戦姫と狩人   作:暇を持て余す火の玉

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セレナ世界編、始まりです!


第8話:最愛の妹

「あら。」

「おっ。」

S.O.N.G.本部内にて、アルニとマリアはバッタリ出会った。

 

「よう!今日は特に仕事とか無いのか?」

「ええ。

今の所は、特にこれと言った任務の知らせも来ていないから。」

「そうか。

それにしても、この間はマジで大変だったぜ…。」

「司令やクリスから聞いたわ。

まさか、ゴロウが並行世界に行ってしまうなんてね…。」

「ああ。

流石のアインスも大慌てだったよ。

でも、ゴロウのおかげで俺達も並行世界に渡る事が出来るとわかった。

俺達が新大陸に戻れる日も、そう遠く無いかもしれないな。」

「…ねえ、あなた達がいた“新大陸”って、どんな場所だったの?

教えてくれないかしら?」

「ああ、良いぜ。」

そう言って、アルニは新大陸に渡った目的や、到着してからの日々等、懐かしい思い出を語った。

 

「…という感じさ。」

「すごいわね…。

新大陸のモンスター…特に“古龍”が気になったわ。」

「古龍は、まさに伝説的な存在だからな。

俺も初めて見た時は思わずぶるっちまったよ。」

「この世界に現れたら…どうなるのかしら…。」

「間違いなくやばい事になるだろうな。

…ところで、何かあったのか?」

「えっ?」

「えっ?じゃないだろ。

さっきから表情が暗いぜ。

何か悩み事があるなら、相談に乗るぞ?」

「…。」

少し考え込み、マリアは話し始めた。

 

「…“セレナ”の事が心配なのよ。」

「セレナ…?」

「私の妹よ。」

「へぇー、妹がいたのか!

で、その妹…セレナの事が心配ってどういう事だ?」

「この間、天羽奏のいる並行世界に、貴方達の世界のモンスターが現れたって言っていたでしょう?

もしかしたら、セレナの世界にも現れているんじゃないかと思って…。」

「ん?

“セレナの世界”…って事は、こっちの世界にはいないのか?」

「…ええ。」

「…すまないな。

何があったのかは聞かないぜ。

仲間の辛い思い出を詮索する様な趣味はないからな。

…で、セレナの世界にも同じ様なパターンでモンスターが現れていないか、セレナが無事なのかどうかが心配だと。」

「…ええ。

なんだか、胸騒ぎがして、治まらないのよ…。」

「…なら、確かめに行けば良い話じゃないか?

聞いた話だと、並行世界からこっちの世界に遊びに来る事もあるらしいじゃないか。

だったら、こっちが向こうへ行っても大丈夫だと思うぜ?」

「…実は、今日は並行世界間での定期連絡にセレナが来る日なの。

行き違いになってしまいそうで…。」

「ああ、そうなのか?

なら、ここで待ってるとするか。」

 

…1時間後…

 

「…来ないな。」

「おかしいわね…。

いつもこの時間に定期連絡に来てる筈なんだけど…。」

「…司令室に行って、弦十郎に聞いてみるか?」

「そうね。

司令に聞いてみましょう。」

そうして、2人は司令室に向かった。

 

「まだ来ていない?」

「ああ。

今日はまだセレナ君は来ていないぞ。

いつもならやってくる時間帯なのだが…。」

「これは…本当に向こうで何かあったのかもしれないな。」

「その可能性はあるな。

マリア君。

申し訳ないが並行世界へ向かい、様子を見てきて欲しい。」

「勿論よ。」

「なあ、それなら俺も一緒に行っても良いか?」

「アルニ君?」

「俺も並行世界に行ってみたいんだよ。

ゴロウの時はコッチで留守番してたし、今回はあくまで確認の為だから、一緒に行っても問題ないだろ?」

「うむ………わかった。

では、マリア君と共に行動してくれ。」

「了解だ!

マリア、先にギャラルホルンの前で待ってるな。」

「わかったわ。」

…それから数分後。

アルニとマリアはギャラルホルンの前に立っていた。

マリアは聖遺物『アガートラーム』のギアを纏っている。

 

「マリアのギアは白が基調色なんだな。

スタイルもあいまって、良く似合ってるぜ!」

「褒めるのは、向こうに着いてからにしてもらえるかしら。」

「気分を和らげようとしたんだけどな…。

まあ、確かにそうだな。そんじゃ、行くか!」

「ええ!私に続いてちょうだい。」

そうして、マリアはギャラルホルンの光の中に入って行き、アルニもその後に続いて行った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「うわぁっと!?」

ギャラルホルンのゲートを抜けた瞬間、アルニは尻餅をついてしまう。

 

「だ…大丈夫?」

「これくらいは大丈夫だ。

しっかし、アインス達の言ってた通り、俺達がマリアの世界に来た時に通った穴と同じ穴だったな。

…で、ここは何処だ?」

辺りを見回しながら尋ねるアルニ。

周囲には深い森が広がっており、良く見えない。

 

「F.I.S聖遺物研究所敷地内の森よ。

近くにセレナがいる研究所があるわ。」

「そうか。

じゃあ、そんなに離れた場所ではないんだな。」

「それじゃあ、行きま…っ!?」

その時、突然目を見開いて立ち止まるマリア。

 

「どうした?」

「今…セレナの悲鳴が聞こえた様な…。」

「何!?」

驚きながらも、アルニは耳を澄ましてみる。

 

…ッ!!…

 

確かに何処からか少女の悲鳴の様な声が微かに聞こえてきた。

 

「っ!!

なんか、不味いっぽいな!」

「急ぐわよ!」

「おう!」

そうして、2人は森の中を走り出した。

暫く走っていると、突然視界が開けて目の前に巨大な建物が現れた。

 

「っ!おい、アレ!!」

「アレは…!!」

その建物の前ではー

 

マリアが纏うギアと似た外見のギアを纏った小柄な少女が、橙色と紫色をした、小さな肉食恐竜の様な外見のモンスターの群れと戦っていた。

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