デレのジョな冒険 スマイリングシンデレラ   作:並び替え

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桃華には、まだなにかあるみたいだ!


第40話 ラヴィアンローズ その③

 

 

(車の屋根に咲く薔薇を、取り除くには……)

 

 まゆは、そのスタンドで薔薇を観察した。

(『エヴリデイドリーム』の周り、そしてなぜかリボンを掴んだ場所に薔薇が咲いている……)

(これは重さか衝撃に反応して花を咲かせる能力……? もしくは地雷のようなものを設置している? もし後者だとすれば、どうして車の中に設置しないのでしょう? いや、それより……)

 

(私の、スタンドが倒れた場所には薔薇が生えていない……?)

 『エヴリデイドリーム』はもう一度自分の周囲を見る。

(よく見れば、周りには生えてないところもある…… 影になっているようなところとか、影……?)

 まゆはスタンドの足を少し動かす。

 それによって影の場所が変わり、光が差すところにふわりと薔薇が咲き始めた。

(なるほど、日光だ! 車内だと日光が当たりにくいから、置いてないのですか。 それなら日光が当たらなければ、花は咲かない!)

(ただ、それが分かったところでこの状況は何も変わりません。 なにか、日光を遮れるもの……)

 まゆは、交通標識を見る。

(弱ってなければ、あれをもぎ取ったんですけど……)

 

「……っ!」

 

(違う。 まゆがすべきことはスタンドを自分の身に戻すこと。 薔薇の対策はその過程に過ぎない!)

(車の中に戻れば、日光は当たらない!)

 

 まゆは、スタンドを動かしてまとわりつく薔薇のツタを引きちぎる。

 

「うぅっ!!」

 まゆの身体の傷が広がる。 そこから噴き出る血が、車のシートに染みてゆく。

 桃華は、その様子を見ていた。

「そのまま、おとなしくしてくださりませんこと? スタンドへのダメージは自分の体に反映されるってことは知っていますわよねぇ?」

 それでもまゆは力を振り絞り、ツタを引きちぎった。 傷はさらに開く。

 

「あとは…… 窓を開ければ……」

 窓を開けるためにまゆはボタンを押そうとした、が。 桃華が何もせずともそれは出来なかった。

(体が……動かない! 力が……出ないっ…………)

 まゆの右手は動かず、スタンドの右手が動く。 そして手が地面(車の屋根)に触れるたびに薔薇が新しく生え、まとわりつく。

 

「あら、せっかくちぎったのに。 何をしているんですのあなたは」

 桃華は助手席から、まゆが小声で何か喋るのを見た。

「開かないなら……」

 

 ガンッ

 

「!!」

 後部座席の窓にヒビが入る。

「まさか……割るつもりですの?」

「まゆさん、あなた…… ずいぶん力づくですわね……」

 

 複数回、まゆのスタンドは薔薇のツタの絡まる手で窓を殴った。 薔薇の棘を利用したのだ。

 

 

 そして音を立てて窓が割れる。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「!!」

 

 リボンのスタンドが、窓から車内に入ったにゃ! そして……薔薇のツタがしぼんでいくにゃ。

 なるほど、あれは日光を遮ると力が弱まるのにゃ。     とはいえ、まだ太陽も出てる。

 

「もう少し、距離を離すにゃ……へ?」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「佐久間まゆさん。 私の能力の弱点は把握していますわ」

 桃華はリモコンのボタンを押す。

 すると車の屋根がぱかっと開いた。

「このベンツは本来、屋根の開閉はできません。 でも、櫻井家の力ならこのくらいの改造はなんてことないですわ」

 

「そんな……」

 まゆの顔に日光が差す。 しぼんでいた薔薇のツタは活力を取り戻し、さらには

 

「後部座席のところどころから薔薇が……」

 まゆとプロデューサーに、新たな薔薇のツタが纏わりつく。

(屋根だけじゃない、座席にもやっぱり仕掛けていましたか……ひ、引きちぎれない)

 

「行動はすべて把握済みですわ、あなたは少なくとも数日前から、Pちゃまを閉じ込めていた」

「!!」

 桃華の言葉にまゆは驚く。

「そして、今を待ってましたわ。 まゆさんの動向を探り、トラックを走らせて買収したコンビニへ停車させる。 そしてあなたに恩をつくりわたくしの車に乗せた……」

「すべては私の能力を最大限生かすためですわ!」

 

 抵抗のできないまゆに対し、桃華は強く言い放つ。

 

「さて、あとは邪魔者を排除するだけですわね。 彼女のおかげで私の計画は成功しましたが、Pちゃまを横取りされるわけにはいきませんわ」

 

 桃華はコインを一枚、車の後ろのみくに向かって投げた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

(屋根が開いて、リボン女が縛られたにゃ。)

(で、小さな女の子がなにか言ってる……あの2人はやはり敵なのかにゃ?)

 

 みくの数メートル先で、何かがチリーンと音を立てながら転がる。 

「にゃ?」

 そのコインから突然、薔薇のツタが生えてみくと自動車猫に絡みつく。 みくは道路の真ん中で動きを封じられた。

「しまったにゃっ! 車の屋根と同じ仕掛けが、このコインにされていたのかっ!」

 みくはそこから抜け出すために身体をひねるが、ツタが余計に絡む。

(落ち着いてちぎれば…… ん?)

 

 次は、車の音が聞こえる。

 その音はどんどん大きくなってゆく。

 すぐそこに車が迫る。

 

「まずいにゃ! もう猫化も間に合わない……」

 みくは車のライトに強く照らされる。 彼女が車に轢かれるのを回避することは、もう不可能だ。

 

(りーなちゃん、ごめん……)

 

 

 

『ネイキッド・ロマンス!!』

 

 

 




ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
質問や感想等受付中です。
第3章に新登場したスタンド一覧は、第3章の最後のお話の最後に記載する予定です。

ツイッター(@wairudofapo)やピクシブでは、デレジョとはまた違うデレマスのイラストをたまに投稿しています。
よろしければ見ていってください。

この小説は現在、水曜更新です。
続きは来週をお待ちください。
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