『ネイキッド・ロマンス!!』
みくは薔薇のツタごと、空に飛ぶヘリのほうに引っ張られた。
「みくちゃん、大丈夫?」
美穂がみくをヘリに引き入れた。
凛が水圧カッターでツタを切り落とす。
「美穂ちゃんに、凛ちゃん? なんで……」
予想外の出来事に、みくはぽかんとしていた。
「それは、こっちの台詞」
「みくちゃん、さっきまでいったいなにをやっていたの?」
「それは……」
「なるほどね。 復讐ってことか」
凛たちはみくの話を聞いた。
「それにしても、薔薇のスタンドって……」
卯月はそう言って上空がら車を見る。
「遠くて見えないですね。 えっと、ヘリさん少し高度落と……」
「その必要はないよ卯月。 私のスタンド、『ネバー・セイ・ネバー』の能力は水を操ること。 手に輪っかをつくり、水の膜を作ればそれがレンズになる」
「そ、そんな使い方があるんですね! すごい……」
凛の指の輪っかから、車に3人乗っているのが見える。
「あの金髪が薔薇のスタンドの本体にゃ。 それで後ろにいるのが……」
「リボンのスタンドの本体!」
「!」
凛の言葉に美穂と卯月は反応する。 みくはそれを知って言葉を続ける。
「道路上からは後ろ姿しか見えなかったから分からなかったけど、屋根が開いているおかげで空からばっちり見えるにゃ!」
「あの顔は……見たことがある。 『佐久間まゆ』だっ!!」
(凛ちゃんたちを操った……犯人……)
卯月がまゆを見る。
「それで、これからどうするの?」
美穂の言葉に、卯月は我に返る。
もともと、卯月は様子のおかしいみくを心配して追いかけたのだ。
「みくちゃんは無事だったし、これ以上ここにいる理由はないよ。 このまま346プロに戻ろう」
「美穂、待って。一緒にプロデューサーも回収できないかな?」
「……」
「凛ちゃん……」
「まだダメ、危険すぎるよ。」
プロデューサーは、まゆと一緒に薔薇のツタに絡まっている。
そのため、プロデューサーを助けるということは『まゆ』を助けることを意味する。
「っ……」
「美穂ちゃん、判断はもうすこし後でいいんじゃない?」
「卯月ちゃん?」
「今、私たちは上空にいる。 『薔薇』も『リボン』もここまでは届かない……様子見してもいいんじゃないかな?」
「卯月……」
ヴヴヴヴヴヴ……
美穂の携帯電話が突如震える。
「美穂、電話出て良いよ」
「うーん、ヘリがうるさくて話にならないかな」
美穂は電話を無視した。
それが後に、皆の運命を大きく左右することを知らずに。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「出ませんね」
美穂に電話をしていたのは菜々だった。
「なにかあったのでしょうか……?」
「菜々おねーさん、どうかしましたか?」
「あ、仁奈ちゃん。 それが――」
現在、仁奈は菜々が住むアパートに居候している。
両親が見つかるまでの間ということだが、菜々はそのときが来ないことを把握している。
「それが、346プロにあるはずのヘリコプターが1機足りないという連絡が来たんです。 しかも、トラックが1台戻ってきていない、とも。 卯月ちゃんや美穂ちゃんなら何か知っているかもと思って電話したんですけど……ん?」
仁奈は黙ってテレビを指差す。
『トラックが高速道路から川に落下しました。 こちらが現場の映像です』
「! これ、さっき言っていたトラック……」
『この事故により運転手の女性が病院に搬送されましたが、命に別状はありません』
テレビに事故現場が映し出される。
『続いて、次のニュースです コンビニエンスストアで強盗事件が発生し……』
(根拠はないけど、この事故はただの『事故』じゃない! もし杞憂ならそれでいい!)
「メルヘンチェーンジ!!」
菜々はスタンドを発動させた。
神経を活性化させ、美穂の居場所を感知する。
(美穂ちゃんは、いま空中にいる! 凛ちゃんも、卯月ちゃんも!)
魔法少女ウサミンは、外に出た。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「プロデューサーちゃま、約束を果たしに来ましたわ……」
まゆとプロデューサーは、薔薇のツタに縛られている。
そして桃華はガラスの靴を出した。
「!! なんで……あなたがそれを……持ってるの……?」
まゆの問いを桃華は無視し、Pに話しかける。
「Pちゃま。 いますぐ解放しますわ」
プロデューサーに巻き付くツタが、緩まった。
「…………さて。 佐久間まゆさん」
桃華は手をプロデューサーの顔の方向にのばす。
「Pちゃまをリボンのスタンドで封印しているのでしょう?」
「…………」
手はだんだんとプロデューサーに近づく。
「それを解除していただければ、悪いようにはしませんわ」
「さ……」
まゆの声は震えている。 まるで学校へ持ち込んだゲーム機が見つかりそうな学生のように。
「リボンの封印を解けば、あなたを助けます。 そしてPちゃまも……」
「さわるなっ!!!!!」
まゆの、かつてない大声。
そして、桃華の指先に伝わるPの冷たい感触。
「あ……あぁ……」
「そんな……、ありえませんわ。 Pちゃまは……もう、」
『死んでる!』
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――凛がスカウトされるよりそこそこ前 346プロダクション
「きゃっ!」
まゆは人とぶつかって倒れた。
その『人』は、まゆを心配している。
「ええ、だいじょうぶ……です……」
「…………」
まゆの顔は、ほんのりと紅かった
3章は残り3話です(完結じゃないよ)。
余談ですがモンハンライズ買いました。
ツイッター(@wairudofapo)にていろいろ投稿してますのでよければ見ていってください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
質問や感想等受付中です。
第3章に新登場したスタンド一覧は、第3章の最後のお話の最後に記載する予定です。
この小説は現在、水曜更新です。
続きは来週をお待ちください。