「まずは、全員よく頑張ってくれた。
アインス君達も、クリス君達のサポートよくやってくれた。
ありがとう。」
S.O.N.G.司令室にて、弦十郎は一同に感謝の言葉を告げた。
「いや、僕達はお世話になってるお返しをしただけだよ。」
「一宿一飯の恩義って奴さ。」
「それでも、あんたらが来なかったら危なかったのは変わりない。
アタシからも礼を言うよ。」
「どういたしまして。」
「にしてもよ…あのマッカォの群れ。
どっから湧いて来やがったんだ?」
テインが口にした疑問に答えたのは、エルフナインだった。
「それなのですが、マッカォの一体に小型の発信器を付けて追跡した所、リディアンから数キロ程離れた山奥に、マッカォの巣と思われる洞穴を発見しました。
その中を調査した所、ギャラルホルンのゲートが見つかったんです。」
「何!?ギャラルホルンの、ゲートが!?」
「なるほど、つまりあのマッカォの群れはそのゲートを通ってこっちの世界にやって来たって事か。」
「正確に言うと、ギャラルホルンの放つゲートのエネルギーに巻き込まれてしまったんだと思います。」
「迷い込んでしまったって事か。」
「…それで、そのゲートは今どうなっているのかしら?」
「流石にギャラルホルンのゲートを閉じる事は出来ないので、現在はS.O.N.G.で監視中です。」
「ドスマッカォは討伐したから、暫くは大丈夫だと思うけどね。」
「…そう言えば、気になる事がもう1つある。」
「そうデス!
ドスマッカォを見て逃げ出したマッカォの事デス!」
「そう言えば、報告書にもそう書いてあったな。
まるで、ドスマッカォを見捨てた様に見えたとあったが…。」
「うん。あれはどういう事なんだろう…。」
「そこは、スィーヨの出番だね。」
「任せて。
群れで行動する鳥竜種モンスター、マッカォ。
そのリーダーであるドスマッカォは、一応群れを統率する存在でもあるんだけど、その統率力はあまり強くないんだ。
実際、調さん達も見たと思うけど、遠吠えで仲間を呼ぶ事は出来ても、指示をしたりするのは苦手な傾向がある。」
「確かに、アイツら割と好き勝手に行動している感じはしたな。」
腕を組んで頷くクリス。
「それでも、一応リーダーなんでしょ?
なんで、仲間に見捨てられてしまったの?」
「それは、マッカォの習性にあるんだ。
マッカォは、群れで行動するってさっき言ったけど、実はその反面で群れのリーダーが不利な状況に陥ると、そのリーダーのもとを離れていく習性があるんだ。」
「弱いリーダーを助けて自分が死ぬよりも、強いリーダーを探してソイツの下にいた方が生き残れるって事さ。」
「そんな…!酷すぎるデス!!」
「うん…見捨てられたドスマッカォが可哀想…。」
調と切歌の反応に対し、テインは真面目な表情で答える。
「ひどい…か。
オレやお前等…いや、人間目線で見るとそういう風に見えるかもしれねぇな。
…けどな?自然界ってのは、弱肉強食の過酷な生存競争が繰り広げられる世界だ。
そんな世界で生き延びる為には、時にはそういう決断をしないといけねぇ事もあんだよ。」
「…然り。
マッカォ達も、その日その日を生き延びる為に必死である。
この世に存在する、全ての生きとし生けるものに当てはまる事だが、他者に危害を加えて来る彼等に悪意などは毛頭無く、ただ“生きている”だけなのだ。」
『…。』
ゴロウが放った言葉に、装者一同は言葉を詰まらせる。
ただ生きているだけ…言われてみれば確かにその通りだからだ。
こちらの世界でも、山から降りてきた熊や猿等が人や農作物に危害を与える事はある。
しかし、彼等はあくまで食料や住処を求めて移動して来ただけ…即ち、“生きるため”にやって来ただけなのだ。
野生動物だけでは無い。
自分達も、肉や野菜等を食べて生きているが、それらは元々は生きていた動植物だ。
それらを食べる目的は、“生きるため”。
人間も、この自然界で生きる存在の1つに過ぎないのだ。
自然と共に過ごし、弱肉強食の世界をその目で幾度となく見て来たハンターだからこそ、言える言葉であった。
「…なんだか、酷すぎるって言ってた自分が恥ずかしくなってきたデス…。」
「うん…。
生き延びる為の手段…そう考えたら、さっきまでの自分が恥ずかしく思えて来た…。」
「自覚していなかった事を改めて自覚すると、誰でもそうなるよ。
僕達だってそうだったから。」
「まあ、自覚したからといって俺達に何が出来るんだって話になるけどな。」
「せいぜい、その事を常に考えて忘れない様にする位だろ。」
「そう…だね。」
沈黙に包まれる司令室。
…グウゥ〜…
…その沈黙は、低い音によって破られた。
「…今の音って…。」
一同の視線が、その音源…立花響に集中する。
「…えへへ…いっぱい動いたからお腹ペコペコで…。」
「だからって、あのタイミングで鳴らすかぁ?」
「仕方ないよー!
腹の虫は自分でも抑えられないんだから!」
「もう…響ったら…。」
「つっても、オレも同じなんだけどな!
今も気を抜いたら腹が咆哮をあげそうなくらい腹減ってるしな!」
「咆哮って…いくらなんでも大袈裟じゃないかしら…。」
「いや、割とその通りだと思うよ。」
「スィーヨさんがまさかの真顔で!?」
「それくらいデカい音立てるんだよ、テインの腹は。」
「今までその音で何度モンスターに気付かれたか…。」
「アインスさんまで!?
と、とにかくすごくお腹空いているのはわかったよ…。」
「それなら、これから皆でふらわーに行って食事にしない?」
「そこって、和食はでるかな?」
「えっと…お好み焼きのお店なんだけど…。
…一応、日本料理、かな?」
「ゴロウ、どうする?」
「…見て決める。」
「よっしゃ!
それじゃあ今からそのふらわーって所に行こうぜ!」
「その前に、僕達は服を着替えないと行けないよ。
流石に狩猟装備のまま街に出るわけにもいかないし。」
「それなら、こちらの方で用意しておこう。
サイズが合えば良いのだが…。」
「ありがとうございます。」
「よーし!
それじゃあ準備が整ったら、ふらわーに出発!」
…この後、響達とアインス達は、ふらわーで食事を取った。
この時、アインス達のお好み焼きの食べっぷりを見て、響やふらわーのおばちゃんが目を丸くしたとかなんとか。
因みに、ゴロウは普通に大丈夫だったらしく、そのまま食べていた。
〜歌に誘われ、異界へ導かれた五人の狩人達は、導かれた世界で歌を力にする少女達と出会った。
少女達と狩人達は、互いの絆を深めながら多くの戦いを乗り越えていく。
これは、そんな物語の始まり〜
『序章:歌に誘われ導かれ』は今回で最終話となります。
シンフォギアとモンスターハンターのクロスオーバーの物語は、まだまだ続きます!