まゆの目的は、プロデューサーを連れて安全なところに逃げること。
まゆはみくを遠ざけることに成功したが、みくの仕掛けにより誤って発炎筒を着火してしまった。
さらに前川みくと佐久間まゆの戦いに、大きな変化が訪れる。
―――― 14:39
「こ、これは……発炎筒っ!?」
まゆが手に持つ発炎筒から勢いよく炎が噴き出た。
その炎は服や座席に燃え移ってゆく。
さらには、前を行く自動車とまゆのトラックを繋げているリボンも焼き切れてしまった。
トラックは大きく曲がり、フェンスを突き破る。
まゆの視界に、大きな川が入る。
「お…… 落ちたらまずい! リボンで掴まないとっ!!」
空中からリボンを伸ばすが、それも燃えてしまった。
(…………っ!)
まゆの乗っているトラックは、高架から川に落下した。
大きな水の音とともに、これまた大きな波がおこる。
そしてトラックが完全に沈むと、水面に泡がぶくぶくと出てきた。
ざぱぁっ
「はぁ……はぁ……っ」
まゆと、プロデューサーが川から上がってきた。
「うぅっ…… 炎が消えたのは、よかったですけど……」
(プロデューサーさんを助けるのにリボンを使いすぎてしまった……)
まゆは倒れた。
「すこし、休みましょう…… 長旅には休憩も必要ですしね……」
まゆの手には、大事そうにガラスの靴(右)が握られていた。
―――― 同時刻 首都高速3号渋谷線
高速を一台の車が走っていた。
「うぃ~ひっくひっくぅぅぅ!!」
「飲酒運転しながらの運転は最高だぜぇぇぇいいいい!!」
乗っている男はとっても機嫌がよさそうだ。
だが、その車は右に左に揺れており、いつ事故を起こしてもおかしくはない。
「あぁ?」
男は、数十メートル先で事故が起きているのを見た。
軽自動車が煙を上げており、そこには一人の少女がいた。
「あぁ~~、ひゃっほぉおう!」
男はアクセルを踏んだ。
まわりの景色が急加速する。
「キャット・ウィスカーズ」
少女が、こちらに向かって何かを投げた。
高速を一匹の猫が走っていた。
「あのリボンの女は、今は多摩川にいるにゃ」
みくは、リボン猫でまゆの居場所を確認する。
「多分、あいつは川に落ちたにゃ。 でもリボンが生きているってことは、まだ死んでない」
「早くとどめを刺さないと……」
みくは、数十メートル先でフェンスが破られているのを見た。
「よし、飛び降りるにゃ!!」
まわりの景色が上昇する。
猫は身長の5倍の高さから飛び降りても大丈夫とあるが、その通り無事に着地した。
近くには一本の川があった。
「この川は……、多摩川かにゃ?」
にゃぁ、にゃぁ!
「!」
猫化したリボンが騒ぐ。
近くに何かいる、とみくに伝えている。
しかし、まわりに人はいない。
高速道路の高架を支える柱の裏にもいなかった。
(どういうこと? 他に人が隠れていそう場所は見当たらないし……)
そう思いみくは川を見る。
すると、水面にぶくっと泡が出てきた。
(水中! 水の中に潜っているのかにゃ!)
水の中に入ると、一台のトラックが沈んでいた。
その運転席に一人の女性がおり、そこから泡が出ていた。
「この人も、被害者かにゃ……」
リボン猫がみくに伝えていたのは、操られた人の場所だった。
みくはその人を陸に引き上げ、救急車を呼んだ。
「それで猫ちゃん、あのリボンの女はどこに行ったにゃ?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
多摩川付近の道路に、ずぶ濡れの少女がいた。
彼女は自分より体が大きな男性を背負いながらゆっくりと歩いていた。
「どこか……、安全な場所へプロデューサーさんを連れて行かないと…………」
まゆの体力は、限界が近かった。
その横を一台のトラックが通りかかる。
「『エヴリデイドリーム』!」
スタンドを使ってまゆはトラックの荷台に飛び移る。
「ここで、少し休みましょう……」
トラックはまゆに気付くことなく進んでいく。
(それにしても、あの猫女の能力は危険ですね)
(理由は分からないけど私の居場所を正確に把握している……)
「始末、しなければ……」
まゆは近くのホテルを調べようと、スマホを取り出した。
だが、発炎筒の火力のせいか壊れて使えなくなっていた。
「そんなっ……!」
まゆが無理矢理乗っているトラックは、コンビニ『ナナイレブン』へと停車した。
そこで運転手は仮眠をとるようだ。
「……………………」
「店員さんに道を聞きましょう」
まゆはプロデューサーを背負い、トラックから降りた。
そしてコンビニに入ると、大きな悲鳴が聞こえた。
「おい! 全員手を挙げろっ!!」
顔を隠した男が、少女を捕まえてその首に刃物を当てている。
「おい店員、レジにある札を全部出せ!!」
まゆはコンビニ強盗の最中に店に入ってしまったのだ。
「おい、そこのおっさん背負ったガキ! おまえも手を挙げるっ!!」
「…………」
まゆは顔をしかめる。
「早く手を挙げろっ!!」
「…………たかが金の為にそんなことをするなんて、ヒマそうでうらやましいですねぇ」
まゆはスタンドで強盗の顔を殴った。
強盗はよろよろと地面に倒れる。
「別のコンビニに行きましょう」
まゆが店を出ようとしたそのとき、
「あ、あなた!」
人質から解放された少女はまゆを呼び止めた。
「なんですか? 私は今とっても忙しいんですよ」
まゆは少女のほうを振り向く。
少女は値段の高そうな赤い服を着ており、いかにもお嬢様といった見た目だ。
「た、助けていただいて感謝いたしますわ!」
「それで?」
「この櫻井桃華、なにかお礼をいたしますわ!」
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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第3章に新登場したスタンド一覧は、第3章の最後のお話の最後に記載する予定です。
活動報告に、小説「デレのジョな冒険」のpixiv版との違いを投稿しました。
まったくの余談ですが、私のデレマスの最推しは赤城みりあです。