぼしちゃってさ…

 ほら いまあそこで拭いている」

 

卯月が凛の示す方向をみる。

確かに店員さんは水で濡れた床をワイパーで拭いている。

卯月はそれを見た。

 

その直後、

「!」

卯月の口にコーヒーが入る。

飲もうとしたのではない、コーヒーが卯月の口の中に移動したのだ。

 

「ごふ!ごぼぼぼぼ!!」

卯月はコーヒーの熱と、呼吸が出来ないことに苦しむ。

吐き出そうとするが、コーヒーは口に貼り付いて離れない。

 

すると、卯月の向かい側の席に座った凛が話しかける。

「ちょっと質問なんだけどさ、さっき履いてたガラスの靴ってあんたの?」

 

卯月は首を横に振る。

「正直に答えて これは『拷問』だから」

「……!」

 

それでもなお、卯月は首を横に振る。

なぜなら、卯月は正直に答えているからだ。

 

そして凛は……

 

「そう、わかった」

 

卯月がその声を聞いたと同時に、卯月の肺に空気が通る。

 

「ぁあ゛! ゲホッ! ゲホッ! 」

卯月はテーブルの上の飲み物を見る。

凛のほうには、コーヒーがある。

 

そして、自分のほうには……、

「えっ!?」

 

チョコレートドリンクがあった。

「元に戻ってる……?」

 

「何のこと?」

穏やかな表情でそう言った凛の右腕に、何かがあった。

 

そう、凛の右腕の肘の部分からもう一本別の腕が生えている……

 

「ひっ……!」

 

卯月は驚きながら震え、凛に問う。

 

「その右腕……っ! もう一本生えてませんか?」

それを聞くと同時に、凛の顔がひきつる。

そして凛は卯月に問う。

 

「『スタンド』が……見えるの?」

「スタ……ンド?」

「私のスタンドが見えるということは……、あんたも……っ!」

「え? あの……」

「あんたも、『スタンド使い』なのか!!」

 

凛がそう言った瞬間、卯月の頭の近くをビームのようなものが通り抜け、

 

ベキキ、バコォォン!

 

そのビームは、卯月の近くの床に穴を開けた。

「え……っ!?」

 

そのビームが、2つ3つと放たれる。

「!!!」

卯月はそれを反復横跳びの要領でかわす。

 

「っ……!!」

凛は卯月の動きの速さに驚いた。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

――――速いっ!!

 

しかもこの子(卯月)の動きは、スタンド能力ではない素の動き!

私(凛)の能力なら条件さえ揃えば、動きを封じて攻撃することも出来るのに!

 

絶対に……靴を取り返す!

なぜかは分からないけど、そうしなければいけない!

たとえ、殺してでも……

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!」

「壁や床に突然穴が空いたぞぉぉ!」

「逃げるでごぜーます!」

「やむ~~~!!!」

 

客や従業員が店内から逃げ出す中、

卯月は不思議と冷静だった。

(『スタンド』って、あの子の右腕の肘にあるもう一本の腕のこと……?)

卯月は凛の腕にある『スタンド』と呼ばれる物を見る。

そして、その『スタンド』の指先からビームが発射されていることに気づく。

(このビームは、一体何……?)

 

バコォン!!

 

また壁に小さな穴が空く。

その穴から、液体が垂れ下がる。

 

(これは……?)

その液体は黒色で良い香りがする。

まるで、コーヒーのような……

 

「はっ!!」

卯月はテーブルの上の凛のコーヒーを見る。

 

凛はコーヒーをさほど飲んでいない。

なのに、コーヒーは7割ほど減っていた!

 

そしてそのコーヒーは、凛の腕、凛の『スタンド』の腕へと動き、

卯月に向かって発射された!

 

「なるほど! コーヒーをっ!」

発射されたコーヒーを卯月は避け、

 

「これは、コーヒーを発射してる!!」

 




ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
コーヒーは好きですよ。
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