違和感を感じたみくが問いただすが、少女は美穂を探しに行ってしまった……
「これは、りーなちゃんの!?」
多田李衣菜のヘッドホンが入っていた。
「これ、どういうこと? なんでこんなのが入っているの?」
プレゼントを渡した女は、みくの問いかけを無視して鞄からソース瓶を出した。
「ソースをかけて、召し上がれ!」
ソース瓶の中には、ケチャップにしては赤黒い液体が入っていた。
そしてそれを、ハンバーグにかける。
鉄のような匂いがふわっと空間に広がる。
「響子ちゃん! この液体は何なの? なんでヘッドホンが入っているの!?」
みくは、五十嵐響子に問いかける。
「みくちゃん……食べないんだね。」
「美穂ちゃんにおすそわけしなきゃ……」
「ま、待つにゃ! 『キャット・ウィスカーズ』!」
みくはハンバーグを猫にして走らせようとしたが、猫は死んでいた。
「っ! 待て!」
それなら、とみくは走ろうとするも前に倒れる。
「え? 足が、ない!?」
後ろを見ると、みくの足がドロドロに溶けていた。
「そんな、なんで……」
みくは立ち上がることができなかった。
今、舞台では菜々が歌っている最中だ。
響子はそれを無視し、会場を出て裏口に入る。
そして美穂を探す。
「美穂ちゃんはどこかな~~?」
――舞台袖
「うわぁ…… 菜々さんのライブ、パワフルですねぇ……」
卯月は驚く。
「卯月ちゃんと未央ちゃん、あとついでに凛ちゃんもライブお疲れさま!」
「美穂ちゃん!」
「あ、みほちー!」
「美穂。」
「!」
美穂と凛は誰かが来るのを感知した。
「……誰?」
「美穂ちゃん!」
「きょ……響子ちゃん!? どうしたの? もう開演時間過ぎてるよ!」
「ごめんね。 えっと……」
「あれ……? 私なにしてたんだっけ……」
響子は卯月たちの目の前で頭を抱えた。
「わたしはわたしはわたしはわたしは…………」
すると響子の身体に巻き付く、リボンが現われた。
「このリボンって、まさか!」
「凛ちゃんと美穂ちゃんのときと、同じだ!」
「こんなところまで攻めてくるなんて……」
「あぁ、そうダ。」
「スタンド使い、特に凛ちゃんヲ……コロセ…………」
響子は地面から何かをもぎ取り、それぞれ凛ちゃんと美穂ちゃんに投げた。
『ネバー・セイ・ネバー!』
凛は体内の水を利用した水鉄砲で防いだが、美穂のほうは……
「…………」
(この距離じゃ避けられない!)
『スター!!』
未央がスタンドの星を出して防御する。
その星にはべっとりとコンクリートがついた。
「!!」
「地面を千切って投げた……?」
驚く凛をよそに、卯月は全速力で響子のもとへと駆け出す。
『スマイリング!!!』
そして響子を縛るリボンに手を伸ばす。
(これに触れば、誰も傷つけずに終わる……)
卯月の手がリボンに届く瞬間、響子のリボンがすぅと消えた。
「き、消えた!?」
「卯月、違う! リボンは埋め込まれたんだ!」
驚く卯月に、冷静な凛の言葉が届く。
「そ、そんな……じゃあ……うっ」
だがそれもむなしく、卯月の下半身は溶けてしまった。
「動けない……」
卯月の身体は上半身だけで、下半身はミンチのようになってしまった。
「卯月!!」
「しまむー!!」
「卯月ちゃん!」
響子は卯月の頭に向かって手を伸ばそうとする。
「まずい、頭も溶かされたらたぶん死ぬぞ!」
「『スター!!』」
未央は星のスタンドで、響子の右腕を切断した。
星は、響子の右腕と一緒に扉を突き破る。
「…………」
響子は星を追うために部屋を出た。
その肩から血は出ていなかった。
「しまむー、大丈夫!?」
未央が卯月に近づくと、未央の足がすっぽりと沼のようにはまった。
「う……動けない!! 地面を柔らかくして落とし穴を作ったのか!!」
「未央、大丈夫!?」
「みほちー、しぶりん!! 私のことはいいから行って! 早く彼女を元に戻してあげないと!」
「…………」
「…………」
美穂と凛はお互いを見て頷き、響子を追う。
「あいつ、誰なの?」
凛は走りながら美穂に聞く。
「彼女は五十嵐響子ちゃん。 今日のライブのゲストに呼んでたんたけど、まさかこんなことになるなんて……」
「ねぇ、響子はここに来る前にどこ行ってたのかな。」
「わからない…… でも最近はプロデューサーさんを探していることが多かったかな。」
「…………」
凛は考えている。
「プロデューサーのいた事務室……あるよね。 私あそこでリボンに追いかけられたんだ。」
「凛ちゃんも?」
「美穂もそこにいたの?」
「えっと、事務室に近づいてから記憶が飛んでて……」
「まぁそうだよね。 私もあやふやだし」
凛と美穂は響子を見つけた。
「凛ちゃん」
「わかってる」
響子は、壁に刺さった星にくっついた自分の右手を引き剥がしている。
そして肩にくっつけて元通りにした。
(やっぱりそんなこともできるのか……)
(よかった…… 響子ちゃんのその能力ならある程度の怪我をさせちゃっても大丈夫みたい。)
美穂は、ついさっき響子が投げたコンクリ片を手に取った。
(ネイキッド・ロマンスの能力でこの石を響子ちゃんの足に向けて投げる!)
「えい!」
響子は自分の足に『糸』が刺さったことに気がついた。
そして糸につながった石がかなりの速さで飛んでくる。
「糸はどんどん短くなる……つまりその石は必ず響子ちゃんの足に当たる!」
響子は糸を掴んで、自分の足から引っこ抜いた。
「まだダメ…… 短くなるまでその糸は絶対に切れない! ……え?」
響子の足からは大量の血が出る。
「刺さった糸を…… 抜いた!?」
「いや、刺さった部分の肉をえぐり取ったんだ。 しかも見て、血がもう固まってる。」
「腕といい、再生速度が速すぎる! しかも頼りの卯月ちゃんがいない!! これじゃ……」
美穂は焦っている。
「美穂、この近くに水道ってある?」
「…………ペットボトルに入った水ならあるけど」
「それじゃ足りない。 このあたりを水浸しにしたい。」
2人が話している間に、響子はこちらへと近づいてくる。
「くそっ! 近づかれるとまずい!」
「凛ちゃん、逃げよう!」
「どこへ?」
「っ……! それは…………」
(左右には控え室があるけど、そこに逃げれば卯月達が狙われる!)
(かといって卯月ちゃんのところに戻れば、私たちが不利になる!)
「逃げられ……ないっ!」
「せめて大量の水があれば……響子の動きを封じれるのに!」
※補足
本田未央のスタンドである『スター』(星の板を出して操る)には、腕を切断するほどの威力はありません。 せいぜいきつい打撲くらいです(十分痛いが)。
右腕が切れたのは、五十嵐響子の能力の代償で自分の身体が少し脆くなっていたからです。
つまり本田未央は攻撃を止めるために星を放ったのであって腕を切る意図はありませんでした。
本来は本文中で説明するべきことでしたが、できませんでした。
申し訳ありません。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
質問や感想等受付中です。
第1章の終わりに、スタンド設定を投稿しました。
よろしければご覧ください。
なお、第2章のスタンド設定は第2章の終了後に投稿する予定です。