デレのジョな冒険 スマイリングシンデレラ   作:並び替え

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真実を知り動揺するまゆ。
真実を知り激昂する桃華。

決着。


第43話 佐久間まゆ その②

 

 佐久間まゆは、プロデューサーの死を受け入れられずに、自分を洗脳して「プロデューサーはリボンで意識を束縛されて気絶しているだけ」だと思い込んでいた。

 

 プロデューサーが死んだその後、『彼は異動した』と嘘の情報を流し、プロデューサーの事務室に入った人間をリボンで操り、「特に何もなかった、やっぱり彼は異動していた」と言わせていた。

 

 しかしプロデューサーにスカウトされまゆの動揺の原因となった渋谷凛が来たときは行動が遅れてしまい、机の上に置いていたガラスの右靴を持ち逃げされた挙句、靴がどこかに逃げてしまった。

 その靴を回収するためにまゆは凛を洗脳、たまたまそれを見つけた卯月との戦闘になり1話から始まることとなる。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「そんな……、ありえませんわ。 Pちゃまは……もう、死んでる!」

 

「…………そうだ……プロデューサーさんは…………」

「ずっと一緒に幸せになるために、他の女に取られないようにって、行動してたのに…………。 あそこで私はプロデューサーさんを襲って閉じ込めて、スタンド能力で今の状況を作ったはずなのに……」

「そう思い込んでいた……? 実際は死体を隠して……いただけ!?」

 まゆの目から涙が出る。

 

「まゆさん……あなたっ……」

 桃華はまゆより多くの涙を浮かべて睨み付ける。

 そして懐からナイフを取り出し、まゆの腹を刺した。

「ぁ゛がっ」

「プロデューサーちゃまの束縛を解除するために生かしてましたの。 でも、もうその必要はありませんわ……」

 

(!! そうだ、ガラスの靴があれば……)

 佐久間まゆは知っていた、ガラスの靴がスタンドの力を呼び覚ますのだと。 そしてそれが2つ揃ったとき、想像を絶する力が発生する……と。

 まゆは桃華の『左靴』を手に取る。 同時に桃華はナイフを5センチほど滑らせ、まゆの腹が開く。

「はぁ……はぁ……」

 

 そしてガラスの右靴と左靴を揃える――

「!!」

 

(なにも……起こらない!)

 まゆは驚いた。

(物理法則をねじ曲げる力を無限に生み出せる靴……それが2つ揃えば、常識を越える現象が起こるのは明白!)

「どうして……」

 

「どうして……」

「Pちゃまを殺したんですのぉっ!!」

 桃華がナイフを振り上げる。

 狙うは、まゆの心臓だ。

 その瞬間――

 

「うわああああぁぁぁぁあああ!!!」

 ドォォオン!!

 爆音とともに、道路に何かが激突する。

 そして運転手が急ブレーキをかけ、ナイフは座席に突き刺さった。

 

「な、何ですの!?」

 

 桃華は、車の前に一人の少女を見た。

「美穂さんたちは…… あのヘリの中にいる! まさか、凛さんが言っていたリボンのスタンドを発見したのでしょうか……」

「だ、誰ですのあなたはっ!?」

 桃華の大きな声が車内に響く。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「な……菜々さん!?」

「どうして、こんなところに……?」

(あ……電話に出なかったのを危機があったと勘違いして助けに来てくれたんだ……)

 美穂は察したが、口には出さなかった。

 

「でも、おかげで車が停止しているにゃ! 今がチャンスにゃ!」

「み、みくちゃん!」

 みくはヘリから飛び降りた。

 

 そして、菜々は自分が車の通行の邪魔になっていることに気づき、その場を離れようとしたそのとき――

 

「まぶしいにゃっ!」 

 みくは目を閉じる。

「何かが光った!?」

 車の中から、太陽のように強烈な光が発生した。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「ガラスの靴が……光り出した!?」

