「あなた、わたくしを見る目つきが普通の人のそれと違いましてよ」
1年前、櫻井桃華は近畿地方のどこかでプロデューサーによってスカウトされた。
そこから、アイドルとして活動するために必要なレッスンを行っていた。
ある日、事務所内。
「ちょっとあなた!」
桃華は、更衣室にいたアイドルに話しかけた。
「は?」
「は、じゃありませんわ! その手に持っているの、たばこじゃありませんの!? あなた未成年ですわよね!!?」
「チッ」
たばこを注意されたアイドルは、吸い殻を地面に投げ捨てて立ち去った。
「まったく……、あのかたのプロデューサーはこのことを把握しているのかしら?」
「あっ、プロデューサーちゃま。 いえ、なんでもありませんわ。 それより、わたくしにお話があるんですの?」
「前座とはいえ、こんな大きな会場でライブできるんですの、わたくし……。 はいっ! もちろん受けさせていただきますわ!」
そしてライブ当日……
「本日、前座を務めさせていただきます櫻井桃華と申します。 よろしくお願いいたしますわ。」
「うん、よろしくね。」
桃華は、本日のライブの主役のアイドルに挨拶をした。
「それでは、わたくしはこれで……」
「桃華ちゃん、ちょっといいかな? 悪いけどこの『かご』を持って3分だけ部屋の外で待ってて欲しいんだ。」
「え、でも……」
「大切なものだから。 絶対放さないでね!」
桃華は半ばむりやり押しつけられたかごを持って、扉の前で待機した。
「はぁ……」
(このかごの中には、いったい何が入っているのかしら。)
かごには布がかかっており、中身は見えないようになっている。
桃華はその布に手を伸ばし取ろうとするが、
(いっ、いけませんわ! 他人の荷物を盗み見るなんて!)
手を引っ込めた。
「すみません」
「!」
桃華は突然、警備員に声を掛けられた。
「そのかご、すこし調べさせていただきます」
「えっ、でもこれは……」
警備員は桃華の言葉を聞かずに、かごを取り上げて中身を見た。
彼は何かを見つけると、それを取り出しだ。
「これはなんですか?」
そこには、たばこ一箱があった。
「えっ! それは……」
桃華の言葉を遮るように控え室の扉が開く。
そしてこのかごの持ち主が出てきた。
「あっ、あのっこれって一体……」
「あ、警備員さん。 この子です!」
桃華の言葉はまた遮られ、かごを渡したアイドルが喋る。
「この桃華って子、たばこ吸ってました!」
結局、桃華が吸っているという明白な証拠が無かったので、ライブの前座に変更は無かった。
だが、ステージに出た桃華をまちうけていたのは
「ねぇ、あの子たばこ吸ってるんだって?」
「え! マジ!?」
「あー。 それさっきツイッターで見たー」
「ヤニ臭ぇガキが出てくるんじゃねぇよ……」
「早く前座おわって~~!」
「つーか、帰ってくんねぇかな」
「確かに。 時間ムダだよなぁ」
「かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!!」
「かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!!」
「かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!!」
「かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!!」
『かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!! かーえーれ!!』
桃華はこの後自分が何をやったのか、覚えていないらしい。
この一件により桃華は事務所を辞め、プロデューサーは責任を取らされ辞表を出した。
そして最後に二人が会った時――、
「謝らないでくださいまし、プロデューサーちゃま。 これは、私が弱かったからです…… 正しくても力が無ければ、意味がないのですわ……」
プロデューサーは、何も言わずにその場を離れる。
「待ってください! わたくし、強くなりますわ!! 強くなってあなたのもとへ帰ってきます!! それまで……」
桃華はさっと箱を出し、中身を見せる。
「これは、ガラス製の靴ですわ」
「あなたには、この右靴を貸します。 私があなたと再会したそのとき……」
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「私にその靴を履かせてください…… Pちゃま……」
桃華は血まみれのまゆを見ていた。
桃華は意識のない元プロデューサーをみていた。
一方まゆは、
(屋根にいるスタンドを、戻さないと……。 でもどうすれば……)
「リボン、リボンを出さないと…… ごはっ!」
まゆのスタンドは、リボンを出せないくらいに衰弱していた。
(せめて、今までに出したリボンがあれば……)
「!!」
まゆのスタンドは、あるものを掴んだ。
自分が出して、みくの能力で猫になっていたリボンだ。
それを『エヴリデイドリーム』は、掴むことが出来たのだ。
しかし、それはボロボロですぐに砕け散った。
(――っ! なんとか車の屋根に咲く薔薇を、どうにかしないと……)
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
質問や感想等受付中です。
第3章に新登場したスタンド一覧は、第3章の最後のお話の最後に記載する予定です。
ツイッター(@wairudofapo)やピクシブでは、デレジョとはまた違うデレマスのイラストをたまに投稿しています。
よろしければ見ていってください。
この小説は現在、水曜更新です。
続きは来週をお待ちください。
ノワールみりあちゃん来て嬉しいです。
なんとか引けました。