デレのジョな冒険 スマイリングシンデレラ   作:並び替え

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卯月たちがみくを追い、みくはまゆを追う一方で、桃華とまゆは愛についての話をしていた……。


第37話 エヴリデイドリームvsキャット・ウィスカーズ その⑤

――――  まゆと桃華より、約5km後方

 

「あのリボンの女は、どこに向かっているのかにゃ……?」

 みくが自動車猫に乗り、道路を走る。

 敵の場所は把握しているが、目的地が分からない。

「まぁいいにゃ。 速度をあげるにゃ!!」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

――――  屋上のヘリポート

 

「それで? どうやってみくのところに行くの?」

 凛が聞くと、卯月はこちらを向いた。

「みくちゃんが乗っている猫は、元はたぶん自動車か自転車だったと思うんです。 そしてその速度は、自動車なら時速60km」

 卯月はゆっくりとスタンドを出し、

 

「これならその倍は出ます」

 ヘリコプターに触れた。

 

「まさかっ、スタンドでヘリを操るつもりか!?」

「違いますよ、凛ちゃん。 お願いしているんです」

 卯月のスタンドは、ヘリコプターと意思の疎通を行った。

 

「あ、羽根が回りました。 2人とも早く乗ってください!」

「本当に動いた……」

 凛は少々驚いていたが、

(壁をへこませていたくらいだし、ヘリくらい動かせるよね。 卯月ちゃんすごいなぁ……)

 美穂は納得していた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「座席がお好きですの?」

 まゆが座席を触っているのを見て、桃華は話しかけた。

「いえ、ただ座り心地がいいなと思いまして……」

「まぁ! 気に入っていただけてなによりですわ!」

 桃華は嬉しそうに微笑む。

「それで、この車はどこに向かっているのでしょうか?」

 不安そうに、まゆは質問した。

 

「空港ですわ」

 

「空港……?」

「えぇ。 そこに着いたら、自家用ジェットがありますわ」

 桃華は少し間をおいた。

「それをあなたに差し上げますわ」

 

『!!』

 

「安心してください。自動操縦AI付きなので、運転手は不要ですわ。 」

「…………何が、目的ですか」

「あら、命の恩人にジェット機を差し上げるくらい当たり前ですわよ?」

 ルームミラー越しに2人の視線が合う。

 だがその表情は対照的だ。

(櫻井桃華……私は彼女に利用されている気がします……)

(リボンで今すぐ操るか? 体力も回復してきたし……)

 まゆは桃華に手を伸ばそうとするが、

「……っ!」

(ずっと見ている! この子はまゆを、私を見ている!)

 伸ばした手を引っ込めた。

(落ち着け私……、感情のままに行動すればプロデューサーさんが危ない!)

(発炎筒のときのような失敗は、もう許されない!)

 

「ときに、まゆさん?」

 桃華がふいに話しかける。

「あなたは、『愛』についてどう思いますでしょうか? わたくしは、『永遠に続く、運命的なもの』と解釈しています。」

「運命的なもの……ですか」

 まゆはオウム返しのように、淡々とつぶやく。

「ええ! 小難しい言葉なんて要らない、運命的なもの」

「へぇ…………」

 まゆは薄く微笑む。

 

「桃華さん? どうして男と女が存在するか知っていますか?」

 突然の質問に、桃華は頭に?を浮かべる。

「生物学の話、ですの?」

「違いますよぉ。 人間は、もとは両性具有なんです。」

「両性具有?」

「男と女が合わさった身体のことです。 神様はそれを2つに切り分けたんです。」

 手をチョキにしたまゆは、チョキチョキする。

「別れた半身の男と女は、結合してもとに戻るために求め合うのです。」

「それが、男女の『愛』。 元に戻ることなんですよぉ……」

 

「――――っ!」

 まゆの表情はほんのりと赤い笑みで、でもどこかおぞましい。

 それを感じ取ったであろう桃華の顔色は、少し青くなったように見える。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 まゆは、幼いころからいくつもの習い事に行かされていました。

 料理、手芸、日本舞踊、バレエ、etc……

 まゆが嫌がったときに、ママは言いました。

 

 女は、車。 

 男は決まって新車を選ぶけど、ボロボロになったら売って乗り換える。 

 そして中古車は見向きもされない……

 そうならない為には、男が車を出なければいい。

 永遠に、あたたかく閉じ込める……

 車が魅力的なほど、成功率は上がる。

 そのための技を磨け。

 女の価値を磨け……と。

 

 幼いまゆには半分も意味を理解できませんでした。

 運転手の操作通りに車が動くから、「女は男に従えば良い」くらいの意味で捉えていたんです。

 そんな時期が、まゆにはありました。

 

 でもしばらく経って理解したんです。

 逆だった。

 車は指示通りに動いているようで、本当は男が説明書に従っているに過ぎないって。

 説明書が変われば、つまり車が変われば男はそれに従う……。

 それでも乗り換えないのは、心地良いから。

 だからひとつになる。

 そうですよね?

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「見つけたにゃ! さっきとは違う車だけど、あそこにリボンの女が乗ってるにゃっ!」

 みくはついに車に追いついた。

 すると、猫になったまゆのリボンが暴れる。

「あっ、ちょっと待つにゃ!」

 みくの静止を振り切り、猫は桃華とまゆのいる車に飛び乗った。

 

『!!』

 

 そして猫は、急に生えてきた薔薇の棘のようなものに刺された。

 

 




ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
質問や感想等受付中です。
第3章に新登場したスタンド一覧は、第3章の最後のお話の最後に記載する予定です。

ツイッター(@wairudofapo)やピクシブでは、デレジョとはまた違うデレマスのイラストをたまに投稿しています。
よろしければ見ていってください。

この小説は現在、水曜更新です。
続きは来週をお待ちください。
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