 桃華は目を半開きにして、そう言った。

 逆にまゆはその光をしっかりと見ていた。

「これだ……これならっ! プロデューサーさんを蘇らせることができるかもしれない……」

 

 まゆの手が、自然と靴に伸びる。

「!」

 しかし彼女は途中で手を止めた。

(プロデューサーさんを蘇らせて、まゆはプロデューサーさんになんて言われるのでしょうか? あの人は、私にはもう見切りをつけたのかもしれない――いやきっとそうだ。 だから新しくスカウトしたんだ。 桃華って女もプロデューサーさんを狙っている。)

(私とプロデューサーさんが離れないためには……)

 まゆはまた、靴に手を近づける。

 膨大な熱量を放つ靴に触れた瞬間、手に電流のようなものが走る。

 

 佐久間まゆの身体から、濃い赤色の太いリボンが抜け落ちる。

 そしてリボンはプロデューサーのほうへと動き、まゆの身体は力尽きて肌が青白くなった。

 

 まゆの魂と、プロデューサーの身体が一つになろうとしている。

 これならずっと一緒にいられる――まゆはそう考えた。

 

 

 

「これ以上、Pちゃまに手出しはさせませんわ!」

 桃華がまゆのリボンを掴む。

「っ、はなして!」

「絶対に放しませんわ……」

 段々と光が弱まり――

 

 

 

「…………」

「いったい何が起きたのでしょうか……」

 最初に声を出したのは菜々だった。

 次に車に近づいて中を覗こうとしたが車は発車して車内を知ることができなかった。 

 

「ま、待つにゃ!」

 みくは走ったが、人間の足で追いつけるはずもない。

 菜々とみくは、車道の端でただ立っていた。

 その横を、別の車が通り過ぎる。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「…………」

「桃華様、これからどうなさいますか?」

 運転手は質問する。

「もうすべて終わりました、帰りましょう」

 後部座席には佐久間まゆとプロデューサーの死体がある。

 桃華はそれを見て――

(今回は邪魔が入って失敗しましたけど、いずれまた機会はあります)

(その代わりに、スタンドは新しいステージへ進むことができました。 早速試してみましょう……)

 

 桃華は『リボン』を出して、たまたま近くにいた猫を捕まえる。

 そして猫の右足を折って車の外へと放り投げた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「…………」

 前川みくは、前方を睨み付けていた。

「次は必ず……にゃ?」

「み、道の真ん中に猫がいるにゃ!?」

 猫は右足が折れており、動くことができない。

 そして間の悪いことに、そこに一台のトラックが接近する。

 

 轢かれる――

 

 そう思ったみくは、とっさに走りだす!

「みくちゃんっ」

 菜々の呼びかけを、みくは無視した。

 

(足を猫化して、すぐに跳べば間に合うはずにゃ!)

 みくは猫のもとにたどり着き、抱える。

 

 その瞬間、みくは力がふっと抜けた。

「あれ、スタンドが出ない?」

 車が迫る。

 

 

 

 

 

「にゃあ」

 猫はそこに倒れる少女の頬を舐めた。

 菜々はその猫を持ち上げ抱える。

「間に合わなかった……」

 

 菜々の足下に転がっている、猫耳を付けた少女の腹より下は、反対側の車線にあった。

 

「みくちゃん……っ!」

 

 

 

「なるほどぉ…… これが新しい『まゆ』のスタンド能力ですかぁ……」

 走り去る車の中で、『桃華』はにやりと笑った。

 

 

 

 ――前川みく 死亡――

 




3章は残り1話です(完結じゃないよ)。
3章終了時にアンケートを行う予定です。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
質問や感想等受付中です。
第3章に新登場したスタンド一覧は、第3章の最後のお話の最後に記載する予定です。

この小説は現在、水曜更新です。
続きは来週をお待ちください。

みりあちゃんお誕生日おめでとう
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